2020年2月10日更新業種別M&A

システム開発会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

システム開発会社のM&Aでは、買い手か売り手かによってM&Aを選択する目的が異なります。そのため、M&Aを実施する際は、メリット・デメリットをしっかり判断したうえで判断する必要があるでしょう。重要な意思決定であるM&Aには注意点も多いため、専門家を活用することをおすすめします。

目次
  1. システム開発会社が抱える問題とは?
  2. システム開発会社のM&Aの現状と動向
  3. システム開発会社のM&Aの相場と費用
  4. システム開発会社を買う・買いたい場合のメリット
  5. システム開発会社を売る・売りたい場合のメリット
  6. システム開発会社のM&Aの成功・失敗事例
  7. まとめ
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システム開発のM&A・事業承継

システム開発会社が抱える問題とは?

M&Aは後継者不足や事業承継問題といった経営上の問題を解決するために効果的な手法の一つです。また、M&Aには経営基盤の安定化、優秀な人材の確保などのさまざまなメリットもあるため、近年M&Aを経営戦略の手法として実施する企業が増加しています。

もちろんシステム開発会社でもM&Aは増加傾向にあり、さまざまな問題の解決を目指す動きが活発化しています。しかし、システム開発会社のM&Aを考える場合は、システム開発会社の業界の特徴をふまえたうえで検討する必要があります。

ここでは、システム開発会社のM&Aについて、詳しくご紹介していきます。はじめに、システム開発会社が抱えている以下の問題について見ていきましょう。

  1. 人手不足
  2. 後継者不足問題や事業承継問題
  3. 多重構造
  4. 単価の低下

①人手不足

近年、多くのシステム開発会社で人手不足が深刻化しています。IT技術の進歩などにより、IT分野における仕事量自体は増加傾向にありますが、仕事量の増加に伴った人手が確保できていないために、人手不足が深刻化しているのです。

特に中小のシステム開発会社ではエンジニア不足が大きな問題となっています。大手のシステム開発会社も人手不足の問題を抱えていますが、大手の企業では就職・転職希望者が多いため、ある程度の人材は確保できています。

しかし、中小のシステム開発会社の場合は、大手と比較すると知名度が低いため、どうしても人材の確保が難しくなってしまいます。今後も就職・転職希望者が大手を希望する傾向が強くなれば、さらに人手不足は深刻化するでしょう。

また、人手不足はその会社の事業成長を妨げる要因です。特にIT業界の場合には、エンジニアなどの技術者が不足することは、技術面においても大きな障害となります。IT技術が進歩する一方で、最新の技術・知識に精通した技術者の重要性が増しているため、技術者がいなければ事業が成長しにくいのです。

中小のシステム開発会社は、大手と比べて知名度が低い分、良質なサービスを提供し、強みのある事業展開が求められます。しかし、事業を成長させるためには技術者などの優秀な人材が必要となるため、事業成長が難しいという状況に陥りやすいのです。

したがって、近年では、優秀な人材を確保する目的でM&Aの実行を検討するケースが増えてきました。M&Aによって大手のグループ会社になれば、知名度が一気に上がります。知名度の向上は就職・転職希望者の増加をもたらし、優秀な人材の確保にもつなげることができます。

大手のシステム開発会社であっても、仕事量の増加などで人手不足が問題になることがあります。また、大手だからといって優秀な人材が常に保証されるわけではないため、人材確保は重点的に検討しなければなりません。

M&Aによってシステム開発会社を買収し、優秀な人材を確保できれば、買収した側の大手システム開発会社にとっても大きなメリットがあります。IT業界は常に最新の技術・知識に精通した人材の確保が求められているため、大手、中小を問わずM&Aによるメリットは大きいといえるでしょう。

②後継者不足問題や事業承継問題

後継者不足問題や事業承継問題は、とりわけ中小のシステム開発会社に見られる問題です。大手企業の場合は、後継者を希望する人が多いため、一般的には後継者が見つかりやすいといわれています。一方で、中小企業の場合には後継者が見つからないという問題が発生しています。

中小企業は大手企業ほどの知名度がなく、後継者を希望する人が大手と比較すると少ない傾向です。そのため、中小のシステム開発会社の経営者が年齢的に引退の時期を迎え、後継者が不在である場合には事業の継続が難しくなります。

しかし、そのような場合には、M&Aによって買収されることでほかの会社に事業を存続してもらうことが可能です。特に大手企業による買収であれば、安心して事業存続を任せることができます。

M&Aによって後継者不足問題・事業承継問題が解決し、事業が継続できれば、これまでの良質なサービスを提供できるうえ、業界の活性化にもつながります。

良質なサービスを提供しているのは大手企業だけではありません。良質な事業展開をする中小のシステム開発会社が後継者不足問題・事業承継問題を抱えているのであれば、業界全体のことを考えて解決する必要があります。

