M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2023年2月14日更新業種別M&A
建設業界のM&Aの最新動向は?売却・買収事例33選からM&Aのメリットも解説!
この記事では、建設業界における最新のM&A動向や売却・買収の事例からメリットまで詳しく解説します。建設業界の現状を鑑みつつ、M&Aの相場と費用、コロナ禍の影響についても紹介します。建設業界のM&Aを検討している方は必見の内容です。
目次
建設業界とは
この記事では、建設業界のM&A動向や実施するメリット、コロナ禍の影響などを取り上げますが、その前に建設業界の定義や特徴などを解説します。
建設業界の定義
建設業界の業務は、「建築業」と「土木業」に大別されます。
- 建築業:建物(住宅、ビル、公共施設、工場など)の建築
- 土木業:インフラ(道路、水道、橋、トンネル、ダムなど)の工事や整備
建設業に関する取り締まりは建設業法に定められ、法令で建設業を29の業種に分類しています。
- 土木一式工事業
- 建築一式工事業
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- タイル・れんが・ブロツク工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- ほ装工事業
- しゅんせつ工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
- 造園工事業
- さく井工事業
- 建具工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
- 解体工事業
建設業界の特徴
建設業界の主な特徴は、以下の4点です。
- 許認可が必須
- 公共工事の比率が多い
- 入札制
- ピラミッド構成
建設業界に参入するためには、建設業法の定めにより、国または都道府県から許認可を得る必要があります。許認可には複数の要件が求められ、簡単には開業できません。
建築業では学校をはじめとする公共施設、土木業ではほとんどが公共物であるインフラ工事・整備であるため、建設業界の仕事は他の業種と比べて圧倒的に公共工事が多い点が特徴的です。公共工事の場合、その施工業者を決めるために入札が行われます。
したがって、工事を落札できない業者は、仕事の受注ができません。入札すること自体にも参加資格が定められています。こういった環境にある建設業界は、工事を受注する元請け会社と、その元請けから仕事を受注する下請け会社の構成が明確です。
公共工事は大型工事が多く、建設業者は細かく分類されているため、下請け会社から孫請け会社へ、さらにその下にある下請け会社へ業務が発注される状態がみられます。これが、ピラミッド構成といわれる理由です。
建設業界の市場規模
国土交通省が2022(令和4)年10月に発表した「令和4年度(2022年度)建設投資見通し」では、以下の数値が公表されました。建設投資とは、建設業界の市場規模を示す数値のことです。
- 2022年度建設投資(推計):66兆9,900億円(前年度比0.6%増)
- 内訳①政府投資:22兆5,300億円(前年度比3.7%減)
- 内訳②民間投資:44兆4,600億円(前年度比2.9%増)
建設業界では、東京オリンピックに向けた各種工事、全国各地における自然災害からの復興工事、都市部の活発な再開発などがあり、2015(平成27)年から2019(令和元)年までは毎年、前年を上回る建設投資額でした。
しかし、東京オリンピックに向けた各種工事が一段落し、新型コロナウィルス感染拡大問題の影響を受けている2022年は、前年度から微増にとどまっています。
建設業界が抱える課題
建設業界が従来から抱えている問題点として挙げられる主な課題は、以下のとおりです。
- 都市部と地方の業者間の業績格差
- 若年層離れによる慢性的な人手不足
- 技能労働者(職人)の高齢化
- 属人的な情報管理からの転換
- デジタル環境の導入・整備
市場の特性として、都市部と地方では都市部の方が工事数が多く、その規模も大きい傾向があります。この傾向は業績に反映され、都市部の業者と地方の業者では業績に隔たりが生じる格差が問題点です。
働き手の観点では、若い世代の建設業界離れ現象が続き、高齢化を迎えている技能労働者を継ぐ存在が不足しています。ピラミッド構造の下請け体制であるため、業務上の情報管理が属人的なことも問題点です。
