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動物病院の事業承継

動物病院の事業承継

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    動物病院の事業承継

    現在ほとんどの業界では、経営者の高齢化に伴い、事業承継の件数が増加しています。

    一方で、スムーズに事業承継を実施できる企業は多くありません。

    そうした環境を省みて、国は中小企業の事業承継支援に力を入れています。

    日本経済を活性化させる上で、中小企業の存在は欠かせません。

    各業界毎に見てみても同様の課題があり、事業承継問題を抱えています。

    今回は動物病院業界の事業承継について記載していきます。

    他の業界の例に漏れず、動物病院の事業承継へのニーズは高まっています。

    そこで今回、動物病院の事業承継について解説します。

    動物病院の事業承継を検討している方必見です。

    動物病院業界の動向

    ⑴動物病院の現状

    まず初めに、動物病院業界の現状を見てみましょう。

    近年日本では、少子高齢化に伴い人口が減少しています。

    それに加えて、ペットにも高齢化の波が押し寄せています。

    人口は減少しているものの、ペットに対する需要自体は衰えていません。

    こうした背景により、動物病院に対するニーズは高まっています。

    動物病院の数も、ここ数年で上昇傾向にあります。

    そのため、動物病院業界では競争が激化しています。

    中には、競争激化により売り上げや利益が減少している動物病院も少なくありません。

    一方で、売り上げや利益高を増加させている動物病院も存在します。

    その背景には、「ペットに費やす医療費の増加」があります。

    ペットの高齢化に伴い、必然的に動物病院に通う回数が増えています。

    こうしたニーズを見極め、行動に移した動物病院は、売り上げを伸ばしている傾向があります。

    今後動物病院が生き残る為には、「動物医療」に対するニーズを見極めることが重要です。

    ⑵動物病院の事業承継

    前述の通り、動物病院の競争は激化しています。

    加えて、経営者の高齢化も進行しています。

    こうした背景から、動物病院業界でも事業承継のニーズが高まっています。

    一方で、親族内で後継者が見つからない事例も増加しています。

    職業選択の自由化により、子供が従来の様に、当たり前に引き継ぐ事は無くなりました。

    また、獣医学部への進学も依然として困難です。

    その為親族内承継ではなく、勤務医や第三者に事業承継するケースが増加しています。

    動物病院の経営者は、事業承継に対して幅広い選択肢を用意する必要があります。

    ※関連記事

    事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

    動物病院の事業承継方法

    動物病院の事業承継には、「誰に」引き継ぐかによって3通りの方法があります。

    ここでは、方法別に動物病院の事業承継を解説します。

    ⑴親族内承継

    親族内承継とは、経営者(院長)自身の親族に、動物病院を事業承継する方法です。

    小規模な動物病院の場合、親族に引き継ぐケースが多いです。

    しかし近年は、子供の職業選択が自由になってきました。

    加えて、獣医学部への進学も困難になってきました。

    上記の理由により、親族内に動物病院を引き継ぐ人材がいないケースも増加しています。

    ①メリット

    • 院内外の関係者からの理解を得やすい

    事業承継を行う際には、動物病院のスタッフや患者、取引先等に後継者を紹介します。

    全くの第三者が後継者になる場合と比べ、院長の子供ならば理解を得やすいです。

    関係者が後継者を既に知っている為、抵抗感が生まれにくいです。

    その為、事業承継後は動物病院をスムーズに運営できます。

    • 事業承継の手続きがしやすい

    親族に動物病院を引き継ぐ場合、他の方法と比べて事業承継の手続きがしやすいです。

    第三者や勤務医に引き継ぐ場合、資産移転や契約等に多大な労力を要します。

    しかし親族内承継ならば、相続によって自動的に引き継げます。

    また、子供に早い段階から後継者教育を施せます。

    その為、動物病院の運営に支障を出さずに事業承継を遂行できます。

    ②デメリット

    • 経営能力の高い後継者がいるとは限らない

