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学習塾業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

学習塾業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

目次

    学習塾業界のM&A

    M&Aはどの業界でも行われているものであり、とくに業界再編のステージに入っている業界では活発化しています。

    もし自分の会社でM&Aを行いたいのなら、業界の現状や動向について知っておくことがおすすめです。

    今回は学習塾業界のM&Aについて取り上げます。

    学習塾業界というと少子化の影響をダイレクトに受けていそうなイメージがあるかと思います。

    そんな学習塾業界の動向はどうなっているのか、M&Aをどんな目的で行うかについてお伝えしていきます。

    学習塾業界はどうなっている?

    まずは学習塾業界についてお伝えしていきます。

    学習塾の定義は「学校外で教科の補習や進学のための学習指導を行う私設の教育施設」であり、いうなればテストや受験のため、学校外で勉強を教えてもらう施設のことをいいます。

    大学受験のために通うことが多い予備校も学習塾の一つだといえるでしょう。

    以前は学習塾といえば大教室で大勢の生徒が講義を受ける集団指導を行うというイメージがあったかと思います。

    しかし最近では生徒一人一人の学力や目標、ペースに合わせてカリキュラムを設定できる特性を生かし、1対1(2~3人の場合もあり)で教える個別指導やインターネットで受けられるeラーニングを用いる学習塾が一般化しています。

    とりわけeラーニングは手軽に受けられることから様々な学習塾が導入しており、アプリを用いることで通う手間を省き、より手軽に講義を受けられるようなサービスを提供している事例も増えています。

    また2020年から15年ぶりの教育制度改革によって大学入試の内容や学校で教える教科の追加など様々な変化が起こることが予想されるため、学習塾業界でも様々な対応が検討されています。

    さらに学習塾業界は新規参入がしやすい業界でもあります。

    学習塾は個人事業として開業しやすく、設備も最低限で済まそうと思えば済ませられるからです。

    そのため学習塾業界に登場する新たな学習塾は続々と増えています。

    学習塾は講義を行う講師の人件費や教室の維持費、教材費、広告宣伝費などといった固定費がかさみやすく、コストに関しては常に配慮する必要があります。

    また人気のある講師の育成や確保、定着も学習塾におっては重要な課題だといえるでしょう。

    学習塾によってはフランチャイズ方式で教室を展開したり、講師をアルバイトに置き換えて人件費を抑えつつ、綿密に作成したカリキュラムで育成するといったものがあります。

    ただ、これらの対応だけでは解決できない問題を学習塾業界は背負っています。

    それが「少子化」です。

    学習塾業界は学生に授業を行うことが主な業務であるため、少子化の影響をダイレクトに受けてしまう業界です。

    少子化が進めば主たるターゲット層である小学生~高校生が減少してしまい、学習塾同士でシェアを奪い合うようなことになります。

    学習塾の数が増えていることは少子化が起こっている状況と相反しており、供給過多ともいえる状況です。

    そのため昨今では少子化による影響を見越して高齢者や成人向けの生涯学習事業などに進出する事例もあり、今後学習塾業界は多様化していくことが予想されます。

    学習塾業界のM&Aの現状と動向

    ここでは学習塾業界のM&Aの現状と動向についてお伝えします。

    学習塾業界はM&Aを行うケースが増えており、M&Aが活発な業界だといっても過言ではありません。

    そもそも学習塾業界は生徒と講師の定着率が不安定なものになっています。

    学習塾の生徒は受験の終了や進学など特定のタイミングで退塾することは一般的であり、顧客としてとどめておける期間は限られています。

    講師に関しては正社員として常勤している講師もアルバイトの講師も油断ができません。

    学生や主婦などのアルバイトの講師は非常勤であるため、短期間しか勤務しない可能性が高いですし、そもそも専門的な研修などを受けていないため講師としての質も低くなりがちです。

    正社員として常勤している講師は研修を受けていたり、経験値が多いため人件費がかかることを除けば理想的な人材といえますが、近年は人気講師が他の学習塾からヘッドハンティングされるという事例も多く、定着率に関しては高いとは言い難いでしょう。

