2024年10月24日更新都道府県別M&A

山口県のM&A・会社売却・事業承継の動向は?案件例も解説!

本記事では、山口県のM&A・会社売却・事業承継の動向や案件例から、会社選びの基準などを紹介します。本州と九州地方を結ぶ拠点でもある山口県は今後も経済の安定が重要な地域で、依然としてM&Aの件数が少ない地域です。M&Aを検討中の方は必見です。

目次
  1. 山口県のM&A・会社売却・事業承継の動向
  2. 山口県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例5選
  3. 山口県でのM&A案件の探し方
  4. 山口県のM&A・会社売却・事業承継におすすめのM&A仲介会社
  5. 山口県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関4選
  6. 山口県のM&A・会社売却・事業承継についてまとめ
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山口県のM&A・会社売却・事業承継の動向

山口県は2023年、県内の製造業を中心に経済成長が進んでおり、特に自動車関連や化学工業の生産が活発です。また、観光業も回復傾向にあり、外国人観光客の増加が地域経済に貢献しています。
一方で、人口減少や高齢化が進む中、地域の持続可能な成長を実現するために、さらなる産業構造の転換やM&Aを含む新たな事業展開が求められています。

山口県の経済状況

山口県が2023年3月に発表した「令和3年度県民経済計算について」によると、2022年の県内総生産は名目で6兆2,366億円、実質で6兆2,680億円、経済成長率は名目で2.2%増・実質で4.6%増となりました。

山口県は瀬戸内海に面しているため、瀬戸中居沿岸地域に基礎素材型産業の会社が多く工業が盛んです。また、高速道路の交通インフラも整っており、流通業も発展しています。日本海側は、農業や漁業のほか観光業やサービス業などが中心です。かつて鉱業が盛んだったため、重化学工業地域があり、化学系製品の製造を主な事業にする工業地域も形成されています。

山口県に本社を置く大手企業も多くあり、宇部興産・セントラル硝子・長府製作所・ファーストリテイリング(ユニクロ)などが代表的です。

参考:山口県 「令和3年度県民経済計算」について

山口県の休廃業・解散・倒産件数

大手企業が山口県に拠点を置くものの、山口県における事業所のほとんどは中小企業で、中小企業が経済の支えとなっています。しかし、他府県と同様に、経営者の高齢化によって世代交代が必要な中小企業が多いのが現状です。

2023年の山口県における休廃業・解散件数は454件で2000年以降で2番目に多い結果となりました。現状、山口県でM&Aを実施する会社は多くありませんが、今後、県政や国の政策により認知度が上がればM&Aを行う会社が増える可能性があります。

山口県の後継者不在率

帝国データバンクの「山口県 後継者問題に関する企業の実態調査」によると、山口県の後継者不在率は71.0%で、全国で5番目に高い数字となりました。また、社長の年齢が60歳以上の企業は、50%強となっています。

業種別で見ると、「その他」が構成比 78.6%で最も高く、「建設業」が75.6%、「小売業」が 72.9%、「サービス業」が 71.7% で 7 割を超えて続いています。売上規模別では、1億円未満が78.2%を占めています。従業員数別では10人未満がトップで75.6%と、従業員数が少ないほど不在率が上昇している状況です。

山口県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例5選

近年、M&Aは都市部だけでなく事業承継目的を掲げて全国で行われるようになってきています。この章では、山口県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例を紹介します。

①【中国地方/財務内容良好/業歴50年以上】学生用シャツ、学生服卸売業

学生用シャツ・学生服の卸売業をしている企業です。大手卸や首都圏の販売店を主要販売先に持ち、安定した売上を計上しています。500坪ほどの自社倉庫を保有しており、納期に合わせて柔軟に対応可能です。

売上高 1億円〜2.5億円
売却希望額 2.5億円〜5億円
譲渡希望理由 後継者不在

【中国地方/財務内容良好/業歴50年以上】学生用シャツ、学生服卸売業(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

②【財務安定】中国地方/総合電気工事業

公共施設や商業施設、ビル、工場、店舗、一般住宅等の電気工事を営む企業です。第一種電気工事士2名、1級電気工事施工管理技士1名在籍しています。前オーナーが創業以来、一貫して地場にて業務を続けてきたことにより官公庁とは付き合いが長く非常に高い信頼を得ています。

