2024年10月24日更新業種別M&A

ネイルサロンの事業承継・M&Aの動向!事例や案件例・相談先も紹介

ネイルサロンは参入障壁が低く、個人でも開店できます。しかし競争の激化や人材不足が見られ、また事業承継・M&Aがさほど進んでいない業界です。本記事では、ネイルサロンの事業承継・M&Aのポイントを、動向や事例・相談先の紹介と共に説明します。

目次
  1. ネイルサロン業界の市場動向
  2. ネイルサロン業界が直面している問題
  3. ネイルサロン業界の今後の動向予測
  4. ネイルサロン業界の事業承継・M&A案件例
  5. ネイルサロンの事業承継・M&Aのメリット
  6. ネイルサロンの事業承継・M&Aの相場価格
  7. ネイルサロンの事業承継・M&Aで評価を高めるポイント
  8. ネイルサロンの事業承継・M&Aはタイミングが大切
  9. ネイルサロンの事業承継・M&Aのコツ
  10. ネイルサロンの事業承継・M&Aにおける手続き
  11. ネイルサロンの事業承継・M&A時におすすめの相談先
  12. ネイルサロンの事業承継・M&Aまとめ
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ネイルサロンのM&A・事業承継

ネイルサロン業界の市場動向

ネイルサロンの利用率は、女性が前年より増加し、男性は3年連続で上昇しています。男女ともに最も多く利用しているのは20代で、女性は19.0%(前年比1.7ポイント増)、男性は9.3%(前年比1.6ポイント増)です。

1回あたりの平均利用額は、女性が5,837円で前年とほぼ変わらず、男性は3,858円と前年から358円増加しています。女性では特に40代と50代の利用金額が前年より大きく増加し、男性は20代と30代で大幅に上昇しています。

参考:リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス 2024 年上期≪ネイルサロン編≫「15~69 歳男女の美容サロンに関する意識・利用実態」報告書」

ネイルサロン業界が直面している問題

ネイルサロン業界は開業にかかるコストが非常に低く、わずかな資金と技術があれば個人でネイルサロンを開業するケースが多く見られるようになってきました。また、美容院などの周辺業種がネイルアートサービスを提供するケースも増えており、新規参入が相次いでいます。

しかし、ネイルサロンは5年以内の廃業率が90%を越えるとも言われ、個々の店舗にとっては非常に先行きの見えない現状です。ここでは、そうしたネイルサロン業界の直面している主な問題を見ていきます。

  1. 優秀なネイリストを雇用できない
  2. 競争が激しくなり経営が難しくなった
  3. 別の事業に注力したいと考えている

①優秀なネイリストを雇用できない

ネイルサロン業界では、現在、人手不足です。ネイルアート人気が高まるにつれてネイルサロンの店舗数も増加し、ネイリストを目指し技術を磨く人も増えています。

また、幅広い年代でネイルアートを行うようになり、結婚式でブライダルネイルをしてもらうことも珍しくなくなりました。そのため、ネイリスト需要が高まっています。

日常的なおしゃれから特別なイベントなど、ネイルアートが使われるシーンが増え、ネイルサロンは特別な場所ではなくなりました。そして、日常的に利用する人が増えたことからネイルサロンを見る目が養われ、より実力のあるネイリストが求められるようになったのです。

そうしたことから、優秀なネイリスト獲得を多くのネイルサロンが目指し、全体として人材不足状況になっていると考えられます。

②競争が激しくなり経営が難しくなった

ネイルサロンは小資本で開業でき、小さな店舗や自宅で個人が開業したネイルサロンが増えています。開業に必要な国家資格もなく、周辺業種によるサービス提供もよく見かけるようになっているのが現状です。

そうした参入障壁の低さから、美容室や他の美容サロンがネイルサロンを併設することも増え、専門ネイルサロンとの競合が激化しています。また、競合ネイルサロンの多さは価格競争に引きずられやすいことも考えられ、経営は難しくなってきているのが現状です。

③別の事業に注力したいと考えている

ネイルサロンは、参入障壁の低さから新規参入が続出し、競争が非常に激しくなった現状を受けて、別の事業展開に注力したいネイルサロン経営者も増えています。

撤退する店舗数を上回るペースで新規ネイルサロンが開設されていく結果、売上が好調であっても、それがいつ減少してしまうかが不透明だからです。そのため、別の事業を開設したり、収益性の高い事業に投資したりしたいと考えるネイルサロン経営者も少なくありません。

【関連】ネイルサロンのM&Aの最新動向は?案件例や売却の相場から積極買収企業まで紹介!

