M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年1月17日公開業種別M&A
眼鏡業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!
これまで、眼鏡を使用する方の多くは視力矯正を目的としていました。しかし、近頃ではファッションアイテムとして使用する方も増加しています。本記事では、眼鏡業界の動向およびM&Aのメリットや実際の事例やM&Aの流れについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
眼鏡業界の動向
眼鏡業界の売上推移は、2007年より2012年にかけて横ばいでしたが、2015年以降は増加傾向です。スマホやタブレットの普及による、電子デバイスの長時間使用が要因だと考えられるでしょう。眼精疲労や若年層のスマホ老眼も増え、それらの緩和や対策としてもブルーライトカット眼鏡の売上が増えています。
業界トップの「眼鏡市場」で有名なメガネトップの売れ行き推移は、2016年には693億円でしたが2021年には821億円まで増加しています。
また業界2位のJINSは、2016年の461億円が2021年には638億円へとコロナ禍で景気の落ち込みがあったにもかかわらず、スポーツや趣味に特化した眼鏡など、多様化する消費者のニーズを上手に捉えて売り上げを増やしています。
しかし、業界3位のパリミキホールディングスは、2016年の498億円が2021年には440億円と落ち込んでいます。3位以下の企業は、コロナ禍による景気の落ち込みの影響を大きく受けており回復が難しい状況です。
近年は眼鏡業界全体で商品の低価格化が進んでおり、30年前の平均価格は3万円程度だった価格が現在では1万円以下になっています。「JINS」や「Zoff」をはじめとする低価格帯の眼鏡を販売する企業が増えたことにより、高価格帯の眼鏡を販売していた従来からの企業も低価格で販売せざるを得ない状況と言えるでしょう。
また、サングラスや伊達眼鏡が「雑貨店」「アパレル店舗」「ホームセンター」などで低価格で販売されており、手軽に購入できるようになりました。そのため、市場全体の売上に影響が出ています。現在はブルーライトカットなどの需要が増え売り上げが伸びていますが、今後は市場縮小の可能性も出て来ており予断を許しません。
眼鏡会社におけるM&Aを実施するメリット
眼鏡会社におけるM&Aを実施するメリットは、売却側と買収側で異なります。双方の主なメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
売却側のメリット
眼鏡業界では、M&Aにおける売却側のメリットは以下の通りです。
・後継者がいなくても事業の継続が可能
・従業員の雇用先の確保
・売却・譲渡益の確保
ひとつずつ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
後継者がいなくても事業の継続が可能
近年、製造業界全体の問題として、人手不足や後継者不足が深刻な問題となっています。中小企業では後継者不足が理由の廃業が後を絶ちませんが、後継者が不在でも事業承継を実現できるというのは大きなメリットです。
後継者不足を理由として黒字廃業のケースも決して少なくありません。しかし、M&Aを活用して売却できれば、親族や社内に後継者がいなくても事業承継可能です。M&Aで後継者問題による廃業は避けられます。
従業員の雇用先の確保
従業員のことを考えるとなかなか事業をやめられないと考える経営者や、廃業に向けて従業員の再雇用先に苦労する経営者は多いのが現実です。
中小企業の中で廃業の理由として多いのは、眼鏡業界の先行きが見えないので、自身の代で廃業を予定している経営者です。
しかし、近年ではM&Aに対するイメージの向上もあり、第三者に事業を売却するケースも増えています。廃業せずにM&Aで会社を売却すれば、従業員は職を失うことはありません。さらに、財務基盤が強固な会社とのM&Aを実施することで、従業員は今以上に安定した職場で働くことが可能です。
売却・譲渡益の確保
十分な老後の資金を残したまま、廃業できるのであれば問題ありませんが、眼鏡業界の特に製造業の場合は、負債があったり、会社に現金がほとんど残っていなかったりするケースも多いです。M&Aで売却すれば、譲渡後に売却益を得ることが可能です。
