2020年6月6日公開業種別M&A

美容院・美容室の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?動向/事例/相談先も紹介

カットをはじめ、化粧やネイル、フェイシャルエステなどのサービスを提供するのが美容院・美容室です。当記事では、美容院・美容室の事業譲渡と株式譲渡について、業界の問題・今後の動向をはじめ、譲渡で注意点や、事業譲渡と株式譲渡の引き継ぎ・手続きなどを取り上げています。

目次
  1. 美容院・美容室とは
  2. 美容院・美容室業界が直面している問題
  3. 美容院・美容室業界の今後の動向予測
  4. 美容院・美容室の評価を高めるポイント
  5. 美容院・美容室の事業譲渡・M&Aは引き継ぎの内容が大切
  6. 美容院・美容室の事業譲渡のポイント
  7. 美容院・美容室の株式譲渡のポイント
  8. 美容院・美容室のその他のM&A手法
  9. 美容院・美容室を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
  10. 美容院・美容室を事業譲渡する際の相談先
  11. まとめ
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美容院 美容室のM&A・事業承継

美容院・美容室とは

美容院・美容室とは

美容院・美容室とは

出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%B3-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3...

化粧・カット・ネイルなどの美容術を利用者に施すのが美容院・美容室です。どちらも同じサービスを提供するので、細かな違いはありませんが、主要な辞書には美容室の用語が掲載されていないことから、美容院という言い方が正しいといえます。

サービスを提供する相手は主に女性です。男性の利用も可能ですが、美容院・美容室といえば女性をターゲットとしている事業者が大半だといえます。

また、年代と価格でサービスの質が分けられているので、美容院・美容室は出店する地域・対象とする客層に合わせた美容術の提供により、事業の運営を継続させています。

事業譲渡とは

事業に関連する資産などを譲り渡す方法が事業譲渡です。事業の範囲をすべてとするほか、一部に限定することも可能なため、対象の範囲を選択できます。

指定した店舗の美容院・美容室のみを譲れるので、事業譲渡は別の地域での営業に集中したい場合に用いられています。

また、譲渡対象も選べることから、必要な資産は自社に残して置き、美容院・美容室の営業に必要な建物・設備・備品などを譲渡の対象に据えられます。

ただし、事業譲渡ではそのまま雇用の引き継ぎは行われません。社員から同意を得て、買い手が社員と再契約を結んで雇用が引き継がれるので、留意しましょう。

【関連】事業譲渡とは?意味や方法、M&Aにおける活用​を解説

その他のM&A手法

美容院・美容室を譲り渡す際は、事業譲渡のほかに株式譲渡が用いられています。数店舗を運営する会社やチェーン展開を進める会社の株式を売ることで、会社を経営する権利を買い手に移すのが株式譲渡と呼ばれています。

株式譲渡は手続きに手間がかからない特徴を備えているものの、会社自体をそっくり買い手に移してしまいます。事業譲渡のように譲る対象を個別に選べないので、利用の際には留意しましょう。

【関連】株式譲渡とは?メリット・デメリット、M&Aの手続きや税務を解説

美容院・美容室業界が直面している問題

美容院・美容室業界が直面している問題

美容院・美容室業界が直面している問題

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美容院・美容室の業界が課題とする問題は、下記の通りです。

  1. 近隣に競合が多く競争が激しい
  2. 顧客の来店頻度が低下している
  3. 経営者が高齢で元気な内に引退したい

①近隣に競合が多く競争が激しい

厚生労働省が発表した「平成30年度衛生行政報告例の概況」によれば、美容院・美容室の数は年々増えていることが分かります。
 

年度 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年
施設数 237,525 240,299 243,360 247,578 251,140

出典:厚生労働省「平成30年度衛生行政報告例の概況」/生活衛生関係

さらに、日本の総人口は平成22年が1億2800万人ほどだったのが、令和2年の5月時点では、1億2590万人までに減っているので、美容院・美容室による顧客獲得が激しさを増していると捉えられます。

