2021年5月6日更新業種別M&A

学習塾業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

学習塾業界のM&Aでは、買い手側であるか、売り手側であるかによってM&Aを選択する目的が異なります。そのため、M&Aの際は、メリット・デメリットを判断した上でM&Aを選択する必要があります。この記事では、学習塾業界M&Aについて解説します。

目次
  1. はじめに
  2. 学習塾業界の現状
  3. 学習塾業界のM&Aの動向
  4. 学習塾業界のM&Aの相場と費用
  5. 学習塾業界の買収とは?買う・買いたい場合
  6. 学習塾業界の売却とは?売る・売りたい場合
  7. 学習塾業界のM&Aの事例
  8. まとめ
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はじめに

M&Aはどの業界でも実施されているものであり、とりわけ業界再編のステージに入っている業界では活発化しています。もし自社でM&Aを行いたいのであれば、業界の現状や動向について知っておくことが重要になってきます。

そこで、今回は学習塾業界のM&Aについて取り上げました。少子化の影響を真っ向から受けている学習塾業界の動向はどうなっているのか、M&Aをどんな目的で行うかについてお伝えしていきます。

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学習塾業界の現状

ここでは、学習塾業界の現状についてお伝えしていきます。

そもそも学習塾は「学校外で教科の補習や進学のための学習指導を行う私設の教育施設」と定義されており、テストや受験のため、学校外で勉強を教えてもらう施設のことを言います。そのため、大学受験のために通う予備校なども学習塾の一つだと言えるでしょう。

多様性が求められている

これまでは、学習塾と言えば、学校と同じように大きな教室で大勢の生徒が講義を受ける集団指導のイメージがありました。しかし最近では、生徒一人一人の学力や目標、ペースに合わせてカリキュラムを設定できる特性を生かし、1対1で教える個別指導やインターネットで受けられるeラーニングを用いる学習塾が一般化しています。

特に「eラーニング」は手軽に受けられるため、さまざまな学習塾が導入しており、アプリを用いることで通う手間を省き、より手軽に講義を受けられるようなサービスを提供している事例も増えています。

また、2020年から15年ぶりの教育制度改革によって大学入試の内容や学校で教える教科の追加など多種多様な変化が起こることが予想されるため、学習塾業界でもさまざまな対応が検討されています

学習塾の増加と少子化の影響

さらに、学習塾業界は新規参入がしやすい業界でもあります。なぜなら、学習塾は個人事業として開業しやすく、設備も最低限で済まそうと思えば済ませられるからです。そのため、学習塾業界に登場する新たな学習塾が続々と増えています。

一方、学習塾は講義を行う講師の人件費や教室の維持費、教材費、広告宣伝費などといった固定費がかさみやすく、コストに関しては常に配慮する必要があります。人気のある講師の育成や確保、定着も学習塾におっては重要な課題だと言えるでしょう。

また、学習塾によってはフランチャイズ方式で教室を展開したり、講師をアルバイトに置き換えて人件費を抑えつつ、綿密に作成したカリキュラムで育成するケースもあります。ただし、これらの対応だけでは解決できない問題を学習塾業界は背負っています。

それが「少子化」です。学習塾業界は学生に授業を行うことが主な業務であるため、少子化の影響をダイレクトに受けてしまう業界です。少子化が進めば主たるターゲット層である小学生~高校生が減少してしまい、学習塾同士でシェアを奪い合うようなことになります。

学習塾の数が増えていることは少子化が起こっている状況と相反しており、供給過多とも言える状況です。そのため、昨今では少子化による影響を見越して高齢者や成人向けの生涯学習事業などに進出する事例もあり、今後学習塾業界は多様化していくことが予想されます。

学習塾業界のM&Aの動向

学習塾業界はM&Aを行うケースが増えており、M&Aが活発な業界だといっても過言ではありません。そもそも学習塾業界は、生徒と講師の定着率が不安定なものになっています

