2021年6月1日更新業種別M&A

建設業界のM&A動向!売却・買収事例、コロナ禍の影響も解説

コロナ禍に見舞われた日本において、現在の建設業界のM&A動向について分析しました。建設業界の現状を鑑みつつM&Aをするメリット、相場と費用、M&Aを成功させるコツなどを解説します。建設業界のM&A事例も掲示するので参考までご覧ください。

目次
  1. 建設業界とは
  2. 建設業界の最新M&A動向
  3. 建設業界におけるM&Aのメリット
  4. 建設業界のM&Aの相場と費用
  5. 建設業界のM&Aを成功させるコツ
  6. 建設業界のM&A売却・買収事例10選
  7. 建設業界のM&Aまとめ
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建設業界とは

建設業界とは

冒頭では、あらためて建設業界の概要について確認します。以下の内容を順次、ご覧ください。

  • 定義
  • 特徴
  • 市場規模
  • 課題
  • コロナ禍の影響

建設業界の定義

建設業界の業務は、「建築業」と「土木業」に大別されます。

  • 建築業:建物(住宅、ビル、公共施設、工場など)の建築
  • 土木業:インフラ(道路、水道、橋、トンネル、ダムなど)の工事や整備

建設業に関する取り締まりは建設業法に定められており、その法令中で建設業を29の業種に分類しています。

  1. 土木一式工事業
  2. 建築一式工事業
  3. 大工工事業
  4. 左官工事業
  5. とび・土工工事業
  6. 石工事業
  7. 屋根工事業
  8. 電気工事業
  9. 管工事業
  10. タイル・れんが・ブロツク工事業
  11. 鋼構造物工事業
  12. 鉄筋工事業
  13. ほ装工事業
  14. しゆんせつ工事業
  15. 板金工事業
  16. ガラス工事業
  17. 塗装工事業
  18. 防水工事業
  19. 内装仕上工事業
  20. 機械器具設置工事業
  21. 熱絶縁工事業
  22. 電気通信工事業
  23. 造園工事業
  24. さく井工事業
  25. 建具工事業
  26. 水道施設工事業
  27. 消防施設工事業
  28. 清掃施設工事業
  29. 解体工事業

建設業界の特徴

建設業界の主たる特徴は、以下の4点です。

  1. 許認可が必須
  2. 公共工事の比率が多い
  3. 入札制
  4. ピラミッド構成

建設業界に参入するには、建設業法の定めにより、国または都道府県からの許認可が必要です。許認可には複数の要件が求められますから、誰でも簡単に開業できるものではありません。

建築業では学校をはじめとする公共施設、土木業ではほとんどが公共物であるインフラ工事・整備であるため、建設業界の仕事は他の業種に比べて圧倒的に公共工事が多いことが特徴です。公共工事の場合、その施工業者を決めるために入札が行われます。

したがって、工事を落札できない業者は仕事の受注ができません。また、入札すること自体にも参加資格が定められています。このような環境にある建設業界では、工事を受注する元請け会社と、その元請けから仕事を受注する下請け会社という構成が明確です。

そして、公共工事は大型工事のものが多いとともに、上述したように建設業者は細かく分類されていることもあって、下請け会社から孫請け会社へ、さらにその下の下請け会社へ業務が発注されることが状態となっています。これがピラミッド構成といわれる理由です。

建設業界の市場規模

国土交通省が2020(令和2)年10月に発表した「令和2年度(2020年度)建設投資見通し」では、以下の数値が公表されました。建設投資とは、建設業界の市場規模を示す数値のことです。

  • 2020年度建設投資(推計)63兆1,600億円(前年度比3.4%減)
  • 内訳①政府投資25兆6,200億円(前年度比3.1%増)
  • 内訳②民間投資37兆5,400億円(前年度比7.3%減)

建設業界では、東京オリンピックに向けた各種工事、全国各地の自然災害からの復興工事、都市部の活発な再開発などがあり、2015(平成27)年から2019(令和元)年までは毎年、前年を上回る建設投資額となっていました。