それらを解決する糸口になるはずのデジタル環境導入や整備も遅れが目立ち、情報管理や業務の効率化がそれほど進んでいません。
建設業界が受けたコロナ禍の影響
建設業界は全体的に業績が減少しており、その要因は民間における工事の減少です。コロナ禍による景気減速が直撃した飲食業・宿泊業などのサービス業における工事の多くが、延期や中止措置を取られました。
工事を行っている地域によっては、3密によるコロナのまん延を避けるために建設業者側が工事の中断に追い込まれたケースもあります。その結果として、建設業界でも中小規模の業者を中心に休廃業・倒産件数が増加中です。
今後、減少した工事数をめぐる業者間での競争激化が予想されており、休廃業・倒産を避けて生き残る経営戦略としてM&Aの検討が有効と考えられています。
建設業の事業譲渡・事業売却の流れや注意点については下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
建設業界のM&Aの最新動向
建設業界は、他の業界とは異なりM&Aに消極的で、M&Aによる業界再編も長年にわたり進んでいない状況でした。なぜなら、建設業界は規模の経済の効果が薄く、規模を大きくすると入札参加に制限がかかるなど、M&Aと相性が悪い一面があるためです。
しかし、近年は建設業界でも、徐々にM&Aを行う動きがみられるようになりました。そのなかでも、異業種による建設会社の買収事例が増えています。
建設業界のM&A件数の推移
ストライクが集計した結果によれば、2022年の建設業界のM&A取引金額(発表ベース)は、半年ほどで早くも2013年以降の10年間で過去最高を更新しています。
近年、人材不足の解消や事業エリア拡大などのために、中堅や大手建設会社によるM&Aが増加傾向にあります。経営者の高齢化などによる事業承継目的で自社を売却する、前向きなM&Aも多くなってきている状況です。
異業種による建設会社の買収事例の増加
最近は、ハウスメーカーが中堅のゼネコンを買収して建設業界に進出するなど、新しい事業分野に進出するためのM&Aも増えています。
別業界にM&Aで進出すれば、事業の多角化が見込め、場合によっては各会社の得意分野やノウハウを生かしてシナジー効果を発揮できるからです。不動産会社が建設会社を買収すれば、外注していた施工を内製化できるため、プロセスとコストの効率化を実現可能です。
海外進出を目的としたM&Aの増加
建設業界では、海外進出を目的としたM&A(クロスボーダーM&A)も増えています。人口の減少などを受けて国内の市場が縮小傾向にあるため、業績拡大を目指して海外進出を行うことが目的です。進出したい地域の会社を買収し、それを拠点に海外市場への参入を図ります。
後継者不足の解消を目的としたM&Aの増加
建設業界に限らず、国内の多くの中小企業が抱える課題として、後継者不在があります。経営者が高齢により引退を迎えつつある状況でも、後継者がいないために事業承継できず廃業危機にある中小企業が多いです。
その解決策として、近年はM&Aによる事業承継が着目されています。これは、M&Aの買い手が、新たな経営者(後継者)となる解決策です。建設業界では地方の中堅企業を中心に廃業が増えており、会社存続のためにM&Aを行うケースは今後とも増えるものとみられます。
建設業界のM&A売却・買収事例33選
この章では、建設業界におけるM&A売却・買収の事例を解説します。
- 東宝ファシリティーズ×シコー
- ヒノキヤグループ×桧家住宅名古屋
- ワキタ×グランドアース、九州機械センター
- 高松建設×大昭工業
- 飛鳥建設×アクシスウェア
- TAKUMINOホールディングス×木戸建設
- ナガワ×鳥海建工
- 東京エネシス×日立プラントコンストラクション
- コニシ×山昇建設
- OCHIホールディングス×長豊建設
- ヤマダ電機×レオハウス
- 前田建設工業×前田道路
- 小野建×森田鋼材
- サーラ住宅×宮下工務店
- 不二サッシ×日本防水工業
- 京成電鉄×式田建設工業
- 西部ガス×吉川工務店
- 戸田建設×佐藤工業
- アサノ大成基礎エンジニアリング×三協建設
- オープンハウス×ホーク・ワン
- 淺沼組×SINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.
