2023年8月19日更新会社・事業を売る

事業譲渡によるM&Aとは?株式譲渡との違い・メリット・デメリット・手続きの流れを解説!

事業譲渡とは、会社の一部または全部を売買するM&A手法です。事業譲渡には簿外債務を引き継がないなどのメリットがあり、他のM&A手法と異なる特徴があります。本記事では、事業譲渡の概要や会社譲渡との違い、メリット・デメリットなどを解説します。

目次
  1. 事業譲渡によるM&Aとは
  2. M&Aの事業譲渡と株式譲渡・会社分割・合併の違い
  3. 事業譲渡によるM&Aのメリット
  4. 事業譲渡によるM&Aのデメリット
  5. 事業譲渡が向いている場合
  6. 事業譲渡によるM&Aの方法・流れ
  7. 事業譲渡によるM&Aの手続き
  8. 事業譲渡によるM&Aを行う際の注意点
  9. 事業譲渡によるM&Aで課される税金
  10. 事業譲渡によるM&Aの会計・税務に関する仕訳
  11. 事業譲渡・株式譲渡以外のM&A手法
  12. 事業譲渡はM&Aの専門家へ相談しよう
  13. 事業譲渡によるM&Aのまとめ
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事業譲渡によるM&Aとは

中小企業のM&Aにおける事業譲渡は、株式譲渡に次いで多く採用されている手法です。事業譲渡は、経営戦略として「選択と集中」を進めたい場合や、事業の売却を通じて企業再生をしたい場合などに活用されています。

これは、事業譲渡には「一部の事業のみを譲れる」点に特徴があり、必要な事業にコストを回せるためです。

事業譲渡の意味

会社が保有している事業の全部または一部を、第三者に有償譲渡するM&A手法を事業譲渡といいます。事業譲渡の大きな特徴は、譲渡対象となる資産を当事者間で協議のうえで細かく決められることです。

例えば、M&Aで最も活用されている株式譲渡では従業員や取引先との契約・事業に関する資産や負債などをそのまま引き継ぎますが、事業譲渡では何を引き継ぐのかを売り手・買い手が協議して細かく決められます。

事業譲渡の手法

事業譲渡は全部譲渡と一部譲渡の2種類に分けられ、両者は対象となる事業範囲が異なります。全部譲渡では会社が持つ事業すべてを対象とするのに対し、一部譲渡では会社の持つ事業の一部を切り離して譲渡の対象とします。

事業譲渡は個別承継となるため、従業員や取引先との契約などの権利義務を引き継ぐためには個別に手続きが必要です。例えば、従業員を引き継ぎたい場合、それぞれの従業員と個々に契約を結び直さなければならないなど、手続きには手間と時間を要しますが、買い手にとっては負債を引き継がなくて良い点などにメリットがあります。

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M&Aの事業譲渡と株式譲渡・会社分割・合併の違い

M&Aの手法は事業譲渡以外に株式譲渡・会社分割・合併などもありますが、本章では事業譲渡とそれぞれの手法の違いを解説します。

事業譲渡と株式譲渡の違い

事業譲渡と株式譲渡の相違点および、それぞれの手法を採用すると良いケースを順番に紹介します。まずは事業譲渡と株式譲渡の相違点を把握しましょう。

大きな相違点としては、「手続きにかかる手間」が挙げられます。事業譲渡では取引対象の事業に関するすべての取引先から同意を得る必要があり、契約が多いほど手続きに多くの手間が発生します。これに対して、株式譲渡では、基本的に株式の移転後は対価の支払いと株主名簿の書き換えのみで良く、比較的簡単な手続きで済ませることが可能です。

「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つの手法には、4つの主な違いがあります。それらは、「取引主体」「譲渡する対象」「契約内容」「実施目的」です。

取引主体 株式譲渡では、経営者個人(株主)が取引の主体となります。
事業譲渡では、事業を所有する法人が取引の主体となります。
譲渡する対象 株式譲渡では、株式が譲渡の対象となります。
事業譲渡では、事業の資産が譲渡の対象となります。
契約内容 株式譲渡では、株式譲渡契約を結びます。
事業譲渡では、事業譲渡契約を結びます。
実施目的 株式譲渡の主な目的は、対象企業の株式の過半数を取得し、その企業の経営権を得ることです。
事業譲渡の主な目的は、事業を取得することです。

株式譲渡のメリット

譲渡側にとっては
・事業承継により会社を存続させられる
・株式の比率を調整しつつ意思決定の権利を保有できる
・経営者個人に利益が入る
が、
譲受側にとっては
・許認可を引き継げる
ことが大きなメリットになります。
 

株式譲渡のデメリット

譲渡側からすると、譲受企業より自身が持つ株式保有割合以上の株式取得を求められた際、株主が複数おり株式が分散している場合は、自己保有以外の株式を取りまとめ、譲渡を行わなければならない点などにデメリットがあります。