    そのため学習塾業界はM&Aにおいてまず顧客である生徒や講師の獲得を優先するケースが多くなっています。

    またさきほどお伝えしたように異業種の取り込みのためにM&Aを行う事例も多いです。

    さきほどお伝えしたように生涯学習事業のための設備やノウハウ、人員を確保するためにM&Aを行うことがありますが、他にもeラーニングや学習用アプリなどを開発するためにIT企業を買収するなどといったケースもあります。

    学習塾業界の事業の多様化や新しいノウハウを用いた教育事業の開発としてM&Aは有効な手段だといえます。

    ゼロベースから新しい事業を行うには設備投資や新たな人材の確保といった手間やコストがかかるため、日ごろから固定費がかさみやすい学習塾にとって大きな負担になりがちです。

    しかし既存の設備や人材をそのまま取り入れることができるM&Aは余計な手間もコストも省けるため、スピーディーに事業を展開できるようになります。

    学習塾業界のM&Aの相場と費用

    ここでは学習塾業界のM&Aの相場と費用についてお伝えします。

    学習塾業界のM&Aは設備や講師、顧客である生徒の数などが買収の際にかかる費用を決定するといってもいいでしょう。

    ただ学習塾は教室の規模が小さくても成立しやすい事業であり、中小の学習塾であれば数千万円、特定の地域・地方だけで展開している学習塾なら数億円単位の相場になることがあります。

    教室の規模だけでなく、講師の雇用形態も重要なポイントです。

    中小の学習塾は講師がアルバイトの学生や主婦、高齢者であることが多く、人件費が抑えられているため、固定費が変わります。

    この部分も買収の際にかかる費用に影響してくるでしょう。

    もちろんM&Aを行う際にM&Aの専門家の協力を得たのであれば、その報酬も費用に加算されます。
    ただ、M&Aを行う立場であれば、この報酬はなるべく抑えたいところです。
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    学習塾業界の買収とは?買う・買いたい場合

    ここでは学習塾業界のM&Aの買収についてお伝えしていきます。

    学習塾業界のM&Aの買収は大きく分けて2つの目的があるといえます。

    1つ目は自社のシェア拡大のために顧客層や講師の確保などといった目的です。

    単純に少子化によって顧客層が減りつつあるので、他の学習塾をM&Aで買収することで顧客層や講師陣を増やし、さらなる売上増加につなげることが目的です。

    地方の中小の学習塾を買収するだけでも一定数の講師や顧客の取り込みはできるため、大手の学習塾の中には別の地域へ進出する際にM&Aを実行し、教室の確保や人員の採用のプロセスを省略するということも増えています。

    また医学部専門の予備校や小学校受験や中学校受験向けの学習塾などを買収することで事業領域を拡大、顧客層の取り込みを行うケースもあります。

    これは後述する異業種の取り込みに近しいものですが、様々な志望校への受験や進学に対応できる事業を展開できれば、今後のさらなるシェア拡大にもつながります。

    医学部や小学校受験、中学校受験などを専門とした授業は試験の傾向や範囲などを網羅したデータや指導のノウハウや知識が重要になるため、ゼロベースで新しく開発する手間も省けるようになります。

    少子化が続く限り生徒の奪い合いは今後も継続する可能性が高いですが、他の学習塾と指導内容や講師の質で差別化できれば競争力が高まるでしょう。

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    2つ目はさきほどもお伝えした異業種の取り込みです。

    最近ではこの異業種の取り込みの過程で海外進出を行う事例もあり、海外の市場で事業を展開している学習塾も少なくありません。

    語学や現地の習慣などハードルは少なくないですが、発展途上であり、教育に力を注いでいる国であれば学習塾のニーズは高くなりますし、日本と違って市場が縮小する心配も薄いため、事業拡大の選択肢の一つとして考えてもいいでしょう。

    学習塾業界の売却とは?売る・売りたい場合

    ここでは学習塾業界のM&Aにおける売却についてお伝えしていきます。

    学習塾業界において売却を行うは中小の学習塾がほとんどです。

    中小の学習塾は地域に根差しているものが多く、よほどの評判がない限り基本的に生徒は地元の学生に依存しています。

    加えて中小の規模であることに加えて財務基盤が不安定なため、近年大手の学習塾が取り入れているようなeラーニングやアプリの開発、異業種の取り込みが難しく、少子化の影響を顕著に受けているでしょう。

