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2019年12月28日更新
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システム開発会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

システム開発会社のM&Aは、買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため慎重に専門家を活用しましょう。

目次
  1. システム開発会社のM&Aとは?
  2. システム開発会社のM&Aの現状と動向
  3. システム開発会社のM&Aの相場と費用
  4. システム開発会社の買収とは?買う・買いたい場合
  5. システム開発会社の売却とは?売る・売りたい場合
  6. システム開発会社のM&Aの成功・失敗事例
  7. まとめ
システム開発のM&A・事業承継
システム開発のM&A・事業承継

システム開発会社のM&Aとは?

M&Aは、後継者不足や事業承継問題といった経営上の問題を解決するために効果的な手法です。

他にも、経営基盤の安定化、優秀な人材の確保など、M&Aには様々なメリットがあります。

システム開発会社も例外ではなく、M&Aによって様々な問題の解決を目指す動きが活発化しています。

システム開発会社のM&Aを考えるにあたり、システム開発会社の業界の特徴を踏まえて整理しておきましょう。

人手不足

システム開発会社は、近年では人手不足が深刻化しています。

IT技術の進歩などにより、IT分野における仕事量自体は増加傾向にあると言えます。仕事量の増加に伴い、人手不足が深刻化し、特に中小のシステム開発会社ではエンジニア不足が大きな問題となっています。

IT業界での人手不足はしばしば話題となりますが、大手のシステム開発会社も例外ではありません。

ただ、大手の場合は就職・転職希望者が多いため、ある程度の人材は確保できると言えます。

問題なのは、やはり中小のシステム開発会社です。

大手と比較すると知名度が低いため、どうしても人材の確保が難しくなります。就職・転職希望者が大手を希望する傾向が強くなれば、さらに人手不足は深刻化してしまいます。

人手不足は、その会社の事業成長を妨げてしまいます。特にIT業界の場合、エンジニアなどの技術者が不足することは、技術面において大きな問題です。

IT技術がめまぐるしく進歩する状況では、常に最新の技術・知識に精通した技術者がいないと、事業は成長しにくくなります。

中小のシステム開発会社は、大手と比べて知名度が低い分、良質なサービスを提供し、強みのある事業展開が求められるでしょう。しかし、事業を成長させるためには技術者などの優秀な人材が必要となります。その人材が不足しているため、事業成長が難しいという状況になります。

このような状況下では、優秀な人材の確保が何より大切ですが、そのためにM&Aの実行を検討するケースは多いと言えます。例えばM&Aによって大手のグループ会社になれば、知名度は一気に上がります。

知名度の向上は就職・転職希望者の増加をもたらし、優秀な人材の確保につなげることができます。

大手のシステム開発会社でも、仕事量の増加などで人手不足が問題となることがあります。また、大手だからといって優秀な人材が常に保証されるわけではないので、人材確保は重点的に検討すべきでしょう。

もしM&Aによってシステム開発会社を買収し、その会社の優秀な人材を確保できれば、買収した側の大手システム開発にとっても大きなメリットがあります。

先ほども述べたように、IT業界は常に最新の技術・知識に精通した人材の確保が求められます。その点は大手、中小を問わず共通しているため、M&Aによるメリットは双方に存在しています。

後継者不足問題や事業承継問題

こちらは、特に中小のシステム開発会社に見られる問題です。

大手企業の場合、一般的には後継者が見つかりやすいでしょう。大手企業の後継者(経営者)を希望する人が多いからです。

一方で、中小企業の場合、後継者がなかなか見つからないという問題が発生します。

大手企業ほどの知名度がなく、後継者(経営者)を希望する人は大手よりは少ないでしょう。中小のシステム開発会社の経営者が、年齢的に引退の時期を迎えていれば、後継者不足はなおさら深刻化します。

後継者不足になれば、結果として事業の継続が難しくなります。後継者不足問題は早急に解決されなくてはなりません。

M&Aによって買収されれば、他の会社に事業を存続してもらうことが可能です。大手企業による買収であれば、特に安心して事業存続を任せることができます。

せっかく良質なサービスを提供できても、後継者不足などで事業が継続できなければ、業界として大きな損失です。M&Aによって後継者不足問題・事業承継問題が解決し、事業が継続できれば、引き続き良質なサービスを提供でき、業界の活性化にもつながります。

