2020年3月5日更新業種別M&A

翻訳・通訳会社のM&Aとは?業界の現状や、M&Aの目的を解説!

翻訳・通訳会社は中小規模の会社が圧倒的に多く、M&Aにおいては売り手市場です。ニーズの高まりや自動翻訳技術の登場によって、M&Aが活発化する可能性が十分にあります。本記事では業界の特徴、M&Aの目的と注意点、M&A仲介業者について解説します。

目次
  1. 翻訳・通訳会社のM&A
  2. 翻訳・通訳会社とは?業界と特徴
  3. 翻訳・通訳会社のM&Aの目的は?
  4. 翻訳・通訳会社のM&Aの注意点
  5. 翻訳・通訳会社のM&Aで専門家を探す際のチェックポイント
  6. まとめ
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翻訳・通訳会社のM&A

M&Aは様々な業種・業界で行われています。M&Aはすでに一般的な経営戦略となっており、人口減少による国内市場の縮小もあって、より活発に行われるようになりました。翻訳・通訳会社においても例外ではありません。

M&Aは業界ごとに行われる目的や、業界の現状が異なるため、業界ごとに傾向を踏まえておく必要があります。今回は翻訳・通訳会社のM&Aにスポットライトを当てて解説します。

翻訳・通訳会社とは?業界と特徴

まずは翻訳・通訳会社の業態や、事業の特徴についてお伝えします。

翻訳・通訳会社とは

「翻訳」とは特定の言語で表現された文章を、自国の言語に訳する作業をいいます。一般的に翻訳事業で行われているのは、書籍や文章を翻訳する「出版翻訳」、海外の映像作品を翻訳する「映像翻訳」、ビジネス上の手続きや書類などの翻訳を行う「産業翻訳」といったものがあります。

一方、「通訳」は異なる言語によるコミュニケーションをサポートする仕事のことを指します。通訳は、ハリウッドスターが日本の番組やイベントに出演した際に、傍らで言葉を逐一訳している日本人をイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。

業界と特徴

翻訳・通訳会社は手がけている分野の翻訳・通訳に専門化していることが多いです。例えば出版翻訳であれば出版翻訳、映像翻訳といえば映像翻訳というように、翻訳・通訳会社は一定のジャンルに特化しているケースが多いです。

分野特化を背景に、翻訳・通訳業界は数多くの中小規模の翻訳・通訳会社で構成されており、大手と呼べる大企業はごくわずかです。翻訳・通訳会社は東京オリンピックや、大阪万博による海外からの観光客やビジネスマンの増加もあり、ニーズ自体は今後も一定以上あると考えられます。

しかし、中小規模の翻訳・通訳会社の経営は様々な原因によって限界を迎えつつあり、その打開策としてM&Aが用いられるようになっています。

翻訳の自動化

元々翻訳も通訳も人が手がけるものでしたが、最近はAIや専用のソフトウェアを使った翻訳の自動化が進んでいます。しかしながら、言葉には見えない文化や価値観が紐づいています。文字や音声として表面的に直訳することはできても、一つひとつの言葉を別の文化に変換し、相手により的確に伝える作業はそう容易くありません。

AIやソフトウェアによる自動翻訳・自動通訳が大きく翻訳・通訳の仕事を支えることになっても、人の手による翻訳・通訳の必要性は依然残り続けるでしょう。

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翻訳・通訳会社のM&Aの目的は?

翻訳・通訳会社のM&Aはどのような目的で行なわれるのでしょうか?翻訳・通訳会社のM&Aには以下のような目的が挙げられます。

シェアの拡大

翻訳・通訳業界は中小企業でひしめき合っており、それぞれが競合している状況です。この中で生き残るためには、シェアの拡大が必須だといえるでしょう。ただ中小の翻訳・通訳会社は業務が専門化しているため、闇雲に買収しても、専門分野が異なれば顧客の吸収が難しくなります。

翻訳・通訳会社がシェアの拡大を行う際は、「同じ分野を持つ翻訳・通訳会社を買収する」、「様々な分野を手がけている大手の翻訳・通訳会社に売却する」、「異業種に買収される」のいずれかになります。

新たなスキル・ノウハウの獲得

中小の翻訳・通訳会社はある意味、特定の専門分野においてはスキルやノウハウの宝庫だといえます。近年では英語のみならず、アジア圏の様々な言語の翻訳・通訳のニーズが高まっています。アジア圏の言語スキルや、ある特定の業界ノウハウを持つ人材を探すのは簡単なことではありません。