売上高 1億円〜2.5億円
売却希望額 1億円〜2.5億円
譲渡希望理由 後継者不在

【財務安定】中国地方/総合電気工事業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

③【純資産アンダー/中国地方×製造業】LED照明・電気自動車の電子部品製造業

オーダーメイドLED照明の製造、電気自動車などに使用される電子部品の製造をする企業です。電子部品は自動車業界向けであり、今後EV等の普及で売上伸長予定です。LED照明はデザイン性があり、カーボンニュートラルの観点からも今後伸張性のある企業です。

売上高 2.5億円〜5億円
売却希望額 1億円〜2.5億円
譲渡希望理由 後継者不在

【純資産アンダー/中国地方×製造業】LED照明・電気自動車の電子部品製造業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

④【EBITDA100M】中国・四国地方の産業廃棄物処理業

解体工事、土木工事を営む企業です。解体工事から収集運搬、中間処理まで一貫して対応しています。解体工事のほか土木工事、舗装工事、管工事など幅広く対応しています。

売上高 5億円〜10億円
売却希望額 2.5億円〜5億円
譲渡希望理由 戦略の見直し

【EBITDA100M】中国・四国地方の産業廃棄物処理業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

⑤【中国・四国地方】クラフトビール醸造所×その場でビールを楽しめる直売所

中国・四国地方でクラフトビール醸造所及び直売所を運営する会社です。オリジナルのビールだけではなく、各メーカーのOEMにも対応しています。直売所を併設しており、醸造所のグッズ等も販売し同県の観光地として機能しています。

売上高 1億円〜2.5億円
売却希望額 株価1円+役員借入金の返済(応相談)
譲渡希望理由 財務的理由

【中国・四国地方】クラフトビール醸造所×その場でビールを楽しめる直売所(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

山口県でのM&A案件の探し方

山口県でM&A案件を探したい場合、どのような方法を用いるのでしょうか。一般的に、M&Aの案件は以下の方法を用いて探します。

  • M&A仲介会社に探してもらう
  • 公的機関に案件を探してもらう
  • 自分でM&A仲介サイトを利用してM&A案件を見つける

ここからは、M&A仲介会社と公的機関のメリットやデメリットを紹介します。

M&A仲介会社を利用するメリットとデメリット

まずは、M&A仲介会社のメリットです。

  • 管理案件が多いため、希望する内容の案件を見つけやすい
  • M&Aに関する相談だけでなく、仲介まで一貫して担当してもらえる
  • 公認会計士や弁護士などから専門的なアドバイスをもらえる

昨今、M&A仲介会社が増えたため、さまざまなニーズに対応できるようになりました。大型のM&A仲介会社も増えており、山口県を含む日本全国のM&A案件を数多く管理しているため、理想的な案件を探せる可能性が高まります。

また、M&A案件を探したり、相談したりするだけでなく、仲介まで十分なサポートを受けられます。公認会計士や弁護士が在籍しているM&A仲介会社もあるため、専門家のアドバイスを受けながらM&Aをスムーズに進めることが可能です。

次に、M&A仲介会社のデメリットを解説します。

  • M&A仲介会社によって手数料が異なるため、高額な費用がかかる場合がある
  • M&A仲介会社によっては、クロージングまで何ヶ月もかかってしまう

M&A仲介会社によって採用している報酬体系は異なり、場合によっては多額の費用がかかります。手数料などが細かくかかる場合もあれば、完全成功報酬制といった明瞭なシステムを採用している場合もあるため、十分に確認して納得できるM&A仲介会社を選びましょう。

公的機関を利用するメリットとデメリット

山口県に絞ってM&A案件を探す場合は、山口県の公的機関も利用できます。早速、公的機関のメリットを紹介します。

  • 地域に特化した公的機関のため、山口県の案件を管理している場合がある

政府のもとで設置されている公的機関は、山口県に特化して支援を行っています。そのため、M&A仲介会社では把握していない案件を、公的機関で見つけられる場合があるのです。公的機関は無料で利用できることも多いため、気軽に利用できる部分もメリットでしょう。

次に、公的機関のデメリットです。

  • M&A仲介会社に比べ、管理案件が少ない場合がある
  • M&Aの仲介業務は行わないため、仲介自体はM&A仲介会社に依頼する必要がある

山口県の公的機関を利用すれば、M&Aや事業承継に関する相談やアドバイスをもらえます。しかし、公的機関は管理案件が少ない傾向にあるため、希望する内容で案件を見つけられないケースもあります。また、M&A仲介を行わない場合も多く、別途M&A仲介会社を利用する手間やコストがかかる可能性があるのです。