    動物病院の経営には、獣医師としてのスキルだけでなく、経営者としての能力も必要です。

    獣医師の資格を持っていても、経営者としての能力があるかは別であり、後継者が見つかっても、その後継者に経営能力があるかは分かりません。

    動物病院を運営する為には、財務諸表を読む能力、経営資源を効率的に活用する能力が必要です。

    経営能力が不足している後継者に事業承継した結果、動物病院の業績が悪化する恐れもあります。

    ⑵勤務医への事業承継

    自身の動物病院で働いている勤務医に、動物病院を事業承継する方法です。

    親族に後継者がいない場合、勤務医に事業承継を打診するケースが大半です。

    数いる勤務医の中から、経営者として適任の後継者を選べるかがポイントです。

    ①メリット

    • 経営、獣医師両方のスキルを持った人物を選べる

    経営する動物病院内に勤務医が複数いる場合、その中から最も経営能力の高い後継者を選べます。

    親族内承継では、基本的に後継者候補は子供となります。

    ですが勤務医への承継では、複数人から選べます。

    また親族内承継では、子供が獣医師になれるとは限りませんし、経営のスキルがあるとも限りません。

    しかし勤務医への承継では、既に獣医師の資格を持った人の中から、後継者を選べます。

    ②デメリット

    • 事業承継に必要な資金力が不足する

    勤務医への承継の場合、株式の取得費用がかかります。

    しかし、動物病院の全株式を取得する為には、莫大な資金が必要です。

    せっかく後継者となる勤務医が見つかっても、資金力が無い可能性があります。

    • 事業承継を引き受けてもらえない

    動物病院の事業承継では、借入金等のマイナスの資産も引き継ぎます。

    また近年は、ペット医療をめぐる訴訟件数が増加しています。

    訴訟に負けた場合、経営者は数十万円〜数百万円もの賠償金を支払う必要があります。

    上記の通り動物病院の事業承継には、多大なリスクが伴います。

    その為、勤務医に事業承継を引き受けてもらえない可能性があります。

    ⑶M&Aによる事業承継

    M&Aを用いて、第三者に事業承継する動物病院も増加しています。

    親族内や勤務医に後継者が居ない際に、動物病院を売却する経営者の方は多いです。

    今後M&Aによる事業承継は、後継者不足の進行に伴って更に増加すると予想されます。

    ①メリット

    • 多額の売却利益を獲得できる

    動物病院を第三者に売却することで、売却利益を獲得できます。

    M&Aによって得られる売却利益は、およそ売上高や利益の数年分となります。

    それだけのまとまった現金を一度に得られることは、新たな事業を今後展開する資金としても経営者にとって大きなメリットです。

    ・外部から幅広く後継者を探せる

    M&Aを活用することで、外部から動物病院の後継者を幅広く探せます。

    身近に後継者がいなくても、全く探せば、後継者が見つかる可能性は十分あります。

    しかも、経営者としての能力も申し分ない後継者が見つかる可能性もあります。

    ②デメリット

    • 事業承継に多くの時間・費用がかかる

    M&Aでは、買い手探しから契約締結まで多くの時間を要します。

    その為、他の方法と比べて事業承継に多くの時間がかかります。

    それに加えて、多額の費用もかかります。

    動物病院の事業承継では、M&Aの仲介会社に業務を依頼することが一般的です。

    M&A仲介会社を利用する場合、多額の手数料がかかります。

    仮にM&Aの交渉が失敗した場合、それまで交渉に費やした時間と費用が無駄になってしまいます。

    動物病院の事業承継において、M&Aは非常に有効な選択肢です。

    しかし一方で、リスクがある点も忘れてはいけません。

    M&Aにおける回避を成功させたければ、M&A総合研究所にご相談ください。

    M&A総合研究所は全国のM&A案件の取り扱いをしており、中小企業のM&Aも実現させる仲介会社です。

    規模の小さい企業がM&Aを実施することが考えられますが、そのような案件にも対応しています。

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    事業承継による動物病院の開業

    先ほどの項では、売り手側の視点から動物病院の事業承継について解説しました。

    では、事業承継による動物病院の開業は、実際のところどうなのでしょうか?