株式譲渡は経営権の承継であり、譲受する資産を選別できません。そのため、負債や簿外債務を受け取るリスクが伴う点はデメリットです。

株式譲渡を採用すると良いケース

株式譲渡は会社の保有株式を譲渡する方法で、負債を含むすべての権利や義務がそのまま買い手へ引き継がれます。手続きが簡単かつ迅速に済ませられ、M&A手法の中で最も多く用いられる手法です。

保有している全株式を譲渡すれば会社自体を売却でき、事業譲渡と違って法人格を残せません。株式譲渡を採用すると良いケースとしては、例えば以下のようなケースが挙げられます。

  • ファンドが譲受側に立つM&A取引を実施したい
  • 事業を他社へ引き継ぎ、経営者としての引退を実現したい

事業譲渡と会社分割の違い

会社の一部のみを売買できる点で、事業譲渡と会社分割は類似していると感じる経営者の方も多いかもしれません。しかし、事業譲渡と会社分割には、以下のような点で相違が見られます。

①実施する目的

会社分割と事業譲渡では、主に用いられる目的面でも違いがあります。事業譲渡は簡単にいえば単純な事業売買であるため、自社にとって不要な事業(不採算事業)の切り離しなどを目的とするケースが多いです。

その一方、会社分割は会社法上の組織再編行為に該当するもので、個別承継である事業譲渡とは異なり、権利や義務などの一切を別会社に引き継ぎます。会社分割を行う主な目的としては、不採算事業の切り離しや、企業間で同じ分野の事業を分離・統合することによるスケールメリットなどのシナジー獲得などが挙げられます。

②簿外債務や不要資産の引き継ぎリスク

事業単位で切り離しできる点で、会社分割と事業譲渡は同じですが、簿外債務や不要資産などの引き継ぎは全く異なります。

事業譲渡では当事者間で協議のうえで譲渡範囲を細かく決められるため、買い手(譲受側)にとっては簿外債務や不要資産を引き継ぐリスクはありません。しかし、会社分割は包括承継なので買い手(譲受側)にとって不要な資産や簿外債務も引き継ぎます。

③売買の対価

事業譲渡では事業の一部(または全部)を譲渡した場合、その対価は現金のみです。その一方で、会社分割では、株式または現金を対価にできます。

株式を対価とする分割の場合、買い手は売り手に対して新株発行をすれば良いのみであるため、手元に十分な資金がなくても実行できますが、事業譲渡の場合は取得に必要な現金をあらかじめ用意しなければなりません。

④消費税の課税

会社分割と事業譲渡では、消費税の課税の有無が以下のように異なります。

  • 会社分割→消費税は課税されない 
  • 事業譲渡→消費税が課税される 

事業譲渡では契約内容にもよりますが、譲渡する事業に関する資産や負債すべてを譲り渡すため、課税資産と非課税資産を区分したうえで消費税が課される仕組みです。

⑤契約の移転手続き

会社分割と事業譲渡では、契約の移転手続きが以下のように異なります。

  • 会社分割→比較的簡単
  • 事業譲渡→複雑で面倒

事業譲渡では債権・債務の移転を個々に実施しなければならず、債権譲渡手続き・債権者の承諾などが必要です。このように、会社分割と事業譲渡はさまざまな点で異なりますが、いずれの手法が優れているわけではなく、ケースに応じて適切な手法を選ぶと良いでしょう。

事業譲渡と合併の違い

合併とは、2社以上の法人格を1つの法人に統合する手法で、新設会社が親会社(存続会社)となる新設合併、既存会社が親会社(存続会社)となる吸収合併があります。

新設合併では合併する企業は消滅します。そのため、合併前の各社の株主には新設企業の新株が発行されますが、吸収合併の場合、消滅する企業の株主には存続する企業の株が割り当てられます。

すでに述べたように、事業譲渡は個別承継であり譲渡の対象を細かく決められますが、合併は株式譲渡などと同じく包括承継の手法です。

従業員の雇用や権利義務をそのまま引き継げるメリットがある反面、自社にとって不要な資産や負債も引き継がなければなりません。また、事業譲渡の場合はあくまでも事業の売買であるため法人格はそのまま残りますが、分割の場合は吸収される側(消滅会社)は法人格が失われます。

事業譲渡とTOB・MBOの違い

TOBとは、会社の株式の買付けを「買付け期間・買取り株数・価格」を公告し、不特定多数の株主から株式市場外で株式等を買い集めることです。

また、MBOとは、会社経営陣が株主から自社株式を譲り受けたり、事業部門統括者が当該事業部門を事業譲渡されたりすることをさします。

事業譲渡とは違い、TOB・MBOは買い手側が売り手側の株式を取得して、株主になる手法です。

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事業譲渡によるM&Aのメリット

株式譲渡・会社分割をはじめとする他のM&A手法と同様に、事業譲渡も一長一短のM&A手法です。そのため、メリットやデメリットを十分に理解したうえで、自社での実施を決めなければなりません。