出典:総務省統計局「令和2年5月報」

②顧客の来店頻度が低下している

厚生労働省が公表した「美容業の実態と経営改善の方策」では、1日に来店する利用者数の割合が掲載されています。

平成27年度で判明している割合を見ると、平日で最も高い割合が0~4人の56.7%で、2番目に高いのは5~9人の21.5%で、3番目は10~14人の7.4%です。

休日で最も高い割合は0~4人の28.5%で、2番目が5~9人の24.3%で、3番目は10~14人の9.5%という結果でした。
 

  1日平均の来店客数
0~4 5~9 10~14 15~19 20~24 25~29 30以上 不詳
年度 平成22年度 平日 42.1% 28.5% 9.7% 6.4% 3.1% 1.3% 2.7% 6.2%
休日 35.8% 21% 12.5% 5.1% 5.3% 2.8% 5.5% 12%
平成27年度 平日 56.7% 21.5% 7.4% 3.2% 1.4% 1.1% 0.7% 8.1%
休日 28.5% 24.3% 9.5% 3.5% 2.1% 1.1% 1.8% 29.2%


平成22年の結果と比べると、平日では0~4人の来店頻度が増えて、休日では10~14人以上の割合が減っているので、美容院・美容室を訪れる人の頻度は下がっているといえます。

出典:厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」/平成30年10月31日
出典:厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」/平成24年3月

③経営者が高齢で元気な内に引退したい

厚生労働省が公表した「美容業の実態と経営改善の方策」では、経営者の年齢もまとめられています。集計されたデータを見ると、60~69歳の割合が32.4%と最も高いことから、経営者の高齢化が進んでいます。

今後は第2の人生を送るために、体を壊す前に美容院・美容室の事業を譲って、経営から退く経営者が増えていくと予想されます。

出典:厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」/平成30年10月31日

美容院・美容室業界の今後の動向予測

美容院・美容室業界の今後の動向予測

美容院・美容室業界の今後の動向予測

出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89-%E9%BB%92%E6%9D%BF-%E3%83%88%E3%83%AC%E...

美容院・美容室の業界で見られる動きは下記の通りです。事業譲渡に取り掛かる際は、以下のような動向に合わせて譲渡を進めましょう。

  1. 競争激化により単価が下落する可能性
  2. 徐々にマイナス成長が続く市場へと変化
  3. 美容院・美容室業界の事業譲渡・M&A動向

①競争激化により単価が下落する可能性

厚生労働省が公表する平成27・22年度の生活衛生関係営業経営実態調査を比べたところ、利用客1人あたりの平均単価は、約250円の下落が見て取れます。
 

  平成22年 平成27年
平均単価 5935.2円 5681.3円

出典:厚生労働省「平成22年度生活衛生関係営業経営実態調査」/美容業・ 甲表結果表
出典:厚生労働省「平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査」/美容業

また、美容院・美容室の数は年を追うごとに施設数を増やしているので、今後も施設数の増加が続けば、市場は飽和状態に達します。競争相手の多い市場で差別化を進められない美容院・美容室は、競争相手に利用客を奪われないように単価を下げることが予想されます。

②徐々にマイナス成長が続く市場へと変化

株式会社矢野経済研究所は、美容院・美容室が含まれる美容の市場規模を公表しています。2015年度の売上高は1.522兆円でしたが、2019年度は1.4966兆円にまで下がっています。

さらに、2020年度では1.482兆円に下がるとの予想を立てていることから、美容院・美容室業界の市場規模はプラス成長が望めずに、マイナスが続くと見られます。

③美容院・美容室業界の事業譲渡・M&A動向

美容院・美容室の事業では、ライバルの増加・単価の減少・来店頻度の低下・利用者数の減少・経営者の高齢化などを要因として、事業譲渡やM&Aを選ぶ事業者が増えています。

