2019年11月30日更新節税

租税公課とは?勘定科目や仕訳、消費税や計算方法を解説

租税公課について理解を深める事は、節税や確定申告で役に立ちます。租税公課とは、国に収める税金や各種団体に支払う公課の総称です。租税公課の中でも、経費として計上可能であるものとそうでないものがありますので注意しましょう。

目次
  1. 租税公課
  2. 租税公課とは?租税公課の意味
  3. 租税公課における消費税
  4. 個人事業主における必要経費である租税公課(個人事業税、固定資産税、印紙税)
  5. 租税公課の計算方法
  6. 租税公課の仕訳と勘定科目
  7. 租税公課として損金算入できない所得税
  8. まとめ
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租税公課

会社や事業の経営では、法人税や事業税といった税金が課されます。

税金は費用であるものの、全てを経費として計上できる訳ではありません。

節税や確定申告を確実に実施する為には、租税公課に関する理解が必要です。

この記事では、租税公課に関して詳しく解説します。

租税公課とは?租税公課の意味

まず最初に、租税公課の意味について説明します。

租税公課とは、国税や地方税として納める税金や、国や地方の公共団体・その他団体に対する交付金や賦課金を指します。

賦課金とは、税金以外で企業や団体に割り当てられるお金を意味します。

基本的には税金を「租税」、国や地方の公共団体・その他団体に対する交付金や賦課金等を「公課」と呼び、法人の決算書や個人の確定申告書では「租税公課」という科目で処理することが一般的です。

気を付けたい点としては、租税や公課の中でも税金の計算上経費として認められるものと、そうではないものがあります。

例えば、個人事業主の方が経費として計上できる租税公課には、主に下記が存在します。

  • 個人事業税
  • 自動車税
  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 商工会議所の会費

上記の税金や会費は租税公課として経費計上できる為、納税額を減らす効果が期待できます。

M&Aの場合は、過去の損益実績や現在の簿外負債がないか、という点がデューディリジェンスの観点になりますが、租税公課に関する過去の処理も、当然確認事項になります。

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租税公課における消費税

会社経営や店舗を運営している方には、課税売上高が1,000万円を超えた場合に、消費税の納税義務が発生します。

消費税を計上する方法には、「税込経理」と「税抜経理」の二種類があり、採用する経理方式ごとに、消費税を租税公課として扱うか否かが変わります。

この項では、消費税の処理方法を解説します。

⑴税込経理

税込経理とは、売上や経費を計上する際に税込価格を用いる方法です。

例えば本体価格が1,000円、消費税率が10%の商品を仕入れた場合には、仕入として1,100円を計上します。税込経理では消費税を損益の一部として認識するので、この場合の100円は経費として認識されます。

税込経理は日々の経理入力が簡易である一方で、売上が現実以上に大きくなる等本来の収益力を把握しづらいというデメリットもあります。

日々の取引での消費税の扱いのほか、消費税を納税したときも、その際は「租税公課」として経費計上できます。

⑵税抜経理

反対に税抜経理とは、売上や経費を計上する際に税抜価格を用いる方法です。

上記の例の商品仕入れの際、実際に支払った金額は1,100円でも、税抜経理での仕入計上額は1,000円とします。また消費税分の100円は「仮払消費税」という資産勘定に計上します。

この仮払消費税は、最終的には確定申告の際に「仮受消費税」という負債勘定と相殺することで、消費税の納税金額を算定し「未払消費税」を計上することになります。

このように税抜経理では、消費税を資産勘定や負債勘定として処理する、つまり損益科目として認識させない方法をとるため、損益項目である「売上」や「租税公課」として計上しません。

税込経理では、納税した消費税は「租税公課」として経費計上できるのですが、税抜経理では経費計上できません。納税した時は「未払消費税」という負債勘定を用いますので、「租税公課」として経費計上しないよう気をつけましょう。

