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翻訳・通訳会社のM&Aとは?業界の現状や、M&Aの目的を解説!

翻訳・通訳会社のM&Aとは?業界の現状や、M&Aの目的を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    翻訳・通訳会社のM&A

    M&Aは様々な業種・業界で行われています。

    M&Aはすでに一般的な経営戦略となっており、人口減少による国内市場の縮小もあって、より活発に行われるようになりました。

    翻訳・通訳会社においても例外ではありません。

    ただ、M&Aは業界ごとに行われる目的や、業界の現状が異なっていることがあり、ちゃんとその業界の傾向を踏まえておく必要があります。

    今回は翻訳・通訳会社のM&Aにスポットライトを当てて解説します。

    翻訳・通訳会社とはどういう会社?

    まずは翻訳・通訳会社の業態や、事業の特徴についてお伝えしていきます。

    そもそも翻訳とは特定の言語で表現されたものを、自国の言語に訳する作業のことをいいます。

    一般的に翻訳事業で行われているのは、書籍や文章を翻訳する「出版翻訳」、海外の映像作品を翻訳する「映像翻訳」、ビジネス上の手続きや書類などの翻訳を行う「産業翻訳」のようなものがあります。

    これに対して通訳は、異なる言語によるコミュニケーションをサポートする仕事のことを指しています。

    通訳は、ハリウッドスターが日本の番組やイベントに出演した際に、傍らで言葉を逐一訳している日本人をイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。

    元々翻訳も通訳も人が手掛けるものでしたが、最近はAIや専用のソフトウェアを使ったAI化が進んでいます。

    そして、これらの業務を行っている翻訳・通訳会社、そしてその業界はある特徴を持っています。

    まず、翻訳・通訳会社は手掛けている分野の翻訳・通訳に専門化しているケースが多くなっています。

    例えば出版翻訳であれば出版翻訳、映像翻訳といえば映像翻訳というように、翻訳・通訳会社は一定のジャンルに特化しているケースが多いです。

    それもあって、翻訳・通訳業界は大手と呼べる大企業が全体の5%しかなく、それ以外は2000社以上の中小規模の翻訳・通訳会社がひしめき合っているという状況になっています。

    翻訳・通訳会社は東京オリンピックや、大阪の万博による海外からの観光客やビジネスマンの増加もあって、ニーズ自体は今後も一定以上あると考えられます。

    AIやソフトウェアによる自動翻訳・自動通訳があったとしても、人の手による翻訳・通訳の必要性は依然残り続けるでしょう。

    しかし、中小規模の翻訳・通訳会社の経営は様々な原因によって限界を迎えつつあり、その打開策としてM&Aが用いられるようになっています。

    翻訳・通訳会社のM&Aの目的は?

    翻訳・通訳会社のM&Aはどのような目的があるのでしょうか?

    翻訳・通訳会社のM&Aの目的は以下のようなものが挙げられます。

    ①シェアの拡大

    翻訳・通訳会社は、とりわけ中小規模であるなら、シェアの拡大は必要不可欠です。

    さきほどもお伝えしたように、翻訳・通訳業界は2000社を超える中小の翻訳・通訳会社がひしめき合っており、それぞれが競合している状況です。

    この中で中小の翻訳・通訳会社が生き残るには、シェアの拡大が必須だといえるでしょう。

    ただ、気を付けておきたいのが、中小の翻訳・通訳会社は業務が専門化していることです。

    そのため、闇雲に買収しても専門としている分野が異なれば、顧客の吸収が難しくなります。

    だから、翻訳・通訳会社がシェアの拡大を行う際は、同じ分野を持つ翻訳・通訳会社を買収するか、様々な分野を手掛けている大手の翻訳・通訳会社に売却する、異業種に買収されるかのいずれかになります。

    ②新たなスキル・ノウハウの獲得

    中小の翻訳・通訳会社は手掛けている分野が専門化しているため、ある意味、特定のスキルやノウハウの宝庫だといえます。

    近年の翻訳・通訳会社は英語のみならず、アジア圏の様々な言語の翻訳・通訳のニーズが高まっていますが、このようなスキルやノウハウを持つ人材を探すのは簡単なことではありません。