そこで、本章では事業譲渡のメリットを譲渡側・譲受側ごとに取りあげます。

譲渡側のメリット 譲受側のメリット
・一部の事業のみを売買できる
・負債があっても譲渡先が見つかりやすい
・会社を存続させて経営を続けられる
・簿外債務などを引き継ぐリスクがない
・節税をしやすい

譲渡側のメリット

譲渡側で期待できるメリットは、主に以下のとおりです。

①一部の事業のみを売買できる

事業譲渡では会社の一部のみを売買できるため、譲渡側と譲受側の双方に大きなメリットをもたらします。譲渡側からすると、優先度の低い事業の譲渡によって譲渡益や非主力事業に費やしていた経営資源などを主力事業に集中的に投入できるため、収益性の全体的な向上が期待可能です。

また、事業譲渡は株式譲渡とは異なり、株式を譲受側に売却する取引ではありません。株式譲渡における譲渡側は譲受側の子会社となるケースがほとんどです。しかし、事業譲渡では基本的に相手企業の子会社とはなりません。

②負債があっても譲渡先が見つかりやすい

事業譲渡では、M&Aの取引対象を選べます。つまり、譲渡したい事業のみを切り出したうえで、残したい事業は手元に残すことが可能です。一方、株式譲渡では会社全体が譲渡対象となるため、負債もまとめて引き継がなければならず、譲受側がM&A取引の実施を躊躇するおそれがあります。

そのため、社内でM&Aの実施を決定したにもかかわらず、実行までに多くの時間がかかって「主力事業への経営資源の集中」などのメリット獲得に支障が起こる可能性があります。これに対して、事業譲渡では取引の相手先が見つかる事業のみを譲渡できるため、株式譲渡の実施が困難な状況でもM&A取引を行えるケースが多いです。

③会社を存続させて経営を続けられる

事業譲渡は会社そのものを売却するM&A手法ではなく、あくまでも事業のみを切り出して譲渡するため、自身が経営権を握ったままの状態で会社の存続を図れます。これにより、譲渡益を活用して財務の健全化・新規事業の開拓などを実施することも可能です。

ちなみに、第三者を後継者に据えて会社を引き継ぎたい場合、株式譲渡などを活用したM&Aによる事業承継の実施を検討すると良いでしょう。

譲受側のメリット

続いて、譲受側で期待できるメリットとして、以下の2点を取り上げます。

①簿外債務などの問題点を引き継ぐリスクがない

事業譲渡では、譲受側からすると自社にとって必要な経営資源のみを取得できます。そのため、不要な経営資源の譲受にコストをかける心配もなく、簿外債務などを引き継ぐリスクも回避できます。

その一方で、株式譲渡などのM&A手法では会社の全部または一部がそのまま移転するため、基本的に問題点を引き継ぐリスクを遮断できません。そのため、面倒な手続きが必要であるものの、あえて事業譲渡を選択するケースも多いです。

②節税をしやすい

事業譲渡によって手に入れたのれん・償却資産などを償却すると、損失が計上されますが、この損失は資金の流失を伴わないため譲受側では節税しやすいメリットを享受可能です。

これは、なるべく節税対策を講じながら事業を買収したいと願う譲受側にとって大きなメリットといえます。なお、節税対策は経営者からの関心が高く、事業譲渡で譲受側が見つかりやすくなることから、結果的に譲渡側のメリットにもつながります。

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事業譲渡によるM&Aのデメリット

本章では事業譲渡のメリット・デメリットを譲渡側・譲受側ごとに取りあげます。

譲渡側のデメリット 譲受側のデメリット
・経営者のみで手続きを済ませられない
・手続きに多くの時間がかかる
・競業避止義務を負う
・譲渡益に法人税が課される
・事務手続きが極めて面倒である
・顧客や従業員をすべて承継できないリスクがある
・譲渡代金に対し消費税が課される

譲渡側のデメリット

譲渡側のデメリットは主に以下のとおりです。

①経営者のみで手続きを済ませられない

事業譲渡の場合、従業員や取引先との契約・債務者への返済義務などを引き継ぐためには、それぞれの相手方から個別に同意を得たうえで、あらためて契約し直さなければなりません。事業の取得に併せて従業員の雇用や取引先との関係も引き継ぎたいと考えていても、同意が得られなければ引き継げないため注意が必要です。