しかし、東京オリンピックに向けた各種工事が一段落し、さらに新型コロナウィルス感染拡大問題の直撃を受けた2020年は、前年割れとなっています。

建設業界が抱える課題

建設業界が従来から抱えている問題点として挙げられる主な課題は、以下のとおりです。

  • 都市部と地方の業者間の業績格差
  • 若年層離れによる慢性的な人手不足
  • 技能労働者(職人)の高齢化
  • 属人的な情報管理からの転換
  • デジタル環境の導入・整備

業界の市場の特性として、都市部と地方では都市部の方が工事の数が多く、またその規模も大きい傾向があります。このことは、そのまま業績に反映されることとなり、都市部の業者と地方の業者では業績に隔たりが生じるという格差が問題点です。

働き手という観点では、若い世代の建設業界離れ現象が続いており、高齢化を迎えている技能労働者を継ぐ存在が不足してしまっています。また、ピラミッド構造の下請け体制であるため、業務上の情報管理が属人的になっていることも問題です。

それらを解決する1つの糸口になるはずのデジタル環境の導入や整備も遅れが目立ち、情報管理や業務の効率化がまだあまり進んでいません

建設業界が受けたコロナ禍の影響

市場規模で述べたとおり、建設業界は全体的に業績が減少中にあり、その要因は民間からの工事の減少です。コロナ禍による景気減速が直撃した飲食業・宿泊業などのサービス業からの工事の多くが、延期や中止措置が取られました。

また、工事を行っている地域によっては、3密によるコロナのまん延を避けるために、建設業者側が工事の中断に追い込まれたケースもあります。そして、その状況が生んだ結果として、建設業界においても中小規模の業者を中心に休廃業・倒産件数が増加中です。

今後は、減少した工事数をめぐって業者間での競争激化も予想されるなか、休廃業・倒産を避け生き残っていく経営戦略としてM&Aの検討も有効といえるでしょう。

【関連】建設業の事業譲渡・事業売却の流れや注意点を解説!許認可はどうなる?

建設業界の最新M&A動向

建設業界の最新M&A動向

建設業界は、他の業界とは異なりM&Aに消極的で、M&Aによる業界再編も長年、進まない状況にありました。それは、建設業界は規模の経済の効果が薄く、規模を大きくすると入札参加に制限がかかるなど、M&Aと相性が悪い一面があるからです。

しかし、近年では、建設業界でも徐々にM&Aを行う動きが見られるようになりました。そのなかでも、異業種による建設会社の買収事例が多くなってきています。

異業種による建設会社の買収事例の増加

最近では、ハウスメーカーが中堅のゼネコンを買収して建設業界に進出するなど、新しい事業分野に進出するためのM&Aが増えています。

別の業界にM&Aで進出することで事業の多角化が見込め、場合によっては、それぞれの会社の得意分野やノウハウを生かすことで、シナジー効果を発揮できるからです。

また、不動産会社が建設会社を買収できれば、外注していた施工を内製化できるため、プロセスとコストの効率化が実現できるでしょう。

海外進出を目的としたM&Aの増加

建設業界では、海外進出を目的としたM&A(クロスボーダーM&A)も増えています。人口減などを受けて国内の市場が縮小傾向にあるため、業績拡大を目指して海外進出を行うことが目的です。

進出したい地域の会社を買収し、それを拠点に海外市場への参入を図ろうとしています。

後継者不足の解消を目的としたM&Aの増加

建設業界に限らず、国内の多くの中小企業が抱える課題として後継者不足問題があります。経営者が高齢により引退を迎えつつあっても、後継者がいないために事業承継できず廃業危機にある中小企業が多数あるのです。

その解決策として近年、M&Aによる事業承継が着目されるようになりました。M&Aの買い手が、新たな経営者(後継者)となるわけです。建設業界は地方の中堅企業を中心に廃業が増えており、会社の存続のためにM&Aを行うケースは今後、増えていくでしょう。

【関連】M&Aによるシナジー効果とは?
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建設業界におけるM&Aのメリット