M&Aを活用して、企業を売却することでまとまった現金を獲得可能です。新規事業に投入することも可能であり、退職金がない経営者の老後資金にもできます。M&Aで売却益を手に入れれば、生活資金の不安とは無縁の老後生活を送れる可能性が高まります。
買収側のメリット
一方で、買収側企業にもM&Aにおける以下のようなメリットがあります。
・技術と人材の確保
・必要な設備や技術の獲得
・事業規模およびエリアの拡大
こちらもひとつずつ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
技術と人材の確保
団塊の世代が大量退職し、近年の少子高齢化の影響もあり、高い技術をもった技術者の確保が難しくなっています。技術者の育成にはかなりの時間が必要ですが、M&Aで買収できれば、短期間で優秀な技術者の確保が可能です。
実際に眼鏡業界にあっても、人材不足は深刻な課題です。採用活動を行っても、なかなか十分な数の従業員を採用するのは難しいのが実態です。しかし、M&Aで同業者を買収すれば優秀な人材が一度にまとめて採用できます。
必要な設備や技術の獲得
現代は大きな環境変化が目まぐるしく起きており、製造業がその変化に対応し、自社で設備や技術を整備していくのは容易ではありません。M&Aで買収できれば、時間的制約を受けることなく環境変化に対応可能です。
また、譲渡された企業に自社では製造していない製品や技術があれば、その製品や技術をM&Aで手に入れられます。もし、内製化を目指すのであれば、M&Aにより開発コストをかけずに技術や製造機械を入手するのもひとつの方法です。
事業規模およびエリアの拡大
買収側企業のM&Aの最大のメリットは、事業規模の拡大やエリアの拡大が容易になる点です。例えば、眼鏡業界同士でM&Aを行えば買収側企業の従業員との雇用契約や設備が増えるので事業規模を拡大できます。
また、眼鏡業界は地域密着型の中小企業にも強みがあります。別エリアで眼鏡業界を手掛ける会社とM&Aを行えば、商圏の拡大にもつながります。特に地元で高いブランド力を有する企業があると、新規参入は容易ではありません。M&Aでこうした企業を買収できれば、事業エリアの拡大のチャンスが広がります。
眼鏡業界のM&A・売却・買収事例6選
M&Aの目的やプランを理解するには過去の事例を見るのが一番です。事例に目を通しておけば、M&A全体をイメージしやすくなります。ここでは、眼鏡業界のM&A・売却・買収事例を6つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ジンズホールディングスがヤマトテクニカルを子会社化した事例
2022年10月14日、株式会社ジンズホールディングスは株式会社ヤマトテクニカルの全株式を取得し子会社化しました。ジンズホールディングスは、メガネブランド「J!NS」のロゴでよく知られており、企画から製造・販売まで一貫して行うSPA体制をとっています。
ジンズの主な事業内容は、低価格帯の眼鏡やパソコン使用時などに使うブルーライトカットメガネの製造販売です。商品のデザインや企画は自社、製造に関しては主に中国の協力工場に委託していました。しかし、生産拠点の海外への集中に伴い、グローバルな経済動向や為替変動リスクが高まるなどの課題があります。
一方のヤマトテクニカルは、眼鏡のフレームを製造する企業であり、メガネフレームの射出成形生産の技術を保有しています。メガネフレームの生産工程は分業制が一般的ですが、工程間の連携を取りやすい一貫生産システムで生産していることが特徴です。
今回のM&Aでヤマトテクニカルを子会社にすることで、国内のフレームの生産拠点を保有し、生産拠点の分散化と各リスクへの対処に加え調達時間の短縮を図ります。
参考:ヤマトテクニカルを子会社化
ビジョナリーホールディングスが東京メガネに事業の譲渡をした事例
2022年4月30日、株式会社ビジョナリーホールディングスは、同社の連結子会社である株式会社Enhanlaboを完全子会社化した上で、同社が展開している眼鏡型ウェアラブル端末事業を、株式会社東京メガネに譲渡しました。
ビジョナリーHDは、眼鏡やコンタクトレンズおよび付属品、補聴器の販売などを行っており「メガネスーパー」などのブランドがよく知られています。一方の東京メガネも、眼鏡やコンタクトレンズの販売を行っています。
東京メガネはEnhanlaboが手掛けてきた「b.g」と名付けられた眼鏡型ウェアラブル端末の事業化を引き続き行います。また、ビジョナリーHDは、当事業の譲渡後、Enhanlaboを解散・清算します。