良質なサービスを提供するのは大手企業だけではありません。良質な事業展開をする中小のシステム開発会社が後継者不足問題・事業承継問題を抱えているのであれば、業界全体で考えて解決されるべき問題となります。

M&Aによる後継者不足問題・事業承継問題の解決は、その中小のシステム開発会社、ひいては業界全体のメリットになります。

多重構造

大手のシステム開発会社が元請けとなり、下請け・孫請けに発注するという多重構造があります。この構造では、下請けになればなるほど、利益が少なくなります。

中間の会社の立場を考えると、請けた金額よりさらに安い金額で、下請けに発注することになります。そうしないと利益を得ることができないからです。

この構造では、下請けになればなるほど不利になります。この状況を改善するために、M&Aを検討するケースは多いです。

例えば、M&Aによって大規模なシステム開発会社と経営統合できれば、元請けに近い立場に上がることができます。そうすれば、利益改善につながります。

また、最近では、元請けによる外注先の選別がしばしば話題となります。元請けによる外注先の選別が加速すると、下請けとなる中小のシステム開発会社は、取引先の確保が難しくなります。

元請けと継続して取引できれば良いですが、選別によって取引できなくなるおそれもあります。

外注先の選別に対処するためにも、中小のシステム開発会社はM&Aを検討するケースが見られます。大手企業によって買収されれば、大手の傘下として事業を継続することができます。

単価の低下

システム開発業界では、オフショア開発などによって単価が低下する傾向が見られます。

オフショア開発とは、システム開発などを海外企業や海外現地法人に委託することを意味します。コスト面でメリットがありますが、単価下落の原因にもなります。

単価下落の状況下では、それぞれのシステム開発会社で安定した利益を確保できる案件を優先するでしょう。案件の傾向が変わりやすく、それぞれの会社の事業展開に大きな影響を及ぼします。場合によっては、事業戦略を大きく変換しなくてはならないケースも考えられます。

このような状況で、事業展開・拡大のためにM&Aを検討するケースもあります。事業戦略を変換し、事業展開・拡大を行うためにも、他の会社との経営統合や買収は大きな経済効果を期待できます。

システム開発会社のM&Aの現状と動向

上で述べたように、システム開発会社の業界は厳しい状況と言えます。一方で、これらの問題はM&Aによって解決することもでき、M&Aのニーズは高まっています。

システム開発会社のM&Aは、人手不足の解消、後継者不足問題や事業承継問題の解決、多重構造への対処などを目的としたM&Aが多い傾向があります。

特に、IT業界は全体的に人手不足が深刻化しています。システム開発会社でも、優秀な人材の確保は事業成長のために必須です。

人材不足に対処するためのM&Aの動向としては、やはり中小のシステム開発会社の事例が多いでしょう。

大手のシステム開発会社は知名度が高く、人材を集めやすいですが、中小のシステム開発会社は人材確保に苦しむケースが多いです。

M&Aによって大手企業の傘下に入るなど、知名度を上げるためのM&Aは今後も加速すると思われます。

一方で、大手のシステム開発会社も人材の確保は優先事項となります。IT技術は日々進歩しており、IT業界の人材不足はますます加速するでしょう。大手だからといって、安心はできない状況と言えます。

大手でも、事業成長のためには常に優秀な人材の確保を考えなくてはなりません。

そのため、大手のシステム開発会社がM&Aによって他のシステム開発会社を買収し、優秀な人材を確保して事業成長を目指すといったケースも、今後は増加すると思われます。

後継者不足問題や事業承継問題の解決については、やはり中小のシステム開発会社の事例が中心です。M&Aによって後継者に引き継いでもらえば、事業を継続することができます。

大手企業による買収であれば、安心して事業を任せることができます。また、資金面でも安心できるので、安定した資金調達の面でもメリットがあります。

多重構造への対処としてのM&Aも、中小のシステム開発会社の事例が多いです。利益改善のためには、なるべく元請けに近い立場に上がる必要があります。大規模なシステム開発会社と経営統合するなど、利益改善のための手法としてM&Aは効果的です。