売り手は事業譲渡やM&Aを用いることで、社員の雇用を引き継ぎ・生活費の確保(引退後)などが実現できるので、美容院・美容室の経営から手を引いています。

買い手は優秀な人材の確保をはじめ、事業エリアの拡大や、自社が対応できていない客層に向けた美容サービスの獲得などを目的に、美容院・美容室の買収に取り組んでいます。

美容院・美容室の評価を高めるポイント

美容院 美容室のM&A・事業承継
美容院 美容室のM&A・事業承継
美容院・美容室の評価を高めるポイント

美容院・美容室の評価を高めるポイント

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美容院・美容室を事業譲渡などで譲る際には、下記の点を押さえると、自社または事業の価値を高められます。

  1. 他店と比較して立地環境がよい事
  2. 幅広いサービスを展開出来るスタッフがいる事

①他店と比較して立地環境がよい事

良い立地環境には、周辺で営業する美容院・美容室の数が少ない点や、最寄駅から近い点、車を止めるスペースを確保している点、人口の増加が予想される点などが挙げられます。

競合が少ないと客数の減少・単価の引き下げを避けられますし、利用しやすい立地・環境を備えていると利便性の良さから継続的な集客が望めるため、美容院・美容室の価値を高められます。

また、厚生労働省の「美容業の実態と経営改善の方策」で公表されている立地条件ごとに平均単価を見てみると、複合施設内に店舗を構える美容院・美容室は平均単価8,000~9,999円の割合が一番多いという結果です。

つまり、複合施設のなかに店舗を構えている美容院・美容室なら、高い客単価を求める買い手から高く評価されるといえます。

出典:厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」

②幅広いサービスを展開出来るスタッフがいる事

カット・パーマ・カラーだけでは、他店との差別化を図りにくいので、良い評価を得られません。

そのため、美容院・美容室で雇用するスタッフには、縮毛矯正をはじめ、着付けやフェイシャルエステ、ネイル、まつ毛エクステなどの特殊なサービスを提供できる人材を加えましょう。

これなら、美容院・美容室の価値を高められて、事業譲渡やM&Aで高い評価を得られます。

美容院・美容室の事業譲渡・M&Aは引き継ぎの内容が大切

美容院・美容室の事業譲渡・M&Aは引き継ぎの内容が大切

美容院・美容室の事業譲渡・M&Aは引き継ぎの内容が大切

出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E9%87%8D%E8%A6%81%E3%81%A7%E3%81%99-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3...

美容院・美容室の事業譲渡・M&Aでは、引き継ぎに関する下記の点を押さえましょう。

  • 居抜き物件として譲渡・売却を行う事ができる
  • 事業譲渡・M&Aではなく運営を委託も考える

居抜き物件として譲渡・売却を行う事ができる

美容院・美容室を譲る方法には、事業譲渡とM&Aのほかに、居抜き物件での譲渡・売却が可能です。居抜きという方法は、店舗内の造作・設備・備品などを残したまま、他社へ譲る方法を指します。

買い手には同業者のほか、独立を考えている美容師が挙げられます。居抜きによって譲渡・売却に応じた買い手は、開業時に発生する初期費用を下げられますし、雇用の引き継ぎもありません。

さらに、売り手が抱える不要な資産・負債も引き継がずに済むので、設備の揃った物件のみを譲る際には、居抜きによる譲渡・売却の方法も用意されています。

事業譲渡・M&Aではなく運営を委託も考える

事業譲渡やM&Aでは美容院・美容室の事業を他の事業者へ譲るため、事業の運営からは手を引きますが、運営を委託して営業を続ける方法も用意されています。

美容院・美容室を売却せずに、運営を委託する会社に運営のみを任せましょう。オーナーは接客業務に専念できますし、運営にかかる費用は委託会社が負担してくれるので、月々に支払う固定費用を気にすることなく美容院・美容室を続けられます。

