2024年1月17日公開業種別M&A

広告業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!

広告業界は急速にデジタル化が進んでいる業界です。広告手法のデジタル化に強みを持つ企業とのM&Aが積極的に行われています。この記事では、広告業界における動向やM&Aのメリットなどを説明した上で、売却・買収事例や流れ、注意点を解説します。

目次
  1. 1.広告業界の動向
  2. 2.広告会社のM&Aのメリット
  3. 3.広告業界のM&A・売却・買収事例7選
  4. 4.広告会社のM&Aをする流れ
  5. 5.広告会社をM&Aする注意点
  6. 6.広告会社のM&A・事業譲渡まとめ
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1.広告業界の動向

従来の広告業界とは異なるデジタル化が近年の広告業界のトレンドです。デジタル化の波は広告手法に大きな影響を及ぼしています。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などを通じて展開される従来の広告手法(マーケティング手法)は一方向的であり、その影響力を測定するのは難しいという欠点を有していました。

しかし、デジタル広告はインターネットを介して展開されるため、ユーザーとの双方向性を持ち、リアルタイムでのフィードバックを得ることを可能とする広告手法として注目されています。

デジタル広告は、ソーシャルメディア、検索エンジン、ウェブサイト、モバイルアプリなどのデジタルプラットフォーム上で展開されるのが普通です。

ターゲットとする顧客の詳細なデータに基づいて、パーソナライズされた広告を配信することが可能となります。これにより、広告はより効果的かつ効率的になり、マーケティングのROI(投資対効果)を高められるようになりました。

こうしたメリットがあることから、広告業界におけるM&Aでは、デジタルプラットフォーム上の広告手法や運用に強みを持つ企業の取得(子会社化)が積極的に行われています。

今後の広告業界においては、AI(人工知能)やビッグデータの活用により、広告は常にユーザーの嗜好に最適化されて展開されるようになっていきます。

AIはユーザーのオンライン行動を分析し、最適な広告を表示します。これにより、デジタル広告は広告業界を根本的に変える可能性を秘めていることから、広告業界の再編が進んでいます。

【関連】【関連】Web広告業界のM&A・売却・買収事例とは?動向、費用の相場を解説

2.広告会社のM&Aのメリット

すでに説明したように、広告業界においてはデジタル化の波が到来しており、業界の再編が進んでいる最中です。それに伴って数多くの会社がM&Aを行っています。以下では、広告会社におけるM&Aのメリットを解説していきます。

売却側のメリット

広告会社を売却する側のメリットとしては、デジタル化に対応が遅れて不採算となった事業を売却して、その売却益を得られるという点が挙げられます。

広告業界においてデジタル化が進んでも、そもそも魅力的な広告を作成するのにはノウハウが必要です。従来の広告手法で培ってきたノウハウをデジタル化に活かすことができます。

その意味で、デジタル広告に強みを持つ会社にデジタル化への対応が遅れた会社・事業を売却することで、競争力が低下した事業から素早く撤退し、自社の強みに経営資源を集中することが可能です。

買収側のメリット

広告会社を買収する側のメリットとしては、素早くデジタル化に対応できる点が挙げられます。従来の広告手法についてアップデートする必要があるとしても、それを一から構築していくことは難しいのが現状です。

そのため、すでにデジタル広告にノウハウを持つ会社や事業を買収することによって、素早く必要な経営資源を取得することができます。

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3.広告業界のM&A・売却・買収事例7選

ここからは、広告業界における実際のM&A・売却・買収事例を7つ厳選して紹介していきます。事例を確認することで、広告業界におけるM&A・売却・買収事例のトレンドを把握することが可能です。

ラバブルマーケティンググループがDTK AD Co., Ltd.をM&Aした事例

2023年4月22日をもって株式会社ラバブルマーケティンググループは、同年3月22日に公表していたDTK AD Co.,Ltd.の株式の取得を行い、子会社化することに成功しました。

株式会社ラバブルマーケティンググループは、生活者の情報消費行動に寄り添い、「共感」を重視したマーケティング活動を支援する企業です。マーケティングの運用領域を主軸として事業展開を行っており、近年、盛んに組織再編を行っています。同4月6日には、SNSマーケティング支援事業を行う株式会社ジソウを設立しています。

今回、子会社化したDTK AD Co.,Ltd.は、東南アジアのマーケティング支援に強みを持ったタイの企業です。

今回の子会社化を通じて、東南アジアをはじめ、海外でのSNSマーケティング事業に加え、訪日外国人旅行客を対象とした企業のSNSマーケティングやプロモーション活動支援を本格的に行うことを公表しています。

参考: DTK AD Co., Ltd.を子会社化

ジーニーがZelto, Inc.をM&Aした事例

2023年2月27日をもって、株式会社ジーニーは、北米・インド・ヨーロッパにおいて最先端の広告収益向上テクノロジーとサービスを提供するZelto,Inc.の全株式を取得して子会社化することに成功しました。

株式会社ジーニーは、日本市場・東南アジア市場において広告事業拡大を目指して様々な取り組みを行ってきました。

今回の子会社化を通じて、株式会社ジーニーは、Zelto, Incとの連携により、北米・インド・ヨーロッパ市場を含め、これまで事業活動が及んでいなかった市場へ事業展開を加速していく狙いです。

