2022年6月6日更新業種別M&A

学習塾業界のM&A・売却・買収事例!最新動向、費用の相場を解説【2021年版】

学習塾業界のM&Aでは、買い手側か売り手側かによってM&Aを選択する目的が異なります。M&Aの際は、メリット・デメリットを判断したうえでM&Aを選択しなければなりません。本記事では、学習塾業界のM&A・売却・買収について動向や費用の相場などを紹介します。

目次
  1. 学習塾業界とは
  2. 学習塾業界のM&A動向
  3. 学習塾業界のM&Aの相場と費用
  4. 学習塾業界のM&A・買収の目的
  5. 学習塾業界のM&A・売却の目的
  6. 学習塾業界のM&A・売却・買収まとめ
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学習塾のM&A・事業承継

学習塾業界とは

学習塾業界とは

まずは、学習塾業界について詳しく見ていきましょう。

学習塾業界の定義

学習塾とは、義務教育課程あるいは高等教育以上の課程にある児童や生徒へ、学習指導や進学指導を行う教育施設のことです。学習塾を開業する際は、公的な認可が要りません。そのため、参入障壁が低く、自宅などを学習塾とする地元に密着した個人塾が多いです。

大規模の学習塾は大都市に集まっていますが、小規模の学習塾は人口密度が低い地方に集まっています。

学習塾業界の特徴

学習塾は、個別指導あるいは集団指導にするかで、経営が異なります。少子化が進み、親のニーズが各生徒のレベルに応じた学習指導を求めるようになり、大手学習塾も個別指導を積極的に取り入れている状況です。

個別指導では、個別の教室とマンツーマンに対応する講師の数が必要なので、多くの固定費が要ります。固定費を変動費化するには、講師をアルバイトや個人事業主として雇う、家賃を抑えるために1階ではなく空中階に学習塾を設ける、などの経営努力が必要です。

大手は経営の圧迫となる原因を解消や生徒のニーズにおける対応として、インターネットを用いた個別指導を積極的に行っています。

学習塾の経営は、効率が良い広告宣伝費により多くの生徒を集めて定着させ、高いクオリティを持つ講師をたくさん揃え、高稼働率を維持することが欠かせません。特に、講師の質と人数は、学習塾の経営に大きな影響を与えます。

学習塾業界の市場規模

矢野経済研究所による「学習塾・予備校市場に関する調査を実施(2021年)」を見ると、2020年における学習塾・予備校市場規模の市場規模は、9,240億円です。これは、前年度と比べて、4.9%減っています。

 学習塾の市場規模は、ゆとり教育の時代に、親の学力低下に対する不安を背景として拡がっていました。しかし、ゆとり教育が崩壊し、少子化が進んだため、縮小に転じたと考えられます。

学習塾業界は、将来を見据えた経営戦略が求められるでしょう。

学習塾業界の課題・展望

学習塾業界は、これからの社会に必要とする21世紀型の学力を身につけさるため、大学入試を筆頭に大学や高校の教育が改革される見込みです。

ゆとり教育のネガティブキャンペーンを行い売上を伸ばした学習塾業界ですが、詰め込みドリル教育をマニュアル化したビジネスモデルは、今後、通用しなくなるでしょう。新しいイノベーションを起こす必要があります。

入試制度改革をきっかけとして、学習塾を中心とした受験産業が改革できるかどうかに重点が置かれるでしょう。既存の常識を変えなければ、既存の常識を知らない異業種による参入や、常識を持たないベンチャービジネスに、シェアを奪われる可能性が高いです。

学習塾業界の現状

ここでは、学習塾業界の現状について見ていきましょう。

多様性が求められている

これまでは、学習塾といえば、学校と同じく大きな教室で大勢の生徒が講義を受ける集団指導のイメージがありました。

しかし、最近は、生徒一人ひとりの学力や目標、ペースに合わせてカリキュラムを設定できる特性を生かし、1対1で教える個別指導やインターネットで受けられるeラーニングを用いる学習塾が一般化しています。

特に「eラーニング」は手軽に受けられるため、さまざまな学習塾が導入し、アプリを用いて通う手間を省き、より手軽に講義を受けられるサービスを提供するところが増えている状況です。