- 大盛工業×井口建設
- 住友林業×Crescent Communities, LLC
- 安江工務店×トーヤハウス
- サンユー建設×行方建設
- 日本コンクリート工業×フリー工業
- パナソニック×松村組
- 大林組と大林道路のM&A
- トヨタホーム×ミサワホーム
- 長谷工コーポレーション×総合地所
- タカラレーベン×日興建設
- ラックランド×ニイクラ電工
- 安藤建設×間組
①東宝ファシリティーズ×シコー
2021年11月、東宝ファシリティーズは、シコーの全株式を得て子会社化しました。東宝ファシリティーズは、東宝の連結子会社です。
東宝ファシリティーズは、設備管理や建設などトータルビルマネジメント業を行い、シコーは内装工事業を手掛け、商業施設の内装工事監理業務が得意な会社です。これにより、東宝ファシリティーズは、建設事業の業容を拡げ、両社の技術力や営業力を強めるシナジーを実現することを狙っています。
②ヒノキヤグループ×桧家住宅名古屋
2021年9月、ヒノキヤグループは、桧家住宅名古屋の全株式を得て子会社化することを決めました。
ヒノキヤグループは住宅事業などを手掛け、桧家住宅名古屋は、主力ブランドである桧家住宅のフランチャイズ加盟企業として、注文住宅における請負などの事業を行う会社です。これにより、ヒノキヤグループは、リソースを生かして早期に体制を築きあげ、事業拡大を早めるなど、グループの持続的成長や企業価値の向上を狙っています。
③ワキタ×グランドアース、九州機械センター
2021年3月、ワキタは、グランドアースと九州機械センターの株式をそれぞれ90%取得し子会社化することを発表しました。株式譲渡実行予定日は同年9月です。譲渡価額は公表されていません。
ワキタは土木・建設機械、荷役運搬機械などの販売と賃貸事業などを行っています。グランドアースは土木機械・建設機械・車輌・発電機・ハウスなどの賃貸業、九州機械センターは土木機械・建設機械・土木資材などの販売および機械などの修理を行っている会社です。
全国で事業展開しているワキタは、福岡県に位置するグランドアースと九州機械センターの子会社化により、九州北部地域における事業拡大とシナジー効果が期待できると発表しています。
④高松建設×大昭工業
2021年2月、高松建設は、株式譲渡の手法により大昭工業を買収しました。譲渡価格は公開されていません。高松建設は、賃貸マンションや⼯場などの企画・開発、施工を行う総合建設工事会社で、大昭工業は、⼤阪府で工場やマンションなどの建設事業を手掛けています。
このM&Aは、経営資源を相互活用して建設工事の受注数を増やすこと、⼤昭⼯業が持つ不動産を生かして投資成果を上げることが目的です。
⑤飛鳥建設×アクシスウェア
2021年2月、飛鳥建設は、アクシスウェアの全株式を取得し完全子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。飛鳥建設は、創業1883年で、老舗の大手建設会社です。アクシスウェアは、ITシステム開発および保守事業を行っています。
飛鳥建設はアクシスウェアの高い技術力に着目し、経営課題であるデジタルトランスフォーメーションによる次世代型事業体制の構築目指すとし、建設分野以外にもデジタルソリューションを提供して事業領域を拡大する意向です。
⑥TAKUMINOホールディングス×木戸建設
2021年1月、TAKUMINOホールディングスは、木戸建設と資本提携をしました。木戸建設の創業家が持つ株式全てを取得することで、子会社としています。取得価額は公表されていません。資本提携は広義のM&Aとされています。
TAKUMINOホールディングスは、土木建設事業や鋼構造物製造業などを行う事業会社の持株会社です。木戸建設は、宮城県で土木工事業を行っています。東北地方に強い基盤を持つTAKUMINOホールディングスは、木戸建設とのシナジー効果を期待しており、木戸建設の後継者不足による事業承継問題解決も目的の1つです。
⑦ナガワ×鳥海建工
2020年10月、ナガワは、鳥海建工の全株式を取得し完全子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。ナガワは、全国展開でユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業、建設機械事業を行っています。
鳥海建工は、埼玉県を中心に倉庫・店舗・戸建住宅の工事請負など総合建設業を行っている会社です。ナガワは、モジュール・システム建築事業の体制強化を目的に鳥海建工を子会社化しました。
⑧東京エネシス×日立プラントコンストラクション
