2020年9月17日更新節税

株の相続にかかる税金(相続税)とは?計算方法と税率を解説

株式の相続は一般的な相続と違い、時間と手間がかかる手続きを要します。また、株式相続の際の相続税計算方法にはさまざまな手法があり、株式の種類や経営権の移転可否によって用いる手法が異なるため注意が必要です。今回は、株式相続に伴う相続税について詳しく説明します。

目次
  1. 株式相続に伴う相続税とは?
  2. 経営者が所有する株式の種類
  3. 株価の計算方法
  4. 相続税の税率
  5. 株式相続をスムーズに実施するためのポイント
  6. まとめ
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株式相続に伴う相続税とは?

株式相続に伴う相続税とは?

経営者が相続を実施する際、財産として株式を相続するケースがあります。しかし、相続される財産である以上、株式にも相続税が課せられます。そのため、どれだけ相続税が発生するのかを事前に把握しておかなければ、相続人にとって大きな負担になる可能性があります。

今回は、株式と相続税の関係性について解説していきます。

※関連記事
株式を相続する際の注意点は?株式の種類による手続きの違いまで解説

経営者が所有する株式の種類

経営者が所有する株式の種類

はじめに、株式を相続する上で必要な株式の種類についてご説明します。経営者が所有する株式は、大まかにわけて以下の2種類があります。

  1. 公開済みの株式(上場している株式)
  2. 非公開の株式(非上場の株式)

上記の株式は、それぞれで相続の手続きや相続税の計算方法が異なります。そのため、自社の株式についてあらかじめ把握しておく必要があります。

①公開済み株式

公開済み株式とは、上場している株式をさします。自社の株式が公開済み株式の場合、株価が既に公開されている状態になるため、相続税の計算に必要な株式の終値がわかりやすくなります

株式に課せられる相続税を計算する際は、はじめに証券会社に連絡し、残高証明書を発行してもらいます。このとき、被相続人が亡くなっている場合は残高証明書が個人情報扱いになるため、死亡を証明する戸籍謄本などの書類を提出する必要があります。

証券会社を通さなくても株式の終値を計算できますが、手間がかかる上に正確さに欠けるため、可能な限り証券会社に頼ることをおすすめします。

また、相続税を計算する際は、月、前月、前々月における株価終値の平均額の中で最も低い株式の価格を用います。

ちなみに、株式がまだ発売されていない段階のケース(公開途上)では、取引実績がないため株価がわかりません。しかし、そのような場合においても、証券会社が通知する公開価格を基準にして相続税を計算できます。

②非公開株式

非公開株式とは、非上場の株式をさします。非公開株式の場合、客観的に株価を算出することが難しいため、公開済み株式と同じ手順では相続税を計算できません

また、公開済み株式であれば、間に証券会社や投資信託銀行が入ってくれますが、非公開株式では、株式を発行している会社に自ら問い合わせる必要があります。

そもそも非公開株式は、公開株式と違ってダイレクトに経営に影響するものです。したがって、保有率の変化に伴い、どれだけ経営に影響が出るのかを調査する必要があります。

また、相続税を計算するためには、経営の多角的な分析をすることも必要です。さらに、相続人が株式を相続することで会社の支配関係に変化が生じる場合は、計算方法も変わってきます。

このように、非公開株式の相続税を自力で計算することは非常に困難です。非公開株式の相続税を計算する際には、税理士に協力してもらうことをおすすめします。

※関連記事
非上場の株式譲渡とは?手続きや課税される税金の仕組みを解説

株価の計算方法

株価の計算方法

株価の計算方式は、会社の規模などによって変化するため、その都度適切な計算式を採用する必要があります。

公開済み株式の場合は、証券会社や投資信託銀行が実施してくれますが、非公開株式の場合は実施してくれません。会社の経営権は、相続人が株式をどれだけの保有率で相続するかによって変化するため、経営権を得るケースの計算方法と、経営権を得ないケースとで計算方法が異なります。