②手続きに多くの時間がかかる

前述のように、事業譲渡は個別承継であるため、M&A後に契約や権利が自動的に引き継がれるわけではありません。債務・従業員・取引先など、譲渡対象の事業が関わっている契約すべてに対して、相手方から個別に同意が必要です。

当然、その数が多いほど手間と時間もかかることから、スムーズに手続きを進めるためには事前に取引先との同意を取り付けておくなどの準備をしておきましょう。

③競業避止義務を負う

事業譲渡の場合、M&A後に売り手は、会社法21条により競業避止義務を負います。競業避止義務とは、同一市区町村及隣接市区町村内で、譲渡したものと同種の事業を一定の期間行わないとする義務です。

当事者間で別段の取り決めがなかったとしても、20年間にわたり競業避止義務が生じます。当事者間の同意があれば、競合避止義務を最大30年まで延長できます。

④譲渡益に法人税が課される

事業譲渡で得た利益は、法人税・地方法人税・法人住民税・事業税法人税の対象となり、合計すると約30%の税金が課されます。これらは総合課税方式となるため、事業譲渡の金額から譲渡した資産と負債を簿価で差引き、その他の所得(主軸事業で得た利益など)と合算して税額が計算されます。

株式譲渡で株主に課される所得税が20%である点を考えると、事業譲渡のほうが税負担は大きいです。ただし、売り手に繰越欠損金がある場合や所得を役員退職慰労金で圧縮できる場合は、株式譲渡より税金を抑えられるケースもあります。

譲受側のデメリット

譲受側で問題となりやすいデメリットは主に以下のとおりです。

①事務手続きが極めて面倒である

事業譲渡では資産・負債を個別に譲渡する形式が採用されるため、取引先との契約・不動産登記・許認可・労務関係などがすべて白紙の状態に戻ります。これにより、譲受側からすると、M&A成立直後における事業の開始が非常に困難です。また、不動産登記・取引先との契約などを再度締結する必要があるため、莫大な時間やコストが発生するおそれがあります。

さらに、譲渡側からすると、すべての事業・重要な事業の譲渡を実施する場合、株主総会の特別決議が必要となる点に注意しなければなりません。このように、事業譲渡には多くの手続きが求められる点を理解したうえで、綿密なスケジュールを組んで進めると良いでしょう。

②顧客や従業員をすべて承継できないリスクがある

事業譲渡を採用する場合、譲受側では不動産登記をはじめ、すべての契約関係を再締結しなければなりません。とはいえ、不動産登記などは手間・コストなどが発生するものの、契約は確実に締結できます。しかし、顧客や従業員との契約に関しては、確実に締結できるとは限りません。 

つまり、譲受企業に対して好ましい印象を持っていない場合、顧客が新規契約を躊躇したり、従業員が雇用契約の締結を拒否したりする事態が起こるおそれがあります。したがって、顧客や従業員をそのまま引き継ぎたいならば、譲受側では十分な待遇を用意しなければなりません。加えて、譲渡側が顧客・従業員に対して納得いく説明を行うことも重要です。

譲渡代金に対し消費税が課される

事業譲渡は資産譲渡と同様に消費税が課せられます。負債には消費税はかかりませんが、資産から負債の金額を引いた金額に消費税がかかるのではなく、資産の金額に対し課税されます。また、課税資産として営業権(のれん)にも消費税がかかることに注意が必要です。

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事業譲渡が向いている場合

企業を一部存続させたい場合

経営戦略として、必要な事業を存続させながら、企業の再建に取り組む場合には事業譲渡が向いています。
複数の事業を持つ企業が、メインとの事業と関連しない事業を事業譲渡によって手放すことで、事業の整理を行うことができます。それにより、より良い経営環境にすることができます。
事業譲渡後も会社は継続して経営できるため、事業譲渡で得られた対価を元にメイン事業への投資や新規事業のための資金として充てることもできます。

残しておきたい資産がある場合

事業譲渡にすることより、自社の知識やノウハウ、契約などを外部に流出させることなく、そのまま活用することができます。事業は買い手に引き継ぎ後継者問題の解決を行いながら、自社の土地や有価証券など金銭価値の高い資産を残すといったことが実現できるため、事業譲渡は他のM&A手法に比べて自由度が高いです。

不採算部門がある場合

事業を複数持っている企業では部門ごとに採算性は異なります。採算部門と不採算部門が混在している場合、不採算部門の赤字を補填する必要があり好調な部門への投資が行われていないことも少なくありません。

例え赤字部門であっても買い手側にとってシナジーを感じるような事業であれば事業譲渡ができる可能性もあります。
 

事業譲渡によるM&Aの方法・流れ

実際に事業譲渡を行う際は以下のような流れで進みます。各手順を詳しく解説します。

①譲渡ニーズの発生・事前準備

譲渡側では、財務状の都合や中核事業への集中などの理由から売却・譲渡を決めたら、どのような条件を譲受先に求めるのかを絞り込みます。この段階で、買い手候補がM&A実施(譲受)を検討する際に必要となる三期分の決算書などの準備も進めておきましょう。