ネイルサロン業界の今後の動向予測

ネイルサロン業界の現状を受けて、これまであまり活発でなかった事業譲渡などのM&Aを考える経営者も増えていくことが考えられます。今後のネイルサロン業界の主な動向予測は、以下のとおりです。

  1. 個人経営店なども増え、競争は激化していくと予測される
  2. セルフネイルや関連業種のネイルサービスによる専門店への影響
  3. ネイルサロン業界の事業承継・M&A動向

①個人経営店なども増え、競争は激化していくと予測される

ネイルサロン業界は、大手企業はわずか数社だけで、店舗数が1店から数店舗程度の零細企業が多い断片的な市場構造になっています。加えて、自宅で小資本と技術を元手に開業できることから、近年では個人経営店が増加中です。

フリーのネイリストから独学で学んだ人のネイルサロン営業のほか、そうしたネイルサロン開業のノウハウをネットで公開する人もおり、今後もネイルサロンを開業する個人は増えることが見込まれます。

その結果、これまで店舗を構えて営業していたネイルサロン事業者にとっては、一層の競争激化が訪れるでしょう。

②セルフネイルや関連業種のネイルサービスによる専門店への影響

ネイルアートが必要な場面が増加・多様化し、また幅広い年代が行うようになったにも関わらず、ネイルサロンの売上にそのまま繋がらない現状もあります。

ネイルサロンに通わず、自分でセルフネイルを行う人も急増し、リクルート・ビューティー総研の2013(平成25)年の調査によると、ネイルサロン利用者は女性全体での13.0%と少なめです。

それに対してセルフネイルを行った人の割合は31.5%と、自宅派が圧倒的に多くなっています。また、ネイルサロンを併設したり、ネイルサービスを提供したりする美容サロン・美容室も増えてきていることが、ネイルサロン専門店の経営に影響を及ぼすでしょう。

③ネイルサロン業界の事業承継・M&A動向

ネイルサロン業界全体では、これまで事業譲渡などのM&Aは、あまり活発に行われてきたとは言えない状況です。ネイルサロン業界全体では、保有する店舗数が1店舗から数店舗の零細企業や自宅経営の個人事業が多くなっています。

比較的新しい業種であることや、個人レベルでの参入と撤退の多さが背景として考えられることから、M&Aが浸透していないのでしょう。しかし、周辺業種の参入が続くことによって競争が激化し、今後、M&Aが活発になることが予測されます。

【関連】美容院・美容室の事業譲渡・株式譲渡・M&Aの動向は?メリットや注意点を紹介!

ネイルサロン業界の事業承継・M&A案件例

ネイルサロンのM&A・事業承継
ネイルサロンのM&A・事業承継

弊社M&A総合研究所が取り扱っているネイルサロン業界の事業承継・M&A案件例として、「首都圏の美容サロン事業」をご紹介します。

首都圏の好立地にてFC店含む計10店舗を展開する美容サロンを手掛ける企業です。各種サロンの運営に加えて高利益率の美容用品販売も行うなど多角的に事業を展開しています。

エリア 関東・甲信越
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 創業者利益の獲得

【首都圏/好立地×10店舗展開】美容サロン事業(飲食店・美容) | M&A総合研究所

ネイルサロンの事業承継・M&Aのメリット

ネイルサロンの事業承継・M&Aを実施する際、得られるメリットについて、売却側・買収側、それぞれの観点で見てみましょう。

売却側のメリット

ネイルサロンの事業譲渡・株式譲渡・M&Aの際に、売却側が得られるメリットは、主に以下のようなものがあります。

  • 有力グループの傘下に入った場合、財務面が安定しブランド力も得られることから経営が安定・向上する。
  • 後継者不在の場合、M&Aによって事業承継が実現できる。
  • 後継者不在による廃業を回避できるため、従業員の雇用も維持される。
  • 売却益の獲得によって、新規事業の立ち上げや引退後の生活資金が豊富になる。
  • 株式譲渡であれば負債は買収側が引継ぐため、融資を受ける際に行った個人保証や担保の差し入れは解消される。

