M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年11月13日更新業種別M&A
医薬品卸業界のM&Aの現状は?動向や売却相場から事例まで紹介!
本記事では、医薬品卸業界のM&A・買収・売却に関して、M&A動向・売却相場・実際に行われたM&A事例、買収および売却のポイントを解説します。医薬品卸は業界再編が進んでいる業界であり、M&Aによる買収・売却が活発に行われています。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
医薬品卸業界のM&Aの現状
医薬品卸業界とは
医薬品卸とは、製薬会社から医薬品を仕入れ、それを薬局やドラッグストアなどに販売する事業をいい、医薬品卸を営んでいる企業による業界を医薬品卸業界といいます。
医薬品は適切な量を必要な機関へ確実に届けなければならず、災害時でも流通を途絶えさせることは避けなければなりません。また、運搬方法・温度管理などを厳重に行う必要があり、優れた人材と長年のノウハウが求められる事業だといえます。
医薬品卸業界の特徴
医薬品卸業界では事業再編が進んでおり、全国的に事業展開を行う大手4社および地方有力企業に売上の多くが集約されている状況です。
しかしながら、事業再編によるスケールメリットは目立っておらず、医薬品卸の薄利体質は依然として残っています。
医薬品卸会社は、納入価格の引き下げを通じて薬価との差額(薬価差益)を収入として確保したい「医療機関・薬局」と、販売価格の引き下げをなるべく抑えたい「製薬会社」との間に挟まれており、利益を確保しにくい点に大きな特徴があります。
なお、医薬品流通業界には、以前より「未妥協・仮納入」「総価取引」などの特徴的な商習慣が存在していたものの、これを改善する目的で厚生労働省が2019年に「流通改善ガイドライン」の運用を開始したために、多少の収益改善がみられます。
医薬品卸業界の市場規模
厚生労働省によると、2019年度における国民医療費は44兆3,695億円(前年度比2.3%増)と報告されており、3年連続で過去最高を更新しています。
なお、国民1人あたりの医療費は35万1,800円(同2.5%増)で、国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は、7.93%(前年度は7.79%)です。
医薬品卸業界の課題・展望
2011年の東日本大震災を受けて、医薬品卸業界では物流システムの重要性を再認識しています。
ロジスティクスは大きな資本を必要とするため、今後も大手4社により高度に自動化されたシステムの構築が進められる見込みです。
この独自開発には多くの時間がかかることから、時間を買うための手法としてM&Aが積極的に実施される可能性があります。
M&A・売却・買収とは
M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の頭文字をとった用語で、会社を売却・買収したり、合併・分割したりする取引のことです。
M&Aには、会社だけでなく、個人事業の売買や会社が営んでいる事業の一部のみを売買することなども含まれます。
近年は、中小企業の事業承継手段としてM&Aに注目が集まっており、大企業や海外企業以外の企業にもM&Aが広がりつつあります。
医薬品製造のM&A・事業承継事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
医薬品卸業界のM&Aの動向
この章では、医薬品卸業界のM&A・売却・買収の動向を紹介します。医薬品卸業界のM&A・売却・買収動向には、主に以下4つの特徴が見られます。
- 1990年代から医薬品卸業界はM&Aが活発
- 業界の特性として売上が伸びにくい
- 関連する同業種へのM&Aが増加
- 販路拡大を目指した他業種へのM&Aも見られる
①1990年代から医薬品卸業界はM&Aが活発
医薬品卸業界には、かつて三星堂・クラヤ薬品をはじめとする300社以上の企業が存在していましたが、他社との差別化が難しく、顧客を取り合って値引きを行うために利益が減少するなどの問題がありました。
また、1990年代からM&Aによる業界再編が進んでおり、現在は大手4社がシェアの90%を占めるまで統合されています。
②業界の特性として売上が伸びにくい