また、教育制度改革によって大学入試の内容や学校で教える教科の追加など多種多様な変化が起こることが予想されるため、学習塾業界でもさまざまな対応が検討されています。

学習塾の増加と少子化の影響

学習塾業界は新規参入がしやすい業界です。学習塾は個人事業として開業しやすく、設備も最低限で済まそうと思えば済ませられるからです。そのため、学習塾業界に登場する新たな学習塾が続々と増えています。

一方、学習塾は講義を行う講師の人件費や教室の維持費、教材費、広告宣伝費などといった固定費がかさみやすく、コストに関しては常に配慮しなければなりません。人気のある講師の育成や確保、定着も学習塾にとって重要な課題です。

学習塾によってはフランチャイズ方式で教室を展開したり、講師をアルバイトに置き換えて人件費を抑えつつ綿密に作成したカリキュラムで育成したりするケースもあります。ただし、これらの対応だけでは解決できない問題を学習塾業界は背負っているのです。

それは「少子化」です。学習塾業界は学生に授業を行うことが主な業務であるため、少子化の影響をダイレクトに受けます。少子化が進めば主なターゲット層の小学生~高校生が減少し、学習塾同士でシェアを奪い合うことになるでしょう。

学習塾の数が増えていることは少子化が起こっている状況と相反しており、供給過多ともいえる状況です。そのため、昨今は少子化による影響を見越して高齢者や成人向けの生涯学習事業などに進出する事例もあり、今後学習塾業界は多様化することが予想されます。

学習塾業界のM&A動向

学習塾業界のM&A動向

学習塾業界はM&Aを行うケースが増えており、M&Aが活発な業界といっても過言ではありません。そもそも学習塾業界は、生徒と講師の定着率が不安定となっています。

学習塾の生徒は受験の終了や進学など特定のタイミングで退塾するのが一般的で、顧客としてとどまる期間が限られているからです。

また、講師に関しては、学生や主婦などのアルバイト講師は非常勤であるため、短期間しか勤務しない可能性が高いうえ、専門的な研修などを受けていないため講師としての質も低い傾向があります。

正社員として常勤している講師は、研修を受けていたりスキルが高かったりする人材が多いです。人件費がかかることを除けば理想的な人材です。しかし、近年は、人気講師が他の学習塾からヘッドハンティングされる事例も多く、定着率は高いといい難いでしょう。

増加する学習塾業界のM&A

学習塾業界のM&Aでは、顧客である生徒や講師の獲得を優先するケースが多くなっています。また、異業種の取り込みのためにM&Aを行う事例も多いです。

生涯学習事業の設備やノウハウ、人員を確保するためにM&Aを行うこともありますが、他にもeラーニングや学習用アプリなどを開発するためにIT企業を買収するなどのケースもあります。

こういった学習塾業界における事業の多様化や新しいノウハウを用いた教育事業の開発を目的としたM&Aは、非常に有効な手段といえるでしょう。

ゼロベースから新しい事業を行うには、設備投資や新たな人材の確保といった手間やコストがかかるため、固定費がかさみやすい学習塾にとって大きな負担です。

しかし、既存の設備や人材をそのまま取り入れられるM&Aを活用すれば、余計な手間もコストも省けるため、迅速な事業展開の可能性が高まります。

学習塾業界のM&Aの相場と費用

学習塾業界のM&Aの相場と費用

ここでは、学習塾業界におけるM&Aの相場と費用について見ていきましょう。学習塾業界のM&Aでは、設備・講師・生徒の数などが買収の際にかかる費用を決定するといえます。

ただし、学習塾は、教室の規模が小さくても成立しやすい事業であり、中小の学習塾であれば数千万円、特定の地域・地方だけで展開している学習塾なら数億円単位の相場になることがあるのです。

また、教室の規模だけでなく、講師の雇用形態も重要なポイントです。中小の学習塾は、講師がアルバイトの学生や主婦、高齢者であることが多く、人件費が抑えられています。そのため、固定費が変動し、買収の費用も変わるのです。

M&Aを行う際に専門家の協力を得れば、その報酬も費用に加算されます。M&Aを行う立場であれば、この報酬はなるべく抑えたいところです。

学習塾業界のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。知識や支援実績の豊富なM&Aアドバイザーが、ご相談からクロージングまで丁寧に案件をフルサポートいたします。

