2025年1月31日更新都道府県別M&A

滋賀県の事業承継・M&Aの動向は?案件・事例やおすすめの相談先も紹介!

本記事では、滋賀県の事業承継・M&Aの動向・課題や実際の事例を解説します。滋賀県は中小企業の廃業・休業件数が日本でトップクラスであり、今後さらに事業承継・M&Aの重要性が増すと予想されます。募集中の案件も紹介するので滋賀県でM&Aを検討中の方は必見です。

目次
  1. 滋賀県の産業・経済の特徴
  2. 滋賀県の事業承継・M&Aの動向・課題
  3. 滋賀県近郊の事業承継・M&Aの案件例
  4. 滋賀県の事業承継・M&A事例4選
  5. 事業承継・M&A時におすすめの相談先3選
  6. 滋賀県の事業承継・M&Aで仲介会社を選ぶ基準5選
  7. 滋賀県の事業承継・M&Aのまとめ
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滋賀県の産業・経済の特徴

滋賀県の産業と経済は、琵琶湖という日本最大の淡水湖を軸に展開されており、その特性が産業構造に深く影響を及ぼしています。

製造業では、県内に展開する工業団地を拠点に、化学工業製品、電気機器、自動車部品など高付加価値産業が盛んで、近江八幡市や東近江市を中心に国内外の大手企業の生産拠点が集積しています。近年では環境負荷を軽減する技術開発が進み、地球環境への配慮が産業の競争力向上に寄与しています。

農業分野では近江米や近江牛が全国的なブランドとして認知され、滋賀県産の農畜産物は品質の高さが有名です。

観光産業においては、琵琶湖を中心とした自然観光資源と、長浜や彦根の歴史文化資産が融合して独特の魅力を形成しており、国宝・彦根城を含む歴史的建築物や、伝統工芸である近江商人の文化は観光客にとって重要な呼び物となっています。

加えて、京阪神・中京圏への交通利便性が、滋賀県を産業拠点としてだけでなく観光のハブとしても位置づけているのです。

こうした地理的条件と独自の文化的背景が、県の持続可能な経済成長の基盤となっています。

滋賀県の事業承継・M&Aの動向・課題

近年、全国的に後継者不足の問題は深刻化していますが、特に滋賀県では後継者不在の中小企業が多く、事業承継ができずに廃業・休業となるケースが増加しています。

県内では2012年に「中小企業の活性化の推進に関する条例」を施行し、企業の人材獲得や事業承継の支援を続けていますが、経営者が高齢者である企業を中心に事業継承が十分に行われてなく、2023年には休廃業・解散件数が過去3番目に多い350件を記録しました。

そのうち約半数は黒字でもあるにもかかわらず廃業にいたる「あきらめ廃業」となっており、ますます事業承継支援の重要性が高くなっていることがわかります。

滋賀県庁による調査では、特に売上が1億円以下の事業者の事業承継支援が手薄になっていることが報告されており、M&Aに向かない事業の承継をいかに支援していくかが課題となっています。

参考:滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例施行後 1 0年間の中小企業活性化施策の総括・検証および今後の取組の展開について

中小企業の後継者不在率が大幅に改善

帝国データバンクが発表した「全国「後継者不在率」動向調査(2024年)」によると、近畿地域の企業における後継者不在率は45.9%で、前年より7.0ポイント減少し、調査開始以来最も低い数値を記録しました。

府県ごとにばらつきはあるものの、事業承継税制の見直しが進んだことや、M&Aによる非同族への事業引継ぎが広まってきたこと、企業の実態把握がより浸透したことが、この改善の要因とされています。

参考:全国「後継者不在率」動向調査(2024年)

滋賀県のM&A成立件数

滋賀県の企業が関わった過去数年間のM&A件数は、以下のように推移しています。
 

  • 2018年:22件
  • 2019(平成31、令和元)年:23件
  • 2020(令和2)年:11件
  • 2021(令和3)年:11件
  • 2022(令和4)年:14件