建設業界におけるM&Aのメリット

ここでは、建設業界でM&Aを実施する際のメリットについて、あらためて考えてみましょう。買収側・売却側それぞれに分けて見ていきます。

買収側のメリット

建設業界のM&Aにおける買収側の主なメリットは以下の3点です。

  1. 事業拡大
  2. 人手不足の解消
  3. 技術・サービスの獲得

①事業拡大

29種もの業種に分かれる建設業界にあって、同業種とのM&Aであれ、関連業種や隣接業種とのM&Aであれ、いずれも事業拡大が確実に見込めるものです。

合併した場合には入札制限があるため注意が必要ですが、さまざまなM&Aスキーム(手法)を用いることによって、それも避けられるでしょう。

②人手不足の解消

建設業界には慢性的な人手不足問題があります。若年層を働き手として取り込むことが急務ですが、一朝一夕には進みません。しかし、M&Aであれば、買収によって即座に売却側企業の人手を獲得できるのです。

③技術・サービスの獲得

建設業界のM&Aでの買収では、売却側が有している技術・サービスも取り込めます。特に、それが自社が有しているものとは異なる技術やサービスであれば、今後の業界内の競争において、とても有用なものです。

なぜなら、技術やサービスは時間をかけなければ構築できないものであるため、それがM&Aにより一瞬で手に入るということは計り知れないメリットといえます。

売却側のメリット

建設業界のM&Aにおける売却側の主なメリットは以下の5点です。

  1. 後継者問題の解決
  2. 倒産・廃業の回避
  3. 社員の雇用維持
  4. 財務基盤の強化
  5. 売却利益の獲得

①後継者問題の解決

これまでの事業承継は、親族や社内の従業員・役員を後継者とすることが大半でした。しかし、少子化や価値観の多様化による親族(子供)後継者の減少、社内後継者の場合は多額の株式購入費がネットとなって事業承継が実現しづらくなってきました。

そこで、M&Aにより、その買い手が後継者となる事業承継方法が注目され、現在は国や自治体もこれを推奨しています。

②倒産・廃業の回避

事業承継ができないまま経営者が引退することになれば、会社の末路は倒産か廃業です。しかし、M&Aで売却が成立すれば、新たな経営者の下、会社は存続することになります。

③社員の雇用維持

会社が倒産・廃業となれば、必然的に従業員は解雇となり、路頭に迷うことになります。しかし、M&Aの売却によって会社が存続すれば、基本的に従業員の雇用も継続され、失業の心配もなくなるのです。

④財務基盤の強化

建設業界の構造上の問題として、規模の小さな会社ほど末端の下請け業務であるため、利益率が低いのは否めません。したがって、それらの会社は財務的にも厳しい経営を強いられています。

財務状況が厳しく給与の遅配などがあれば、貴重な人材の流出を招き、ますます業績が悪くなるという負のスパイラルです。そこで、M&Aの売却によって大手の傘下になれば、その資本力をバックにできるので財務基盤は強化され、安定した経営を行えるようになります。

⑤売却利益の獲得

株式譲渡であれば、株主である経営者個人に売却対価が支払われます。事業譲渡であれば、売却対価を手にするのは売り手である会社です。どちらにしても、相応の売却利益が得られます。

経営者の老後資金でも、新たな事業のための資金でも、M&Aによって自由使途の相当額が獲得できるのです。

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建設業界のM&Aの相場と費用

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建設業界のM&Aの相場と費用

建設会社では、人材や作業機材、ノウハウ、設備などさまざまな資産があり、そこに収益性などが加味される形で企業価値が算定されます。そのため、建設業界のM&Aでは相場が大きく、数億円~数百億円になることは珍しくありません。

建設業界に限らず、日本のM&Aは取引価額を公開しないことが多く、具体的な相場や費用を確認することは非常に困難です。したがって、M&Aを実施する際は、M&A仲介会社など専門家の協力を得ることをおすすめします。

【関連】建設業の売却額とは?売却方法や価額の上げ方を解説!
【関連】M&Aの費用

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建設業界のM&Aを成功させるコツ

建設業界のM&Aを成功させるコツ

ここでは、建設業界でのM&Aを成功させるコツについて考えます。買収のコツ、売却のコツ、それぞれ分けて見ていきましょう。

建設会社の買収を成功させるコツ

建設業界のM&Aで買い手であれば、以下のような点が成功させるコツになります。

  1. 対象の建設会社が持つ人材の傾向や実績を調べておく
  2. 対象の建設会社が事業展開している地域に着目しておく

①対象の建設会社が持つ人材の傾向や実績を調べておく

建設業界の買い手において優先すべき課題は、やはり人材です。そこで建設業界のM&Aでは、不足している人手を確保する目的でM&Aを進める傾向にあります。ただし、単純に人手を増やすのではなく、可能な限り質の高い人材の獲得に努めることが必要です。

