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廃業における確定申告とは?赤字廃業の確定申告や減価償却【法人・個人事業】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

廃業した年度であっても、税務上の所得が黒字であれば確定申告が必要となります。廃業後に発生した費用に関しては、特例により確定申告時に経費として計上可能です。廃業後の確定申告に際しては、「減価償却」や「在庫の処理」といった注意すべきポイントが多く存在します。

目次

    廃業における確定申告

    赤字に悩む経営者や個人事業主は少なくありません。

    赤字でなくとも、後継者不足等の理由により事業承継の選択肢を迫られる経営者は多いのではないでしょうか?

    赤字や後継者不足を解消できないと、廃業しないといけません。

    そんな廃業において、確定申告は必要なのでしょうか?

    また、在庫や未償却分の減価償却資産はどの様に処理すれば良いのでしょうか?

    この記事では廃業するの際に悩みのタネとなる事柄について、分かりやすく説明します。

    ただ、この記事は廃業が主題となっていますが、もしM&Aを駆使して廃業を回避したいと考えている方はM&A総合研究所にご相談ください。
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    廃業した年の確定申告期限(法人、個人事業主)

    まず初めに、廃業した年度の確定申告期限について解説します。

    期限と併せて、確定申告の有無の判断方法もお伝えします。

    ⑴廃業後の確定申告の有無

    事業年度の途中で廃業すると、確定申告の有無が気になるでしょう。

    廃業した年度に関しては、所得金額によって確定申告の有無が変わります。

    税務上の所得がプラス(黒字)である場合には、通常通り確定申告が必要です。

    廃業後の確定申告有無については、税額を計算して確認しましょう。

    ⑵法人・個人事業主における廃業年度の確定申告期限

    税務上の所得がプラスであれば、廃業した年度であっても確定申告が必要となります。

    では廃業した年度の確定申告は、いつまでが期限となっているのでしょうか?

    廃業年度に関しては、通常通り翌年2月16日から3月15日の間に確定申告しなくてはいけません。

    つまり廃業してもしなくとも、確定申告の時期は変わりません。

    期限内に確定申告しなければ、廃業した後であっても重加算税のペナルティが課されるので要注意です。

    法人の廃業に関しては、個人事業主とは少々異なります。

    法人の確定申告期限は通常決算日から二ヶ月以内ですが、廃業した場合には清算登記のタイミングで確定申告します。

    法人と個人事業主の間で、廃業年の確定申告に関してルールが異なる点には注意しましょう。

    ※関連記事

    法人税の確定申告とは?提出書類や期限、確定申告の流れ

    赤字廃業における確定申告(法人、個人事業主)

    次に、赤字廃業における確定申告について解説します。

    赤字の状態で廃業する事業者は多いですが、果たして確定申告は必要なのでしょうか?

    ⑴廃業の種類

    一口に廃業と言っても、その実態は様々です。

    法人成りを目的としたポジティブな廃業や、後継者不足を理由に止むを得ず黒字廃業するケース等様々です。

    近年は景気低迷等を理由に、経営が上手くいかず赤字廃業するケースもあります。

    起業や新規事業自体成功する確率は低く、赤字廃業に追い込まれるケースは多いです。

    経営者ならば誰もが赤字廃業に追い込まれるリスクを抱えている為、赤字廃業時の手続きは知っておく必要があります。

    ⑵赤字廃業では確定申告は必要か?

    止むを得ず赤字廃業した場合、確定申告は必要となるのでしょうか?