買収側のメリット

一方、ネイルサロンの事業譲渡・株式譲渡・M&Aの際に、買収側が得られるであろうメリットは以下のとおりです。

  • 人材(ネイリスト)を獲得できるので競争力が向上する。
  • ネイルサロンは各店が独自ノウハウを持っており、自社とは違ったノウハウが獲得できる。
  • 新たな顧客をまとめて獲得できる。
  • グループ店舗の増加によってブランド力の向上、広告宣伝効果アップ、サービスの質・量の向上が見込める。
  • すでに営業している店舗を獲得できるので、新規開業コストを節約できる。

【関連】マツエクサロンのM&A・買収・売却動向!メリットや注意点、相場を解説

ネイルサロンの事業承継・M&Aの相場価格

ネイルサロンの事業承継・M&Aでの相場価格は、ネイルサロン1店舗の個人事業で考えた場合、100~1200万円程度とされています。他の美容サービスと並行して店舗を運営しているようなケースでは、1店舗当たり300万円以上が目安です。

複数店舗のネイルサロンを経営している会社の場合は、企業価値評価を行ったうえで総合的に金額が決まってくるので画一的な相場価格はありません。また、最終的なM&Aの取引価格は、売り手・買い手の交渉によって決まるものなので、個々の状況により金額が変わります。

【関連】美容エステサロンの売却の相場は?高値で売る方法も解説【案件事例あり】

ネイルサロンの事業承継・M&Aで評価を高めるポイント

ネイルサロン業界は、市場拡大にも関わらず個々の店舗では売上の増加に繋がらなかったり、店舗の入れ替わりがますます激化したりするという現状を迎えています。そうした中、・事業承継M&Aで営業上の課題を解決しようと考える経営者が増えてきているのです。

ここでは、事業承継・M&Aを行う際に、ネイルサロンの評価を高めるポイントを解説します。

  1. 優秀なネイリストを多く雇用していること
  2. 立地条件の良い所で経営していること
  3. 顧客のニーズに即したお店であること

①優秀なネイリストを多く雇用していること

ネイルサロン営業において、経営を安定させるのに必要なのは固定客の存在です。固定客は、高い技術と心地よい接客を求めネイルサロンにて訪れます。そうしたネイルサービスを行えるネイリストが多く在籍することは、ネイルサロンの経営においても重要です。

人手不足が言われる中、特にこうした人材を求めるネイルサロンはさらに多くなるでしょう。優秀なネイリストを多く雇用していることは、事業譲渡の際も高い評価を受けることにつながります。

②立地条件の良い所で経営していること

ネイルサロンの立地は非常に重要であり、地域や周辺環境に応じた適切な立地性が求められます。たとえば、都心部においては周辺業種も合わせた店舗の絶対数の多さから、ネイルサロンに特化した専門店が求められがちです。

反面、地方では美容室を併設したネイルサロンが求められるなど、それぞれの地域に合わせた展開が重要となります。東京や大阪などの都市部ならば、仕事帰りでも寄れるような駅近くの立地が良い条件ですし、地方ならば必ずしも駅近でなくても良い場合が多いです。

住宅地の中でも良いですし、また、駐車場の有無も明暗を分けます。適切な地域需要を満たす立地であることも、事業譲渡での評価につながるでしょう。

③顧客のニーズに即したお店であること

ネイルサロンが利用されるシーンは、どんどん多様化しています。日常的なオシャレに加えて各種イベント、ブライダルなど、美容という分野で爪への施術が欠かせないほどに普及してきました。

そうした多様化に対応できるような、顧客それぞれのニーズを満たせるネイルサロンが求められてきています。世代ごとに異なるライフスタイルや好みなどを細やかにキャッチできるネイルサロンであることは、事業譲渡の際も大切な評価基準です。

【関連】エステサロン業界のM&A・事業承継の最新動向!案件例・事例も紹介

ネイルサロンの事業承継・M&Aはタイミングが大切

ネイルサロンの事業承継・M&Aを行う際は、タイミングが非常に重要になってきます。多くの事業承継・M&Aでは、必要な書類をそろえたり、会計士や弁護士に依頼をしたりなど、多くの手間や時間がかかるものです。

そのため、すぐに事業承継・M&Aを行うわけにはいかず、事前の準備を整えて慎重にタイミングを図る必要があるでしょう。

【関連】ヘアサロンの事業売却(M&A)とは?メリット・デメリットや売却事例をご紹介

ネイルサロンの事業承継・M&Aのコツ

ここでは、ネイルサロンの事業譲渡と株式譲渡、それぞれにおけるポイントを解説します。

ネイルサロンの事業譲渡のポイント

ネイルサロンのM&Aで事業譲渡を選択した場合、どのようなメリットやデメリットがあるのか、またどのような事例があるのかに加え、事業譲渡を選択するのに適切なネイルサロンの特徴について見ていきます。