したがって、買い手は対象の建設会社が持つ人材の傾向を調べておきましょう。たとえば、「特定の資格を有しているか」、「長年働いている熟達した人材か」など、年齢構成や稼働率もチェックするポイントになります。

また、その建設会社の実績に着目しておくことも必要です。難易度の高い工事に成功した実績がある建設会社であれば、そのノウハウも人員の質も保証されます。

豊富な実績を持ち、信頼性が高い建設会社を買収できれば、その実績をそのまま引き継げるため、買い手が事業を展開する際に効果を発揮するでしょう。ただし、いくら人材が良い建設会社を買収しても、そのまま運用するだけでは意味がありません。

建設業界が人手不足に陥っている原因には、体力的にハードな面や待遇の悪さが挙げられます。つまり、取り込めた人材を流出させないように、必要に応じて待遇を改善するなど定着率を上げる取り組みが必要です。

そして、定着率を上げる取り組みが成功すれば、さらに新たな人材が入ってくる可能性も高まります。

②対象の建設会社が事業展開している地域に着目しておく

買収する建設会社が、どのような地域で事業を展開しているかにも着目しておきましょう。商圏を広げることは、買い手がさらに顧客や取引先を拡大するきっかけになります。

商圏を広げる目的でよく実施されるのが海外進出ですが、海外進出の場合はその地域の税制や法律、商慣習などの規制を受けることになるため、事前の情報収集やブリーフィングをしっかり行うことが必要です。

事前の情報収集やブリーフィングの作業を怠ると余計なトラブルを招いてしまうだけでなく、現地での事業展開に行き詰まり、撤退せざるを得ない状況に陥る可能性があります。また、昨今では異業種と提携することでお互いのノウハウを生かすM&Aも増加中です。

新たな事業へ進出する場合は、自社の建築ノウハウを生かせる事業を選ぶようにしましょう。ただし、事業ドメインの選択を誤ると非効率的な多角的経営になってしまうので、自社の事業分析を入念に行う必要があります。

建設会社の売却を成功させるコツ

建設業界のM&Aで売り手であれば、以下のような点が成功させるコツになります。

  1. 自社のアピールポイントを洗い出す
  2. リスクは事前に解消しておく

①自社のアピールポイントを洗い出す

まずは、冷静に自社の分析をしましょう。同業他社と比較し、自信がある点、優れていると思える点を明らかにしておくのです。

所持している許認可の数や種類、雇用している従業員の質や技術力、所有している他社にはない設備や機材など、買い手に何をアピールするかは重要な手段となります。買い手のニーズと売り手のアピールポイントが合致していれば交渉はうまく進むからです。

②リスクは事前に解消しておく

建設業界のM&Aでは、買い手はリスクになる要素を徹底的に調べてきます。日頃、赤字受注をしていたり、正しく原価管理していなかったりする会社は、買い手から敬遠される可能性が高いでしょう。

買い手としては極力、リスクがない売り手を求めているわぇですから、売り手としては、買い手のリスクになりそうな問題は事前に解消しておく必要があります。

リスクを放置してしまうと、M&Aが実現する可能性が下がるだけでなく、交渉で不利になり、相手に有利な条件を押しつけられてしまうかもしれません。自社のアピールポイント分析の際に、合わせて弱みも自覚し、それを改善するようにしましょう。

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建設業界のM&A売却・買収事例10選

建設業界のM&A売却・買収事例10選

建設業界のM&A事例10件を厳選して以下に紹介します。

  1. ワキタ×グランドアース、九州機械センター
  2. 飛鳥建設×アクシスウェア
  3. TAKUMINOホールディングス×木戸建設
  4. ナガワ×鳥海建工
  5. コニシ×山昇建設
  6. OCHIホールディングス×長豊建設
  7. 小野建×森田鋼材
  8. 西部ガス×吉川工務店
  9. 淺沼組×SINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.
  10. パナソニック×松村組