経営の仕方が分からずに売上を下げているものの、美容院・美容室の営業を続けたいと考える方は、事業譲渡やM&Aではなく運営の委託を検討しましょう。

美容院・美容室の事業譲渡のポイント

美容院・美容室の事業譲渡のポイント

美容院・美容室の事業譲渡のポイント

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美容院・美容室を事業譲渡で譲るなら、下記の点を押さえましょう。

  • 美容院・美容室を事業譲渡する際の注目点
  • 美容院・美容室の事業譲渡事例
  • 事業譲渡に適した美容院・美容室とは

美容院・美容室を事業譲渡する際の注目点

美容院・美容室の事業譲渡では、企業価値評価・資料の用意や、引き継ぎの条件などに留意しましょう。

  • 企業価値評価と資料の用意
  • 引き継ぎ条件の確認

企業価値評価と資料の用意

企業価値では、美容院・美容室の個性と特徴、抱えている人材、集客性、事業の将来性などが反映されます。

他店との違いがはっきりしない・店舗特有のサービスが見当たらない・優秀な人材が少ない・リピート客が少ない・事業の将来に不安を抱えていると、企業価値が低く評価されます。

そのため、自社の価値を主張できるように売上や在庫などのデータをまとめた資料を用意することが肝要です。

【関連】事業価値

引き継ぎ条件の確認

引き継ぎの条件では、再雇用によるスタッフの引き継ぎで雇用条件が変わる可能性があるので、スタッフの雇用条件が下がらないように交渉を進めることが求められます。

オーナーの居残りについては、契約により数年の在籍を求められる可能性があります。事業譲渡の完了に合わせて運営・通常業務から手を引く際には、在籍を求めるかどうかを交渉の時点で確かめましょう。

そのほかにも、各種契約の引き継ぎが求められます。店舗を借りて営業しているなら賃貸借契約、設備をリースしているならリース契約について、名義の変更が求められるので留意しましょう。

美容院・美容室の事業譲渡事例

美容院・美容室の事業譲渡では、下記のような事業者が売却を希望しています。

  1. 豊田市内にあるヘアサロンの事業譲渡
  2. 刈谷市にあるヘアサロンの営業権付内装物譲渡
  3. 名古屋市内にあるヘアサロンの営業権付造作譲渡

①豊田市内にあるヘアサロンの事業譲渡

愛知県豊田市にあるヘアサロンの売却事例です。オーナーは、豊田市内にある3店舗の美容院・美容室について、事業譲渡を用いた売却を求めています。

譲渡価額は5,700万円で、店長と従業員の雇用引き継ぎを事業譲渡の条件に挙げています。さらに、オーナーには後継者がおらず、引退後の老後資金も得たいとの希望により、事業譲渡で事業を承継させ、売却益を得られる事業譲渡を望んでいます。

第一の希望は事業譲渡ですが、株式譲渡の売却への対応も可能です。
 

3店舗合計の実績(平成26年9月~平成27年8月)
売上高 営業利益 販売・一般管理費
6,707万円 375万円 5,069万円

②刈谷市にあるヘアサロンの営業権付内装物譲渡

愛知県刈谷市にあるヘアサロンの売却事例です。オーナーは、営業中の美容院・美容室(1店舗)について、内装の譲渡に営業権を付けた売却を求めています。

譲渡価額は400万円です。美容院・美容室の運営はオーナー1人で行い、従業員は雇っていません。オーナーが他の地域へ住まいを移すために、内装の譲渡に営業権を加えた売却を希望しています。
 

平成26年度の実績
売上高 営業利益
898万円 137.3万円

③名古屋市内にあるヘアサロンの営業権付造作譲渡

愛知県の名古屋市にあるヘアサロンの売却事例です。オーナーは1店の美容院・美容室について、事業の営業権を付けた造作譲渡先を探しています。

譲渡価額は400万円で、保証金は含まれていません。美容院・美容室は賃貸で、月々の家賃は29万円です(税別で共益費を含む)。造作譲渡のため従業員の引き継ぎの希望はありません。