医薬品卸は、メーカーと違い、独自の製品を開発して大幅に売り上げを伸ばすといった施策を講じられないため、業界の特性として売上が伸びにくい傾向があります。
さらに、医薬品は命に関わることもある製品であるため、業務に関して厳しい法規制が存在し、他社と差別化がしにくい面も見られます。
加えて、近年は高齢化と調剤報酬の改定による単価の減少などが、売上増を阻む要因とされている状況です。
③関連する同業種へのM&Aが増加
医薬品卸業界では、業界再編を目的として同業種へのM&Aが中心に行われてきましたが、現在は大手4社にまで統合されたために、業界再編は落ち着いている状況です。
しかし、近年は、薬価改定・ジェネリック医薬品の普及・大手ドラッグストアの資本業務提携など、医薬品卸業界を取り巻く環境が急激に変化しています。
これを受けて、大手医薬品卸会社のスズケンは、ジェネリック医薬品製造の合弁会社を設立するなど、関連する同業種へのM&Aを活発化させる動きを見せています。
変わりゆく需要に対応するために、関連する同業種へのM&A・買収・売却は今後さらに増えるものと考えられます。
④販路拡大を目指した他業種へのM&Aも見られる
医薬品卸業では差別化による利益拡大がそれほど見込まれないため、販路拡大を目指して他業種へのM&Aが行われる事例もみられます。
医薬品卸会社は大規模な流通ルートを持っており、これは他業種にとって大きな魅力です。この強みを生かした他業種への参入は、事業を大きく発展させる可能性があります。
実際に、大手企業のメディパルホールディングスは化粧品や日用品も手掛けており、今後も他業種への販路拡大の傾向が続くと予想されています。
CRO・SMO業界のM&A最新動向や売却・事業承継事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
医薬品卸業界のM&Aが行われる3つの理由
医薬品卸業界のM&Aが行われる理由には、主に以下の3つがあります。
- 後継者問題の解決
- 医療報酬の改定による将来性の不安
- 圧倒的に大手企業がシェアを持つため
①後継者問題の解決
日本では団塊世代が引退の時期を迎えるにあたって、中小企業の後継者問題が問題視されていますが、地方の中小の医薬品卸会社でも、他業種と同様に後継者問題が深刻化するものと考えられています。
従来は後継者というと現経営者の親族が選ばれるケースが多かったものの、近年は少子化により経営者に子供がいなかったり、子供が他の仕事に就いていたりして、会社を継がせられないケースが増えています。
子供や親族に後継者がいない医薬品卸会社がM&A・買収・売却によって事業承継する事例は、今後も増加するものと見られます。
中小企業の後継者不足問題については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
②医療報酬の改定による将来性の不安
近年は、診療報酬や調剤報酬など医療関連の報酬は定期的に改定されているうえ、高齢化への対応や地域医療を充実させる地域包括ケアシステムの推進など大幅な方針転換が打ち出されています。
報酬改定により将来性に不安を感じた中小の医薬品卸会社が、経営基盤の安定化のためにM&Aで大手の傘下に入る事例も今後は増えると予想されています。
③圧倒的に大手企業がシェアを持つため
現在の医薬品卸業界では、1990年代からの業界再編の結果として、メディパルホールディングスをはじめとする4社が90%のシェアを持つに至っています。この状況で中小の医薬品卸会社が生き残るのは難しく、今後はM&A・買収・売却によって大手の傘下に入る動きが加速する見込みです。
医薬品卸業界の4大企業
日本の医薬品卸業界は、メディパルホールディングス・アルフレッサホールディングス・スズケン・東邦ホールディングスの大手4社と、それ以外の中小の医薬品卸会社に大別されます。
医薬品卸会社の主な顧客は企業であるため、業界に精通していない人にとってはなじみが薄いですが、以下の4社の情報を順番にまとめたのでご参考ください。
- メディパルホールディングス
- アルフレッサホールディングス
- スズケン
- 東邦ホールディングス
①メディパルホールディングス
メディパルホールディングスは、医療用または動物用の医薬品・化粧品・日用品・食品加工原材料などの卸売事業を営む会社の持株会社です。