①ワキタ×グランドアース、九州機械センター

2021(令和3)年3月、ワキタは、グランドアースと九州機械センターの株式をそれぞれ90%取得し子会社化することを発表しました。株式譲渡実行予定日は同年9月です。なお、譲渡価額は公表されていません。

ワキタは土木・建設機械、荷役運搬機械などの販売と賃貸事業などを行っています。グランドアースは土木機械・建設機械・車輌・発電機・ハウスなどの賃貸業、九州機械センターは土木機械・建設機械・土木資材などの販売および機械などの修理を行っている会社です。

全国で事業展開しているワキタにとって、福岡県に位置するグランドアースと九州機械センターの子会社化は、九州北部地域における事業拡大とシナジー効果が期待できると発表しています。

②飛鳥建設×アクシスウェア

2021年2月、飛鳥建設は、アクシスウェアの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、譲渡価額は公表されていません。飛鳥建設は、創業1883(明示16)年、老舗の大手建設会社です。

アクシスウェアは、ITシステム開発および保守事業を行っています。飛鳥建設としては、アクシスウェアの高い技術力に着目し、経営課題であるデジタルトランスフォーメーションによる次世代型事業体制を構築する目論見です。

そして、建設分野以外にもデジタルソリューションを提供し、事業領域を拡大する意向です。

③TAKUMINOホールディングス×木戸建設

2021年1月、TAKUMINOホールディングスは、木戸建設と資本提携をしました。木戸建設の創業家が持つ株式全てを取得することで、子会社としています。なお、取得価額は公表されていません。また、資本提携は広義のM&Aとされています。

TAKUMINOホールディングスは、土木建設事業や鋼構造物製造業などを行う事業会社の持株会社です。木戸建設は、宮城県で土木工事業を行っています。

東北地方に強い基盤を持つTAKUMINOホールディングスとしては、木戸建設とのシナジー効果を期待しているのはもちろんですが、木戸建設の後継者不足による事業承継問題解決のためということも目的の1つです。

④ナガワ×鳥海建工

2020年10月、ナガワは、鳥海建工の全株式を取得し完全子会社化しました。なお、譲渡価額は公表されていません。ナガワは、全国展開でユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業、建設機械事業を行っています。

鳥海建工は、埼玉県を中心に倉庫・店舗・戸建住宅の工事請負など総合建設業を行っている会社です。ナガワとしては、モジュール・システム建築事業の体制強化を目的に鳥海建工を子会社化しました。

⑤コニシ×山昇建設

2020年7月、コニシは、山昇建設の株式91%を取得し子会社化しました。なお、譲渡価額は公表されていません。コニシは、ボンド事業とともに土木建設事業、化成品事業を行っています。

愛知県にある山昇建設は、東海地方を中心に土木工事を行っている会社です。コニシとしては、成長戦略の柱と位置づけている土木建設事業の強化、およびシナジー効果獲得のため山昇建設を子会社化しました。

⑥OCHIホールディングス×長豊建設

2020年7月、OCHIホールディングスは、長豊建設の全株式を取得し完全子会社化しました。なお、譲渡価額は公表されていません。OCHIホールディングスは、建材事業、環境アメニティ事業、加工事業、エンジニアリング事業などを行う事業会社の持株会社です。

長豊建設は、長野県で主として公共事業の土木工事業を行っています。OCHIホールディングスとしては、中部地区における事業拡大と、既存の建材事業とのシナジー効果創出を企図して長豊建設を子会社化しました。

⑦小野建×森田鋼材

2019年10月、小野建は、京阪神エリアを中心に鉄筋丸棒の販売、切断、加工から鉄筋工事を行う森田鋼材の株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。

小野建は、1949(昭和24)年に小野建材社として会社を設立し、「顧客第一」、「地域密着」の姿勢の鉄鋼・建材商社として日本国内の産業を支えてきています。

森田鋼材は、大阪府門真市を拠点に、京阪神エリアの中堅・中小建設会社に対し、鉄筋コンクリート用異形棒鋼を加工から販売、施工も手がける地域密着型の優良企業です。1951(昭和26)年の創業以来、堅実な経営で仕入先や外注先から高い信頼を得ています。