①ネイルサロンを事業譲渡する際の注目点

ネイルサロン業界は小規模店舗が多く、競争が激化している現状では、一度、経営難に陥るとそのまま廃業してしまうケースが多くなっています。しかし、事業譲渡であれば、売り手側はネイリストの雇用が譲渡先で保たれ、売却により資金を手にすることが可能です。

買い手側は、求める立地の店舗や優秀なネイリストを獲得でき、ノウハウも得られるため、今後の事業展開が有利に運ぶでしょう。事業譲渡では、交渉が成功すれば以下のようなメリットが得られます。

売り手側

  • スタッフの雇用が保てる
  • 売却で資金が得られる
  • 後継者問題が解決できる

買い手側
  • 求める立地の店舗が獲得できる
  • ネイリストを雇用できる
  • 設備やノウハウが得られる

②ネイルサロンの事業譲渡事例

2019年11月29日、鉄人化計画の100%子会社であるTBH(東京都目黒区)は、Nexia(愛知県名古屋)から「Rich to」のまつ毛エクステ・ネイルサロン全10店舗を譲受することを決定しました。

鉄人化計画は「カラオケの鉄人」などを展開し、TBHはネイル・メイクアップサロンを運営しています。「Rich to」は愛知県と岐阜県で店舗を運営し、落ち着いた店舗デザインと顧客に合わせたサービスを提供しています。

この事業譲受により、鉄人化計画は、顧客層や事業特性の親和性を活かしてシナジー効果を生み出し、事業エリアの拡大と成長を目指します。また、グループ全体でITとリアル店舗を掛け合わせた「Shop×Tech」分野でのビジネス開発を進め、ライフスタイル領域全般での成長を図ります。

「カラオケの鉄人」を運営する鉄人化計画が 2019 年 12 月 1 日付で まつ毛エクステ・ネイルサロン「Rich to」10 店舗を事業譲受

③事業譲渡に適したネイルサロンとは

売り手側・買い手側それぞれの事業譲渡のメリットを受け、以下のようなネイルサロンは事業譲渡が適切と考えられます。

  • 経営難を抱えている
  • 後継者問題がある
  • 立地条件が悪く、良質な店舗を獲得したい
  • 別地域にネイルサロンを展開したいが、新規開設のコストを抑えたい

ネイルサロンの株式譲渡のポイント

ネイルサロンのM&Aで株式譲渡を選択した場合、事業譲渡と比較してどのようなメリットやデメリットがあるのか、またどのような事例があるのかに加え、株式譲渡を選択するのに適切なネイルサロンの特徴について見ていきます。

①ネイルサロンを株式譲渡する際の注目点

ネイルサロンの株式譲渡では、以下のようなメリットがあります。

  • 事務手続きが少ない
  • 税負担を抑えられる
  • 負債や個人保証を解消できる

事業譲渡では、基本的に契約を引き継げないため、テナントを借りている場合の賃貸契約や店舗の設備などを、譲渡後、新たに契約し直す手続きが必要となり、事務手続きが煩雑になってしまいます。

しかし、株式譲渡は、経営権を取得して包括承継できるため、事業譲渡のような煩雑な手続きは発生しません。負債も買い手が引継ぐことになるので、売り手は個人保証から解放されます。

また、事業譲渡で資産が譲渡された場合、その資産が消費税対象資産であれば、買い手はそれを負担しなければならないのです。その点、株式譲渡は経営権が移動するだけなので、消費税の課税はありません。

②ネイルサロンの株式譲渡事例

2021(令和3)年12月、鉄人化計画は、ネイルサロンなどを運営する6社それぞれの全株式を取得して完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。鉄人化計画は、カラオケ事業、メディア事業、アライアンス事業、レストラン事業、美容事業を行っています。

完全子会社化されたのは、UIM、NIM、JEWEL、Bianca VENUS、Bianca STELLA、Bianca EASTの6社で株主は同一人物です。この6社は、首都圏エリアでまつ毛エクステ・ネイルサロン・ヘッドスパなど32店舗の運営とネイルスクール事業を行っています。

鉄人化計画が行っている美容事業は、中京エリアでのまつ毛エクステ・ネイルサロン11店舗の運営です。6社を傘下に加えたことで、グループの美容事業として、一挙に首都圏への進出が実現しました。

③株式譲渡に適したネイルサロンとは

株式譲渡のメリットを踏まえると、以下のようなネイルサロンの場合は株式譲渡が適切と思われます。

  • 引継ぎの事務処理にかかる手間や労力がない
  • 契約を正確に引継げる自信がない
  • 個人保証や負債を解消したい

【関連】美容エステサロンの事業譲渡/売却と株式譲渡はどちらが節税できる?