2020年7月、東京エネシスは、日立プラントコンストラクションにおける事業の一部を会社分割で承継しました。買収金額は、23億円に貸借差額をプラスした金額です。事業対象は、火力発電に関連しています。
東京エネシスは、土木や道路などの施工事業や、諸設備の保守・点検事業などを手掛け、日立プラントコンストラクションは、火力発電所における発電機などの据付工事やプラント設計・施工などを行う建設会社です。
これにより、東京エネシスは、日立プラントコンストラクションの持つ技術や人材を得て、生産性の向上、グローバルな事業展開、施工力の強化などのシナジー効果を狙います。
⑨コニシ×山昇建設
2020年7月、コニシは、山昇建設の株式91%を取得し子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。コニシは、ボンド事業とともに土木建設事業、化成品事業を行っています。
愛知県にある山昇建設は、東海地方を中心に土木工事を行っている会社です。コニシは、成長戦略の柱と位置づけている土木建設事業の強化、およびシナジー効果獲得のため山昇建設を子会社化しました。
⑩OCHIホールディングス×長豊建設
2020年7月、OCHIホールディングスは、長豊建設の全株式を取得し完全子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。OCHIホールディングスは、建材事業、環境アメニティ事業、加工事業、エンジニアリング事業などを行う事業会社の持株会社です。
長豊建設は、長野県で主に公共事業の土木工事業を行っています。OCHIホールディングスは、中部地区における事業拡大と、既存の建材事業とのシナジー効果創出を企図して長豊建設を子会社化しました。
⑪ヤマダ電機×レオハウス
2020年5月、ヤマダ電機は、株式譲渡のスキームを用いて、レオハウスを子会社としています。レオハウスは、ナックの傘下でした。ヤマダ電機は、家電の販売店を手掛け、レオハウスは、注文住宅の建設請負事業を行っています。ナックは、レンタル事業の会社です。
これにより、ヤマダ電機はシナジー効果の創出を狙うとし、ナックは、不採算事業の切り離しを実現できました。
⑫前田建設工業×前田道路
2020年3月、前田建設工業は、前田道路とM&Aを行いました。TOB(公開買付け)の手法であり、前田道路は反対の意思を表明していたため、敵対的買収となっています。取得価額は861億5,500万円です。
前田建設工業は、土木建築工事の請負などをトータルで行う大手ゼネコン会社で、前田道路は、道路整備工事や建設工事を主な事業としています。これにより、前田建設工業は安定した高収益基盤の確立、前田道路は収益基盤の確立を狙っています。
⑬小野建×森田鋼材
2019年10月、小野建は、京阪神エリアを中心に鉄筋丸棒の販売、切断、加工や鉄筋工事を行う森田鋼材の株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。小野建は、1949年に小野建材社として会社を設立し、「顧客第一」「地域密着」の姿勢で、鉄鋼・建材商社として日本国内の産業を支えてきています。
森田鋼材は、大阪府門真市を拠点に、京阪神エリアの中堅・中小建設会社に対し、鉄筋コンクリート用異形棒鋼の加工、販売、施工を手がける地域密着型の優良企業です。1951年の創業以来、堅実な経営で仕入先や外注先から高い信頼を得ています。
小野建は、森田鋼材における⾧年の経験から醸成された技術やノウハウ、優良な顧客基盤および外注取引先との友好関係に魅力を感じ、小野建グループのさらなる飛躍が可能になると判断し、本件株式取得に至りました。
⑭サーラ住宅×宮下工務店
2019年6月、サーラ住宅は、株式譲渡の手法により、宮下工務店とM&Aを行いました。買収側のサーラ住宅は、主に、愛知県や静岡県西部などで注文住宅の請負・施工などを行い、売却側の宮下工務店は、静岡県浜松市で注文住宅の請負や土地分譲などの販売を手掛けています。
これにより、サーラ住宅は、浜松エリアの集客経路が拡がり、宮下工務店は、サーラ住宅の持つ信用力と資金調達力を生かせます。
⑮不二サッシ×日本防水工業
2019年5月、不二サッシは、株式譲渡の手法により日本防水工業を買収しています。不二サッシは、建築材料の製造・販売・施工事業や各種アルミニウム製品の施工事業などを手掛け、日本防水工業は、ビルやマンションの塗装工事や設備工事などを行う会社です。これにより、不二サッシは、トータルリニューアル工事の施工体制を実現させる見込みです。
⑯京成電鉄×式田建設工業
2019年4月に、京成電鉄は、株式譲渡の手法により式田建設工業の全株式を得て、子会社としています。京成電鉄は、首都圏で鉄道や不動産、建設業などを行い、式田建設工業は、千葉県に拠点がある建設会社です。
