バイアウトの意味とは?3つの種類や目的、手法を知って経営に役立てよう
2020年11月26日更新業種別M&A
福岡の調剤薬局のM&A成功事例やオススメ仲介会社を解説!
近年、全国的に調剤薬局M&Aの成約件数や案件数は増加しており、福岡県についても同様の傾向がみられます。この記事では、福岡の調剤薬局のM&A成功事例やオススメの仲介会社について解説します。
福岡の調剤薬局
近年、全国的に調剤薬局のM&Aは増加しており、福岡県内の調剤薬局についても同様の傾向がみられます。この記事では、福岡県での調剤薬局のM&Aに成功した事例やおすすめの仲介会社について紹介します。
まずは、調剤薬局の定義や、福岡県内の調剤薬局の現状やM&A事情をみていきましょう。
調剤薬局とは
調剤薬局とは、薬剤師が調剤を行って販売又は授与する場所と定義されており、正式名称は「薬局」ですが、主に調剤を行うため「調剤薬局」という呼び名が一般的に使用されています。
調剤薬局では、人体に影響を及ぼす医薬品を取り扱うため、新設するためには開設許可を受けなければなりません。
また、調剤業務は薬剤師が行いますが、現在の調剤業務は薬剤師の独占業務となっているため、調剤薬局には薬剤師を常駐させなければなりません。
調剤薬局を営むためには上記の条件を満たさなければならず、調剤薬局業界に新規参入するのは難しいため、調剤薬局のM&Aのほとんどは中小調剤薬局から大手チェーンへの譲渡となっています。
福岡の調剤薬局の現状
福岡県は、福岡市や北九州市などの都市部と郊外とでは、調剤薬局の状況が異なっています。
都市部は人口が多く顧客が獲得しやすいため、調剤薬局間での競争が激化しており、特に昔から経営している調剤薬局と、新規顧客の獲得を目的とした大手チェーンの進出との競争が激しくなっています。
一方、郊外では人口減少や調剤報酬改定により収益力が落ちており、売却を検討する中小規模の調剤薬局が増加しています。
また、都市部・郊外に共通している問題点として薬剤師不足があり、どのようにして確保していくかが大きな課題となっています。
福岡のM&A事情
ここからは、福岡の調剤薬局M&A事情についてみていきましょう。福岡の調剤薬局のM&Aには、以下のような特徴がみられます。
- 大手薬局チェーンの進出
- 中小規模調剤薬局の売り案件の増加
①大手薬局チェーンの進出
福岡県の中心部は、九州地方最大の人口密集エリアであり新規顧客獲得の可能性が高いため、大手薬局チェーンが積極的に進出しています。
また、郊外では地域密着型で経営している調剤薬局が多く、買収すれば新規顧客の獲得につながるため、資金力のある大手チェーンは福岡県郊外にも進出しています。
②中小規模調剤薬局の売り案件の増加
福岡県郊外の中小規模調剤薬局では、売り案件も増えています。売却の理由は、人口の減少・調剤報酬改定による収益力低下・薬剤師不足がほとんどです。
大手チェーンは多くの売り案件が出されていることに注目し、積極的にM&Aを行っています。
福岡の調剤薬局のM&A成功事例
ここでは、福岡の調剤薬局のM&A成功事例を3つ紹介します。
1.アインファーマシーズによる連結子会社の吸収合併
1つ目の事例は、アインファーマシーズによる連結子会社の吸収合併です。吸収合併した子会社は、株式会社古賀調剤薬局や有限会社サプトルカ調剤薬局を含む合計4社です。
アインファーマシーズは、本案件の目的として重複管理業務の削減と事業効率の改善を挙げています。
存続会社 | アインファーマシーズ |
消滅会社 | 株式会社古賀調剤薬局と有限会社サプトルカ調剤薬局 (いずれも田川市)を含む4社 |
M&Aの目的 | 重複管理業務の削減、事業効率の改善 |
2.ファーマHDによるトータル・メディカルサービスの子会社化
2つ目の事例は、ファーマHDによるトータル・メディカルサービスの子会社化です。ファーマHDは、メディカルシステムネットワークの子会社であり、調剤薬局を運営しています。
ファーマHDは、本案件の目的として、シナジー効果による企業価値の向上・ブランド力向上などを挙げています。
買収企業 | ファーマHD |