小林製薬やアステラス製薬といった製薬会社が株主であり、全国に調剤薬局を展開するクオールの株式を約20%保有する筆頭株主でもあります。また、他の3社とは違って、調剤薬局を傘下に持っていない点も、特徴の1つです。
②アルフレッサホールディングス
アルフレッサホールディングスは、約2兆6,000億円の売上高(2021年3月期、連結)を誇る会社です。
メディパルホールディングスが医薬品以外の製品も幅広く手掛けているのに対して、アルフレッサホールディングスは医薬品とその関連商品に特化している点が特徴です。
③スズケン
スズケンも医薬品卸大手4社の一角を占める企業であり、2021年3月期の売上高(連結)は約2兆1,000億円です。医薬品以外に医療機器や日用品・食品なども手掛けており、メディパルホールディングスと同様に幅広い事業展開が特徴です。
④東邦ホールディングス
東邦ホールディングスの売上高は、約1兆2,000億円です(2021年3月期、連結)。医薬品以外に、調剤薬局事業や治験のサポート事業(SMO)なども手掛けています。
また、ロボットを活用したオートメーション化により、事業の効率化とミスの防止を徹底した管理方法を導入している点も特徴的です。
今後医薬品卸業界に起こるM&Aによる再編予測
これまでの医薬品卸業界でも、M&A・売却・買収による活発な業界再編が行われてきましたが、今後の業界戦再編の動きに関してはたびたび有識者の間で議論が交わされています。
かつての業界再編は、中小の医薬品卸会社を統合して収益力を上げることなどが目的とされていましたが、今後は薬価改定やドラッグストアの業界再編など、外部環境の変化に対応した再編が増えると予想されています。また、調剤薬局事業や他業種への進出を目的とした再編も活発化する見込みです。
食肉卸業界のM&A成功/失敗事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
医薬品卸業界のM&Aと売却相場
医薬品卸業者の数がそれほど多くないために売却相場は計りにくいです。公開されている大手企業によるM&A・売却・買収事例を見ると、資本業務提携や吸収合併などが多く、単純に全株式を取得する完全子会社化の例が少ないこともあり、売却相場を見積もりにくいのが現状です。
事前に売却価格を算出する方法
医薬品卸の売却価格を事前に算出する方法としては、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチなどがあります。
コストアプローチは資産から負債を引いた額を会社の価値とする手法であるのに対して、インカムアプローチは将来的なキャッシュフローを基準にします。また、マーケットアプローチは、同業他社の株価などを参考に売却価格を算出する手法です。
売却価格の算出は難しいか
医薬品卸会社の売却価格の算出には専門的な知識が要求されるため、個人で売却価格を算出するのは難しいです。ただし、簿価と時価にそれほど差がないと思われる場合は、帳簿上の資産から負債を単純に引き算することで、大まかな企業価値を見積もることが可能です。
バリュエーション(企業価値評価)の方法・手法については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
医薬品卸業界のM&A・売却・買収事例12選
この章では、実際に行われた医薬品卸業界のM&A・売却・買収事例を12件紹介します。
- メディカルネットによるオカムラ・ノーエチ薬品の買収
- スズケンによるドクターズとの資本業務提携
- スズケンによるエンブレースとの資本業務提携
- スズケンとWelbyの資本業務提携
- スズケンとDr.JOYの資本業務提携
- スズケンとヤマト科学の資本業務提携
- メディパルホールディングスとJCRファーマの資本業務提携
- スズケンとEPSホールディングス・EPS益新の資本業務提携
- ニュートリーが三和化学研究所のニュートリション事業を譲受
- アルフレッサホールディングスによるサンノーバの子会社化
- アルフレッサによるエス・エム・ディ株式の譲渡
- PALTACによる伊東秀商事の吸収合併
①メディカルネットによるオカムラ・ノーエチ薬品の買収
2021年4月、メディカルネットは、オカムラを通じて、ノーエチ薬品の株式すべてを取得し子会社化すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。