    他にも金融が工業、製薬などといった事業分野との取引実績があるなど、特定の事業分野に特化している翻訳・通訳会社のニーズも高まっています。

    その際、欲しい言語に特化している、あるいは欲しい事業分野の翻訳・通訳に特化している会社を、M&Aで買収してしまえば、そのままスキル・ノウハウを受け継ぐことができます。

    また、中小の翻訳・通訳会社だと、規模や資金の都合上、AIやソフトウェアを用いた自動翻訳を開発することは難しいでしょう。

    その場合、自動翻訳の設備が整っている大手の翻訳・通訳会社に買収されることで、その技術を用いることができるようになります。

    いずれのスキル・ノウハウを獲得するにせよ、M&Aを通じて獲得できれば、他の翻訳・通訳会社との差別化ができるようになるでしょう。

    ③異業種の新事業への進出

    買い手が異業種の会社の場合、新事業への進出のために翻訳・通訳会社をM&Aで買収するケースも少なくありません。

    海外進出を目指している会社が、言語的な問題を解決し、なおかつ現地での交渉を優位に進めるために翻訳・通訳会社を買収することもあれば、人材派遣会社のような異業種がM&Aをきっかけに、通訳・翻訳業界に参入することもあります。

    いずれのケースにせよ、人材の確保などを行い、ゼロから翻訳・通訳会社を立ち上げるよりも、M&Aで買収を行えば、スムーズに翻訳・通訳事業を立ち上げることができます。

    また、自動翻訳の技術が今後もさらに発展すれば、異業種の翻訳・通訳業界への進出はますます進むようになることが予想されます。

    ④事業承継

    中小企業といえば、後継者不在が問題化し、事業承継をM&Aで行うケースが増えていますが、翻訳・通訳業界も例外ではありません。

    近年は、翻訳・通訳会社の経営者の高齢化が顕著になっており、多くの会社で経営者引退に伴う事業承継が急務となっています。

    そのため、事業承継のために翻訳・通訳会社がM&Aを行うケースは増えています。

    翻訳・通訳会社のM&Aの注意点

    翻訳・通訳会社のM&Aにはどのような注意点があるのでしょうか?

    ①売り手市場になっている

    翻訳・通訳業界は、売り手が少ない一方で買い手が多い売り手市場になっていることに注意を払っておくべきでしょう。

    翻訳・通訳業界でM&Aをしたいと思っても、そもそもM&A案件が少ないため、M&Aをしようともなかなかできません。

    加えて、さきほどもお伝えしたように、翻訳・通訳会社同士でM&Aを行おうとも事業分野が異なれば顧客の取得はできなくなることもあるうえに、翻訳・通訳会社は専門化が進んでいます。