人口減少のために鉄道事業の伸び悩みが想定されるなか、京成電鉄は、このM&Aにより収益基盤を多角化することを狙っています。
⑰西部ガス×吉川工務店
2019年2月、西部ガスは、総合建設業を営む吉川工務店および関連会社である吉祥開発の全株式を取得することを発表しました。
西部ガスグループは、これまでも連結子会社であるエストラストや九州八重洲の住宅建築業、西部ガス興商の不動産賃貸業など、不動産事業に取り組んでいる企業です。
今回、吉川工務店を傘下に置くことで、福岡都市圏を中心に総合建設業を展開し、分譲・賃貸マンション、事務所、教育・福祉施設と幅広く対応できる高い施工能力の保有を目指します。また、グループにおける不動産関連事業の業容拡大を期待しています。
⑱戸田建設×佐藤工業
2018年12月、戸田建設は、株式譲渡の手法により、佐藤工業の全株式を得て子会社としました。
戸田建設は、建築・土木における一式工事の調査・施工までトータルで行う準大手ゼネコンで、佐藤工業は、福島県で多くの施工実績を持つ建設会社です。これにより、戸田建設は東北地域の事業基盤を確立し、市場シェアを拡げます。佐藤工業は、第三者への事業承継のためにこのM&Aを行いました。
⑲アサノ大成基礎エンジニアリング×三協建設
2018年10月、アサノ大成基礎エンジニアリングは、株式譲渡の手法により、三協建設を子会社としています。
アサノ大成基礎エンジニアリングは、建築や地盤防災などの事業を手掛け、三協建設は、静岡県で土木・建設、上下水道管の工事を行う会社です。これにより、アサノ大成基礎エンジニアリングは、建設分野で事業をより拡大させることを狙っています。
⑳オープンハウス×ホーク・ワン
2018年10月、オープンハウスは、株式譲渡と株式交換の手法を併用して、ホーク・ワンとM&Aを行いました。
買収側のオープンハウスは、不動産の仲介事業や新築戸建の分譲事業、不動産投資事業などを行い、売却側のホーク・ワンは、建設工事などの施工事業、不動産の売買・仲介事業を手掛けています。これにより、オープンハウスは、事業展開エリアを拡げ、開発と建設機能を強め、グループ経営を促すことを狙っています。
㉑淺沼組×SINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.
民間建築・工事を専門的に取り扱っている建設会社の淺沼組は、2018年10月にシンガポールで建物外壁塗装・修繕を専門としている会社であるSINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.を買収しました。
元来、淺沼組はリニューアル事業に力を入れており、海外進出を実践するためにSINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.を買収しています。このM&Aによって、淺沼組はASEAN一体の市場に進出する足掛かりを獲得し、さらにリニューアル事業を展開できるようになりました。
㉒大盛工業×井口建設
2018年9月、大盛工業は、株式譲渡の手法により、井口建設を完全子会社としています。譲渡価格は、2億3,100万円です。
大盛工業は、下水道を中心に土木建築工事業を手掛け、井口建設は、山梨県や上野原市が発注する道路改良や河川・下水道などの公共工事を行っています。これにより、大盛工業は、グループ全体の収益力向上と事業基盤を拡げることを狙います。
㉓住友林業×Crescent Communities, LLC
2018年5月、住友林業は、100%出資子会社のSumitomo Forestry America, Inc.を通じて、アメリカのCrescent Communities, LLCを連結子会社化しました。クレセント社の持ち分を100%取得し、費用は約393億円です。
住友林業は、注文住宅の請負建築や山林開発事業などを手掛け、Crescent Communities, LLC社は、アメリカで事業を行う総合不動産会社で、戸建て住宅や集合住宅などの開発事業を展開しています。これにより、住友林業はアメリカでの集合住宅事業・商業施設開発の優良プラットフォームを取得できました。
㉔安江工務店×トーヤハウス
2018年5月、安江工務店は、株式譲渡のスキームを用いて、トーヤハウスを子会社としました。安江工務店は、住宅リフォーム事業や不動産流通事業などを手掛け、トーヤハウスは、住宅や商業店舗などの施工などを行う会社です。
これにより、安江工務店は、自社の事業と高い親和性のある事業を得たので、事業規模を拡げることを狙います。
㉕サンユー建設×行方建設
2018年4月、サンユー建設は、株式譲渡の手法により行方建設の全株式を得て子会社としました。