    ここでは、買い手側から動物病院の事業承継について見てみましょう。

    ⑴大多数は成功している

    「若い後継者に引き継いだら業績が悪化するのでは?」と、心配する動物病院の経営者は少なくありません。

    「動物病院を引き継いだ後、上手くやっていけるのか?」と、不安に思う後継者もいます。

    しかし実は、事業承継後かえって業績を伸ばしている動物病院は多いです。

    基本的に動物病院を引き継ぐ後継者は、やる気に満ち溢れています。

    患者からすると、熱意のある先生ならば、信頼して自分のペットを任せられます。

    また、後継者は新鮮な考え方を持っています。

    新たな取り組みや最新技術の導入は、業績のアップに繋がります。

    上記の理由から、動物病院の事業承継は成功する傾向があります。

    ですので経営者も後継者も、必要以上に不安に思わなくても良いでしょう。

    ⑵事業承継による動物病院開業のメリット

    では次に、事業承継によって動物病院を開業する(引き継ぐ)メリットをご紹介します。

    ①既存の設備・人材を活用して動物病院を運営できる

    一から動物病院を始める際には、病院を立てたり、設備を揃える必要があります。

    それに加えて、事業運営に必要な人材を雇わなくてはいけません。

    動物病院を開業出来るまでに、多大な費用と時間がかかります。

    一方で事業承継によって動物病院を引き継げば、事業開始に必要な設備や人材は揃っています。

    その為、労力をかけずに動物病院の経営を始められます。

    ②来院数によって潰れるリスクが小さい

    動物病院を一から開業する場合には、患者が集まらないリスクがあります。

    前述の通り動物病院業界では、競争が激化しています。

    その為、十分な利益を得られない可能性は十分あります。

    一方で患者さんが既にいる動物病院を引き継ぐことで、その心配を払拭できます。

    どんな業界でも、起業後に顧客が集まらずに潰れる恐れがあります。

    事業承継を活用して開業すれば、その課題を解決できます。

    ⑶事業承継による動物病院開業のデメリット(注意点)