業界の多重構造はあまり変化がないため、今後も続くと予想されます。その対処法としてのM&Aも、しばらくは一定数存在すると思われます。

システム開発会社のM&Aの相場と費用

システム開発会社の業界が厳しい状況にある中、その解決としてM&Aの事例が増加しています。

様々な問題解決のためにM&Aが行われるので、システム開発会社のM&Aは、目的の種類が多いと言えます。

人手不足の解消、後継者不足問題や事業承継問題の解決、多重構造への対処など、様々な目的があります。そして、何を目的とするかでM&Aの規模は大きく変化します。

そのため、相場や費用は、事例ごとに検討することが何より大切です。

今後のM&Aの加速により、それぞれの目的ごとに相場がはっきりしてくる可能性はあります。一方で、現時点では、システム開発会社のM&Aの相場や費用を一概に決めることは難しいと言えます。

人材不足の解消などはIT業界全体に共通するため、IT業界全体でM&Aの需要は高まっています。そのため、IT業界全体のM&Aの相場は、他の業界と比較するとかなり高いです。

特に人材確保の面では、お金をかけてでも優秀な人材を確保して事業を成長させたいと考える企業は多いです。

このような傾向を踏まえると、システム開発会社のM&Aの相場も高い傾向があります。ただし、先ほど述べたように、システム開発会社のM&Aは目的が幅広いため、事例ごとに細かく考える必要もあります。

似た事例を徹底的に調べ、相場や費用を把握することが大切です。

システム開発会社の買収とは?買う・買いたい場合

システム開発会社を買収する側のメリットを考えてみましょう。

大手のシステム開発会社が他のシステム開発会社を買収する例を考えると、優秀な人材の確保、事業領域の拡大といったメリットがあります。IT技術が目まぐるしく変化している以上、大手でも安心はできない状況です。

変化しやすい最新の動向に対応するため、優秀な人材の確保や事業領域の拡大は、優先順位が高くなります。そのためにも、M&Aによる買収は大きなメリットがあります。

システム開発会社の売却とは?売る・売りたい場合

システム開発会社の売却は、やはり中小のシステム開発会社が多いです。売却によって人手不足の解消、後継者不足問題や事業承継問題の解決、多重構造への対処など、様々なメリットが生まれます。

他にも、経営基盤の強化、従業員の雇用維持、創業者利益の獲得、個人保証や担保の解消といったメリットがあります。いずれも、中小企業にとって大きなメリットとなり、M&Aによって大きな経済効果を得ることが可能です。

特に、大手企業に売却できれば、それだけ経済効果も増加しやすくなります

システム開発会社のM&Aの成功・失敗事例

2018年には、関西電力の子会社となる関電システムソリューションズによる、システム開発会社のパシフィックビジネスコンサルティング(PBC)の買収や、船井総研ホールディングスによる、システム開発会社の新和コンピューターサービスの買収が行われました。

いずれもシステム開発会社の買収事例となります。

パシフィックビジネスコンサルティングはMicrosoft Dynamics製品の導入を通じたソリューションを提供しています。また、新和コンピューターサービスはエンドユーザーとの直接取引によって培われた技術力・開発力に特徴があります。

また、同じく2018年には、NECの英国の子会社となるノースゲート・パブリック・サービシズが、英国のシステム開発会社のi2Nを買収したという事例もあります。i2Nは英国政府向けのサービスに特徴があります。

このように、システム開発会社のM&Aは、システム開発会社を買収するという事例が見られます。中には関西電力やNECが関連している事例もあり、比較的大型の買収事例となります。

これらの事例は現段階で成功事例として挙げられます。最近M&Aの増加が見られることもあり、現段階では目立った失敗事例は少ないと言えます。

一方で、先ほども見たように、システム開発会社のM&Aは目的の種類が多く、今後は様々な活用事例が発生すると言えます。今後増加する事例を検討し、目的に沿って成功しているかどうか、分析することが大切です。

特に、検討しているM&Aと似た事例があれば、重点的に分析する必要があります。

まとめ

システム開発会社のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため専門家を活用しましょう。

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