参考:ビジョナリーHDが事業譲渡
三城ホールディングスがオプトメイク福井を子会社化した事例
2019年6月17日、株式会社三城ホールディングスは、株式会社オプトメイク福井の全株式を取得し、子会社化することに成功しました。
三城ホールディングス(現在はパリミキホールディングスとして知られています)は、国内に約620店舗の眼鏡販売店を構えています。高品質で機能性やデザイン性の優れた「Made in JAPAN project」を展開しています。一方のオプトメイク福井は、福井県鯖江市のメガネフレームの専門会社です。
三城ホールディングスでは、顧客に対し安心で安全な商品の提供を目指していますが、今回のM&Aで国内の修理対応業者が減少している現状でも、技術に定評のある修理専門会社を傘下に置き、メガネフレームのアフターサービスの強化など、更なる顧客の期待に応えられる体制づくりを構築したいとしています。
参考:オプトメイク福井を子会社化
Vios INTERNATIONALがジンズに事業の譲渡をした事例
2019年9月1日、株式会社ジンズは株式会社Vios INTERNATIONALが持つアイウエア商品の販売に関する事業を譲受しました。
Vios は装飾品および装身具の販売を展開しており、ジンズのフランチャイズ加盟店として沖縄県に5店舗を展開しています。ジンズは新規開業予定の店舗を加えて6店舗を譲受し直営化します。
今回の事業譲渡を受けて沖縄県で高品質なサービスを提供して、さらに営業基盤の拡大を目指します。
参考:ジンズが事業譲受
ビジョナリーホールディングスがVISIONIZEを子会社化した事例
2018年8月31日、株式会社ビジョナリーホールディングスは、株式会社VISIONIZEの全株式を取得し子会社化しました。
ビジョナリーHDは、メガネスーパーやメガネハウスなどを展開している企業です。眼鏡やコンタクトレンズなどの販売をはじめ2014年に「アイケアカンパニー宣言」を発表以降、アイケアに力を入れた商品およびサービス展開を図ってきました。
一方のVISIONIZEは、「BALENCIAGA」や「DIESEL」などアイウェアの世界のトップブランドであるイタリアのマルコリン社の日本における総代理店で、眼鏡販売店「EYESTYLE」も5店舗展開しています。
このM&AでビジョナリーHD社が有する目の健康プラットフォームとVISIONIZEの顧客基盤を連携した上で、サービスや商品の相互供給および相互に付加価値を高めることを目標にしています。
参考:VISIONIZEを子会社化
タカハシがビジョナリーホールディングスに事業を譲渡した事例
2018年5月1日、株式会社ビジョナリーホールディングスの連結子会社である株式会社みちのくアイケアプラットフォームは株式会社タカハシの眼鏡等小売事業を譲受しました。これを受けて5月1日より、2店舗をビジョナリーホールディングスグループとして営業を開始しました。
株式会社タカハシは長年に渡り青森県十和田市にて眼鏡・コンタクトレンズをはじめ、補聴器の販売・アフターサービスなど地域に根付いた営業を続けてきました。
今回の事業譲受で事業規模の拡大、事業規模の共通化によるシナジー効果により、アイケア商品、サービスをさらに充実させるとしています。
参考:タカハシが事業譲渡
眼鏡会社のM&Aの流れ
M&Aのプロセスは長期間に渡りますが、全体を見てみると眼鏡会社のM&Aは、大きく6つに分けられます。それぞれのフェーズでのやるべきことや成功のためのポイント、注意事項を解説します。
専門家への相談
M&Aは、仲介業者をはじめとする専門家と行うのが一般的です。まれに経営者のみや一部の従業員のみでM&Aを行うこともありますが、法律をはじめとした専門的な手続きが多いため、専門家なしで行うのは難しいと言えるでしょう。そのため、まずは専門家へ相談・個人面談などを行います。
M&Aは業界についての知識や業界動向、会計や税務の知識、M&Aの実績や幅広いネットワークが必要です。最近では、自分で相手が探せる「マッチングサイト」の利用者も増えていますが、専門家に相談した方が良い結果を得やすくなります。
専門家選びは、業界での成約実績の有無や自社と同規模のM&A実績の有無を基準にするのがおすすめです。
売却先の選定
M&Aの相手先の選定は、M&Aの成功を左右する重要な作業なので専門家のサポートを受けながら、慎重に行う必要があります。選考基準は専門家にもよりますが、一般的にはシナジー効果が期待できてM&Aが売却側、買収側双方にとって有益である企業が選ばれます。