子会社企業 | トータル・メディカルサービス(糟屋郡新宮町) |
買収目的 | シナジー効果による企業価値の向上 九州での店舗拡充・ブランド力向上 |
3.総合メディカルによる連結子会社の吸収合併
3つ目の事例は、総合メディカルによる連結子会社である総合ヘルスケアサービスの吸収合併です。当事例により、総合メディカルは顧客サービスの強化を図るとしています。
存続会社 | 総合メディカル(福岡市) |
消滅会社 | 総合ヘルスケアサービス(福岡県) |
M&A目的 | 顧客サービスの強化 |
調剤薬局M&Aが増加している背景
調剤薬局のM&Aは全国的に増加していますが、その背景にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、調剤薬局のM&Aが増加している5つの背景について解説します。
- 後継者不足
- 薬剤師の採用難
- 調剤報酬改定の影響
- 大手グループの事業エリア拡大
- 将来性のない業界特性
1.後継者不足
1つ目には後継者不足が挙げられます。調剤薬局の事業承継する方法には、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aによる事業承継の3種類があります。
そのうち、親族内事業承継・親族外事業承継を行うためには後継者を探さなければなりませんが、調剤薬局の収益力低下などにより事業を引き継ぎたいと考える人材は減少しています。
経営者自身の子どもや親族・自社の従業員に後継者となる人材がいない場合、事業承継を行う方法としてM&Aを選択する調剤薬局が増加しています。
2.薬剤師の採用難
全国的に、調剤薬局の店舗数に対する薬剤師の数は不足しています。福岡県においても薬学部のある大学が少ないため、新卒の薬剤師を採用するのが困難になっています。
どの薬局でも薬剤師を必要としていますが、薬剤師を好待遇で採用できるのは資金力のある大手薬局チェーンに限られます。
中小規模の調剤薬局では、大手薬局チェーンのような好待遇で薬剤師を採用することができないため、経営を続けるのが困難になるケースもあり、売却を検討する経営者が増加しています。
3.調剤報酬改定の影響
3つ目は、調剤報酬改定の影響です。調剤報酬は厚生労働省によって決められますが、近年は政府支出の約3分の1を社会保険費が占めており、支出削減のために調剤報酬や薬価が引き下げられています。
この影響により調剤薬局の収益力は年々低下しており、この状況は今後も続くと考えられるため、早めの売却を検討する経営者も増加しています。
4.大手グループの事業エリア拡大
4つ目は、大手グループによる事業エリアの拡大です。大手グループも調剤報酬の改定により客単価増加が見込めず、収益力が低下しています。
そのため、大手グループは顧客数を増やすことのより利益増収を図る戦略を取っており、各地域の調剤薬局を積極的に買収しています。
5.将来性のない業界特性
薬剤師不足や調剤報酬改定などにより調剤薬局の経営は年々厳しくなっており、特に中小規模の調剤薬局は将来的に経営を続けていくことが困難であると予測されています。
将来的に企業価値が低下する可能性が高いため、売却益が多く獲得できるうちに売却しようと考えるケースが増加しています。
現在は、売却の案件数と買収しようとするニーズが一致しているため、調剤薬局M&Aの成約件数も増加しています。
福岡の調剤薬局のM&Aにオススメの仲介会社
次は福岡の調剤薬局のM&Aにおすすめの仲介会社について紹介します。
1.株式会社M&A総合研究所
M&A総合研究所は、事業承継の実績豊富なアドバイザーによるクロージングまでのフルサポートを提供しております。
料金体系は、着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬型を採用しており、成約まで費用負担がないのも魅力です。
2.株式会社九州メディファ
株式会社九州メディファは福岡県に本社を置く仲介会社で、九州・沖縄を対象した調剤薬局のM&Aに特化しています。
また、M&Aのサポートだけでなく、独立を希望している薬剤師に対しても相談にも対応しています。