③多重構造

システム開発会社の構造として、大手のシステム開発会社が元請けとなり、下請け・孫請けに発注するという多重構造があります。当然ながら、多重構造では元請けから請け負った金額よりもさらに安い金額で下請けに発注します。下請けになればなるほど利益が少なくなるのです。

したがって、多重構造の状況を改善するために、M&Aを検討するケースが増えています。たとえば、M&Aによって大規模なシステム開発会社と経営統合できれば、元請けに近い立場に上がることができ、利益改善につながります。

また最近では、元請けによる外注先の選別がしばしば話題となります。元請けによる外注先の選別が加速すると、下請けとなる中小のシステム開発会社は取引先の確保が難しくなります。元請けと継続して取引できれば問題ありませんが、選別によって取引ができなくなる可能性も否定できません。

中小のシステム開発会社では、こういった外注先の選別に対処するためにM&Aを検討するケースもあります。大手企業によって買収されれば、大手の傘下として事業を継続できるからです。

➃単価の低下

システム開発業界では、オフショア開発などによって単価が低下する傾向が見られます。オフショア開発とは、システム開発などを海外企業や海外現地法人に委託することをさします。オフショア開発を実施すればコスト面でのメリットが得られる一方で、単価下落の原因にもなるのです。

単価下落の状況下では、それぞれのシステム開発会社で安定した利益を確保できる案件を優先するでしょう。案件の傾向が変わりやすく、それぞれの会社の事業展開に大きな影響を及ぼします。

場合によっては、事業戦略を大きく変換しなくてはならないため、事業展開・拡大のためにM&Aを検討するケースもあります。事業戦略を変換し、事業展開・拡大を行うためにも、ほかの会社との経営統合や買収は大きな経済効果を期待できます。

このように、さまざまな問題を解決するうえで、M&Aは非常に有効な方法の一つです。しかし、納得のいくM&Aを実施するためには、理想的な相手を見つける必要があります。理想的な相手を経営者の独力で見つけることは大変難しく、膨大な時間と手間がかかるのです。

たとえば、M&A総合研究所には日本全国から多種多様な業界のM&A案件が集まっています。年間M&A相談実績3,600件、M&A成約率70%と高い実績もあり、理想的な売り手を見つけられます。さらに、豊富なM&A案件の中からAIがマッチングする独自のシステムを持っています。

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システム開発会社のM&Aの現状と動向

システム開発業界はさまざまな問題を抱えています。しかし、これらの問題はM&Aによって解決することができるため、システム開発業界ではM&Aのニーズが非常に高まっています。

①人材不足解消のためのM&A

人材不足に対処するためのM&Aの動向としては、やはり中小のシステム開発会社の事例が多いでしょう。

大手のシステム開発会社は知名度が高く人材を集めやすいですが、中小のシステム開発会社は人材確保に苦しむケースが多いです。M&Aによって大手企業の傘下に入るなど、知名度を上げるためのM&Aは今後も加速すると考えられます。

一方、大手のシステム開発会社も人材の確保は優先事項となります。IT技術は日々進歩しており、IT業界の人材不足は今後も加速するでしょう。大手だからといって、安心はできない状況です。企業の知名度に関わらず、事業成長のためには常に優秀な人材の確保を考えなくてはなりません。

そのため、大手のシステム開発会社がM&Aによってほかのシステム開発会社を買収し、優秀な人材を確保して事業成長を目指すといったケースも今後は増加するといえます。

②後継者不足問題や事業承継問題を解消するためのM&A

後継者不足問題や事業承継問題の解決については、やはり中小のシステム開発会社の事例が中心です。M&Aによって後継者が見つかれば事業を継続可能です。

また、大手企業による買収が決まれば、安心して事業を任せることができます。資金面でも安心できるため、安定した資金調達の面でもメリットがあります。

③多重構造への対処としてのM&A

多重構造への対処としてのM&Aも、中小のシステム開発会社の事例が多いです。利益改善のためには、なるべく元請けに近い立場に上がる必要があります。大規模なシステム開発会社と経営統合するなど、利益改善のための手法としてM&Aは効果的です。

M&Aに関することで悩んだら、まずは一度M&A総合研究所にご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aをサポートいたします。

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システム開発会社のM&Aの相場と費用

システム開発業界が厳しい状況にある中、その解決策としてM&Aの事例が増加しています。システム開発業界では、さまざまな問題解決のためにM&Aが行われるため、M&Aを実施する目的が多種多様であるという特徴があります。