なぜなら、学習塾の生徒は受験の終了や進学など特定のタイミングで退塾することが一般的であり、顧客としてとどめておける期間が限られていまるからです。

また、講師に関しては、正社員として常勤している講師もアルバイトの講師も油断ができません。学生や主婦などのアルバイトの講師は非常勤であるため、短期間しか勤務しない可能性が高い上に、そもそも専門的な研修などを受けていないため講師としての質も低くなる傾向があります。

一方、正社員として常勤している講師は、研修を受けていたり、スキルが高い人材が多く、人件費がかかることを除けば理想的な人材と言えます。しかし、近年では、人気講師が他の学習塾からヘッドハンティングされるという事例も多く、定着率に関しては高いとは言い難いでしょう。

増加する学習塾業界のM&A

学習塾業界のM&Aでは、顧客である生徒や講師の獲得を優先するケースが多くなっています。また、異業種の取り込みのためにM&Aを行う事例も多いです。

さらに、生涯学習事業のための設備やノウハウ、人員を確保するためにM&Aを行うこともありますが、他にもeラーニングや学習用アプリなどを開発するためにIT企業を買収するなどといったケースもあります。

このように、学習塾業界の事業の多様化や新しいノウハウを用いた教育事業の開発を目的としたM&Aは、非常に有効な手段だと言えるでしょう。

また、ゼロベースから新しい事業を行うには、設備投資や新たな人材の確保といった手間やコストがかかるため、固定費がかさみやすい学習塾にとって大きな負担になります。

しかし、既存の設備や人材をそのまま取り入れることができるM&Aを活用すれば、余計な手間もコストも省けるため、迅速な事業展開の可能性が高まります。

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学習塾業界のM&Aの相場と費用

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ここでは、学習塾業界のM&Aの相場と費用についてお伝えします。

学習塾業界のM&Aでは、設備・講師・生徒の数などが買収の際にかかる費用を決定するといっても過言ではありません。

ただし、学習塾は、教室の規模が小さくても成立しやすい事業であり、中小の学習塾であれば数千万円、特定の地域・地方だけで展開している学習塾なら数億円単位の相場になることがあります。

また、教室の規模だけでなく、講師の雇用形態も重要なポイントです。中小の学習塾は、講師がアルバイトの学生や主婦、高齢者であることが多く、人件費が抑えられています。そのため、固定費が変動し、買収の費用も変わってきます。

もちろん、M&Aを行う際に専門家の協力を得たのであれば、その報酬も費用に加算されます。M&Aを行う立場であれば、この報酬はなるべく抑えたいところです。

学習塾業界のM&Aをご検討の際は、ぜひ一度M&A総合研究所にご相談ください。支援実績豊富なアドバイザーがご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

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学習塾業界の買収とは?買う・買いたい場合

ここでは学習塾業界のM&Aの買収についてお伝えしていきます。学習塾業界のM&Aの買収は大きくわけて2つの目的があると言えます。

  1. 自社のシェア拡大
  2. 異業種の取り込み

①自社のシェア拡大

1つ目は、自社のシェア拡大のために顧客層や講師の確保するなどといった目的です。

学習塾業界では、少子化によって顧客層が減りつつあるため、他の学習塾をM&Aで買収することで顧客層や講師陣を増やし、さらなる売上増加につなげることを目的とするM&A事例が増えています

地方の中小の学習塾を買収するだけでも一定数の講師や顧客の取り込みは可能であるため、大手の学習塾の中には別の地域へ進出する際にM&Aを実行し、教室の確保や人員の採用のプロセスを省略するという事例も増えています。

また、医学部専門の予備校や小学校受験や中学校受験向けの学習塾などを買収することで事業領域を拡大、顧客層の取り込みを行うケースもあります。さまざまな志望校への受験や進学に対応できる事業を展開することで、今後のさらなるシェア拡大にもつながります