新型コロナウイルス拡大前後でM&A件数が半減していますが、近年では経営状況の悪化や後継者不在を原因に休廃業にいたる可能性が高い企業も多いことから、今後は徐々にM&A件数が増加していくことが予想されます。

滋賀県近郊の事業承継・M&Aの案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っている滋賀県近郊の事業承継・M&A譲渡案件例をご紹介します。

【近畿地方/売上20億円超/純資産以下で譲渡可能】保有トラック300台以上の運送事業

運送業(アルミ、飼料、冷蔵冷凍品、海上コンテナ)、自動車整備業、人材派遣業を営む企業です。
グループ保有トラック台数は300台を越え、近畿、中部、関東地方に自社の拠点を所有しています。財務内容としては売上は例年20億円以上、営業利益1.2億円以上、時価純資産は20億円以上で好調です。
 

売上高 25億円〜50億円
営業利益 1億円〜2.5億円
総資産額 20億円〜
譲渡希望額 20億円(応相談)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【近畿地方/売上20億円超/純資産以下で譲渡可能】保有トラック300台以上の運送事業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【建築主力/地場有力】近畿・関西エリアの総合建設業

対象会社は近畿地方に所在し、地場に根差した経営をしている企業です。建築受注を中心に、官民問わず受注を受けています。

地方公共団体及び民間より仕事を受けており、元請けとしての受注が大半を占めています。
 

売上高 5億円〜10億円
営業利益 1000万円〜5000万円
総資産額 10億円〜15億円
譲渡希望額 応相談
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【建築主力/地場有力】近畿・関西エリアの総合建設業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【近畿エリア】グレーチング、マンホールの製造販売・卸売業

全国各地への販路を有しており、販売先数は300社を超えています。近畿エリアを中心に自社工場・倉庫を保有しており、全国へ対応可能です。

自社ブランドを保有していることから、自社で価格設定がてきる強みがあります。

売上高 5億円〜10億円
営業利益 〜1000万円
総資産額 15億円〜20億円
譲渡希望額 8億円程度(純資産以下)※応相談
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【近畿エリア】グレーチング、マンホールの製造販売・卸売業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【関西エリア/優秀なデザイナー在籍】自社ブランドを保有する総合アパレル企業

関西に本社を構える総合アパレル企業です。自社ブランドが幅広い層に高い人気を誇っています。自社ブランドの商品は100%自社企画で、消費者ニーズに沿ったベストなデザイン・企画・生産・販売までトータル管理が可能です。

売上高 2.5億円〜5億円
営業利益 1000万円〜5000万円
総資産額 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 更なる事業拡大

【関西エリア/優秀なデザイナー在籍】自社ブランドを保有する総合アパレル企業(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

【高評価・好立地】関西フレンチ店舗運営

関西主要駅徒歩5分圏内においてフレンチ店を運営しています。FLコスト40%台の高収益フレンチ店です。比較的若い年代が多いですが、老若男女問わず支持されています。

関西主要駅より徒歩圏内の好立地で、完全予約制のお店です。食べログ評点も高評価を維持しています。

売上高 1億円〜2.5億円
営業利益 1000万円〜5000万円
総資産額 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 戦略の見直し

【高評価・好立地】関西フレンチ店舗運営(飲食店・美容) | M&A総合研究所

下記のページではM&A総合研究所が取り扱っている案件を検索できるようになっていますので、さらにM&A・事業承継の案件を知りたいという方はあわせてご覧ください。

M&A・事業承継案件一覧 | M&A総合研究所

滋賀県の事業承継・M&A事例4選

滋賀県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。

①日新ダイヤモンドによるマイクロ・ダイヤモンドの事業承継・M&A

オーエスジーの子会社である日新ダイヤモンドは、2024年10月1日付でマイクロ・ダイヤモンドの事業を承継する予定です。日新ダイヤモンドはダイヤモンド工具の製造・販売を行っており、マイクロ・ダイヤモンドは微細で高精度な加工用ツールの研究開発を手がけています。