    ①動物病院の立地を選べない

    事業承継では、既存の動物病院を引き継ぎます。

    その為、動物病院の立地は選べません。

    どんなに設備や人材が優れていても、立地次第では患者さんが訪れない可能性もあります。

    立地は非常に重要です。

    立地を選べないことは、大きなデメリットです。

    ②多額のコストがかかるリスクがある

    前述の通り、勤務医や第三者が事業承継を引き受ける場合、株式取得の費用がかかります。

    一から起業する場合と同程度もしくはそれ以上の多額の費用がかかる恐れもあります。

    また親族内承継でも、事業承継後に思わぬコストがかかるリスクはあります。

    動物病院の建物や設備が古い場合、近いうちに修繕や修理の必要が出てくる可能性があります。

    最悪の場合、事業承継直後に修理費用によって、資金繰りが悪化する恐れもあります。

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    動物病院の譲渡価格

    動物売却を売却する形で事業承継する際、やはり気になるのは「譲渡価格」です。

    やはり極力高い値段でM&Aを実現したいものです。

    ここでは、譲渡価格の算出方法と譲渡価格に影響を与える要因について解説します。

    ⑴譲渡価格の算出方法

    動物病院を第三者に事業承継する際、三通りの手法の中から譲渡価格を決定します。

    いずれの手法を使うか苦慮している際には、M&A総合研究所が力をお貸します。

    M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。

    相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

    また、費用に関しても国内最安値水準ですのでご安心ください。

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    ①インカムアプローチ

    • 特徴

    インカムアプローチでは、将来得られる収益を基準に譲渡価格を算出します。

    買い手側は将来自身が得られる利益を期待して、M&Aを実施します。

    つまり、売り手企業の将来性を評価します。

    よってインカムアプローチは、M&Aと相性の良い手法です。

    しかし将来得られる収益とは、あくまで予想に過ぎません。

    その為、計画を作成する人の主観や恣意が入り込む可能性があります。

    インカムアプローチを用いる際には、綿密な計画に基づいて譲渡価格を算出するのが重要です。

    • 算出手法

    このアプローチに属する手法としては、「DCF法」と「配当還元法」があります。

    DCF法では、将来得られるフリーキャッシュフローを基準にします。

    現在多くのM&Aでは、DCF法が活用されています。

    動物病院の事業承継でも、活用しやすい手法です。

    一方で配当還元法では、年間の配当金を基準にします。

    配当還元法は、中小企業のM&Aや事業承継で用いられる傾向があります。

    ②マーケットアプローチ

    • 特徴

    マーケットアプローチでは、市場の状況・取引を基準に譲渡価格を算出します。

    市場の実例を参考にする為、客観性に優れている手法です。

    ただし市場の状況は、国際情勢等によって短期的には急変する可能性があります。

    その為マーケットアプローチにより算出される価格も、市場変化の煽りを受ける場合があります。

    • 算出手法

    このアプローチに属する手法には、「類似会社比準法(マルチプル法)」や「類似取引比準法」などがあります。

    類似会社比準法(マルチプル法)では、評価する動物病院と類似する会社を基準にします。

    一方で類似取引比準法は、自身の行いたいM&Aと類似する取引事例を参考にします。

    どちらの手法も、非上場の中小企業に相性が良いです。

    規模の小さい動物病院ならば、事業承継の際マーケットアプローチを用いるのがオススメです。

    ③コストアプローチ

    • 特徴

    コストアプローチでは、対象企業の純資産を基準に譲渡価格を算出します。

    貸借対照表さえあれば、企業価値を簡単に算出できます。

    しかし一方で、将来的な収益力は全く加味できません。

    その為、動物病院のM&Aにはあまり向いていない手法です。

    ただし、会社を清算する場面には向いている手法です。

    • 算出手法

    このアプローチに属する手法には、「簿価純資産価額法」や「清算価値法」などがあります。

    簿価純資産価額法は、純資産をそのまま用いる手法です。

    一方で清算価値法は、全資産の売却額から負債金額を差し引いた金額(正味売却価格)を基準にします。

    ⑵譲渡価格に影響を与える要因

    動物病院の譲渡価格は、上記の通り算出されます。

    では、具体的にはどのような要素が譲渡価格に影響を与えるのでしょうか。

    主に下記の要素が、動物病院の事業承継価格に影響を与えます。

    • 売上高
    • 獣医師数
    • 看護師数
    • 動物病院の立地
    • 医療機器の種類/数
    • 経営している期間

    上記の中でも特に重要なのは、「売上高」です。

    獣医師のスキルや医療機器の性能よりも、売上高が最重視されます。

    第三者に事業承継する際には、この点に留意しましょう。

    ※関連記事

    会社売却の価格

    まとめ

    今回は、動物病院の事業承継について解説しました。

    動物病院の事業承継を成功させる為には、各承継ごとの特徴について把握する必要があります。

    加えて、早い時期に誰を後継者にするか決めることが重要です。

    要点をまとめると下記になります。

    • 動物病院の現状

    →競争が激化しており、二極化も進行している

    • 動物病院の事業承継方法

    →親族内承継、勤務医への承継、M&Aによる事業承継

    • 事業承継による動物病院の開業

    →大多数は成功している

    • 事業承継による動物病院開業のメリット

    →既存の設備・人材を活用して動物病院を運営できる、来院数によって潰れるリスクが小さい

    • 事業承継による動物病院開業のデメリット(注意点)

    →動物病院の立地を選べない、多額のコストがかかるリスクがある

    • 動物病院の譲渡価格

    →インカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチによって算出

    • 譲渡価格に影響を与える要因

    →売上高、獣医師数、看護師数、動物病院の立地、医療機器の種類・数、経営している期間

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