②バリュエーション(企業評価)

次に、バリュエーション(企業評価)を実施します。バリュエーションは、株式譲渡と同様に、コストアプローチ・インカムアプローチなどの方法を用いて算出するのが基本的です。

とはいえ、株式譲渡とは違い、事業譲渡では事業のみを売却するため、会社全体ではなく譲渡対象事業のみを対象にバリュエーションを実施します。中小企業の事業譲渡では、以下の計算式を活用すると大まかな企業価値を求めることが可能です。

  • 事業価値=譲渡事業の時価資産+営業利益の3年〜5年分

このうち「事業譲渡の時価資産」とは、譲渡する事業に関係する(移転する)資産の時価のことです。つまり、事業譲渡により引き継ぐ機械・建物などの金額を参照したうえで、それを時価評価に変換します。

なお、負債なども引き継ぐ場合は、時価資産額から差し引くのが一般的なケースです。事業譲渡では、将来的な収益性も考慮したうえでバリュエーションを行う必要があります。そのため、バリュエーションは将来的な収益力(のれん代)として、営業利益の3年〜5年分を加算する点を把握しておきましょう。

例えば、譲渡事業の時価資産合計が1億円・営業利益が1,000万円のケースを想定すると、事業価値は1億3,000万円〜1億5,000万円程度です。

③相手企業探し

次に、事業譲渡を実施する相手を探します。事業譲渡の相手選びは非常に重要です。ここでは、「シナジー効果が生み出されやすい会社」や「譲渡対象事業との関連性が高い会社」などを事業譲渡の相手として選定します。

M&A仲介会社に相手探しを依頼すると、クロージングまで一括サポートが受けられます。実績のあるM&A仲介会社に事業譲渡の相手先を探してもらえば、最適な相手がみつかる可能性が高まります。

もしも事業譲渡をはじめとするM&Aの実施をご検討であれば、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所にはM&Aの知識・経験豊富なアドバイザーが在籍しており、事業譲渡の手続きをフルサポートしております。また、スピーディーなサポートを実践しており、最短3カ月での成約実績を有している点も強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、事業譲渡などM&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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④相手企業との交渉

事業譲渡の相手が見つかったら、交渉を開始します。これは、従業員の処遇・譲渡価格・M&Aのスケジュールなどを決定するステップです。譲渡価格の決定に際しては、専門家によるバリュエーション・デューデリジェンスなどの結果を参照します。

相手企業との交渉に関して不安があれば、M&A仲介会社にサポートしてもらうと良いでしょう。相手企業との交渉によって細かな条件は決まるため、交渉力のあるM&A仲介会社に依頼すれば希望どおりの譲渡条件に近づけられます。

⑤基本合意契約の締結

ある程度の段階まで相手企業と交渉が進んだら、基本合意契約を締結する流れです。基本合意契約には、デューデリジェンス・独占交渉権・買収の対象など、その時点で互いが合意している内容を書面にまとめます。

原則として基本合意書自体は法的拘束力を持ちませんが、秘密保持義務・費用負担・独占交渉権などの一部内容には法的拘束力を持たせることが一般的です。

【関連】基本合意書を締結する目的は?記載事項、M&Aでの作成タイミングも解説

⑥デューデリジェンス(買収監査)

デューデリジェンスでは譲渡対象となる事業に対する細かな調査が行われ、交渉で提示した金額は妥当であるか、法的トラブルとなるような要素はないのかなど、あらゆる面から専門家がチェックします。

事業譲渡では不動産や設備などの有形資産だけでなく、技術やノウハウなどの無形資産も譲渡の対象となります。そのため、デューデリジェンスでは、有形資産と無形資産(のれん)、両方の価値を加味することが一般的です。

【関連】デューデリジェンスとは?M&Aでの流れ・役割、必要な資料・期間・費用、注意点をわかりやすく解説

⑦契約締結とクロージング

譲渡側と譲受側が互いに条件に合意すると、事業譲渡契約を締結します。事業譲渡契約に際しては、契約書を作成する方法が一般的です。ここでは、契約書の内容に沿って対価の交付・資産・権利などの移転(クロージング)を実施します。

事業譲渡契約を締結する際は、何らかの不備があると将来的に大きなトラブルに発展しかねません。したがって、専門家からサポートを受けながら実施しましょう。以上が、事業譲渡の一般的な方法・流れです。