買収側は、インターネットを活用した医療・生活関連情報サービスを提供する企業です。主に、歯科医療情報ポータルサイト運営・歯科クリニック経営支援・歯科関連企業マーケティング支援など、歯科医療の総合ビジネスを展開しています。
売却側は、大阪府松原市に本社を置く、創業60年の大衆医薬品のファブレスメーカー・医薬品卸で、大手ドラッグストアや調剤薬局などへ、医療用医薬品から一般医薬品に転用したスイッチOTC医薬品を中心に、ドラッグストア専売品やプライベートブランド商品などを提供しています。
本件M&Aの主な目的は、歯科向けOTC医薬品の開発・製造および、歯科に限らず一般向けのOTC医薬品の開発・ 製造の開始による事業分野の拡大にあります。
②スズケンによるドクターズとの資本業務提携
2020年11月、スズケンは、ドクターズとの間で資本業務提携を締結しました。
スズケンは、愛知県名古屋市東区に本社を置き、主に医療用医薬品卸売業を営んでいる企業です。対するドクターズは、医療連携型オンライン医療支援サービスを提供しています。
本件M&Aの主な目的は、既存の提携企業とのDX事業構築における、より一層の加速化にあります。
③スズケンによるエンブレースとの資本業務提携
2020年2月、スズケンは、エンブレースとの間で資本業務提携を締結しました。
スズケンは、メディパルホールディングス、アルフレッサホールディングス、東邦ホールディングスと並び、医薬品卸大手4社の一角を占めている企業です。
対するエンブレースは、医療介護専用SNS「メディカルケアステーション(MCS)」の運営および、MCSを活用したプラットフォーム事業などを展開しています。
本件M&Aの主な目的は、製薬企業・医療機関・保険薬局・介護施設・患者などに対する革新的なサービスおよび情報ビジネスの推進・構築の実現にあります。
④スズケンとWelbyの資本業務提携
2019年11月、スズケンは、Welbyの株式を取得し、資本業務提携を締結しました。
スズケンは医薬品卸売を営むスズケングループの企業であり、Welbyはパーソナルヘルスレコードを提供している会社です。本件M&Aは、医療情報プラットフォームの構築、および新しいソリューションの提供などが目的とされています。
⑤スズケンとDr.JOYの資本業務提携
2019年9月、スズケンは、Dr.JOYの第三者割当増資2億9,900万円分を引き受けて、資本業務提携を締結しました。
Dr.JOYは、医療機関および医療関連企業向けプラットフォーム「Dr.JOY~ドクタージョイ~」「Pr.JOY~パートナージョイ~」を提供している会社です。本件により、両者の持つノウハウや経営資源を活用し、新しい医療情報プラットフォームとソリューションの構築が目指されています。
⑥スズケンとヤマト科学の資本業務提携
2017年9月、スズケンは、ヤマト科学の株式を取得し、資本業務提携を締結しました。
ヤマト科学は、産業機器・試験機器・研究施設などを提供している企業です。本件は、両社が協力して製品とサービスを開発し、新しいソリューションを創出することを目的としています。
⑦メディパルホールディングスとJCRファーマの資本業務提携
2017年9月、メディパルホールディングスは、JCRファーマ株式会社の株式の約22.5%を取得し、資本業務提携を締結しました。
メディパルホールディングスは医薬品や日用品卸売会社の持株会社で、JCRファーマは兵庫県の医薬品メーカーです。
本件により、メディパルホールディングスのネットワークとJCRファーマの製品開発力を融合し、企業価値の向上と発展が目指されています。
⑧スズケンとEPSホールディングス・EPS益新の資本業務提携
2016年9月、スズケンは、EPS益新の株式を第三者割当で取得し、資本業務提携を締結しました。
EPS益新はEPSホールディングスの連結子会社で、医療・ヘルスケア事業を手がけるEPSグループにおいて中国への事業推進と支援を担当しています。本件の主な目的は、中国での事業推進を共同で進めていくことです。
⑨ニュートリーが三和化学研究所のニュートリション事業を譲受
2016年9月、ニュートリーは、三和化学研究所のニュートリション事業を譲受しました。ニュートリーは三井製糖株式会社の連結子会社で、三和化学研究所は株式会社スズケンの連結子会社です。