売却先を選定する段階では、企業名の特定ができないような形でノンネームシートと呼ばれる簡易的な概要書を作成し、主にM&Aアドバイザーが買収先候補に提示します。ノンネームシートには、業種・本社所在地、売却理由、事業規模、業績推移、売却希望価格、想定されるM&Aスキームなどを記載します。
ノンネームシートを用いる理由は、自社がM&Aを希望しているという情報が取引先や従業員、株式市場、消費者などに知られてしまうと事業に悪影響が出たり、株価が上がってしまうなどの環境変化が発生し、M&A交渉が難しくなるので、それらを避けるためです。ノンネームシートは一般的には専門業者が作成します。
基本合意書の締結
双方の意向がM&A契約を進める方向で固まれば、売却側、買収側で合意しているM&Aのスキームや条件についてと以降の手順に関する規定を盛り込んだ基本合意書を締結します。
この基本合意書は、M&A契約を確約するものではありません。ただし、秘密保持条項や損害賠償条項、独占交渉権など以降の交渉の進め方に関しては法的拘束力を持たせるのが一般的です。
売却側企業から見ると独占交渉権が存在する期間は、ほかの売却先候補とは交渉できないデメリットになります。基本合意書の一般的な記載事項は以下の通りです。
・M&Aスキームと譲渡対価
・スケジュール
・独占交渉権の付与
・デューデリジェンスへの協力義務
・買収監査の実態や役員の処遇
・保証債務の解消 秘密保護義務の設定
基本合意書を締結した後は、従業員の協力が必要なケースも増えてくるため、この局面で社内の中心人物に限定してM&Aを行う旨を話しておく場合もあります。その際には、従来以上に前向きな姿勢で業務に取り組んでもらえるように、丁寧にM&Aを行う意図を伝えましょう。
基本契約書は最終契約前の仮契約のようなイメージと言えます。法的拘束力がないと言っても、後々理由もなく変更はできないので仮とは言え慎重におこないましょう。
デューデリジェンスの実施
基本合意書が締結されたら最終条件の方向性や最終契約締結後、M&A実行後の対応の検討に入ります。
その際には、買収側企業が売却側企業に対して問題点を抽出するデューデリジェンスと呼ばれる企業調査を行います。デューデリジェンスとは法務・財務・税務・ビジネス・環境・ITなどで売却側企業が抱えているリスクや問題点の洗い出しです。
デューデリジェンスは各々のその分野の専門家が担当します。買収側が想定外のリスクを背負ってトラブルにならないように内部調査するものです。
売却側の事業内容やM&Aのスケジュール、コストなどを検討し、どのデューデリジェンスをどの程度実施するのかを決めて専門家の指示のもと手順を進めていきます。
中小企業では株の持ち主が曖昧なケースもあるので、その際は株主追跡のため「株券」「原始定款」「各種議事録」などの提出が必要です。
デューデリジェンスを行う期間は売却側企業の規模や事業内容によって異なりますが、中小企業の場合は、実地調査がおおよそ1〜4日、買収監査レポートができるまでには約1〜2週間かかります。
最終的に買収側企業は各専門家から提出されるデューデリジェンスのレポート結果を待ってM&A取引を実行に移すか、条件面の再交渉に入るかなどの判断を行います。
最終契約書の締結
取締役会や株主総会で承認を得て、買収側・売却側双方がM&Aを実行を決定した場合、最終的な条件や内容を取り決めた最終契約書を締結します。ここまでの交渉および基本合意、デューデリジェンスを踏まえて最終契約に向けた交渉が進みます。
買収側は、デューデリジェンスで判明したリスク項目に基づいて買収価格の見直しやM&Aスキームの見直し、さらにリスク低減につながる施策の実行および補償の設定などを要求します。
それに対し売却側は承認すべき事実や譲歩する事項の範囲を慎重に限定しながらも、譲渡対価や役員従業員の処遇事業の継続性について要求します。
最終契約は、一般的に基本合意の内容に沿って作成されます。基本合意書に法的拘束力はありませんが、最終契約書には法的拘束力がありますので、取引金額・表明保証・補償条項や解除条件など十分に契約内容を確認しましょう。
また、中小企業M&Aの最終契約は譲渡日以降の解除はできません。どうしても契約を解除したい場合は損害賠償あるいは補償などの金銭的な手段に限られます。
クロージング
最終契約書を締結した時点でM&Aに関する契約自体は完結しています。しかし、実際にはその後、経営者の個人的な目的で購入された資産などを経営者が買収側企業から買い取るなどの手続きが必要です。