とりわけ医学部や小学校受験、中学校受験などを専門とした授業は試験の傾向や範囲などを網羅したデータや指導のノウハウや知識が重要になるため、M&Aを実施することでゼロベースで新しく開発する手間を省くことができます。

少子化が続く限り生徒の奪い合いは今後も継続する可能性が高いですが、他の学習塾と指導内容や講師の質で差別化できれば競争力が高まるでしょう。

②異業種の取り込み

2つ目の目的は「異業種の取り込み」です。最近では、異業種の取り込みの過程で海外進出を行う事例もあり、海外の市場で事業を展開している学習塾も少なくありません。

海外での学習塾の事業展開では、語学や現地の習慣などの問題はあるものの、発展途上であるため、教育に力を注いでいる国であれば学習塾のニーズは高くなります。また、日本と違って市場が縮小する心配も薄いため、事業拡大の選択肢の一つとして検討する企業が増えています。

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学習塾業界の売却とは?売る・売りたい場合

ここでは、学習塾業界のM&Aにおける売却についてお伝えしていきます。

学習塾業界において、売却を行う学習塾がは中小規模の学習塾がほとんどです。なぜなら、中小の学習塾は地域に根差しているものが多く、よほどの評判がない限り基本的に生徒は地元の学生に依存しています

加えて、大手学習塾に比べると財務基盤が不安定なため、近年大手の学習塾が取り入れているようなeラーニングやアプリの開発、異業種の取り込みが難しく、少子化の影響をダイレクトに受けています。

また、財務基盤の問題から固定費を抑える必要があり、正社員である常勤の講師を定着させることが難しい環境でもあります。そのため、アルバイトの学生や主婦、高齢者といった非常勤の講師に依存しやすく、講師の質や定着率も不安定になる傾向にあります。

学習塾業界の事業承継

何より中小の学習塾が抱えている切実な問題に「事業承継」があります。昨今は業界を問わず中小企業の経営者が高齢化していく一方で後継者不在が問題化しており、これまで育ててきた事業を次世代に引き継げないという状況が多発しています。

学習塾にいたっては講師はもちろん、通っている生徒のためにもなるべく教室を残しておきたいものですが、後継者不在の中で経営者が頑張って経営していくことには限界があるでしょう。そのため、中小の学習塾は事業承継の一環としてM&Aに乗り出すケースが多くなっています

学習塾のM&Aにおいて買い手となる学習塾は、顧客の拡大や講師の確保を目的として盛んにM&Aを活用しています。売却を考えている中小の学習塾にとっては顧客や講師を提供できるため、ニーズがマッチしやすい状況にあるのです。

もし買い手となり得る学習塾がその地域に進出していなければ、新たな地域への進出の足掛かりも提供できるため、よりM&Aの話がまとまりやすくなるでしょう。

事業承継を諦めることは雇用している講師のみならず通っている生徒にも多大な影響を与えてしまうため、後継者不在の状況に陥っている学習塾にとってM&Aは非常に有効な手段の一つです。

M&A総合研究所は中小・中堅規模のM&A案件を取り扱っており、アドバイザーによる専任フルサポートを行っています。

また、通常M&Aでは半年〜1年程度の期間が必要ですが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、最短3カ月での成約実績を有している点も強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
 

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学習塾業界のM&Aの事例

ここでは学習塾業界で実際にあったM&Aの事例についてお伝えしていきます。

①株式会社ウィザス、京大ゼミナール久保塾を子会社化

株式会社ウィザスは、京大ゼミナール久保塾を2017年に買収、子会社化しました。ウィザスは学習塾事業や高校・キャリア支援事業を中心に展開していましたが、京大ゼミナール久保塾が同じ目標を持っていたため、共に事業を展開していく目的でM&Aを実施しました。

株式会社ウィザスは、阪神エリアを中心とした学習指導や受験指導の実績を持つ京大ゼミナール久保塾のノウハウを取り入れることで、学習塾事業のさらなる強化を図ったと考えられます。