    そのため、想定したシナジー効果を得るM&Aの選択肢が自然と絞られてしまいます。

    だから、翻訳・通訳会社とのM&Aを行うのであれば、幅広い視野での情報収集や、M&A案件化を成し得るだけの交渉力が求められます。

    ②M&Aスキームの設定

    これは翻訳・通訳会社のみならず、あらゆる会社同士のM&Aにいえることですが、M&Aスキームの設定は非常に重要なポイントです。

    M&Aには多種多様な手法があり、いずれかを選択することによって、かかるコストや時間、スキーム全体が変わります。

    そのため、M&Aではどの手法が会社に合っているかを慎重に検討したうえで設定する必要があります。

    ③取引価格の設定

    これもあらゆるM&Aに共通した注意点ですが、取引価格の設定も気をつけておかなければならないものです。

    どんな業界・会社のM&Aでも、取引価格には相場があり、基本的にはその相場を参照しながら行うことになります。

    ただ、日本のM&Aは取引内容の詳細を公表しないことが多く、相場を把握することは簡単ではありません。

    こちらも、いかに情報収集を行うかが重要になります。

    また、取引価格の設定はM&Aでの交渉が重要になる一面もあります。

    当然ながら買い手はより安く取引価格を設定したいものですし、売り手はより高く取引価格を設定したいと考えるものです。

    そのため、お互いが何を譲歩し、何を押し通すかがポイントになります。

    もちろんデューデリジェンスのような、リスクを洗い出すプロセスも取引価格の設定に影響を与えるため、非常に重要なポイントだといえます。

    ④タイミングを逃さない

    M&Aは実行するタイミングも非常に重要です。

    翻訳・通訳業界は業界再編が徐々に進んでおり、国内市場の縮小も相まって大手に中小が集約されつつあります。

    また、AIやソフトウェアを用いた自動翻訳の発展によって、翻訳・通訳業界の業界構造それ自体が変わってしまうこともあり得ます。

    もしこの変化の流れに乗り遅れてしまうと、M&Aをしたくとも、業界再編が進み切ってしまい、参入する余地がなくなってしまう恐れがあります。

    だから、M&Aを行ううえでタイミングを見定めることは何よりも重要です。

    ⑤意味のないM&Aに注意

    M&Aの全てが会社を成長させるシナジー効果を発揮させるわけではありません。

    当然、実行しても意味のないM&Aがあり、かえって会社に悪影響を及ぼすM&Aもあります。

    最悪なケースだと、買収した会社に簿外債務が山積みになっていたり、訴訟などを抱えているなどといった状態であれば、買い手となった会社全体が経営不振に傾いてしまうこともあり得ます。

    このような事態を防ぐには、交渉を行うまえの情報収集と、リスクを洗い出すデューデリジェンスを徹底することです。

    また、経営不振の会社を買収する際には、その経営を立て直すノウハウをしっかり確立させておくべきでしょう。

    翻訳・通訳会社ではありませんが、ライザップのように経営不振の会社の経営を立て直すノウハウがないまま、無闇にM&Aを進めれば、いずれ反動が起こって一気に赤字転落してしまうこともあります。

    経営不振の会社を買収することは、資本の差分で利益が発生しているように見せかけるなど、メリットこそありますが、結局立て直しができなければ、会社やグループ全体を危機に晒し、株主からの信頼を失うことになりかねません。

    この点には充分注意しておきましょう。

    M&A仲介業者を活用しよう

    M&Aを行うのであれば、M&A仲介業者を活用することがおすすめです。

    例え中小企業同士のM&Aでも、煩雑なプロセスを全て経営陣だけで行っていくのは容易ではありませんし、デューデリジェンスのような作業では財務や税務、法務などに特化したプロフェッショナルの力が必要になります。

    最近は中小企業が行う規模が小さいM&A案件でも対応してくれるM&A仲介業者が増えており、以前よりサポートを得やすい環境になっています。

    また、近年では特定の業種や業界に特化したM&A仲介業者も増えています。

    そのため、できることなら翻訳・通訳会社の事情に精通しているM&A仲介業者を選ぶようにしておきましょう。

    そのようなM&A仲介業者であれば、翻訳・通訳業界の事情や傾向に詳しいですし、独自のネットワークで売り手市場になりがちな業界から、理想的なM&A案件を見つけてくれる可能性が高くなります。

    もちろん、M&A仲介業者のサポートを得るなら、一定以上の費用はかかりますが、最近はリーズナブルな報酬でサポートを請け負ってくれるのも珍しくありません。

    ただ、M&A仲介業者の中にはサービスの質が低かったり、悪質な手法を用いてくる業者がいることには注意しておく必要があります。

    そのような業者は実現不可能なM&A案件を勧めて手数料だけをもらっていったり、意味のないM&Aを無理矢理実現させようとしてきたりします。

    中には、契約の段階から自分以外のM&A仲介業者との交渉を防ごうとしてくることもあります。

    そのような悪質なM&A仲介業者の被害に遭わないようにするには、事前に実績や評判をきちんと調べておいたり、セカンドオピニオンを得るなどして、幅広く情報収集を行うことがポイントです。

    また、最近は商工会議所や中小企業庁、あるいは中小企業庁の認定機関、事業引継ぎ支援センターなどといった公的な機関が事業承継やM&Aをサポートしてくれる体制が出来上がっています。

    公的機関であれば、営利目的ではないので安心して仲介を頼めますし、料金もリーズナブルであることが多いので、これらを活用するのも選択肢に入れておきましょう。

    まとめ

    翻訳・通訳会社は大手が少なく、中小規模の会社が圧倒的に多く、またそれぞれの事業分野ごとに専門化が進んでいるなど、他の会社にはない特徴が多くあります。

    M&Aにおいて翻訳・通訳業界は売り手市場であり、簡単にM&Aができる環境ではありません。

    しかし、ニーズの高まりや、自動翻訳などの技術の登場による業界構造の変化をきっかけに、M&Aが活発化する可能性は十分にあります。

    そのため業界全体の動向を注視しておくことがおすすめです。

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