ネイルサロンの事業承継・M&Aにおける手続き

事業承継・M&Aによる事業譲渡を行うにあたっては、契約や認可をそのまま引継げないため、契約を締結し直す必要があります。ネイルサロンの事業譲渡の際、特に重要であり事業譲渡前後で気をつけたいのが以下の2点です。

  • 従業員の雇用契約
  • 不動産契約

ネイルサロンの事業譲渡先の会社で従業員の雇用を引き継ぎたい場合は、必ず雇用契約の締結が必要です。つまり、一度、今の会社を退職したのち、新たに譲渡先企業との契約が必要になります。その際、従業員の同意が必要です。

事業譲渡の際に譲渡先の会社とまず確認を取り、その後、従業員の同意を得るという形で進めるとよいでしょう。また、ネイルサロン店舗を持つ場合は、不動産関連の法律に則った手続きが必要になってきます。

賃貸物件の譲渡の際も税金が関わってきますので、専門家のアドバイスのもと適切に進めることが必要です。一方、株式譲渡では、株主が代わるだけで会社そのものは何も変わらないため、事業譲渡のような手続きは発生しません

【関連】美容エステサロンの事業承継マニュアル!相談先や成功事例を解説!

ネイルサロンの事業承継・M&A時におすすめの相談先

ネイルサロンの事業承継・M&A時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

近年、金融機関がM&A支援に特化した部門を新設する動きが増えています。特に、投資銀行や大手メガバンクでは、企業間の取引を円滑に進めるために、ファイナンシャルアドバイザー(FA)として資金調達や戦略立案の支援を積極的に提供しています。

こうした専門支援を活用することで、企業は資金調達や事業承継などの複雑な課題に迅速に対応しやすくなり、専門家の助言を受けることで取引成功の可能性を高めることができます。

しかし、大手金融機関は大規模案件を優先する傾向があるため、中小企業が十分なサポートを受けにくい場合もあります。そのため、企業は自社の規模やニーズに最適なパートナーを選ぶことが大切です。

さらに、アドバイザリーサービスの費用が高額になることもあるため、事前にコストを確認し、予算を適切に立てることが重要です。

公的機関

近年、事業承継やM&Aに関する公的な支援体制が大幅に整備されています。全国に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者不足に直面する中小企業に対し、事業承継やM&Aに関する情報や専門的なアドバイスを提供し、企業間のマッチングを無料でサポートしています。

この仕組みにより、地方にある中小企業や個人事業主でも、専門的な支援を手軽に受けられるようになっています。また、必要に応じて、M&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。

ただし、民間のM&A仲介業者と比べると、対応が迅速でなかったり、柔軟性に欠けたりする場合があるため、その点には留意が必要です。それでも、公的機関は事業承継やM&Aを考えている企業にとって、信頼性が高く、頼りになる支援先として重要な役割を果たしています。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却に関するすべてのプロセスを支援する専門サービスを提供する組織です。売り手と買い手の双方に対し、適切な取引相手の紹介、交渉のサポート、取引の進行管理、企業価値の評価(バリュエーション)、契約書作成など、多岐にわたるサービスを提供し、スムーズな取引を実現します。

特に、仲介会社は広範なネットワークを活用して、最適なパートナーを見つけ出し、M&Aの成功率を高める役割を担っています。また、M&Aの経験が少ない企業に対しては、実務に基づいたアドバイスを提供し、取引が滞りなく進むようサポートします。

ただし、仲介会社の利用には、着手金や中間金などの費用がかかることがあるため、費用管理が重要です。コストを抑えたい場合には、成功報酬型の仲介会社を選ぶのも一つの有効な手段です。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

ネイルサロンの事業承継・M&Aまとめ

ネイルサロンの事業承継・M&Aを検討する場合、会社組織であれば事業譲渡・株式譲渡のどちらも選択可能ですが、個人事業主の場合は、事業譲渡しか選択肢がありません。また、M&Aの交渉や手続きでは、専門的な知識や経験が必要です。

ネイルサロンの事業承継・M&Aをスムーズに成功させるためには、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。本記事の概要は以下のとおりです。

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