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2019年12月7日更新
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益金不算入とは?益金不算入の意味と一覧

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

会社経営にとって節税は大きなテーマであり、経営者が節税を検討するうえで欠かせないのが益金と損金というキーワードです。本記事ではそのうちの益金不算入について掘り下げます。益金と損金の概念をおさらいしつつ、益金不算入の具体的な内容を把握しましょう。

目次
  1. 益金とは?損金とは?
  2. 益金不算入とは?
  3. 益金不算入①受取配当金
  4. 益金不算入②還付金
  5. 益金不算入とならない還付金
  6. まとめ

益金とは?損金とは?

会社への課税額を考えるうえで厄介なのが、通常の損益計算書における「収益」と、課税額を計算するための税法上の「所得」がイコールではないことです。損益計算書における収益は算出するには基本的に会社が得た収入全てを加算します。

一方、税法上の所得を算出するには、税法で定められた用語でいうところの「益金」から「損金」を差し引く計算をすることになっています。この益金が、会社の収入全てとイコールにはなりません。

税法では、益金としてカウントする収入と、カウントしなくていい収入とに区分けがされているのです。また、損金も益金と同じように、会社の支出全てをさすものではありません。

やはり税法では、損金としてカウントしていい支出と、カウントに含められない支出とに分けられているのです。以上を、概略としてまとめると以下のようになります。

  • 会計上の利益=全ての収入-全ての支出
  • 税法上の所得=益金-損金=全ての収入から一部を除いた額ー全ての支出から一部を除いた額

このことから言えるのは、益金としてカウントしなくていい金額と、損金としてカウントしていい金額のどちらか、または両方が大きければ、その分、税法上の所得額は低くなって、納税額も少なくなるということです。

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益金不算入とは?

上述した益金、損金にカウントすることを、税法上の用語では算入と言います。したがって、益金、損金にカウントしない場合が不算入です。つまり、益金不算入とは、会社の節税に直結する要素ということがおわかりいただけるでしょう。

そこで、益金不算入に関する意味合いや具体的な内容について迫っていきます。

⑴益金不算入の意味

益金不算入とは、会計上では収益に計上するものの、税法上では利益として計上しない収入のことです。そして、厄介なことに益金不算入とする収入であっても、全額不算入となる場合と一部だけ不算入とする場合があります。

いずれにしても、確定申告においてはいったん、会計としての収益を算出し、その金額から益金不算入の項目を控除する計算を行います。次に、そうして算出した益金から損金を差し引く計算を行うことになります。

この損金も、前項で説明したように会社の支出全ては該当せず、損金不算入と指定されている項目については損金に加えられません。そして、この損金不算入の場合も、全額不算入となる場合と一部だけ不算入とする場合があります。

ちなみに、損金不算入の代表的なものは、飲食費以外の交際費や法人税等です。ともあれ、確定申告において計算ミスなど許されません。益金不算入と損金算入の計算は納税額にも直結します。税理士や公認会計士によく相談して行いましょう。

益金不算入となる具体的な項目の中には、M&Aによるグループ会社化で発生するものも含まれています。実行後の収益見通しを堅実に行ったM&Aをご要望であれば、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。

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⑵益金不算入の項目一覧

税法で定められている益金不算入となる収入は、以下のとおりです。

  • 受取配当金
  • 法人税や所得税等の還付金
  • 資産の評価益

受取配当金とは、経営活動の目的で他社の株式を保有している場合に得られる利益、つまり配当金のことです。株式保有により授受可能な中間配当や剰余金分配のみならず、投資信託における収益配当も受取配当金に含まれます。

法人税や所得税等の還付金とは、本来よりも多く税金を支払ってしまった場合に、返還してもらえるお金です。ただし、全ての税金の還付金が益金不算入となるわけではなく、あくまで法人税等の一部の税金の還付金に限られます。

資産の評価益は、現金としての収入ではありません。会社が保有している資産には帳簿に記載されている価額である簿価があります。この簿価よりも時価の金額が上回る場合があり、その時の差額が資産の評価益です。