また昨今では、金融や工業、製薬などの事業分野で取引実績があるなど、特定の事業分野に特化している翻訳・通訳会社のニーズが高まっています。例えば欲しい言語に特化している、あるいは欲しい事業分野の翻訳・通訳に特化している会社をM&Aで買収してしまえば、そのままスキル・ノウハウを受け継ぐことができます。

なお、中小翻訳・通訳会社だと規模や資金の都合上、AIやソフトウェアを用いた自動翻訳を開発することは難しいでしょう。その場合、自動翻訳の設備が整っている大手の翻訳・通訳会社に買収されることで、その技術を用いることができるようになります。

M&Aを通じて新たなスキルやノウハウが獲得できれば、他の翻訳・通訳会社との差別化ができるようになるでしょう。

異業種の新事業への進出

買い手が異業種企業の場合、新事業への進出のために翻訳・通訳会社をM&Aで買収するケースも見られます。

海外進出を目指している会社が言語的な問題を解決し、なおかつ現地での交渉を優位に進めるために翻訳・通訳会社を買収することもあれば、人材派遣会社のような異業種がM&Aをきっかけに、翻訳・通訳業界に参入することもあります。

いずれのケースにせよ人材の確保などを行い、ゼロから翻訳・通訳会社を立ち上げるよりも、M&A(買収)でスムーズに翻訳・通訳事業を立ち上げることができます。また、自動翻訳の技術が今後さらに発展すれば、異業種の翻訳・通訳業界への進出はますます容易となることが予想されます。

事業承継

中小企業といえば後継者不在が問題化し、事業承継をM&Aで行うケースが増えていますが、翻訳・通訳業界も実は同様です。近年は、翻訳・通訳会社の経営者の高齢化が顕著になっており、多くの会社で経営者引退に伴う事業承継が急務となっています。そのため、事業承継のために翻訳・通訳会社がM&Aを行うケースは増加しています。

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翻訳・通訳会社のM&Aの注意点

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翻訳・通訳会社のM&Aに際する注意点をいくつかご紹介します。

売り手市場になっている

翻訳・通訳業界は、売り手が少なく買い手が多い売り手市場になっていることに注意を払っておくべきでしょう。翻訳・通訳業界でM&Aをしたいと思ってもM&A案件自体が少ないため、M&Aをしようともなかなかできません

加えて、翻訳・通訳会社は専門化が進んでいます。翻訳・通訳会社同士でM&Aを行う場合は、事業分野が異なれば顧客の獲得ができないことも大いにあり得ます。

そのため、想定したシナジー効果を得るM&Aの選択肢が自然と絞られてしまいます。翻訳・通訳会社とのM&Aを行うのであれば幅広い視野での情報収集や、M&A案件化を成し得るだけの交渉力が求められます。

適切なM&Aスキームの構築

翻訳・通訳会社のみならず、あらゆる会社同士のM&Aにいえることですが、M&Aスキームの設定は非常に重要なポイントです。M&Aには多種多様な手法があり、いずれかを選択することによってかかるコストや時間、スキーム全体が変わります。

そのため、M&Aではどの手法が会社に合っているかを慎重に検討したうえでスキーム設定をする必要があります。

適当な取引価格設定と交渉

これもあらゆるM&Aに共通した注意点ですが、取引価格の設定も気をつけておかなければなりません。どんな業界や会社のM&Aでも取引価格には相場があり、基本的にはその相場を参照しながら行うことになります。

ただ、日本のM&Aは取引内容の詳細を公表しないことが多く、相場を把握することは簡単ではありません。取引価格の設定もいかに情報収集を行うかが重要になります。また、取引価格の設定はM&Aでの交渉が重要になる一面もあります。

当然ながら買い手はより安く取引価格を設定したいもので、売り手はより高く取引価格を設定したいと考えるものです。そのため、お互いが何を譲歩し、何を押し通すかがポイントになります。

もちろんデューデリジェンスのような、リスクを洗い出すプロセスも取引価格の設定に影響を与えるため、非常に重要なポイントだといえます。

タイミングを逃さない

翻訳・通訳業界は業界再編が徐々に進んでおり、国内市場の縮小も相まって大手に中小が集約されつつあります。また、AIやソフトウェアを用いた自動翻訳の発展によって、翻訳・通訳業界の業界構造それ自体が変わってしまうこともあり得ます。