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学習塾業界のM&A・買収の目的

学習塾のM&A・事業承継
学習塾のM&A・事業承継
学習塾業界のM&A・買収の目的

ここでは学習塾業界におけるM&Aの買収について見ていきましょう。学習塾業界におけるM&Aの買収は、大きく分けて2つの目的があります。

  1. 自社のシェア拡大
  2. 異業種の取り込み

①自社のシェア拡大

1つ目は、自社のシェア拡大のために顧客層や講師の確保をするなどの目的です。学習塾業界では、少子化によって顧客層が減りつつあるため、他の学習塾をM&Aで買収して顧客層や講師陣を増やし、さらなる売上増加につなげることを目的とするM&A事例が増えています。

地方における中小の学習塾を買収するだけでも一定数の講師や顧客の取り込みは可能であるため、大手学習塾の中には別の地域へ進出する際にM&Aを実行し、教室の確保や人員の採用のプロセスを省略する事例も増えているのです。

医学部専門の予備校、小学校受験や中学校受験向けの学習塾などを買収して事業領域を拡大し、顧客層の取り込みを行うケースもあります。さまざまな志望校への受験や進学に対応できる事業を展開することで、今後のさらなるシェア拡大にもつながるのです。

医学部や小学校受験、中学校受験などを専門とした授業は試験の傾向や範囲などを網羅したデータや指導のノウハウや知識が重要になるため、M&Aを実施することでゼロベースで新しく開発する手間を省けます。

少子化が続く限り生徒の奪い合いは今後も継続する可能性が高いですが、他の学習塾と指導内容や講師の質で差別化できれば競争力が高まるでしょう。

②異業種の取り込み

2つ目の目的は「異業種の取り込み」です。最近では、異業種の取り込みの過程で海外進出を行う事例もあり、海外の市場で事業を展開している学習塾も少なくありません。

海外における学習塾の事業展開は、語学や現地の習慣などにおける問題はあるものの、発展途上であるため、教育に力を注いでいる国であれば学習塾のニーズは高いです。

また、日本と違って市場が縮小する心配も薄いため、事業拡大の選択肢の一つとして検討する企業が増えています。

学習塾業界のM&A・売却の目的

学習塾業界のM&A・売却の目的

ここでは、学習塾業界のM&Aにおける売却について見ていきましょう。

学習塾業界において、売却を行う学習塾は中小規模の学習塾がほとんどです。中小の学習塾は地域に根差したものが多く、よほどの評判がない限り基本的に生徒は地元の学生に依存しています。

また、大手学習塾に比べると財務基盤が不安定なため、近年大手の学習塾が取り入れているeラーニングやアプリの開発、異業種の取り込みが難しく、少子化の影響をダイレクトに受けています。

財務基盤の問題から固定費を抑える必要があり、正社員である常勤の講師を定着させることが難しい環境です。そのため、アルバイトの学生や主婦、高齢者といった非常勤の講師に依存しやすく、講師の質や定着率も不安定になる傾向にあります。

学習塾業界の事業承継

中小の学習塾が抱えている切実な問題に「事業承継」があります。昨今は業界を問わず中小企業の経営者が高齢化していく一方で後継者不在が問題化しており、これまで育ててきた事業を次世代に引き継げない状況が多発しているのです。

学習塾にいたっては講師はもちろん、通っている生徒のためにも教室を残したいでしょう。しかし、後継者不在の中で経営者が頑張って経営することは限界があります。そのため、中小の学習塾は事業承継の一環としてM&Aに乗り出すケースが多いです。

学習塾のM&Aにおいて買い手となる学習塾は、顧客の拡大や講師の確保を目的として盛んにM&Aを活用しています。売却を考えている中小の学習塾は顧客や講師を提供できるため、ニーズがマッチしやすい状況です。

買い手となり得る学習塾がその地域に進出していなければ、新たな地域に対する進出の足掛かりとなるため、よりM&Aの話がまとまりやすいでしょう。

事業承継を諦めることは雇用している講師のみならず通っている生徒にも多大な影響を与えてしまうため、後継者不在の状況に陥っている学習塾にとってM&Aは非常に有効な手段の一つです。

学習塾業界のM&A・売却・買収まとめ

学習塾業界のM&A・売却・買収まとめ

少子化といった重大な問題を抱えている学習塾業界は、常に大手が顧客を奪い合っている状況が続いています。

既存の学習塾と差別化するうえでは、新たな事業やサービスを導入、開発するためにもM&Aは有効的な手段といえるでしょう。また、顧客や講師の確保などといった学習塾の課題を解決する糸口としてM&Aを活用する事例も増えています。

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