資産の評価益は会計上も原則的に計上しないことになっており、益金にも不算入と決まっています。なお、受取配当金と還付金については、次項以降で詳細を説明します。

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益金不算入①受取配当金

税法で益金への不算入と定められている受取配当金ですが、細かく条件が定められています。条件によっては全額不算入にもなりますが、20%のみ不算入の場合もあったりと、いくつかに分かれている条件を掘り下げて見ていきましょう。

⑴受取配当金が益金不算入となる理由

受取配当金は純然たる収入です。本来であれば益金と考えてもおかしくはないとも言えます。その受取配当金が益金不算入となっている主たる理由は、税負担の不合理性を回避するという目的がゆえんです。

どういうことかというと、配当金を支払う側は、その段階ですでに法人税が課されています。それにもかかわらず、配当金を受け取った側に対しても課税するとなれば、同一所得に対する二重課税となるからです。

二重課税が存在するとなると税の公平性が失われ、なおかつ不合理性を生じさせてしまうため、受取配当金は益金不算入とされています。

⑵益金不算入の対象

益金不算入となる受取配当金の具体的な対象は、以下のものです。

  • 剰余金配当
  • 利益配当
  • 投資信託等から受け取る金銭分配
  • 特定目的会社からの金銭分配

剰余金配当とは、通常の株式会社からの受取配当金のことです。利益配当とは、持分会社における剰余金配当に相当するものを意味しています。また、投資信託等から受け取る金銭分配も、受取配当金と見なされ益金不算入です。

特定目的会社(SPC=Special Purpose Company)とは、資金調達など特定の目的達成のためだけに設立する会社であり、この特定目的会社からの金銭分配も益金不算入となっています。

⑶益金不算入の割合

受取配当金については、自社が保有する該当会社の株式の保有割合によって、益金不算入とする金額の割合が異なるように定められています。詳しい益金不算入の金額割合は、下表をご覧ください。

株式の種類 株式の保有割合 益金不算入の割合 負債利子の控除
完全子法人株式 100% 全額 なし
関連法人株式 3分の1超 全額 あり
その他株式 5%超~3分の1以下 50% なし
非支配目的株式 5%以下 20% なし

上記の表で明らかなとおり、株式の保有割合が大きく該当会社への支配力が強いほど、益金不算入にできる金額の割合が大きくなります。なお、完全子法人株式と関連法人株式の株式等保有割合は計算期間中、一貫して維持することが条件です。

計算期間とは、直近の配当支払いに関する基準日の翌日から、今回の配当支払いに関する基準日までの期間をさします。一方で、非支配目的株式の株式等保有割合に関しては、今回の配当支払いに関する基準日で判定することになっています。

また、負債利子の控除が認められているのは関連法人株式のみです。この負債利子とは、該当会社の株式を取得するために借入をした場合の、その借入金の利子を意味しています。

その意味合いは、関連法人株式での受取配当金は益金不算入であるのに、その株式取得のための借入金の利子が損金に算入されるのは、不合理であるため控除されるのです。

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益金不算入②還付金

益金不算入のもう一方の存在とも言えるのが各種税金の還付金です。しかし、すでに述べたように全ての税金の還付金が該当するわけではありません。益金不算入である具体的な還付金の内容を確認していきましょう。

⑴益金不算入となる還付金の一覧

益金不算入が認められている還付金は、下記のとおりです。

  • 法人税の還付金
  • 住民税の還付金
  • 損金不算入の附帯税等に関する還付金
  • 所得税等の還付金
  • 欠損金の繰戻しによる還付金

法人税、住民税、所得税の還付金が益金不算入であるのは、損金不算入の附帯税の還付金が益金不算入であるのと同じ理由です。つまり、法人税、住民税、所得税が損金不算入であることの裏返しです。税法における合理性が維持されています。