ニュートリーは病気の方のためのサポート食品を販売する会社で、三和化学研究所は医薬品やヘルスケア製品の開発・販売会社です。本件事例は、営業基盤の拡大や開発力の強化などが目的とされています。
⑩アルフレッサホールディングスによるサンノーバの子会社化
2016年4月、アルフレッサホールディングスは、サンノーバの医薬品製造販売事業を譲受し、子会社化しました。サンノーバが承継会社を設立し、それをアルフレッサホールディングスが吸収分割する形で譲受しています。
本件の主な目的は、製造受託事業を拡充し、医薬品等製造事業を強化することです。
⑪アルフレッサによるエス・エム・ディ株式の譲渡
2016年3月、アルフレッサは、完全子会社であるエス・エム・ディの株式を、富田薬品とモロオに20%ずつ譲渡しました。
アルフレッサはアルフレッサホールディングスの子会社で、医薬品や医療機器の卸売会社です。また、エス・エム・ディは温度管理ツールや医薬品の配送を営んでいる会社です。本件事例は、スペシャリティ医薬品の流通の連携強化を目的として行われました。
⑫PALTACによる伊東秀商事の吸収合併
2015年8月、PALTACと伊東秀商事は、伊東秀商事を合併消滅会社・PALTACを合併存続会社とする吸収合併の契約を締結しました。
PALTACはスーパーやドラッグストアなどに医薬品や日用品を卸売する会社で、伊東秀商事は化粧品や日用品の卸売会社です。本件により、両社のノウハウと経営資源を融合し、生産性の向上を目指しています。
OA機器・卸業界のM&A動向、相場については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
医薬品卸業界のM&Aを成功させる5つのポイント
医薬品卸業界のM&Aを成功させるには、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 顧客データや収益予測などを用意しておく
- 計画的に準備を行う
- M&Aの目的を明確にしておく
- 売却条件をはっきりと決めておく
- M&Aの専門家に相談する
①顧客データや収益予測などを用意しておく
医薬品卸業界のM&Aで買い手候補と交渉する際は、「どういった顧客を持っているか」「今後の収益はどれくらい見込めるか」などを買い手側にわかりやすく説明することが大切です。
あらかじめ顧客や収益予測に関するデータや資料を用意しておき、交渉時に買い手側が理解しやすいように準備しておきましょう。
②計画的に準備を行う
医薬品卸業界のM&Aは、何の準備もなくいきなり交渉を開始してもうまくいきません。事業承継計画書の作成や企業の磨き上げ作業など準備を十分に整えてから、買い手候補の選定・交渉に入りましょう。
③M&Aの目的を明確にしておく
医薬品卸のM&A・売却では、「後継者を見つけて引退したい」「大手の傘下に入って経営を安定させたい」など、事例ごとにM&Aの目的が掲げられています。こうしたM&Aの目的を明確化させておくと、買い手側も交渉を行いやすいため手続きがスムーズに進みます。
④売却条件をはっきりと決めておく
医薬品卸のM&A・売却・買収では、売り手側・買い手側の双方に求めている条件があります。譲れない売却条件をはっきり決めておき、納得のいかない条件でM&Aを締結してしまわないよう準備しておくことが大切です。
⑤M&Aの専門家に相談する
医薬品卸のM&A・売却・買収では、医薬品卸業界の動向や財務・税務の知識など、幅広い知識と経験が必要とされます。こういった知識を有するM&Aの専門家に相談して、適切なサポートを受けながら交渉を進めていくことが大切です。
食品卸売業界のM&A動向については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
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医薬品卸業界のM&Aのまとめ
本記事では、医薬品卸のM&A・売却・買収を解説しました。医薬品卸は大手4社による寡占状態が見られ、中小規模の医薬品卸会社のM&Aによる売却および外部環境の変化に対応したさらなる業界再編が進むと予想されます。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。