小野建は、森田鋼材の⾧年の経験によって醸成された技術やノウハウ、優良な顧客基盤および外注取引先との友好関係に魅力を感じ、小野建グループのさらなる飛躍が可能になると判断し、本件株式取得に至っています。

⑧西部ガス×吉川工務店

2019年2月、西部ガスは、総合建設業を営む吉川工務店および関連会社である吉祥開発の全株式を取得することを発表しました。

西部ガスグループは、これまでも連結子会社であるエストラストや九州八重洲の住宅建築業、西部ガス興商の不動産賃貸業など、不動産事業に取り組んできています。

今回、吉川工務店を傘下に置くことで、福岡都市圏を中心に総合建設業を展開し、分譲・賃貸マンション、事務所、教育・福祉施設と幅広く対応できる高い施工能力の保有を目指しました。また、グループの不動産関連事業の業容拡大が期待できるとしています。

⑨淺沼組×SINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.

民間建築・工事を専門的に取り扱っている建設会社の淺沼組は、2018(平成30)年10月にシンガポールで建物外壁塗装・修繕を専門としている会社であるSINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.を買収しました。

元来、淺沼組はリニューアル事業に力を入れており、海外進出を実践するためにSINGAPORE PAINTS &CONTRACTOR PTE. LTD.を買収しています。

このM&Aによって、淺沼組はASEAN一体の市場に進出する足掛かりを獲得し、さらにリニューアル事業を展開できるようになりました。

⑩パナソニック×松村組

2017(平成29)年12月、大手家電メーカーであるパナソニックは、建設会社の松村組を買収し、2018年には全株式を取得して完全子会社化しました。

近年は、家電メーカーが建設業界に進出するケースが増えており、パナソニックの松村組の買収は代表的な事例といえるでしょう。また、パナソニックは住宅部門を強化するために、優れた施工技術を持つだけでなく、優秀な人材を有している松村組を買収しました。

この背景には、単純に建設会社のノウハウだけでなく、減少している優秀な人材の確保も目的にあったと考えられます。このM&Aによって、パナソニックは付加価値の高い住空間を提供し、事業拡大を図る考えです。

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建設業界のM&Aまとめ

建設業界のM&Aまとめ

建設業界では、今でこそM&Aの事例が増えていますが、元来、M&Aとの相性が悪いため、なかなかM&Aが一般化しませんでした。しかし、近年では、異業種からの建設業界進出や、建設業界から異業種への進出が盛んになり、それに伴ったM&Aが増えてきています。

さらに、中堅の建設会社が事業承継などを目的としてM&Aを行うケースも増加中です。そして、慢性的な人手不足にある建設業界としては、その解決手段の1つとしてM&Aが用いられることが、今後、ますます増加していくでしょう。

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介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

高齢化で介護事業が市場拡大しており、買いたいと思っている経営者も多いと考えられます。本記事では、介護事業を買いたい時に注意すべきポイントを解説します。また、実際に行われた介護事業のM&A事例や、...

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局業界では中小の薬局が大手に身売りするケースが多く、徐々に寡占化が進んでいます。本記事では調剤薬局の身売りについて、大手が主な買い手となる理由や、最近の大手薬局のM&A動向、身売りを検討す...

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

日本の食肉需要量は高く推移していますが、消費者のニーズが変化してきたにより多様な食肉生産が求められるようになってきています。本記事では、食肉卸業界でM&Aをする際の注意点や成功のポイント、M&A...

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

近年、美容雑貨製造業界のM&Aが活発になっています。特に、インバウンド需要の拡大や海外製品の輸入増加が影響しており、対応力をつけるためにM&Aを実行するケースも増えています。今回は、美容雑貨製造...

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界とは、エアコン、空気清浄機、冷凍機、送風機器、換気扇などの空調設備を製造している業界であり、現在は変化の時期を迎えています。本記事では、空調機器製造業界でM&Aを行うメリット・デ...

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