参考: Zelto, Inc. を子会社化

ホットリンクがWevnalのSNS広告事業をM&Aした事例

2023年1月27日に株式会社ホットリンクは、株式会社WevnalからSNS広告事業と一部メディア事業(fasme)を譲り受けることに成功しました。

2011年に創業したWevnalはSNSに特化した広告事業を行っており、Twitter広告認定パートナープログラム認定や各SNS広告の取扱代理店として多くの会社のSNS広告に携わってきたことによって、効果的な広告運用のノウハウを蓄積してきています。

今回の事業譲り受けを通じて、株式会社ホットリンクは、もともと得意としていたSNS上のビッグデータ収集・分析・活用を強みとして、譲り受けた事業を軸に、広告運用サービスを提供することで、より効果的な顧客企業のブランディングに貢献することを目指しています。
 
参考: WevnalのSNS広告事業を取得
 

Macbee PlanetがネットマーケティングをM&Aした事例

2023 年1月25日に、株式会社Macbee Planetは株式会社ネットマーケティングの自己株式を除く発行済み株式の全てを取得して完全子会社化することに成功しました。

株式会社ネットマーケティングは、株式会社Macbee Planetと同様にインターネットを活用したマーケティング支援を行っている企業です。

具体的には、アフィリエイト広告やソーシャル広告などの領域でプロモーションの戦略立案から運用支援までを一貫して行うコンサルティングサービスを提供しています。今回のMacbee Planetの狙いはこれを強化することにあります。

なお、株式会社ネットマーケティングが保有していた恋愛マッチング事業である「Omiai」に関しては、株式会社withの傘下で事業を運営することになったため、今回の子会社化には含まれていません。

参考: ネットマーケティングの子会社化

日本創発グループが大光宣伝とアムをM&Aした事例

2022年10月26日に、株式会社日本創発グループは、大光宣伝株式会社の株式の一部、大光宣伝株式会社の親会社である有限会社アムの株式の全部を取得して、アムと大光宣伝を子会社することに成功しました(大光宣伝は孫会社となっています)。

今回子会社化した大光宣伝株式会社は、1939年7月創業(1950年9月設立)の歴史ある企業で、80余年にわたって、トータルセールスプロモーションの専門会社として、セールスプロモーションの企画・開発から制作・保守管理を行ってきた企業です。

特に屋外広告・交通広告を中心として、独自のノウハウと実績を蓄積してきました。

今回の子会社化を通じて、株式会社日本創発グループは、商材の付加価値を高めるとともに、品質向上が期待できるとしています。

また、新たに商品の企画・開発を行ったり、販売機会の拡大したり、サービスを展開することで、ワンストップサービスを強化するとしています。


そもそも、株式会社日本創発グループは、高い技術力を活かした印刷事業をはじめとして、ITメディアを組み合わせてセールスプロモーションを行う事業や魅力的な商品を開発するプロダクト開発事業と、広告宣伝領域において独自のサービスを展開する企業です。

大広宣伝とアムを子会社化したことで、さらに事業を強化する狙いがあります。

参考: 大光宣伝とアムの子会社化

駅探がプラウドエンジンをM&Aした事例

2022年10月24日、株式会社駅探は、デジタルマーケティング・インターネット広告領域で事業を展開するプラウドエンジン株式会社を完全子会社化することに成功しました。

株式会社駅探は、パソコン・スマートフォンの利用者向けに、乗換案内/時刻表の検索サービスを提供している企業です。消費者向けのサービスを展開しているだけでなく、B to B向けのサービスも展開しています。

プラウドエンジン株式会社は、独自のDSPプラットフォーム「Sphere」、Google・Yahoo!・Facebookなどの広告配信プラットフォームを活用した広告提案・運用に係る総合的なソリューションを顧客に提供しています。

今回の完全子会社を通じて、株式会社駅探は、もともと保有しているサービスと融合させ、会社の収益力を更に高めることが、今回の子会社化の狙いと説明しています。

参考: プラウドエンジンの子会社化

東宝がエイド・ディーシーシーをM&Aした事例

2022年9月27日に、株式会社東宝は株式会社エイド・ディーシーシーの全株式を取得して完全子会社化することに成功しました。

株式会社エイド・ディーシーシーは、デジタルコンテンツなどの企画・制作を手がける企業です。

今回の子会社化を通じて、株式会社東宝は、コンテンツ制作やマーケティング、映像の配信、商品の販売などといった目的でデジタルテクノロジーを活用し、新規事業を始める狙いがあります。

参考: エイド・ディーシーシーの子会社化

4.広告会社のM&Aをする流れ

広告会社においてM&Aを行うとそれが完了するまでにおよそ3~6ヶ月程度の時間がかかると言われています。以下では、広告会社のM&A(売却)の一般的な流れを解説していきます。

専門家への相談

まずは、M&Aを検討していることを専門家に相談しましょう。従来は、取引銀行の担当者に相談することが一般的でしたが、近年では、M&A仲介企業に相談した方がコストもおさえられるのでおすすめです。