今回の事業承継により、日新ダイヤモンドは微細精密加工分野への進出を進め、オーエスジーグループとしてダイヤモンド工具市場の開拓を強化する狙いです。さらに、Precision Tools Holding B.V.との協業を通じて、電子や医療分野の精密金型市場への進出も目指します。

オーエスジーグループの日新ダイヤモンドが、マイクロ・ダイヤモンド社の事業を継承

②ニッケによる呉羽テックの事業承継・M&A

2024年8月26日、日本毛織(ニッケ)は、呉羽テック(滋賀県栗東市)の全株式を東洋紡エムシー株式会社から取得し、グループ会社とすることを発表しました。ニッケは衣料繊維、産業機材、人とみらい開発、生活流通など多岐にわたる事業を展開しており、今回のM&Aは産業機材事業の強化を目的としています。

呉羽テックは、不織布を中心とした製品を製造・販売しており、ニッケの戦略である自動車や環境関連製品の拡販に貢献することが期待されています。両社の技術を相互に活用し、より付加価値の高い製品やサービスを提供することで、ニッケグループ全体の企業価値向上を図る狙いです。

ニッケグループへの加入についてのお知らせ

③瀧上工業による菊池鉄工所の事業承継・M&A

2024年3月26日、瀧上工業は、菊池鉄工所の全株式を取得し、子会社化するために株式譲渡契約を締結することを決定しました。瀧上工業は、橋梁や鉄骨、鉄塔などの鋼構造物の設計・製作・施工を行う企業で、120年以上にわたり社会基盤の整備に貢献してきました。

菊池鉄工所は、鉄骨や溶接H形鋼の製作・設計施工を手掛けており、1960年の創業以来成長を続けています。瀧上工業は、「鉄骨事業の再生と創造」を掲げる中期経営計画の一環として、民間大型開発案件への対応力を強化するため、菊池鉄工所をグループに加え、鉄骨鉄構事業のさらなる成長を目指します。

株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ

④日本電産による三菱重工工作機械の事業承継・M&A

2021年5月、京都府京都市の日本電産は、滋賀県栗東市の三菱重工工作機械の全株式を親会社の三菱重工業から取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。日本電産は、これまでも数多くのM&Aを実施してきた企業です。

事業は、精密小型モータ、車載および家電・商業・産業用モータ、機器装置、電子・光学部品、その他の開発・製造・販売を行っています。三菱重工工作機械は、工作機械、切削工具およびその関連製品に関する設計・製造・販売などを行っている企業です。

日本電産としては、工作機械事業を取り込むことで、グループ内の既存事業との相互補完強化を図っています。なお、三菱重工工作機械は、商号を日本電産マシンツールと改めました。

三菱重工工作機械株式会社の株式取得等の完了と新子会社概要

事業承継・M&A時におすすめの相談先3選

滋賀県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

①金融機関

最近、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設ける事例が増加しています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)としてM&Aにおいて重要な役割を果たすことが多く見られます。買収側では資金調達のために金融機関との協議が欠かせず、既存の取引関係がある金融機関が最初の相談先となることが一般的です。

金融機関に相談することで、資金調達に関する専門的なアドバイスが得られるため、事業承継においても非常に有益です。また、一部の金融機関ではM&Aに特化した部署や専門家の紹介も行っています。

しかし、大手金融機関は大規模案件を中心に扱い、中小案件には対応しない傾向があり、アドバイザリー形式を採用するため報酬が高額になることがデメリットです。

【関連】M&Aにおける銀行の役割は?融資・アドバイザリー業務の特徴やM&Aの相談をする際のポイントを解説

②公的機関

最近、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談ができる環境が整ってきています。例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が抱える後継者不足などの課題を解決するための窓口で、無料で情報提供やアドバイス、企業間のマッチングサービスを行っています。

このセンターは全国47都道府県で展開しており、地方の企業でも手軽に利用できるのがメリットです。

公的機関が運営しているため、無料で公正なアドバイスが受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も行われています。ただし、公的機関であるため対応のスピードに限界があり、民間仲介会社と比べるとサポート内容が劣る場合がある点がデメリットとなる可能性があります。