    廃業時における確定申告の有無は、税務上の所得(税金)に応じて決定します。

    所得がプラスであれば納税義務が生じる為、廃業後の確定申告は必須です。

    赤字廃業の状況では所得がマイナスとなっているので、確定申告は必要ありません。

    会計上の赤字を理由に廃業した場合には、確定申告が必要となるケースもあります。

    会計上の利益と税務上の所得は算出方法が微妙に異なっており、会計上の利益が赤字でも税務上の所得は黒字となる場合があります。

    税務上所得が黒字であれば、廃業した年度の確定申告が必要となります。

    あくまで「税務上の所得」が赤字の場合に限り、確定申告が不要となるのでご注意ください。

    ※関連記事

    赤字でもかかる税金とは?赤字繰越・法人税還付による税金対策

    廃業年の確定申告で活用出来る必要経費の特例

    この項では、廃業年の確定申告で活用可能な必要経費の特例をお伝えします。

    必要経費の特例を知っておけば、廃業時の確定申告を有利な条件で行えます。

    ⑴廃業後に生じる費用と確定申告

    個人事業の廃業であれば、税務署に対し「個人事業の開業・廃業等届出書」等を提出した時点で、廃業したと見なされます。

    税務上の所得がプラスであれば確定申告を行いますが、廃業日から確定申告までの間に費用が発生するケースがあります。

    廃業後に設備・在庫処分を実施したり、オフィスの清掃費用等、廃業後に費用が生じることは普通です。

    通常は経費として計上できる費用ですが、廃業後ですので経費として計上できないと考えるかもしれません。

    税法では廃業後に発生した費用についても、確定申告の際に経費計上することが認められています。

    この税法上の特例は、「事業を廃止した場合の必要経費の特例」と呼ばれています。

    この特例を知っていれば、廃業年の税負担を軽減できます。

    ⑵「事業を廃止した場合の必要経費の特例」の概要

    「事業を廃止した場合の必要経費の特例」について、具体的な対象者と対象費用をお伝えします。

    ①特例の対象者

    製造業や卸売業等による事業所得を得ていた事業者のみならず、「山林所得」や「不動産所得」を得ていた事業者も特例の対象者となります。

    山林所得は山林の伐採や売却で得た所得を指し、不動産所得とは不動産等の貸付けで得た所得を指します。

    山林や不動産にまつわる事業者の廃業でも、必要経費の特例を活用できます。

    ②特例の対象費用

    必要経費の特例では、下記費用を適用対象としています。

    • 廃業しなかった場合には必要経費として計上できる費用
    • 事業所得や山林所得、不動産所得が生じる事業に関連する費用

    つまり必要経費として本来計上できる費用であり、かつ事業・山林・不動産所得のいずれかに該当する必要があります。

    管轄の税務署によっては、本来必要経費として認められるものも経費として認めない場合があります。

    廃業した時点で、特例の対象について税務署に問い合わせることをオススメします。

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    自営業の廃業手続きとは?廃業リスクと注意点

    廃業年の確定申告における減価償却

    次に、廃業年の確定申告における減価償却費の取り扱いを解説します。

    廃業時の減価償却費の扱いは特殊なので、注意して処理しましょう。

    ⑴廃業年の減価償却費

    減価償却費とは、年々価値が減少する固定資産について、一定期間内において帳簿上の資産価値を減額させる会計処理です。

    会計処理によって帳簿上の資産額は減少し、発生した費用は減価償却費として計上します。

    通常事業運営により発生した減価償却費は経費として計上できますが、廃業した場合にはどの様に処理するのでしょうか?

    廃業する年度に関しては、年度の初め(1月1日)から廃業月までの分を、確定申告時に減価償却費として経費計上します。

    例えば7月に廃業した場合には、1月から7月までの減価償却費を、確定申告の際に経費として計上可能です。

    ⑵未償却分の減価償却費

    廃業年の減価償却費は上記の通り処理しますが、未償却分については確定申告の際どの様に処理するのでしょうか?

    未償却分とは、廃業時点で減価償却しきれていない費用の分です。

    廃業と同時に対象資産を廃棄する場合、原則未償却分は「固定資産除却損」として処理します。

    つまり廃業で生じた未償却分は、確定申告時に損失として経費に組み入れることが出来ます。

    上記はあくまで廃業と同時に資産を廃棄するケースにのみ適用され、売却する場合や引き続き個人で使用するケースには適用されません。

    廃業時に売却するケースでは、未償却分を譲渡所得の取得費として計上します。

    引き続き個人で使用する場合には、「除却損」は発生しないので、確定申告の際に経費として計上出来ません。

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    廃業年の確定申告における在庫処理

    最後に、廃業年の確定申告における在庫処理に関して説明します。

    前年度に購入した際の処理方法により、廃業後手元に残った在庫に関する処理手続きが異なります。

    前年度に資産として計上した在庫は、確定申告の際に廃棄する物として費用とします。

    購入時に在庫を資産ではなく費用として処理していた場合には、確定申告時の手続きは不要です。

    転売等で在庫を売り上げた際には、売上高として計上しなくてはいけません。

    確定申告における在庫の処理方法は、上記の通りケースバイケースです。

    過去の情報を確かめた上で、廃業時には在庫を処理しましょう。

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    黒字倒産とは?原因と対策

    まとめ

    今回は、廃業と確定申告の関係性について解説しました。

    廃業した年度であっても、税務上の所得が黒字であれば確定申告が必要となります。

    廃業年度であっても通常と変わらずに、翌年2月16日から3月15日の間に確定申告を済ませましょう。

    廃業後に発生した費用に関しては、特例により確定申告時に経費として計上可能です。

    廃業後の確定申告に際しては、上記以外にも「減価償却」や「在庫の処理」等注意すべきポイントが多く存在します。

    要点をまとめると下記になります。

    • 廃業後の確定申告の有無

    →税務上の所得が黒字であれば、廃業年度に関する確定申告を要する

    • 廃業した年の確定申告期限

    →通常と同じ(翌年2月16日から3月15日の間)

    • 赤字廃業における確定申告

    →「税務上の所得」が赤字の状態で廃業する際には確定申告不要

    • 廃業年の確定申告で活用出来る必要経費の特例

    →廃業後に発生した費用も、その年度の確定申告で経費として計上可能

    • 「事業を廃止した場合の必要経費の特例」の概要
    1. 対象者→事業所得、山林所得、不動産所得を得ていた事業者
    2. 対象費用→上記所得に関連した費用であり、かつ本来必要経費として計上できる費用
    • 廃業年の減価償却費

    →年度初めから廃業月までの分を、確定申告時に減価償却費として計上

    • 未償却分の減価償却費

    →廃業と同時に対象資産を廃棄する場合には、「固定資産除却損」として経費に出来る

    • 廃業年の確定申告における在庫処理

    →前年度に在庫を資産計上している場合は、確定申告時に費用として処理する

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