オーナーは、他の出店地域に経営資源をあつめるため、営業権を付けた造作譲渡を望んでいます。
 

  平成24年度 平成25年度
売上高 2,001.2万円 1,233万円

事業譲渡に適した美容院・美容室とは

譲渡の対象に店舗の営業に必要な資産を含めている美容院・美容室が、事業譲渡で買い手の目につきやすい店舗といえます。

所属する美容院・美容室から独立を希望する方や、美容院・美容室の多店舗展開を望む方は、立地・店舗・設備の確保にかかる負担を下げたいと考えています。

そのため、買い手の手間を減らせるように、美容院・美容室の営業に関わる資産を事業譲渡の対象に含めていると、事業譲渡が成功しやすいといえます。

美容院・美容室を事業譲渡の方法で売り渡すなら、下記の記事を参考にしましょう。

【関連】事業譲渡の手続きとは?全体のスケジュールや手続きの注意点を解説

美容院・美容室の株式譲渡のポイント

美容院・美容室の株式譲渡のポイント

美容院・美容室の株式譲渡のポイント

出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E4%BF%A1%E9%A0%BC-%E9%85%8D%E7%BD%AE-%E6%8F%A1%E6%89%8B-3031679/

美容院・美容室は事業譲渡での売却が適していますが、チェーン展開を進める美容院・美容室では株式譲渡を選ぶ事業者も存在するので、下記では株式譲渡で押さえる点を取り上げます。

  • 美容院・美容室を株式譲渡する際の注目点
  • 美容院・美容室の株式譲渡事例
  • 株式譲渡に適した美容院・美容室とは

美容院・美容室を株式譲渡する際の注目点

美容院・美容室を株式譲渡で売るなら、下記の点を押さえましょう。

  • 権限の委譲
  • 優秀な人材の確保
  • 売上・集客のアップ

権限の委譲

美容室・美容院の譲渡では、オーナーの存在も企業の価値に含まれる場合があります。そのため、株式譲渡後にオーナーが運営・業務から手を引くなら、オーナーが抜けても経営を維持できるように、オーナーが行っていた業務をスタッフに任せましょう。

オーナーがいなくても経営の維持が可能なら、株式譲渡後に会社に残る期間を短くできるので、早い段階で経営・業務からの引退を望めます。

優秀な人材の確保

買い手は美容院・美容室事業の確保はもちろんのこと、業務を任せるスタッフも獲得したいと考えています。美容業務は長い時間の立ち仕事を強いられますし、習得するべき技術も多いので、技術を身に付ける前に辞めてしまうスタッフも存在します。

そのため、買い手は自社で人材を確保できない場合に、株式譲渡で人材の確保を検討しているので、売り手は技術を備えた人材を育てておくことが肝要です。

売上・集客のアップ

美容院・美容室の企業価値には、売上・リピート率の高さなどが反映されます。そのため、売上のアップでは、サービスの提供速度を早める・サービスの種類を増やして1人あたりの客単価を上げる・購入できる美容関連商品の数を増やすなどの対策が必要です。

集約のアップでは、提供サービス・接客時の会話の見直しや、美容技術の向上、内装・備品の変更などの対応が求められます。

美容院・美容室の株式譲渡事例

株式譲渡の方法で美容院・美容室を売却・買収した事例は下記の通りです。
 

  1. 株式会社ヤマノホールディングスによる株式譲渡
  2. 株式会社アルテサロンホールディングスによる子会社の株式譲渡
  3. 株式会社アルテサロンホールディングスによる株式譲渡