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事業譲渡によるM&Aの手続き

事業譲渡は、株式譲渡・会社分割など他のM&A手法と比べて手続きが煩雑です。そこで本章では、事業譲渡の手続きを以下の項目に分けて取り上げます。

事業譲渡ではさまざまな手続きを行わなければならず、不備があると取引に失敗するおそれがあります。それぞれの手続きを把握しましょう。

①取締役会の決議

取締役会設置会社の場合、取締役会の決議を経たうえで事業譲渡を実施する必要があります。このケースでは、決議を終えてからデューデリジェンスや基本合意書の締結などの手続きを実行していく段取りです。ここでは、事業譲渡に関して納得してもらえるよう、資料を準備しつつ誠実な説明を心がけましょう。

②事業譲渡契約締結

譲渡側と譲受側の双方が事業譲渡に合意すると、事業譲渡契約書を締結します。事業譲渡契約書の内容は、細かな部分まで確認しておくべきです。もしも内容に不備があると、将来的に大きなトラブルに発展しかねません。なお、契約書の効力は、最終的な手続きの完了後に発生するよう定めるケースがほとんどです。

③各種書類の提出

事業譲渡契約書を締結したら、各種書類を提出する手続きへと進みます。一定条件に当てはまる場合は、公正取引委員会への届け出や臨時報告書の提出が必要です。いかなる書類を提出しなければならないのかは状況によって大きく異なるため、不明点があれば専門家に相談しましょう。

④株主に対する通知・公告

事業譲渡を実施する会社は、契約書の効力が発生する20日前までに株主への通告手続きを行う必要があります。ただし、株主総会の決議で事業譲渡が承認された場合は、公告手続きのみ実施すれば問題ありません。

⑤反対株主の株式買取請求手続き

事業譲渡に反対する株主がいる場合、その株主は会社に対し保有株式を買い取ることを請求できる権利があります。
反対株主は、効力発生日の20日前から効力発生日の前日までの間に買取請求手続きを行うことが必要です。また、原則として後述する株主総会の前に反対の旨を会社に通知する必要があります。

⑥株主総会の特別決議

以下のケースに該当する場合、株主総会の特別決議を実行する必要があります。

  • 譲受側→事業の全部譲渡を実施する場合 
  • 譲渡側→全部譲渡・一部の重要事業を譲渡する場合

ただし、簡易事業譲渡や略式事業譲渡では、無条件で株主総会の特別決議が不要です。

⑦名義変更手続き・許認可手続き

事業譲渡で引き継いだ資産に関しては、譲受企業が再び登録・登記手続きを実行しなければなりません。 また、許認可が必要となる事業を引き継いだ場合も許認可を再取得する必要があるため、事前に必要な許認可を確認しましょう。

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事業譲渡によるM&Aを行う際の注意点

本章では、事業譲渡時の注意点をまとめて取り上げます。事業譲渡を行う際の注意点は、主に以下の4つです。注意点を知らないまま事業譲渡に着手してしまうと失敗する可能性が高くなるので、しっかり内容を理解しておくことが大切です。

①譲渡相手には嘘をつかない

事業譲渡の相手には、嘘をついてはなりません。事業譲渡では、提供した情報をもとに譲受側がデューデリジェンスやM&Aの実行可否決定などを行います。もしも、高値で売却するために利益や債務などに関して虚偽の情報を伝えてしまうと、将来的に大きなトラブルに発展する可能性が高いです。

将来的に虚偽が発覚すると、裁判沙汰になって詐欺罪に問われたり、多額の損害賠償を請求されたりするおそれがあります。たとえ小さな虚偽であっても発覚時の代償は大きいため、相手側には真実のみを伝えてください。希望どおりの事業譲渡を行いたい場合、嘘をつくのは得策ではありません。

②事業譲渡の準備は早めにする


事業譲渡では、早めに準備に取り掛かると良いでしょう。もともと事業譲渡では、相手探しや交渉などに多大な時間がかかります。最短でも数カ月、場合によっては1年以上の期間がかかるケースも珍しくありません。そのため、特に経営再建など切迫した事情がある場合は、早めに事業譲渡の準備を開始しましょう。
なお、事業譲渡の相手探しや手続きに関するスピーディーさを強みとするM&A仲介会社も存在します。素早く事業譲渡を完了させたい場合、適切な専門家のサポートを得ると良いでしょう。

③従業員への影響を考える

従業員への影響が大きい点も、事業譲渡の注意点です。事業譲渡を実行すると、経営者や職場環境が変更されます。これまでとは全く異なる環境に変わるため、従業員の間でストレスが生じる可能性が高いです。
もしもストレスによって離職や生産性の低下を招くと、譲受側に迷惑をかけてしまいます。従業員への影響を最小限に抑えるには、処遇面を変えないよう事前に確約を取り付けるなどの施策を講じると良いでしょう。
また、事業譲渡の噂を聞いた従業員が不安に思い、事業譲渡前に辞めてしまうケースも想定されます。従業員が事業譲渡により大量に退職してしまうと、譲受側との間で大きなトラブルに発展するおそれがあります。そのため、事業譲渡の手続きは慎重に進めつつ、従業員に納得してもらえるような説明・契約の締結を心がけると良いでしょう。

