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2019年11月19日更新
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無税償却とは?要件や有税償却との違いを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aや私的再生といった不良債権を有効に処理する上で、無税償却は欠かせない手法です。満たすべき要件は複雑かつ厳しいものの、要件さえ満たせばメリットを享受できます。無税償却はとても専門的な処理ですので、実際に活用する際は必ず専門家に相談しましょう。

目次
  1. 無税償却
  2. 無税償却とは?無税償却の意味
  3. 無税償却と有税償却の違い
  4. 無税償却の種類(直接償却と間接償却)
  5. 無税償却の要件
  6. 無税償却と債権放棄
  7. サービサーを活用した無税償却
  8. まとめ

無税償却

事業再生やM&Aの場面では、無税償却が図られるケースがあります。

無税償却を活用する事で、企業内に存在する不良債権を有効的に処理できます。

この記事では、無税償却に関して基本的な知識をお伝えします。

事業再生やM&Aに興味のある方は必見の内容です。

無税償却とは?無税償却の意味

まず初めに、無税償却とは何かを説明します。

無税償却とは、債権に関する損失を損金として処理することを指します。

銀行等の金融機関は中小企業に対して現金を貸しており、債権者としての権利を有しています。

昨今の景気低迷の影響で、必ずしも債務の弁済が実現するとは限りません。

融資先の経営状況が悪化し、債権に損失が発生するケースがあります。

債権の見込み損失金額を計上する際、通常は損金に算入できない為、余分に税金を支払う必要が生じます。

例外的に一定条件を満たせば、不良債権を無税償却できる決まりとなっています。

事業再生時は勿論、M&Aの際にも無税償却が行われる場合があります。

M&Aで引き継ぐ不良債権を有効活用する目的で、「サービサー」と呼ばれる会社にその債権を売却する事で、無税償却を図ります。

非課税で余分なものを処理できる為、M&Aでは非常に役立つ手法です。

ただ、後述するように無税償却は専門的な知識が必要なものであるため、実際に行う際には専門家の協力を得るようにしましょう。
その際におすすめなのがM&A総合研究所です。
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サービサーについては、後ほど詳しく解説します。

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無税償却と有税償却の違い

無税償却と対になる償却方法に、「有税償却」が存在します。

この項では、無税償却と有税償却の違いに関して解説します。

有税償却とは、「会計上は費用として処理できるものの、税務上は損金として認められない債権償却」を意味します。

会計上費用計上できるものであっても、税法上は損金として計上出来ないものがあります。

この違いがある為に、有税償却が存在する訳です。

有税償却では損金不算入となる為、無税償却よりも税金が多く発生します。

無税償却と有税償却の違いは、行う目的にあります。

無税償却は「不良債権の有効活用」や「融資対応力の安定化」を目的に行われる一方で、有税償却は「貸借対照表の健全性確保」を目的に実施されます。

上記の違いはあるものの、節税上は無税償却の方が有利である為、進んで有税償却が実施されるケースは多くありません。

無税償却の要件は厳しく、要件を満たさなければ全て有税償却となり、より多くの税金を支払う事となります。

財務状況の健全性を確保したい場合は有税償却、それ以外の場合には基本的に無税償却を図ります。

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無税償却の種類(直接償却と間接償却)

一口に無税償却と言っても、「直接償却」と「間接償却」の二種類存在します。

この項では、「直接償却」と「間接償却」について詳しく解説します。

⑴直接償却

不良債権の全額をオフバランス化する形で行う無税償却を、直接償却と呼びます。

オフバランスとは、事業上使用している資産を帳簿から切り離し、貸借対照表に計上しない事を指します。

貸借対照表から不良債権を切り離す為、企業価値の向上を期待できます。

具体的な直接償却を行う方法には、「私的整理」「法的整理」「債権売却」があります。

私的整理とは債権者が無償で債権放棄する行為であり、無税償却を実行する為には債権の不良性を証明する必要があります。

証明できない場合には、損金として処理できずに課税が発生します。

法的整理とは裁判所管轄の下で実行する倒産手続きであり、民事再生や破産等が法的整理に該当します。

債権売却とは文字通り不良債権を売却する行為であり、無税償却する為には「サービサー」を売却先にする必要があります。

⑵間接償却

間接償却とは、回収不能と見込まれる不良債権を、貸倒引当金として費用計上する形で行う無税償却です。

不良債権自体は貸借対照表に残る為、企業価値の向上等のメリットは期待できません。

間接償却は、融資先会社の経営状態が悪化した時点で行われます。

経営状態が悪化した際に貸倒引当金として不良債権を計上し、経営破綻した時点で貸倒引当金が取り崩されます。

貸倒引当金が取り崩される時点で、貸借対照表上の不良債権は消滅します。

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無税償却の要件

無税償却は銀行等の金融機関にとって有利であるものの、適用する為には要件をクリアする必要があります。

無税償却の要件は「直接償却」と「間接償却」によって異なる為、自身が採用する方法に基づいて要件をクリアしなくてはいけません。

この項では、直接償却と間接償却に分けて要件をお伝えします。

⑴直接償却の要件

直接償却では主に下記要件を満たす場合に、無税償却が認められます。

①債権が更生計画により切り捨てられる

直接償却を行う際には、会社更生計画等に基づいて手続きを進めます。

計画等において切り捨てられる債権金額については、原則無税償却が認められます。

②債務超過が長期にわたり継続し、債権弁済を受ける事が不可能

p>債務者が長期的に債務超過に陥っており、債権弁済を受けることが不可能である場合には、無税償却を実行できます。

 