【関連】事業承継の相談先である事業承継・引継ぎ支援センターとは?成約事例や案件・手数料・その他の支援機関も徹底解説

③M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却を専門にサポートし、売り手と買い手の双方と契約を結んで交渉を進めます。これらの会社は、初期相談から相手企業の選定、スケジュール管理、企業価値評価、書類作成まで、M&Aの全プロセスを包括的に支援します。

仲介会社の強みは、多数の候補企業から最適な相手を見つけられる点で、売り手と買い手双方が満足できるM&Aを実現する可能性を高めます。また、M&A初心者に対しても、仲介会社は一貫したサポートを提供し、交渉やコミュニケーションをスムーズに進めることで成功率を向上させます。

ただし、着手金や中間金が発生することがあり、コスト負担が懸念される場合もあるため、成功報酬制を採用する企業を選ぶことが推奨されます。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

滋賀県の事業承継・M&Aで仲介会社を選ぶ基準5選

この章では、滋賀県の事業承継でM&A仲介会社を選ぶ際の5つの基準について解説します。

  1. 対象業界の専門知識・実績がある
  2. 自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験がある
  4. わかりやすい料金体系を採用している
  5. 担当アドバイザーとの相性が良い

①対象業界の専門知識・実績がある

M&Aを進める際、M&A仲介会社は対象業界の業種や企業に応じたサポートを行います。そのため、対象分野の専門的知識やM&A実績があることは重要です。

自社が実施するM&Aの対象企業の業界の専門的知識や実績があるM&A仲介会社であれば、的確なサポートが受けられます。その結果、M&Aの成功率も上がるでしょう。M&A仲介会社を選ぶときは、対象業界の専門的知識や実績があるかどうかを事前に確認することがポイントです。

②自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある

M&A仲介会社がM&Aを仲介するときは、案件規模や地域性も踏まえたサポートを行います。したがって、自社と同じ程度の案件規模や地元のM&A実績があるM&A仲介会社を選べば、スムーズなサポートを受けられる可能性が高いです。

事前に、M&A仲介会社の取り扱う案件規模・地域のM&A実績などをチェックしましょう。

③M&Aに関する幅広い知識・経験がある

M&Aを行う際、手法はもちろんのこと、法律・会計・税務などさまざまな知識や観点が欠かせません。そのため、M&A仲介会社が幅広いM&Aの知識や経験を持つかどうかも、選ぶ際の基準になります。

④わかりやすい料金体系を採用している

わかりやすい料金体系は、M&Aを進める際に大切な要素です。料金体系が明確でなければ、後にトラブルが生じることもあり得ます。したがって、M&A仲介会社の料金体系も事前に確認してください。

⑤担当アドバイザーとの相性が良い

担当のアドバイザーと相性が悪ければ、円滑にM&Aは進みません。悩み事を伝えたり相談したり問題点を指摘したりできないからです。M&A仲介会社を選ぶ際は、アドバイザーの対応や相性も選ぶ基準といえます。

ただ昨今は、M&A仲介会社も急増しており、依頼先選びに迷ってしまうかもしれません。そのような際には、一度、M&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱い、全国の案件に対応しております。

豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが在籍し、相談時からクロージングまで専任となってフルサポートする体制です。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」となっています(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を随時お受けしておりますので、滋賀県でM&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

産業用・業務用機械製造業界のM&A・売却・買収の現状については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】産業用・業務用機械製造業界のM&A・売却・買収の現状は?動向や事例も解説!

滋賀県の事業承継・M&Aのまとめ

滋賀県は、他の都道府県より力を入れて事業承継支援を行っています。滋賀県の自治体や金融機関の取り組みは、滋賀銀行のように高い評価を受けているのが特徴的です。

滋賀県の案件に対応するM&A仲介会社も多いので、滋賀県は事業承継を行ううえで最適な環境になりつつあります。自社にとって良いパートナーを見つけ、滋賀県での事業承継を成功させましょう。

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