④競業避止義務

事業譲渡後は、同じ事業の実施が競業避止義務によって制限される点にも注意しなければなりません。ここでは、事前に契約内容を詳しく確認したうえで、納得できる制限内容を定めることが重要です。
事業譲渡はM&Aで比較的多く活用されていますが、詳しい活用方法を理解していない経営者の方が少なくありません。事業譲渡の手法自体は非常に使い勝手が良くメリットも多いですが、経営者の方が手法に関して理解できていないとデメリットやトラブルに悩まされるおそれがあります。デメリット・トラブルの回避は、事業譲渡を含めたM&A全体における課題です。

⑤従業員の解雇時は労働法に留意する

基本的には、事業を運営するためにも買い手企業へ転籍させるケースが多いです。しかし、状況によっては従業員を解雇する場合もあります。その際は労働法に留意しで対応する必要があります。

譲渡する事業で働く従業員との雇用契約は、従業員の同意がない限り承継されることはありません。従業員とのコミュニケーションをしっかりとり慎重に進めることが大切です。

また、転籍させる場合には、転籍後の処遇をしっかりと定める必要があります。

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事業譲渡によるM&Aで課される税金

事業譲渡を実施すると、法人税・消費税などが課されます。税務に関する詳細事項を知りたい場合、国税庁のホームページの閲覧や専門家への相談がおすすめです。とはいえ、事前に簡単な概要を押さえておくと、税務の手続きをスムーズに進められます。そこで本章では、法人税と消費税の基礎的な内容を確認しましょう。

譲渡側 譲受側
法人税、消費税(納付義務) 消費税、不動産税、登録免許税など

法人税

法人税では、譲り渡す事業資産と負債の差額を超えた売却金額が譲渡益として課税対象とされます。法人税の税率は状況によってさまざまですが約31%です。計算式を以下にまとめました。

  • 譲渡益=売却金額-(資産-負債)
  • 法人税額=譲渡益✕法人税率(実効税率 約34%)

なお、法人税は、決算年度における会社全体の利益に対して課されます。そのため、譲渡益があったとしても会社全体の利益が少なければ、上記の計算式で算出した法人税額よりも少ない納税額で済むケースがある点を把握しておきましょう。

これとは反対に、会社全体として利益が出ていれば、さらに多くの法人税が課されるケースがあります。つまり、事業譲渡では、譲渡によって得た利益の分だけ法人税が発生するわけではありません。

消費税

事業譲渡では、譲受側が消費税を負担し、譲渡側が消費税を徴収し納めます。消費税は、売却金額から非課税資産の分を差し引いた額に対して10%課される仕組みです(2022年7月現在)。事業譲渡は決して低い価格で売買されるわけではなく、売却金額が大きくなるほど消費税の負担も重くなります。 

とはいえ、すべての資産に消費税が課税されるわけではなく、譲渡する資産によって消費税の課税対象となるかどうかが変わります。消費税の課税・非課税となる資産は、以下のとおりです。

課税資産 有形固定資産(土地は除く)、無形固定資産、棚卸資産、営業権など
非課税資産 土地、有価証券、売掛などの債権

ここからは、具体的にどれほどの消費税が発生するのか、「売却金額10億円・非課税資産3億円」のケースを想定して計算します。

  • 消費税額=(10億円ー3億円)✕10%=7,000万円

上記のケースでは消費税課税の対象とされる資産が7億円であり、消費税のみで7,000万円もの課税が発生します。加えて、譲渡益により会社全体の利益が多くなれば法人税も発生するため、納税負担は決して軽いとはいえません。

不動産取得税

譲渡対象に土地や建物などの不動産が含まれている場合に、買い手に対して課税される税金が不動産取得税です。不動産取得税は、

不動産取得税額=課税標準額×不動産取得税率

で計算されます。

登録免許税

登録免許税とは、登記や許可・認可などを申請するときに課せられる税金のことです。登記とは個人や法人が持つ権利を登記所に登録し、社会に対して公にする制度のことをさします。権利が不当に侵害されるのを防止し、取引や手続きを円滑にする役目があります。譲渡対象に土地や建物が含まれている場合、買い手に対して課されます。