これらの手続きがすべて終了し、対価の決済をはじめとするやり取りをすべて完了することをクロージングといいます。つまり、最終契約に基づき経営権を移転するということです。具体的には、M&Aスキームおよび契約内容に応じて、クロージングに向けた準備手続きが進みます。
クロージングの際に取り交わされる書類や手続きは広範囲にわたるケースも多いので、クロージングの数日前から前日の間に双方の実務担当者が一堂に会してチェックリストをもとに必要書類や手続きを確認するプレクロージングを行う場合もあります。
クロージング当日は、対価の支払い、株式の交付および株式名簿の名義書換、実印などの重要物の引き渡し、設立登記などが行われます。
この作業をもってM&Aは完了となります。クロージングは法的にM&Aを有効にするための手続きです。手続きを間違わないように細心の注意を払いましょう。
眼鏡会社でM&Aを行う際の注意
ここからは、眼鏡会社でM&Aを行う際に注意するポイントを4つ解説します。ひとつずつ細かく説明します。
M&Aを行う目的を明確にする
まず、買収側企業は、M&Aで買収先企業候補の選定を行う前に、自社内でM&Aを行う目的の明確化および意思決定を行わなければなりません。自社が抱えている課題や今後の事業計画などについて具体的に計画を立て「M&Aを行う必要があるか」について社内で意思統一を図ります。
M&Aを行うことが決定したら、まずはM&Aを行う目的を明確にしましょう。目的には以下のようなものが考えられます。
・後継者問題の解決
・新規事業の参入
・経営再建
・事業規模拡大
ここで目的を定め、見失わないことが重要です。
自社の強みをアピールする
自社の強みや特徴を明確にしておくことは、良い買収先との出会いや円滑に交渉を進めることにつながります。
M&Aを行う際は、自社の強みや特徴を磨いたり、内容をデータとしてまとめておきましょう。高額で自社を売却するには、「強みを明確化する」ことと「その強みを的確にアピールする」ことが重要です。
どんなに優れた技術や顧客を有していても、その事実を自社が認識していなかったり、買収先企業に認めてもらえなければ、高額でのM&Aは難しいと言えます。純資産と収益性だけで売却価格が決まるわけではなく、最終的には双方の話し合いでM&Aの価格が決定するのです。
具体的には、優秀な人材・地元などでの知名度。ブランド力・安定的な受注実績などが高評価につながる要素です。
事業の売却・譲渡時の制約等に注意する
眼鏡業界のM&Aでは、いくつかの制約がありますので注意が必要です。
例えば、事業を売却する企業には「競業避止義務」の義務があり、譲渡した事業と同じ種類の事業は一定の期間はおこなえません。
また、製造業の中には、食品や医薬品のように事業を行うためには許認可が必要な業種もあります。M&Aの売却側企業がこれらの許認可を保有しているとしても、許認可は譲渡できません。新たに許認可を取得する必要がありますので注意が必要です。
専門家に相談する
M&Aには多くの準備や複雑な交渉などもあり、経営者に係る負担はかなりのものとなります。会社がM&Aを行うには、M&Aに関する専門知識のほかに眼鏡業界の特有の知識が必要です。また買収先候補を探すにあたっては幅広いネットワークも求められます。
そのため、満足できる条件で買収してくれる企業を探すには、眼鏡業界のM&Aに関する実績や知識が豊富な専門業者を選ぶことが重要です。
M&Aの専門家と相談しながら進めることで、少ない負担でM&Aを成功させることが可能です。どの専門家を選ぶかによって成約までにかかる時間やM&Aの金額が大きく変わる可能性があるので業者選びは慎重に行いましょう。
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眼鏡会社のM&A・事業譲渡まとめ
眼鏡会社のM&Aは、初期の専門家への相談から、売却先の選定、基本合意書の締結を経て、デューデリジェンス、最終契約書の締結と進み、ようやくクロージングに至ります。実に時間のかかる一大プロジェクトとなります。
眼鏡会社のM&Aを成功させるには、準備を計画的に行い、自社の強みや特徴を明確にしておく必要があります。優れた強みや特徴を持っていれば、満足いく条件で売却できる可能性があります。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。