サンユー建設は、建設事業や不動産事業などを手掛け、行方建設は、大手建設会社の下請け業者として型枠工事を行っています。これにより、サンユー建設は、グループ全体における競争力と収益力を強めることを狙っています。
㉖日本コンクリート工業×フリー工業
2018年1月、日本コンクリート工業は、株式譲渡の手法を用いて、フリー工業を子会社としました。
日本コンクリート工業は、コンクリート製品の製造・販売を行い、フリー工業は、土木分野の工事や建設資材の販売を展開する会社です。これにより、日本コンクリートは、両社が持つ技術力と開発力の融合によるシナジー効果の創出を狙っています。
㉗パナソニック×松村組
2017年12月、大手家電メーカーであるパナソニックは、建設会社の松村組を買収し、2018年には全株式を取得して完全子会社化しました。
近年は、家電メーカーが建設業界に進出するケースが増え、パナソニックの松村組買収は代表的な事例といえます。パナソニックは住宅部門を強化するために、優れた施工技術を持つだけでなく優秀な人材も有する松村組を買収しました。
この背景には、単純に建設会社のノウハウだけでなく、減少している優秀な人材の確保も目的にあったと考えられます。このM&Aによって、パナソニックは付加価値の高い住空間を提供し、事業拡大を図る考えです。
㉘大林組と大林道路のM&A
2017年5月、大林組が、大林道路をTOB(公開買付け)の手法で完全子会社化しました。大林道路は賛同したので、友好的なM&Aとなっています。大林組は、国内外で建設工事や地域開発の事業などを行う大手建設会社で、大林道路は、道路の舗装工事や建築工事などの請負事業を手掛ける会社です。
これにより、両社はグループ経営の自由度をより向上、飛躍的な生産性の向上、グループ全体における収益性を高めることを狙います。
㉙トヨタホーム×ミサワホーム
2017年1月、トヨタホームは、ミサワホームを子会社化することを発表しました。TOB(公開買い付け)と第三者割当増資の手法です。費用は約110億円でした。
トヨタホームは、戸建て住宅や賃貸住宅などの建設・販売を行い、ミサワホームは、戸建て住宅の建設・販売や不動産仲介事業などを手掛ける会社です。これにより、両社は、資材調達、技術・商品開発、生産・物流の強化を狙います。
㉚長谷工コーポレーション×総合地所
2015年5月、長谷工コーポレーションは、株式譲渡の手法により総合地所を買収しました。長谷工コーポレーションが株式を99%、長谷工の子会社である不二建設が1%を得ています。
長谷工コーポレーションは、新築マンションの施工事業やマンション管理事業を手掛ける大手ゼネコンで、総合地所は、不動産会社です。これにより、長谷コーポレーションは、サービスをより充実させる狙いです。
㉛タカラレーベン×日興建設
2014年10月、タカラレーベンは、株式譲渡の手法により、日興建設の全株式を得て子会社としました。
タカラレーベンは、自社ブランドマンションや新築分譲住宅の開発・販売事業などを行い、日興建設は、主に地主からの受注による建設工事の請負や不動産管理を手掛けています。これにより、タカラレーベンは、横浜地域の情報収集力を強め、安定した建築工事の発注先確保を狙います。
㉜ラックランド×ニイクラ電工
2013年8月、ラックランドは、株式譲渡の手法により、ニイクラ電工の全株式を得て子会社としました。
ラックランドは、店舗の企画や設計、施工などをトータルで行い、ニイクラ電工は、電気工事や冷暖房・管工事などの設計・施工を手掛けています。これにより、ラックランドは、設備工事における電気工事の直工事割合を高める見込みです。
㉝安藤建設×間組
2013年4月、安藤建設を消滅会社、間組(呼称:ハザマ)を存続会社として、吸収合併が実施されました。合併により両社の社名は「安藤・間」となっています。ハザマは、土木・建築事業を行い、安藤建設は、建設業や不動産業を手掛ける会社です。
両社は、持続的な成長のために、事業規模を拡げ、経営の合理化や効率化を実施する目的で、合併を行っています。
建設業界におけるM&Aのメリット
ここでは、建設業界でM&Aを実施する際のメリットを、買収側・売却側に分けて解説します。
買収側の3つのメリット
建設業界のM&Aにおける買収側の主なメリットは以下の3点です。
- 事業拡大
- 人手不足の解消
- 技術・サービスの獲得
①事業拡大
29種もの業種に分かれる建設業界では、同業種とのM&Aであれ、関連業種や隣接業種とのM&Aであれ、いずれも事業拡大が見込めます。合併した場合は入札制限があるため注意が必要ですが、さまざまなM&Aスキーム(手法)を用いることで、それも避けられます。
②人手不足の解消