①株式会社ヤマノホールディングスによる株式譲渡

株式会社ヤマノホールディングス

株式会社ヤマノホールディングスによる株式譲渡

出典:http://www.yamano-hd.com/

和洋装・宝飾事業や、健康関連事業、美容事業などを手掛ける株式会社ヤマノホールディングスは、2019年の10月に、美容院・美容室事業を行う株式会社L.B.Gの株式を取得し子会社としました。

対象会社は、20・30代向けを対象とした中・高価格帯の美容院・美容室を運営する会社で、首都圏をはじめとして15の店舗を構えています。

株式会社ヤマノホールディングスは、対象会社の買収により多店舗展開の加速化を支援しつつ、自社が手掛ける中高の年齢層を対象とした低・中価格帯での美容院・美容室事業との連携を強めて、美容事業の成長を加速させる方針です。

②株式会社アルテサロンホールディングスによる子会社の株式譲渡

株式会社アルテサロンホールディングス

株式会社アルテサロンホールディングスによる子会社の株式譲渡

出典:https://arte-hd.com/

美容院・美容室のチェーン展開を行う株式会社アルテサロンホールディングスは、2018年の9月に、子会社である株式会社ジーエフジェイの株式をすべて譲り渡しています。

株式会社アルテサロンホールディングスは、株式譲渡を選んだ理由に、保有するノウハウを取り込めた点に加えて、シナジーの喪失が難しくなった点を挙げています。

これから先の会社運営を見据えた結果、対象会社に注いでいた経営資源を他方に移す方が企業価値を高められると判断し、子会社の株式譲渡を済ませています。

③株式会社アルテサロンホールディングスによる株式譲渡

株式会社アルテサロンホールディングス

株式会社アルテサロンホールディングスによる株式譲渡

出典:https://arte-hd.com/

美容院・美容室のチェーン展開を行う株式会社アルテサロンホールディングスは、2015年の4月に、株式会社ジーエフジェイの株式をすべて取得し子会社としています。

買収した会社は、パリを起点に美容院・美容室のチェーン事業を手掛ける「COIFF1RRST」の、日本でのフランチャイズ権を有しています。

株式会社アルテサロンホールディングスは、美容院・美容室事業を束ねる持株会社として、さまざまな美容院・美容室のブランド化事業を進めるために、対象会社の株式を3,000万円で取得しています。

株式譲渡に適した美容院・美容室とは

買い手は株式譲渡を用いた買収で、既存の美容事業との相乗効果を期待しているので、買い手とは異なる利用対象・価格帯でチェーン展開を行う企業が、株式譲渡に見合った美容院・美容室といえます。

また、事業譲渡のように譲る対象を個別に決める必要がなく、美容院・美容室の事業そのものを買い手に譲れるので、多くの美容院・美容室を抱える会社なら株式譲渡の方法が合っています。

美容院・美容室を株式譲渡で売却するなら、必要な手続きを把握できる下記の記事に目を通しましょう。

【関連】株式譲渡の手続き

美容院・美容室のその他のM&A手法

美容院・美容室のその他のM&A手法

美容院・美容室のその他のM&A手法

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美容院・美容室のM&Aでは、事業譲渡などのほかに、資本提携による方法が用いられています。資本提携は、互いの株式を取得することで、連携の強化を図る方法です。

投資ファンドなどを資本提携の相手に据えて、美容院・美容室の株式のみを提携先に取得させますが、経営の主体は美容院・美容室のままで経営を継続させます。

自社だけでは経営資源が不足していたり、管理体制が不十分であったりするため、資本提携を通じた経営支援を受けて、成長を加速させています。

美容院・美容室を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

美容院・美容室を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続き

美容院・美容室を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

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美容院・美容室の事業譲渡または株式譲渡の際に売り手に必要とされる引き継ぎと手続きは、下記の通りです。

  1. 相談先への依頼
  2. 買い手候補の探索と秘密保持契約の締結
  3. 基本合意書を結ぶ
  4. 買収監査への対応
  5. 譲渡契約を結ぶ

大よその引き継ぎ・手続きは上記の通りですが、事業譲渡を用いる際に下記の条件にあてはまると、株主総会の決議が求められます。
  • 譲渡資産が総資産額の20%を上回るとき
  • 特別支配関係のある会社と契約を結ぶとき