3.株式会社 エムシー・マネジメント
株式会社エムシー・マネジメントは福岡と東京に拠点を置いている仲介会社です。M&Aアドバイザリーなどの財務コンサルティングサービスに特化しており、高い専門性を有しています。
2018年には、宮崎県と大分県の事業引継ぎ支援センターの民間支援機関に認定されています。
4.株式会社レコフ
株式会社レコフはM&Aに関してすべてのサービスの提供ができる仲介会社で、豊富な経験と実績を持っています。調剤薬局のM&Aについても、もちろん相談可能です。
5.株式会社ビザイン
株式会社ビザインは、スモールM&Aを積極的に受け付けている仲介会社であり、中小規模の調剤薬局のM&Aでも安心して利用することができます。
なお、着手金30万円、最低報酬額は150万円に設定されているので、詳細は事前に確認することをおすすめします。
調剤薬局のM&Aは手法選びが大切
最後に、調剤薬局のM&Aにおける手法とその選び方について解説します。
調剤薬局のM&Aで使われる主な手法
調剤薬局のM&Aで用いられる手法には、主に以下の3種類があります。
- 事業譲渡
- 株式売却
- 事業承継
1.事業譲渡
事業譲渡は、調剤薬局の営業権のみを売買する手法であり、調剤薬局の許認可や薬剤師などは原則として引き継がれません。
しかし、営業権だけでは買収後に調剤薬局を営むことは難しいため、従業員や薬剤師などの引継ぎについても交渉を行うことが一般的です。
2.株式売却
株式売却は、売り手側から株式を譲受して、調剤薬局の経営権を取得する手法です。
すべての株式を買い取って完全子会社化することが一般的になっており、株式売却は包括承継になるため許認可や薬剤師などそのまま引き継ぐことができます。
3.事業承継
事業承継は、経営者が引退を考えた場合などに、自身が経営する調剤薬局事業を後継者に引き継ぐことです。
経営者自身の子どもなどに引き継ぐこともあれば、M&Aによって第三者に引き継ぐこともあります。事業承継の場合は、原則として包括承継になります。
適切な手法の選び方
適切な手法を選ぶ基準のひとつに、準備できる資金額があります。調剤薬局のM&Aを検討する際、買収する資金に余裕がある場合は包括承継となる株式売却をおすすめします。
資金にあまり余裕がない場合は、事業譲渡を選択したうえで必要なものを譲受してもらえるよう進めるのがよいでしょう。
調剤薬局のM&A手法の相談は仲介会社がおすすめ
調剤薬局のM&A手法についての相談先は仲介会社がおすすめです。M&A仲介会社にはM&Aの専門家が在籍しており、相談だけでなく交渉や手続きなどのサポートも一貫して受けることができます。
M&A総合研究所では、調剤薬局のM&Aや事業承継の実績豊富なアドバイザーによるクロージングまでのフルサポートを行っています。
また、調剤薬局のM&Aチームには薬剤師が加わり、M&A・事業承継のサポート・お手伝いをいたします。
無料相談は随時お受けしておりますので、調剤薬局のM&A・事業承継をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は福岡の調剤薬局のM&Aについて紹介しました。福岡県についても調剤薬局のM&A成約件数や売りの案件数は増加しています。
【福岡の調剤薬局M&A事情について】
- 大手チェーンが積極的に進出していること
- 中小規模調剤薬局の売り案件増加していること
【調剤薬局M&Aが増加している背景】
- 後継者不足
- 薬剤師の採用難
- 調剤報酬改定の影響
- 大手グループの事業エリア拡大
- 将来性のない業界特性
調剤薬局の譲渡や事業継承を行う際は、M&Aに関する知識や経験だけでなく、調剤薬局業界に関して精通している必要があるため、M&Aの専門家に相談しながら進めていく必要があります。
M&A総合研究所では、M&Aや事業継承に関する実績豊富なアドバイザーが調剤M&Aチームを編成しフルサポートいたします。
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