税抜経理は日々の経理入力はやや面倒ですが、消費税の影響を除いた現実的な損益を一目で把握できるメリットがあります。

以上の通り、採用する経理方式によって消費税の扱い方が異なります。

消費税を租税公課として計上すべきか迷ったら、自社の経理方式を確認しましょう。

個人事業主における必要経費である租税公課(個人事業税、固定資産税、印紙税)

この項では、個人事業主が必要経費に算入できる租税公課の中から、代表的な三つをお伝えします。

⑴個人事業税

個人事業税とは、ある事業によって得た利益に対して、事務所や事業所が所在する都道府県が課す税金です。

利益に課される点では所得税と類似しますが、所得税は国に納める国税である一方で、個人事業税は都道府県に納める地方税です。

所得額が290万円以下である場合には非課税となる点や、地方税法で定められた業種を営む場合にのみ事業税が課されます。

個人事業税の課税対象となる方は、毎年3月15日までに、事業所が所在する都道府県に申告書を提出する必要があります。

所得税の確定申告を税務署にて済ませている場合は、個別に事業税の申告書を提出する必要が無くなります。

8月と11月の二回に分けて、事業税を納税する流れとなります。

※関連記事

自営業の始め方とは?開業届けや確定申告についても解説します

⑵固定資産税

固定資産税とは、固定資産を保有する人物が、その固定資産が所在する市町村に納める税金です。

毎年1月1日時点で、土地や家屋等の固定資産を保有している場合に納税義務が発生します。つまり1月2日以降に購入した固定資産に関しては、来期以降に課税が発生します。

地価や建築物の種類等により、固定資産税の価格は変動します。

固定資産税の納税方法は、「一括払い」もしくは「年4回払い」のいずれかを選択できるので、資金繰りに応じて納税方法を検討しましょう。

⑶印紙税

印紙税とは、一定の取引で用いる文書に対して課税される税金です。

一定金額以上の契約を締結する際には印紙税を支払う必要があり、現金で納税する訳ではなく、「収入印紙」と呼ばれる所定の用紙(切手のようなもの)を購入し、契約書に貼り付ける形で納税します。

収入印紙を添付せずに契約を締結した場合には、本来支払うべき印紙税額の3倍の金額を支払う必要が生じ、このペナルティについては経費に出来ない為、必ず忘れずに支払いましょう。

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経費を利用した節税とは

租税公課の計算方法

代表的な租税公課の種類について分かったところで、租税公課の計算方法を確認しましょう。

この項では、「個人事業税」「固定資産税」「印紙税」の計3種類の租税公課について、計算方法をお伝えします。

⑴個人事業税

個人事業税とは、個人事業主が支払うべき事業税であり、計算は下記の算式のとおりです。

  • 個人事業税=(収入−必要経費−専従者給与等−控除等)×税率

通常の利益計算と同様、考え方のベースは収入からかかった経費を控除します。

専従者給与とは、従業員として働いている家族に対して支払う給与であり、一定金額を経費として控除できます。また専従者給与に加えて、各種地方税の法律で定められている控除を差し引くことも可能です。

個人事業税の計算では、所得税の際にも検討される繰り越した損失を控除できる他、事業主控除という制度もあり年間最大で290万円を控除できることがポイントです。

なお、上記控除は、所得税等の申告期限までに申告を終えている場合に適用されます。くれぐれも申告期限は厳守しましょう。

最後に税率の話ですが、税率は業種によって異なりますので、県税局に問い合わせて税率を確認しましょう。

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⑵固定資産税

租税公課としての固定資産税を計算する際は、下記の算式を用います。

  • 固定資産税=固定資産税評価額×標準税率(1.4%)

固定資産評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市町村長が決定した固定資産の価額です。この固定資産評価額に対して、原則1.4%の税金が課税されます。