このように、株価の計算方法は状況によって使い分ける必要があります。ここでは、それぞれの計算方法についてご紹介します。

①経営権を得るケース

経営権を得る場合の株価計算方法は原則的評価方式と呼ばれます。原則的評価方式は、会社の規模によって3種類の計算手法を使いわけます。

類似業種比準方式

主に大企業で利用される計算手法です。自社と類似した上場会社を参照し、その株価の数値をベースに計算します。

純資産価額方式

小規模な会社で活用される計算手法です。相続発生日に会社を清算したとの仮定を立てて、株主1人にどれだけの分配額が発生するのかを計算します。

折衷方式

中規模な会社で使われる計算手法です。類似業種比準方式と純資産価額方式の両方を一定の割合で組み合わせた計算手法で、会社の規模によって使いわけられます。

以上、3種類の計算方法を規模別にご紹介しましたが、会社の事情によっては規模に関係なく計算方法が採択される場合もあります。

②経営権を得ないケース

株式を相続しても経営権を得ない場合は配当還元方式を使用します。配当還元方式の計算は比較的簡単であり、以下の算式を用います。

  • (株主への年間配当額÷0.1)×(1株あたりで算出される資本金などの価格÷50)

この手法は、あくまで経営権を得ないケースにのみ使われます。他のケースでは使用しないため注意しましょう。

※関連記事
株価算定方法を解説します
自社株の相続

相続税の税率

相続税の税率

相続税の税率は、株式をはじめとした相続する財産の総額(法律上は「法定相続分に応ずる取得金額」)によって変化し、控除額も変わります。そのため、相続税について考える際は税率を知っておく必要があります。

相続税の税率は以下のとおりです。(2020年3月時点)

取得金額 相続税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円より上の金額 55% 7,200万円

当然ながら、相続の際に取得する金額が大きいほど相続税率は上がります。控除額も比例して上がりますが、取得金額が大きい場合は、控除額を差し引いたとしても高額の税金が課されることになります。

よって、相続の際には、財産の不動産への転化や生前贈与の実施などにより取得する金額を減らす方法が有効的です。そうすることで、株式の相続にかかる相続税を節税できます。

※関連記事
相続税対策とは?節税のポイントや注意点を解説
相続税の節税

株式相続をスムーズに実施するためのポイント

株式相続をスムーズに実施するためのポイント

ここでは、株式相続をスムーズに実施するためのポイントを2つご紹介します。

  1. 相続人を確定する
  2. アドバイザーを設置する

①相続人を確定する

スムーズな相続を実現する上で、相続人の確定は必要不可欠な要素です。相続する株式を売却する際は、相続人を1人確定させておく必要があります。そのため、被相続人は遺言書をあらかじめ準備し、当事者と事前協議を実施しなければなりません。

②アドバイザーを設置する

株式相続をスムーズに実施するためには、相続税や株価の計算を円滑に進めなければなりません。そのため、相続税や株価の計算に詳しい税理士など専門知識に長けたアドバイザーの設置が重要です。

株式を伴う相続は、複雑な手続きが多く、多角的に分析するスキルも必要になります。そのため、素人だけで実施すると余計な手間がかかるだけでなく、正確な数値を算出できない恐れがあります。しかし、アドバイザーを設置していれば、そうした懸念を払拭できます。

また、税理士にアドバイザーを依頼する場合は、相続関係の実績があるかを確認する必要があります。税理士や税理士事務所には得手不得手があり、誰もが相続のサポートに長けているとは限りません。もし相続の際に税理士を選ぶ場合は、経営者関係の相続について実績を持っている税理士や税理士事務所を選びましょう。

※関連記事
相続の流れと手続き
相続における専門家の重要性

まとめ

まとめ

株式の相続は一般的な相続と違い、時間と手間がかかる手続きを要します。また、どれだけ適切に相続できるかによって、相続税や会社の経営そのものが変わる可能性もあります。株式相続による相続税を計算したい際は、アドバイザーの指示を仰ぎながら入念に実施することが重要です。

要点をまとめると下記のとおりです。

経営者が所有する株式の種類
→公開済みの株式(上場している株式)、非公開の株式(非上場の株式)

株価の計算方法
→相続税を計算する上で必要な株価の計算方法は、経営権を得るか得ないかで変化する

相続税の税率
→相続の際に取得する金額によって変動する

株式相続をスムーズに実施するためのポイント
→相続人の確定、アドバイザーの設置

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