何を目的とするかでM&Aの規模が変化するため、相場や費用は事例ごとに検討することが重要となってきます。しかし、現時点では、システム開発会社のM&Aの相場や費用を一概に決めることは難しく、今後のM&Aの増加により、それぞれの目的ごとに相場が変化する可能性があります。

人材不足の解消などはIT業界全体に共通するため、IT業界全体のM&Aの相場は、ほかの業界と比較すると非常に高くなっています。特に人材確保の面では、お金をかけてでも優秀な人材を確保して事業を成長させたいと考える企業が多くなっています。

このような傾向をふまえると、システム開発会社のM&Aの相場も高い傾向があります。ただし、システム開発会社のM&Aは目的が幅広いため、事例ごとに細かく考える必要があります。似た事例を徹底的に調べ、相場や費用を把握することが大切です。

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IT業界のM&Aの現状は?IT業界の動向や実際にあったM&A事例を紹介!

システム開発会社を買う・買いたい場合のメリット

システム開発のM&A・事業承継
システム開発のM&A・事業承継

システム開発会社を買収する側のメリットを考えてみましょう。

大手のシステム開発会社がほかのシステム開発会社を買収する例を考えると、優秀な人材の確保、事業領域の拡大などのメリットがあります。IT技術が目まぐるしく変化している以上、大手でも安心はできない状況です。

変化しやすい最新の動向に対応するためには、優秀な人材の確保や事業領域の拡大は、優先順位が高くなります。そのためにも、M&Aによる買収は大きなメリットがあるといえます。

システム開発会社を売る・売りたい場合のメリット

システム開発会社の売却は中小のシステム開発会社が多いです。売却によって人手不足の解消、後継者不足問題や事業承継問題の解決、多重構造への対処など、さまざまなメリットが得られます。

加えて、経営基盤の強化、従業員の雇用維持、創業者利益の獲得、個人保証や担保の解消といったメリットも得られます。

いずれのメリットも中小企業にとっては大きな利点であるため、M&Aによって大きな経済効果を得ることが可能です。とりわけ、大手企業に売却できれば、それだけ経済効果も増加しやすくなります。

システム開発会社のM&Aの成功・失敗事例

ここでは、システム開発会社のM&Aの成功・失敗事例をご紹介します。

システム開発会社のM&Aの成功事例

2018年には、関西電力の子会社となる関電システムソリューションズによるシステム開発会社のパシフィックビジネスコンサルティング(PBC)の買収や、船井総研ホールディングスによるシステム開発会社の新和コンピューターサービスの買収が行われました。

いずれもシステム開発会社の買収事例で、パシフィックビジネスコンサルティングはMicrosoft Dynamics製品の導入を通じたソリューションを提供しています。また、新和コンピューターサービスはエンドユーザーとの直接取引によって培われた技術力・開発力に特徴があります。

また、同じく2018年には、NECの英国の子会社となるノースゲート・パブリック・サービシズが、英国のシステム開発会社のi2Nを買収したという事例もあります。i2Nは英国政府向けのサービスに特徴があります。

このように、システム開発会社のM&Aはシステム開発会社を買収するという事例が多い傾向です。中には関西電力やNECが関連している事例もあり、比較的大型の買収事例となります。

システム開発会社のM&Aの失敗事例

現段階では、上記の事例がシステム開発会社のM&Aの成功事例として挙げられます。近年M&Aはシステム開発業界においても増加傾向にありますが、現段階で目立った失敗事例はほとんどありません

一方、先述したように、システム開発会社のM&Aは目的の種類が多く、今後はさまざまな活用事例が発生する可能性が高いです。今後増加する事例を検討し、目的に沿って成功しているかどうかを分析することが重要になってきます。

とりわけ検討しているM&Aと似た事例があれば、重点的に分析する必要があるでしょう。

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システム開発会社の事業譲渡・事業売却の流れやチェック項目を解説!

まとめ

今回は、システム開発会社のM&Aに関して、動向や相場、成功事例などについて解説しました。買い手側であるか、売り手側であるかによってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断したうえでM&Aを選択する必要があります。

M&Aは経営を左右する重要な決定事項であるため、専門家を活用しながらしっかりと検討する必要があります。

要点をまとめると下記の通りです。

・システム開発会社が抱える問題とは?
→人手不足、後継者不足問題や事業承継問題、多重構造、単価の低下

・システム開発会社のM&Aの相場と費用
→似た事例を徹底的に調べ、相場や費用を把握することが重要

・システム開発会社を買う・買いたい場合のメリット
→優秀な人材の確保、事業領域の拡大

・システム開発会社を売る・売りたい場合のメリット
→M&Aによって大きな経済効果を得ることができる

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