また、事業譲渡では雇用・取引の契約が買い手へと引き継げないので、各契約を承継させるなら、相手方から同意を得て、再度契約を結ぶ必要があります。賃貸借契約なら、地位の移転を行うことが求められるので、賃貸人から承諾を得ましょう。

そのほか、美容院・美容室の営業で用いられる不動産も譲渡するなら、登記を移転させる手続きも必須といえます。

株式譲渡を用いる際には、譲る株式に譲渡制限が付いていると、設置機関での承認や承認されない場合の買取請求への対応などが求められるので、美容院・美容室の譲渡では、譲り渡す方法によって必要な手続きが異なる点を押さえておきましょう。

美容院・美容室を事業譲渡する際の相談先

美容院・美容室を事業譲渡する際の相談先

美容院・美容室を事業譲渡する際の相談先

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美容院・美容室の事業譲渡では、M&A総合研究所への相談をお薦めします。M&A総合研究所は、美容院・美容室に特化したM&A仲介を手掛けている会社です。

扱う案件の規模は売上高1億~数十億で、中小・中堅規模の案件に対応しています。案件ごとに専門家3名(アドバイザー・弁護士・会計士)を就けた成約までの一貫支援により、自社のみで事業譲渡が終えられます。

料金システムに完全成功報酬型(レーマン方式)を採っているので、着手金などの初期費用はかかりません。

また、独自のつながりから交渉先を探すことで、平均3カ月で成約を完了させたり、希望額を上回る譲渡額を提示できたりしているので、求める条件での成約が可能です。

美容院・美容室の事業譲渡に取り組む際は、M&A総合研究所へご相談ください。無料による相談は24時間年中無休で、電話・メールフォームにて受け付けております。

美容院・美容室のM&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

まとめ

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美容院・美容室の事業譲渡と株式譲渡について、美容院・美容室の概要や、業界に見られる問題、業界の動きなどを取り上げました。

美容院・美容室の売却では、事業譲渡のほか、株式譲渡・資本提携の方法がよく利用されています。事業者は店舗の増加や単価の下落、市場の縮小など理由に、会社・事業を手放しています。

【美容院・美容室業界が直面している問題】

  1. 近隣に競合が多く競争が激しい
  2. 顧客の来店頻度が低下している
  3. 経営者が高齢で元気な内に引退したい

【美容院・美容室業界の今後の動向予測】
  1. 競争激化により単価が下落する可能性
  2. 徐々にマイナス成長が続く市場へと変化
  3. 美容院・美容室業界の事業譲渡・M&A動向

これから美容院・美容室を事業譲渡などで売り渡すなら、取り上げた企業価値を高めるポイントをはじめ、引き継ぎ・手続きの内容や、各種手法でのポイントなどを押さえましょう。

【美容院・美容室の評価を高めるポイント】
  1. 他店と比較して立地環境がよい事
  2. 幅広いサービスを展開出来るスタッフがいる事

【美容院・美容室の事業譲渡のポイント】
  • 美容院・美容室を事業譲渡する際の注目点
  • 美容院・美容室の事業譲渡事例
  • 事業譲渡に適した美容院・美容室とは

【美容院・美容室の株式譲渡のポイント】
  • 美容院・美容室を株式譲渡する際の注目点
  • 美容院・美容室の株式譲渡事例
  • 株式譲渡に適した美容院・美容室とは

美容院・美容室の事業譲渡は、引き継がせる対象により、承諾を得るなどの手続きが伴うので、専門的な知識と仲介の経験を必要とします。

自社だけで取り組んでしまうと、事業譲渡の失敗を招きかねないので、美容院・美容室の仲介を行うM&A仲介会社への相談をお薦めします。

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