自分でM&Aマッチングサイトを利用して案件を探すメリット・デメリット

M&Aマッチングサイトは、企業が売却を検討する際や、買収を希望する企業が効率よく案件を探せる便利なプラットフォームです。これらのサイトを活用することによって、次のようなメリットを享受することができます。

まず、インターネットを通じて全国規模で幅広い案件にアクセスできる点が挙げられます。従来の仲介業者を介した取引では、地域や業界に限定されがちでしたが、マッチングサイトを使用することで、地理的な制約を超えて多様な選択肢を手に入れることが可能です。

次に、手軽に情報を確認できる利便性があります。M&Aマッチングサイトは24時間いつでもアクセス可能なため、忙しいビジネスマンでも時間を気にせずに案件を調べることができます。また、匿名で情報を公開できるため、他の市場参加者に対して身元を公開せずに取引の初期段階を進めることができるという安心感も特徴です。

さらに、手数料の面でも仲介業者を使う場合より低コストで済むことが一般的です。これにより、特に中小企業やスタートアップ企業にとっては、コストを抑えてM&A活動に参加するハードルが下がります。

ただし、デメリットもいくつか存在します。マッチングサイトの多くは、取引相手の企業情報が十分に精査されていない場合があるため、相手の信頼性や財務状況の確認は自身で行う必要があります。また、仲介者がいないため、交渉の進行や契約内容の精査を自力で進めるスキルが求められる点も留意が必要です。

そのため、M&Aマッチングサイトを活用する際は、十分な準備を行い、必要であれば専門家のサポートを受けることが重要です。

M&A仲介会社へのマージンについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&A仲介会社へのマージンは高い?紹介手数料/相場/報酬体系を解説| M&A・事業承継の理解を深める

山口県のM&A・会社売却・事業承継におすすめのM&A仲介会社

M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国の案件やスモールM&A・小規模案件に対応しております。案件ごとに、知識・支援実績の豊富なM&Aアドバイザーが、丁寧に案件をフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)無料相談を随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

山口県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関4選

この章では、山口県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関を紹介します。

①山口県事業承継・引継ぎ支援センター

山口県事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継やM&Aを支援する公的機関です。相談料は無料で、専門相談員が対応します。

山口県内の支援機関や外部の専門家など、さまざまな機関と連携を取りながら、M&Aをサポートします。事業承継やM&Aに特化した公的機関なので、山口県でM&Aを行う際に活用しましょう。

山口県事業承継・引継ぎ支援センターのホームページ

事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し

政府は、山口県を含む各都道府県に設置されている事業承継・引継ぎ支援センターを活用するよう後押ししています。日本では現在、少子高齢化による人口減少に伴い、人手不足・経営者の高齢化が進み、廃業を選択せざるを得ない企業が増えている状況です。

このような状況を打破するためにも、事業承継・引継ぎ支援センターはM&Aや事業承継をサポートしています。しかし、事業承継・引継ぎ支援センターといった公的機関はM&A仲介を行わないケースが多く、手間や時間を要する可能性もあるのです。

②山口県よろず支援拠点

山口県よろず支援拠点は、中小企業や小規模事業者を対象に、さまざまな経営課題を相談できる公的機関です。中小企業診断士などの資格を持った専門家や、多様な業種のプロが在籍しています。セミナーや出張相談会を開催しているため、山口県のM&Aに役立つでしょう。

山口県よろず支援拠点のホームページ

③山口県商工会議所連合会

山口県内には14の商工会議所が設置され、各地域の商工会議所に経営者などが参加して、山口県における経済活性化のために活動しています。経営支援として窓口相談や専門家の派遣も行っています。山口県でM&Aを行いたい場合は活用しましょう。

山口県商工会議所連合会のホームページ

④山口県信用保証協会

山口県信用保証協会は、中小企業を金融面から支える公的機関です。事業を立て直したい方などに向けた経営改善のサポートも行っており、頑張る中小企業を支えています。各種保証制度を取り扱っているため、山口県でM&Aを行う際に利用できます。

山口県信用保証協会のホームページ

山口県のM&A・会社売却・事業承継についてまとめ

山口県は中小企業が多く、中小企業における経営者の高齢化も目立っている地域です。しかし、地方の中小企業経営者は、自社を売却することに対して「身売りをするようで抵抗感がある」と考える傾向が強い場合があります。

こうした中で、本州と九州地方を結ぶ拠点である山口県は、今後も経済の安定が重要な地域でもあり、廃業する中小企業の減少が課題といえます。今後は山口県でもM&Aの重要性が広く知られ、M&Aを行うケースが増えるでしょう。

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