翻訳・通訳業界のM&Aは行うタイミングを見定めることが何よりも重要です。もしこの変化の流れに乗り遅れてしまうと、M&Aをしたくとも業界再編が進み切ってしまい、参入する余地がなくなってしまう恐れがあります。

脈絡のない戦略によるM&Aは避ける

M&Aの全てが会社を成長させるシナジー効果を発揮させるわけではありません。中には実行しても意味のないM&Aがあり、かえって会社に悪影響を及ぼすM&Aもあります。買収した会社が訴訟などを抱えていたり、簿外債務が山積みになっていたりする場合は、買い手側会社全体が経営不振に傾いてしまい兼ねません。

最悪の事態を防ぐには交渉前の情報収集と、リスクを洗い出すデューデリジェンスを徹底することです。また、経営不振の会社を買収する際には、その経営を立て直すノウハウをしっかり確立させておくべきでしょう。

翻訳・通訳会社ではありませんが、ライザップのように経営不振の会社の経営を立て直すノウハウがないまま無闇にM&Aを進めれば、いずれ反動が起こって一気に赤字転落してしまうこともあります。

経営不振の会社を買収することは、資本の差分で利益が発生しているように見せかけるなどメリットこそあります。しかし結局立て直しができなければ、会社やグループ全体を危機に晒し、株主からの信頼を失うことになってしまいます。この点には充分な注意が必要です。

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翻訳・通訳会社のM&Aで専門家を探す際のチェックポイント

M&Aを行うのであれば、M&A仲介業者を活用することがおすすめです。例え中小企業同士のM&Aでも、煩雑なプロセスを全て経営陣だけで行っていくのは容易ではありません。

また、デューデリジェンスのような作業では財務や税務、法務などに特化したプロフェッショナルの力が必要になります。ここではM&Aの専門家を探す際のチェックポイントについてご紹介します。

企業規模にあった実績や経験をもっているか

M&A業者を選ぶポイントは、翻訳・通訳業界での実績や経験をもっているかどうかです。そして取り扱っている企業規模もチェックしておくべきでしょう。最近は中小企業が行う規模が小さいM&A案件でも対応してくれるM&A仲介業者が増えており、以前よりサポートを得やすい環境になっています。

また、近年では特定の業界や業種に特化したM&A仲介業者も増えています。できることなら翻訳・通訳業界の事情や傾向に精通しているM&A仲介業者を選ぶようにしておきましょう。独自のネットワークで売り手市場になりがちな業界から、理想的なM&A案件を見つけてくれる可能性が高くなります。

信頼できるM&A仲介業者か

M&A仲介業者のサポートを得るなら、一定以上の費用はかかりますが、最近はリーズナブルな報酬でサポートを請け負ってくれるのも珍しくありません。ただM&A仲介業者の中にはサービスの質が低かったり、悪質な手法を用いてくる業者がいたりもします。

実現不可能なM&A案件を勧めて手数料だけをもらう、意味のないM&Aを無理矢理実現させようとするといったM&A仲介業者がいたら要注意です。中には、契約の段階から自分以外のM&A仲介業者との交渉を防ごうとしてくることもあります。

悪質なM&A仲介業者の被害に遭わないようにするには、事前に実績や評判をしっかり調べておく必要があります。またセカンドオピニオンを得るなどして、幅広く情報収集を行うことがポイントです。

もし理想的な売り手をお探しであれば、M&A総合研究所の「M&Aプラットフォーム」にて買収ニーズ登録を一度お試しください。AIが自動的に売却案件を導き出してくれるため、マッチングした売り手が各段と見つけやすくなります。

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公的機関によるサポートの活用を検討したか

最近は、「商工会議所」「中小企業庁」「中小企業庁の認定機関」「事業引継ぎ支援センター」などといった公的な機関が事業承継やM&Aをサポートしてくれる体制ができあがっています。

公的機関であれば、営利目的ではないので安心して仲介を頼めますし、料金もリーズナブルであることが多いです。公的機関によるサポートの活用を検討していなかった場合は、一度視野に入れておくことをおすすめします。

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まとめ

翻訳・通訳会社は大手が少なく、中小規模の会社が圧倒的に多く、またそれぞれの事業分野ごとに専門化が進んでいるなど、他の会社にはない特徴が多くあります。M&Aにおいて翻訳・通訳業界は売り手市場であり、簡単にM&Aができる環境ではありません。

しかしニーズの高まりや、自動翻訳などの技術の登場による業界構造の変化をきっかけに、M&Aが活発化する可能性は十分にあります。そのため業界全体の動向を注視しておくことがおすすめです。

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