市町村の財政状況次第では、標準税率よりも高い税率が設定されている場合もある為、事前に必ず確認しましょう。

また固定資産の種類によっては、例えば宅地や住居用の建物に対して税金が減額される特例もあります。

⑶印紙税

印紙税も租税公課の一つですが、個人事業税や固定資産税とは異なり、収入印紙の金額がそのまま租税公課となります。

つまり収入印紙の金額=租税公課となる為、面倒な計算は一切不要です。

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決算対策と節税

租税公課の仕訳と勘定科目

この項では、租税公課の勘定科目と仕訳について解説します。

⑴租税公課の勘定科目

経費への算入可否次第で、租税公課の勘定科目が異なります。

経費に算入可能な租税公課であれば、勘定科目に「租税公課」をそのまま用い、経費として計上できない租税公課に関しては、勘定科目に「事業主貸」を用います。

後述しますが、本来租税公課に計上できる固定資産税等の税金について、一部プライベート分として案分すべき場合なども、「事業主貸」勘定で処理しましょう。

⑵租税公課の仕訳

租税公課の仕訳では、原則借方に「租税公課」や「事業主貸」、貸方に「現金」や「預金」を計上します。

理解を深める為に、二つの例を用いて仕訳を考えましょう。

例1)固定資産税30万円を現金で納付

 
借方 貸方
租税公課 300,000 現金 300,000
 

 

例2)自動車税20万円を預金から支払う。 自動車は7割仕事、3割をプライベートで使用。

借方 貸方
租税公課 140,000 預金 200,000
事業主貸 60,000

租税公課の仕訳は、上記の様に処理します。

租税公課の仕訳を実施する際は、経費としての計上可否の判断に十分気をつけてください。

租税公課として損金算入できない所得税

最後に、租税公課として損金算入できない所得税に関して解説します。

稼いだ利益(=所得)に対しては課税される所得税は租税公課ではあるものの経費には算入できません。

累進課税の観点から、高所得の方は当然所得税は高額になりますが、この所得税を経費として認めてしまうと、税金が増えても算入できる経費も増えることになってしまいます。課税方法の公平性から所得税を払う前の利益をベースに税金の計算する、というイメージを持っておきましょう。

※関連記事

店舗売却とは?相場や店舗売却の査定、税金について解説

M&Aによって個人事業を売却した場合も、当然所得税の課税の対象になります。

またM&Aを検討するには、そのほか複雑な知識や手続きが必要になります。M&Aをご検討の場合は、経験豊富なアドバイザーが在籍するM&A総合研究所にご相談ください。

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まとめ

今回は、租税公課について解説しました。

租税公課とは、国に収める税金や各種団体に支払う公課の総称で、租税公課の中でも、経費として計上可能であるものと、そうでないものがあります。

節税対策や租税公課の仕訳を考える際は、経費かどうか十分に注意しましょう。

租税公課は詳しく理解するには、非常に難しい分野ですので、税計算に自身のない方は、税理士に丸投げする方が良いでしょう。

要点をまとめると下記になります。

  • 租税公課とは?租税公課の意味

→国税や地方税として納める税金や、国や地方の公共団体・その他団体に対する交付金や賦課金など

  • 租税公課における消費税

→税込経理では消費税として租税公課に含め、税抜経理では未払消費税として租税公課には計上しない

  • 必要経費である租税公課(事業税、固定資産税、印紙税)
  1. 事業税→ある事業によって得た利益に対して、事務所や事業所が所在する都道府県が課す税金
  2. 固定資産税→固定資産を保有する人物が、その固定資産が所在する市町村に納める税金
  3. 印紙税→一定の取引で用いる文書に対して課税される税金
  • 租税公課の計算
  1. 個人事業税=(収入−必要経費−専従者給与等−控除等)×税率
  2. 固定資産税=固定資産税評価額×標準税率(1.4%)
  3. 印紙税=収入印紙の購入金額
  • 租税公課の勘定科目

→経費として計上できるものは「租税公課」、経費として計上できない項目は「事業主貸」を用いる

  • 租税公課の仕訳

→借方に「租税公課」や「事業主貸」、貸方に「現金」や「預金」を計上する

  • 租税公課として損金算入できない個人税

→個人の所得に課される税金である為、租税公課として損金算入できない

なお今回は個人を中心に解説しました。法人の論点についてはこちらもご参考ください。

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法人税および法人に課せられる税金の種類

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