建設業界には、慢性的な人手不足問題があります。若年層を働き手として取り込むことが急務ですが、一朝一夕には進みません。しかし、M&Aであれば、買収によって即座に売却側企業の人手を獲得可能です。
③技術・サービスの獲得
建設業界のM&A買収では、売却側が有している技術・サービスも取り込めます。特に自社が有しているものとは異なる技術やサービスであれば、業界内の競争で非常に有用です。技術やサービスは時間をかけなければ構築できないため、それをM&Aにより一瞬で手に入れられることは計り知れないメリットといえます。
売却側の5つのメリット
建設業界のM&Aにおける売却側の主なメリットは以下の5点です。
- 後継者問題の解決
- 倒産・廃業の回避
- 社員の雇用維持
- 財務基盤の強化
- 売却利益の獲得
①後継者問題の解決
これまでの事業承継は、親族や社内の従業員・役員を後継者とすることが大半でした。しかし、少子化や価値観の多様化による親族(子供)後継者の減少、社内後継者の場合は多額の株式購入費がネックとなって事業承継が実現しづらい状況です。
そこで、M&Aにより、その買い手が後継者となる事業承継方法が注目され、国や自治体もこれを推奨しています。
②倒産・廃業の回避
事業承継ができないまま経営者が引退すれば、会社の末路は倒産か廃業です。しかし、M&Aで売却が成立すれば、新たな経営者のもと会社は存続できます。
③社員の雇用維持
会社が倒産・廃業となれば、必然的に従業員は解雇となり、路頭に迷います。しかし、M&Aの売却によって会社が存続すれば、基本的に従業員の雇用も継続され、失業の心配もなくなります。
④財務基盤の強化
建設業界における構造上の問題として、規模の小さな会社ほど末端の下請け業務であるため、利益率が低いのは否めません。それらの会社は財務的にも厳しい経営を強いられています。
財務状況が厳しく給与の遅配などがあれば、貴重な人材の流出を招き、ますます業績が悪くなる負のスパイラルです。M&Aの売却によって大手の傘下に入れば、その資本力をバックにできるので財務基盤が強化され、安定した経営を行えます。
⑤売却利益の獲得
株式譲渡であれば、株主である経営者個人に売却対価が支払われます。事業譲渡であれば、売却対価を手にするのは売り手である会社です。どちらにしても、相応の売却利益が得られます。経営者の老後資金や新たな事業の資金など、M&Aによって自由使途の相当額を獲得できます。
建設業界のM&Aの相場と費用
建設会社では、人材や作業機材、ノウハウ、設備などさまざまな資産があり、そこに収益性などが加味される形で企業価値が算定されます。建設業界のM&Aでは相場が大きく、数億円~数百億円になることは珍しくありません。
建設業界に限らず、日本のM&Aは取引価額を公開しないことが多く、具体的な相場や費用を確認することは非常に困難です。M&Aを実施する際は、M&A仲介会社など専門家の協力を得ることをおすすめします。
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建設業界のM&Aを成功させるコツ
ここでは、建設業界でのM&Aを成功させるコツを買収のコツと売却のコツに分けて解説します。
建設会社の買収を成功させる2つのコツ
建設業界のM&Aで買い手の場合は、以下の点が成功させるコツです。
- 対象の建設会社が持つ人材の傾向や実績を調べておく
- 対象の建設会社が事業展開している地域に着目しておく
①対象の建設会社が持つ人材の傾向や実績を調べておく
建設業界の買い手が優先すべき課題は、やはり人材です。そこで建設業界のM&Aでは、不足している人手を確保する目的でM&Aを進める傾向にあります。ただし、単純に人手を増やすのではなく、可能な限り質の高い人材の獲得に努めることが必要です。
買い手は、対象の建設会社が持つ人材の傾向を調べておきましょう。「特定の資格を有しているか」「長年働いている熟達した人材か」など、年齢構成や稼働率もチェックするポイントです。実績に着目することも必要です。難易度の高い工事に成功した実績がある建設会社であれば、そのノウハウも人員の質も保証されます。
豊富な実績を持ち、信頼性が高い建設会社を買収できれば、その実績を引き継げるため、買い手が事業を展開する際に効果を発揮します。ただし、いくら人材が良い建設会社を買収しても、そのまま運用するだけでは意味がありません。
建設業界が人手不足に陥っている原因には、体力的にハードな面や待遇の悪さが挙げられます。取り込めた人材を流出させないよう、必要に応じて待遇を改善するなど定着率を上げる取り組みが必要です。定着率を上げる取り組みに成功すれば、さらに新たな人材が入る可能性も高まります。
②対象の建設会社が事業展開している地域に着目しておく