②早稲田アカデミー、集学舎とクオード・エンタープライズの全株式を取得

2018年1月、早稲田アカデミーは、集学舎とクオード・エンタープライズの全株式を取得し、子会社化することを発表しました。

集学舎は1994年に創業し、小学生~高校生を対象に進学指導を行う学習塾「クオード(QUARD)」を運営する会社で、千葉県内、東京都内の難関校への合格実績に強みを持っています。

一方、クオード・エンタープライズは、集学舎のグループ会社で、「クオード」の校舎物件を保有・管理している会社です。早稲田アカデミーは集学舎をグループに加えることで、難関都県立高校合格のための指導システムを強化し、合格実績の伸長が見込まれます。

また、早稲田アカデミーが校舎展開していない内房エリアで高い知名度を持つ「クオード」を加えることにより、新たな市場開拓を早期に実現し、既存校との連携により、千葉県内でのドミナント戦略を推進するとしています。

③株式会社やる気スイッチグループ、子会社を統合

2019年3月、株式会社やる気スイッチグループは、子会社の株式会社拓人を統合し、社名を「株式会社やる気スイッチグループ」に変更したことを発表しました。

やる気スイッチグループは、個別指導学習塾「スクールIE」や受験対策の幼児教室「チャイルド・アイズ」をはじめ、さまざまな子ども向け学習塾を展開する総合教育サービス会社として、現在国内外で1,600以上の教室・ラボを展開しています。

今回の統合により、機動的かつ迅速な意思決定を図ることでコアビジネスである教育サービス事業を盤石なものにし、商品およびサービスのさらなる品質改善を目指すとしています。

④ヤマノホールディングス、個別指導学習塾FC「スクール IE」運営のマンツーマンアカデミーを買収

2019年12月、株式会社ヤマノホールディングスは、株式会社マンツーマンアカデミーを子会社化することを発表しました。

ヤマノホールディングスグループは、中核事業として美容事業・和装宝飾事業・DSM事業を展開している会社です。今回のM&Aでは、さらなる事業拡大を目指し、既存事業以外のマーケットへも積極的に新規事業の開拓を進めています。

一方、マンツーマンアカデミー社は、株式会社やる気スイッチグループが全国展開する個別指導塾「スクールIE」のFC加盟店であり、関東圏内で36店舗を運営しています。FC加盟店としては、20年以上に渡って生徒数全国No.1の実績を誇る重要なFC加盟店オーナーです。

「教育事業」を新たなビジネスモデルとしてグループ内に取り込み、次の成長ドライバーの一つとして育成することで、引き続きグループの成長戦略の柱であるM&A戦略により、収益拡大が見込まれる新規事業の開拓を積極的に推進していくとしています。 

まとめ

少子化という重大な問題を抱えている学習塾業界は、常に大手が顧客を奪い合っているという状況が続いています。

しかし、M&Aによって既存の学習塾と差別化する上では、新たな事業やサービスを導入、開発するためにも有効的な手段だと言えるでしょう。また、顧客や講師の確保などといった学習塾の課題を解決する糸口としてM&Aを活用する事例も増えています。

要点をまとめると下記の通りです。

・学習塾業界の現状

 →多様性が求められている、学習塾の増加と少子化の影響が相反している

・学習塾業界のM&Aの動向

 →事業の多様化や新しいノウハウを用いた教育事業の開発を目的としたM&Aが増加している

・学習塾業界のM&Aの相場と費用

 →中小の学習塾であれば数千万円、特定の地域・地方だけで展開している学習塾であれば数億円単位の相場になる

・学習塾業界を買う・買いたい場合

 →自社のシェア拡大、異業種の取り込みを目的としている

・学習塾業界を売る・売りたい場合

 →中小の学習塾では、事業承継の一環としてM&Aを実施している

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