M&Aを進行するには、さまざまなステップを踏む必要があり、それぞれの段階で専門的な知識が求められます。自社の日常業務に影響を与えずにM&Aを推進するには、専門家の助けが重要です。

広告業界で事業譲渡を適切に行うには、広告業界に精通した専門家によるサポートを受けるのがおすすめです。
M&A総合研究所では、M&A支援経験豊富なM&Aアドバイザーが専任につき、事業譲渡を丁寧にフルサポートいたします。

また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談も随時受け付けておりますので、小売業界で事業譲渡をご検討の際はM&A総合研究所までお気軽にご相談ください。

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売却先の選定

売却先を考える初期段階において最も重要な指標となるのは、その企業の事業規模や直近の業績などの定量的なデータです。

売上や利益などの基本情報は、M&Aの仲介者が手に入れられることが多いので、これらの情報を入手するためには仲介者に問い合わせてみてください。最新かつ詳細な情報を得るには、特化した機関やサービスを利用しないと難しいことが多いです。

さらに、売却先の企業が同一業界の企業なのか、それとも異なる業界の企業なのかという観点も重要です。これは、売却によって期待できるシナジー効果が異なるからです。一概に良し悪しを判断することはできません。

初期の検討段階では、従業員への影響を最小限に抑えたいという意図から、同業他社の売却を希望するケースも多くあります。しかし、業界全体が縮小している場合、適切な売却先を見つけるのに時間がかかる可能性があります。

また、業界が小さい場合は、情報の漏洩を恐れて同業他社を避け、異業種から売却先を探すこともあります。

この点についても、無理に範囲を絞りすぎず、自社の特性を考慮しながら広範な可能性を追求することが、早期に高い満足度を得るためのM&Aを実現するために重要です。

基本合意の締結

売却候補が決まれば、売る側と買う側の経営者が直接会う機会が設けられます。M&Aはこれまで接触がなかった企業間で行われることが多いため、事前の資料では理解できない経営理念などを確認するのがこの面談の主な目的です。

将来への展望や相性などを見極め、自社を信頼できるパートナーかどうかを判断するのがこの面談の目的となります。そのため、具体的な金額や条件などの詳細な交渉は通常この段階では行われません。

そして、両者がM&Aに積極的であれば、細かな条件についての交渉を進め、次の基本合意契約の締結へと進みます。

基本合意所の締結においては、M&Aの条件、価格、運用方式など、売買の詳細について大筋で合意が見られた時点で、基本合意契約を結びます。これまでの交渉で決定した項目が含まれますが、それ自体は法的な拘束力を持ちません。

そのため、次で説明するデューデリジェンス(調査)の結果により、条件の追加や価格の変更が生じる可能性もあります。

ただし、独占的な交渉権を付与する際など、特定の内容に対しては法的な拘束力を持たせることが一般的です。

デューデリジェンスの実施

基本合意書の締結後、買収を行う側によって売却企業に対する徹底的な調査、デューデリジェンスが実施されます。これは買収の監査とも言え、財務、人事、法務、ITなど多面的に買収に伴うリスクを明らかにするための調査です。

この調査は専門家、例えば会計士や弁護士によって実行されます。買収を進める側が主導となるので、売却側が行うべきことは基本的にありません。しかし、資料提出などの協力が求められた場合、誠実に対応することが必要です。

デューデリジェンスの結果によっては、契約条件や価格が変わることもあります。また、重大なリスクが見つかった場合、M&Aそのものが中止になる可能性もあることを理解しておくべきです。

最終契約の締結

デューデリジェンスの結果、買収に問題がないと判定されれば、最後の交渉フェーズに移ります。もし調査過程で明らかになったリスクや潜在的な問題が存在する場合、買収価格が下げられるか、新しい条件が付けられる可能性もあります。

売却側と買収側がM&Aの詳細について相互に合意した時点で、最終契約が成立し、これによりM&Aが完了します。最終契約の内容には全て法的な効力があるため、細部までしっかりとチェックすることが重要です。

5.広告会社をM&Aする注意点

広告会社をM&Aする場合には、昨今の広告業界において重要視されているデジタル化にどの程度対応できる会社・事業なのかを事前に十分確認しておく必要があります。

デジタル広告には様々なものがあり、そのノウハウも様々です。

たとえば、FacebookやInstagram、TwitterといったSNSの広告に強い企業・事業もあれば、YouTubeやTikTokなど、動画広告に強みを持つ企業・事業もあります。そのため、M&Aの前に、どのような強みを競争力の源泉にするかを十分に考えていくことが大切です。

6.広告会社のM&A・事業譲渡まとめ

広告業界に属する企業については、広告のデジタル化が急務となっています。そのための手段として、M&Aや事業譲渡が積極的に行われています。

M&Aや事業譲渡を通じて会社の競争力を高める取り組みが行われていますが、M&Aや事業譲渡は成功が保証されているわけではありません。成功確率を高めるためにも、積極的に専門家を活用し、アドバイスを受けながらM&Aや事業譲渡を進めるようにしましょう。

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