買収する建設会社が、どのような地域で事業を展開しているかにも着目しておきましょう。商圏を広げることは、買い手がさらに顧客や取引先を拡大するきっかけになります。
商圏を広げる目的でよく実施されるのが海外進出ですが、海外進出の場合はその地域における税制や法律、商慣習などの規制を受けるため、事前の情報収集やブリーフィングをしっかり行うことが必要です。
事前の情報収集やブリーフィングの作業を怠ると、余計なトラブルを招いてしまうだけでなく、現地での事業展開に行き詰まり、撤退せざるを得ない状況に陥る可能性があります。昨今では異業種と提携することでお互いのノウハウを生かすM&Aも増加中です。
新たな事業へ進出する場合は、自社の建築ノウハウを生かせる事業を選びましょう。ただし、事業ドメインの選択を誤ると非効率的な多角的経営になってしまうので、自社の事業分析を入念に行う必要があります。
建設会社の売却を成功させる2つのコツ
建設業界のM&Aで売り手の場合は、以下の点が成功させるコツです。
- 自社のアピールポイントを洗い出す
- リスクは事前に解消しておく
①自社のアピールポイントを洗い出す
まずは、冷静に自社の分析をしましょう。同業他社と比較し、自信がある点、優れていると思える点を明らかにしておくと良いです。
所持している許認可の数や種類、雇用している従業員の質や技術力、所有している他社にはない設備や機材など、買い手に何をアピールするかは重要な手段となります。買い手のニーズと売り手のアピールポイントが合致していれば、交渉がスムーズに進むためです。
②リスクは事前に解消しておく
建設業界のM&Aでは、買い手はリスクになる要素を徹底的に調べます。日頃、赤字受注をしていたり、正しく原価管理をしていなかったりする会社は、買い手から敬遠される可能性が高いです。買い手はなるべくリスクのない売り手を求めているため、売り手からすると買い手のリスクになりそうな問題は事前に解消する必要があります。
リスクを放置してしまうと、M&Aが実現する可能性が下がるだけでなく、交渉で不利になり、相手に有利な条件を押しつけられるかもしれません。自社のアピールポイント分析の際に合わせて弱みも自覚し、改善しましょう。
建設会社の株式譲渡・会社譲渡については下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
建設業界のM&A・買収に積極的な企業
近年は、建設業界のM&A・買収を積極的に行っている企業もみられます。ここでは、そのうちの3社を解説します。
グランディハウス
栃木県に本社があるグランディハウスは、主に建売住宅の建築・販売事業を手掛けています。買収対象とする主な業種は建築・不動産、対象となる領域は戸建分譲販売会社やハウスメーカーなどです。
グランディハウスは、特に建売住宅の建築や販売、中古住宅の流通をベースとして、接点のある領域におけるM&Aを望んでいます。
ライジングトラスト
東京都に本社があるライジングトラストは、事業用物件や居住用物件の保有・売買のほか、賃貸建物管理や建設・設備工事、海外事業など、多くの事業を手掛けている会社で、多角的な視野で事業の領域を拡げています。
ライジングトラストは、管理物件が増えたことにより、建設や設備工事事業も充実させる見込みです。事業承継に悩む不動産管理会社や建築工事会社からの相談も受け付けています。
ヨシックス
ヨシックスホールディングスは、居酒屋チェーンなど飲食店を手掛けています。2021年10月に、飲食店の店舗内装などを行う建設会社の芝産業を買収しました。子会社で店舗の内装を展開するヨシオカ建装との事業を強める目的です。
ヨシックスグループは、建築、飲食、介護関連を強化するために、M&Aによりパートナーを求めています。
建設業界のM&A案件例
最後に、建設業界のM&A案件例として、RC造専門の戸建・アパート建設業の売却案件を紹介します。
地域 | 九州・沖縄 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 〜1,000万円 |
譲渡希望価格 | 5,000万円〜1億円 |
建設業界のM&A動向のまとめ
建設業界では、今でこそM&Aの事例が増えていますが、元来、M&Aとの相性が良くないため、なかなかM&Aが一般化しませんでした。しかし、近年は、異業種からの建設業界進出や、建設業界から異業種への進出が盛んになり、それに伴ったM&Aが増えています。
中堅の建設会社が事業承継などを目的としてM&Aを行うケースも増加中です。慢性的な人手不足にある建設業界は、解決手段の1つとしてM&Aを用いることが、今後ますます増えるでしょう。
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