無税償却が認められる金額は、債務者に対して書面で提示した債務免除額となります。

③債務者の資産状況や支払能力等を見た場合、債権の全額を回収できない事が明白である

債務者の資産状況や支払能力等から判断し、債権の全額を回収できない事が明白である際には、その全額を無税償却できます。

⑵間接償却の要件

間接償却では主に下記要件を満たす場合に、無税償却が認められます。

①更生計画により、決算日翌日から5年目以降に弁済が予定されている

決算日翌日から起算して、5年目以降に弁済が予定されている債権に関しては、無税償却が認められます。

要件を満たす為には、更生計画等を経ている必要があります。

②債務超過が長期にわたり継続し、債権の回収見込みがない

債務者が長期的に債務超過に陥っており、債権の回収見込みがない場合には、回収できない金額分だけ無税償却できます。

全額を無税償却できる訳ではなく、回収が不可能である部分のみが要件となります。

③債務者に法的整理申立や銀行取引停止処分等の事態が発生

債務者に法的整理申立や銀行取引停止処分等の事態が発生したケースも、無税償却の要件に含まれます。

間接償却の要件では、債権(回収が見込まれる金額を除く)のうち、50%相当のみ無税償却が認められます。

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無税償却と債権放棄

この項では、無税償却と債権放棄の関係に関して説明します。

一昔前まで銀行等による債権放棄は、無税償却が認められていませんでした。

無税償却出来ない為に、中小企業の多くは銀行等から債権放棄を認められないケースが続出していました。

この影響で中小企業の再生自体が抑制されていたため、数年前からは無税償却が認められる様になりました。

銀行は積極的に債権放棄を認めやすくなり、中小企業の再生も活発化する結果となりました。

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サービサーを活用した無税償却

最後に、サービサーを活用した無税償却に関して解説します。

サービサー(債権回収会社)とは、法務大臣の許可を得た上で債権管理回収を行っている民間の専門業者です。

銀行等が有する貸付債権のみならず、クレジット債権やファクタリング業者が有する金銭債権もサービサーの回収対象となります。

一昔前までは弁護士(弁護士法人)以外がサービサー業務を行う事は禁止されていましたが、「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」の施行により、許可を得れば民間業者でも業務を実施できる様になりました。

不良債権をサービサーに売却すれば、売却価格と簿価の差額分を「売却損」として損金計上できます。

つまり不良債権を売却により手元から放棄しつつ、売却損の金額だけ利益を圧縮できる訳です。

非常に有用な不良債権の処理方法である為、M&Aの際にもサービサーへの債権売却が行われます。

M&Aの際に不良債権を売却する事で、経営状況の健全化を実現できます。

無税償却を図る手段として、サービサーへの債権売却は非常に使い勝手の良い手法です。

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まとめ

今回は、無税償却に関して基本的な概要をお伝えしました。

不良債権を有効に処理する上で、無税償却は欠かせない手法です。

満たすべき要件は複雑かつ厳しいものの、要件さえ満たせば多大なメリットを享受できます。

無税償却はとても専門的な処理ですので、実際に活用する際は必ず専門家にご相談ください。

要点をまとめると下記になります。

  • 無税償却とは

→債権に関する損失を損金として処理すること

  • 直接償却とは

→不良債権の全額をオフバランス化する形で行う無税償却

  • 間接償却とは

→回収不能と見込まれる不良債権を貸倒引当金として費用計上する形で行う無税償却

  • 有税償却とは

→会計上は費用として処理できるものの、税務上は損金として認められない債権償却

  • 無税償却の要件(直接償却)
  1. 債権が更生計画により切り捨てられる
  2. 債務超過が長期にわたり継続し、債権弁済を受ける事が不可能
  3. 債務者の資産状況や支払能力等を見た場合、債権の全額を回収できない事が明白である
  • 無税償却の要件(間接償却)
  1. 更生計画により、決算日翌日から5年目以降に弁済が予定されている
  2. 債務超過が長期にわたり継続し、債権の回収見込みがない
  3. 債務者に法的整理申立や銀行取引停止処分等の事態が発生
  • 無税償却と債権放棄

→銀行の債権放棄が無税償却として認められた事で、中小企業は債権放棄を認められやすくなった

  • サービサーを活用した無税償却

→銀行側はサービサーに不良債権を売却する事で、無税償却を実行できる

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