税率は登記の種類にもよりますが、おおむね課税標準金額の0.15%から2%前後です。

消費税を考える際のポイント

事業譲渡における消費税を考える際に、以下のポイントに注意しなければなりません。

  1. 消費税率の変動
  2. のれん代の金額が大きい場合には注意 
  3. 棚卸資産の不確実性

それぞれの注意点を順番に詳しく紹介します。

①消費税率の変動

2019年10月に消費税率が8%から10%へと変更されたように、今後も消費税率の変動が起こる可能性はゼロではありません。消費税率の変動は、たとえ1%でも課税額に大きな影響を与えます。先ほど紹介したケースを挙げると、消費税率が8%であったときの消費税は5,600万円でした。

しかし、現在の消費税率は10%であるため消費税は7,000万円と、その差額は1,400万円にも及びます。同じ事業譲渡の事例でも、消費税率が異なればそれだけ負担額の差が大きいです。もちろん、消費税率が現在よりも低くなれば、それだけ負担も軽減されます。

消費税率の変動はニュースなどでも報道されるため、常に情報収集をしつつ適切なタイミングでの事業譲渡を図りましょう。

②のれん代の金額が大きい場合には注意 

のれん代は課税資産に該当します。そのため、のれん代が売却価格の多くを占める場合、消費税の支払いにより手元に残る現金が少なくなる可能性が高いです。のれん代の存在も、しっかりと把握しましょう。

③棚卸資産の不確実性

棚卸資産は最終日まで価格が確定しません。つまり、最終日まで消費税の納税額が確定しない点に注意しましょう。とはいえ、概算の棚卸資産額は算出できるため、これに対する消費税額を十分に把握しておくことが大切です。

【関連】事業譲渡にかかる税金は?株式・会社譲渡の方が節税対策になる?税務を徹底解説!

事業譲渡によるM&Aの会計・税務に関する仕訳

本章では、事業譲渡の会計・税務に関する仕訳について、譲渡側・譲受側それぞれの立場から取り上げます(以下のケースを想定)。

  • 譲渡資産→120百万円(時価140百万円)
  • 譲渡負債→50百万円(時価50百万円)
  • 譲渡金額→130百万円

譲渡側の仕訳

譲渡側では、譲渡資産および負債の消滅を認識したうえで、交付された譲渡対価との差額は譲渡損益として課税対象が決められます。具体的な仕訳方法は、以下のとおりです。

借方 貸方
譲渡負債(簿価) 50 譲渡資産(簿価) 120
現預金 130 譲渡益 60

譲受側の仕訳

続いて、譲受側では、引き継いだ資産・負債を時価で計上したうえで、対価との差額はのれん(税務上は資産調整勘定)もしくは負ののれん(税務上は差額負債調整勘定)として処理します。具体的な仕訳方法は、以下のとおりです。

借方 貸方
譲受資産(時価) 140 譲受負債(時価) 50
のれん 40 現預金 130

【関連】会社分割の仕訳・会計処理、税務を徹底解説!

事業譲渡・株式譲渡以外のM&A手法

事業譲渡・株式譲渡以外にも、主に以下のようなM&A手法が存在します。

第三者割当増資 譲渡企業が新たに株式を発行して譲受企業に引き取ってもらい、譲受企業が譲渡企業の株式のうち50%以上を保有して経営権を取得する手法です。また、外部企業による株式の買収や公開買付けの対抗策としても使用されます。
株式交換 親会社となる会社が子会社となる会社の株主から全株式を譲り受け、その対価として株式や現金を渡し、100%親子会社関係を構築する手法です。対価が株式に加え、社債、新株予約権など、複数存在するため、株式を買収するための十分な資金を持たなくても、発行済株式を対価とすることで簡易かつ迅速に組織再編を行うことが可能です。
株式移転 1つまたは2つ以上の株式会社が、その発行済株式のすべてを新たに設立する株式会社に取得させる手法のことです。組織再編を阻害しない目的で、法に定められている適格要件を満たすと、株式の売却益が非課税になるなどの特例措置があります。

事業譲渡はM&Aの専門家へ相談しよう

事業譲渡の実施を検討する場合、早めに専門家へ相談することをおすすめします。事業譲渡(M&A)を実施するには、詳しい専門知識が必要です。また、株主総会の特別決議など複雑な手続きの遂行が求められるため、経営者による独力での実行は難しいとされています。

事業譲渡を円滑に進めるには、経験豊富な専門家へ相談したうえで、事業譲渡を円滑に実施できるようサポートを受けると良いでしょう。事業譲渡に関しては、公認会計士・税理士などの士業・M&Aアドバイザリーなどが相談対応を行っています。

とはいえ、もしも事業譲渡をご検討中であれば、ぜひ一度M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまでに培ったノウハウを生かして事業譲渡の手続きをフルサポートいたします。

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事業譲渡によるM&Aのまとめ

本記事では、事業譲渡の意味・活用方法・会社譲渡との違い・メリットやデメリットなどを解説しました。事業譲渡には他の手法にはない特徴が見られるため、専門家に相談したうえで手続きを進めると良いでしょう。

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