ちなみに、附帯税とは、延滞税や利子税、過少申告加算税等の総称です。欠損金の繰り戻しによる還付金とは、業績悪化で当期が赤字となった会社が、前期に納付した法人税の還付請求ができる制度により受け取る還付金になります。

結果的には法人税の還付ということになりますから、これも益金不算入です。

⑵益金不算入である還付金の理由

法人税や住民税等の還付金は、手元の現金が増えることになり一見、収入のように感じます。しかし、よく考えれば多く払い過ぎた税金が戻ってきただけのことです。手元の現金が増えたといっても、それはもともと自分のお金でした。

したがって、もし、法人税や住民税の還付金に対して税金が発生するとなると、それは二重課税を意味します。ここまでも述べてきたとおり、税法は合理性の維持と不合理性の排除をテーマとしています。その論理に則った規定なのです。

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益金不算入とならない還付金

益金不算入となる税金の還付金がある一方で、益金不算入にならない、つまりは益金算入扱いとなる税金の還付金もあります。それら、益金不算入とならない還付金一覧と共に、その内容、理由を見てみましょう。

⑴益金不算入とならない還付金の一覧

益金不算入とならない税金の還付金は、下記の一覧どおりです。

  • 事業税の還付金
  • 固定資産税の還付金
  • 利子税の還付金
  • 還付加算金

事業運営で発生する事業税や、保有する固定資産に課される固定資産税の還付金は、益金に算入することとされています。また、利子税や付加算金の還付金も、益金不算入とはされていません。その理由は次項で明らかにします。

⑵益金算入である還付金の理由

前項の一覧に記載した税金である事業税、固定資産税、利子税は、税法上の所得を算出する際、いずれも損金に算入されます。

したがって、税法における合理性の一致の観点から、事業税、固定資産税、利子税の還付金は益金に算入されるわけです。減少した損金算入分を相殺する主旨で、それら税金の還付金は益金に算入しなくてはいけません。

還付加算金とは、税金の還付金に付く利息です。利息であれば、これはれっきとした収入ですから、益金算入は当然の成り行きとなります。

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まとめ

節税に繋がる情報の一環として、益金不算入について取り上げました。しかし、現実に節税を考慮する際には、益金の算入・不算入だけでは情報が足りません。損金の算入・不算入についても合わせて理解を深めたいものです。

ただし、経営者が節税の計算について詳細に把握しようとすることは必ずしも絶対とは言えません。概要をしっかりつかんでおけば、あとは経理担当者や税理士・公認会計士と相談しながら進めていけば十分と思われます。

また、税法は改正が頻繁に行われる法律です。一度把握した知識に固執せず、法改正の情報には注意深く接するように努めましょう。本記事の概要は以下のようになります。

  • 益金とは
税法上の所得計算で収入と見なされるもの。
  • 損金とは
税法上の所得計算で支出と見なされるもの。
  • 会計上の利益と税法上の所得の違い

→会計上の利益と税法上の所得は一致しない。

  • 益金不算入とは

→会計上は収益計上するものの、税法上は一部または全額を益金として計上しないこと。

  • 受取配当金が益金不算入となる理由

→法人を介して事業を行った場合とそうでない場合に、税負担が異なる状況を回避するため。

  • 益金不算入である受取配当金

→剰余金配当、利益配当、投資信託等から受け取る金銭分配、特定目的会社からの金銭分配。

  • 所有株式の受取配当金における益金不算入の割合

→株式の保有割合により、益金不算入の金額割合が異なる。

  • 益金不算入となる還付金

→法人税の還付金、住民税の還付金、損金不算入の附帯税等に関する還付金、所得税の還付金、欠損金の繰戻しによる還付金。

  • 法人税等の還付金が益金不算入である理由

→納付時と還付時で二重課税を発生させないため。

  • 益金不算入とならない還付金

→事業税の還付金、固定資産税の還付金、利子税の還付金、還付加算金。

  • 事業税等の還付金が益金算入となる理由

→損金に算入する税金であるため益金に算入しないとバランスが取れない。

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