    また財務基盤の問題から固定費を抑える必要があり、正社員である常勤の講師を定着させることが難しい環境でもあります。

    そのためアルバイトの学生や主婦、高齢者といった非常勤の講師に依存しやすく、講師の質や定着率も不安定になりがちです。

    何より中小の学習塾が抱えている切実な問題に事業承継があります。

    昨今は業界を問わず中小企業の経営者が高齢化していく一方で後継者不在が問題化しており、これまで育ててきた事業を次世代に引き継げないという状況が発生しています。

    学習塾にいたっては講師はもちろん、通っている生徒のためにもなるべく教室を残しておきたいものですが、後継者不在の中で経営者が頑張って経営していくことには限界があるでしょう。

    そのため中小の学習塾は事業承継の一環としてM&Aに乗り出すケースが多くなっています。

    さきほどもお伝えしたように買い手となる学習塾は顧客の拡大や講師の確保を目的として盛んにM&Aを行っており、売却を考えている中小の学習塾にとっては顧客や講師を提供できるため、ニーズがマッチしやすい状況だといえます。

    もし買い手となり得る学習塾がその地域に進出していなければ、新たな地域への進出の足掛かりも提供できるため、よりM&Aの話がまとまりやすくなるでしょう。

    事業承継を諦めることは雇用している講師のみならず通っている生徒にも多大な影響を与えてしまうため、後継者不在の状況に陥っている学習塾にとってM&Aは考えておくべき手段の一つだといえるでしょう。

    そしてもしM&Aを手段として使いたいのなら、確実に成功させるためにも専門家の力を借りておくべきでしょう。
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    学習塾業界のM&Aの事例

    ここでは学習塾業界で実際にあったM&Aの事例についてお伝えしていきます。

    ①ウィザス×京大ゼミナール久保塾

    株式会社ウィザスは京大ゼミナール久保塾を2017年に買収、子会社化しました。

    ウィザスは学習塾事業や高校・キャリア支援事業を中心に展開しており、京大ゼミナール久保塾が同じ目標を持っていたので共に事業を展開していくためにこのM&Aを実施しました。

    阪神エリアを中心とした学習指導や受験指導の実績を持つ京大ゼミナール久保塾のノウハウを取り入れることで学習塾事業のさらなる強化を図ったと考えられます。

    ちなみにウィザスは前述した2つの事業以外にも日本語教育事業やICT教育・能力開発事業なども行っており、教育を中心に新たなノウハウや技術を取り入れた事業展開を行っています。

    ②明光ネットワークジャパン×古藤事務所

    明光義塾で有名な明光ネットワークジャパンは教材開発や教育関連出版物の企画・編集、大学入試問題のチェックやサンプル作成などを行っている古藤事務所を2016年に買収しています。

    明光ネットワークジャパンは様々な入試問題のデータやサンプルを豊富に所有している古藤事務所を取り込むことにより、自社で開発する教材の質の向上を図っていると考えられます。

    他にも明光ネットワークジャパンは国際人材開発を買収して日本語学校事業、最大フランチャイジーMAXISホールディングスを買収して競争力を強化するなど、多様な会社とのM&Aを盛んに行っています。

    ③Z会×デジタル・ナレッジ

    受験向けの教材開発なども行っている大手が学習塾のZ会は2015年にeラーニング開発を専門としているデジタル・ナレッジを買収しました。

    これはZ会がeラーニングに関して高いノウハウを持つデジタル・ナレッジのノウハウを取り入れることで新たなサービスの開発を行うとしていることがわかるM&Aです。

    さらに国内外トップランクの大学受験を指導するigsZもZ会は買収しており、こちらは受験指導のクオリティをさらに向上させることが狙いだと考えられます。

    まとめ

    少子化という重大な問題を抱えている学習塾業界は常に大手が顧客を奪い合っているという状況が続いています。

    しかしM&Aは既存の学習塾と差別化するうえで必要な新たな事業やサービスを導入、開発するうえで有効的な手段だといえるでしょう。

    また顧客や講師の確保などといった学習塾の課題を解決する糸口としてM&Aは活用できるものです。

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