M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2022年6月6日更新業種別M&A
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継事例13選!最新動向、相談先のおすすめは?
自動車業界は大きな転換期を迎えており、小売業(ディーラー)にも業界再編の波が押し寄せています。本記事では、自動車小売業のM&A・事業承継事例、近年の動向、M&A・事業承継を成功させるポイント、M&A・事業承継の相談先を解説します。
目次
自動車小売業(ディーラー)のM&A(譲渡・売却)・事業承継
大きな転換の時期を迎えている自動車業界では、自動車小売業(ディーラー)もM&A・事業承継による業界再編期を迎えています。本記事では、自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継事例や、相談先などを紹介します。
まずは、自動車小売業(ディーラー)の定義やM&A・事業承継の意味などを解説します。
自動車小売業(ディーラー)とは
自動車小売業(ディーラー)とは、仕入れた自動車を消費者に販売する事業者および、修理・車検などを行う事業者のことです。正規代理店として系列メーカーの自動車のみを取り扱う事業者や、複数メーカーの新車・中古車を取り扱う事業者があります。
特定メーカーに属さず複数メーカーの自動車を取り扱っている場合でも、メーカーと契約を取り交わして、一定のルール内で販売することが一般的です。
M&A(譲渡・売却)とは
M&Aとは、事業の権利を譲渡・売却するために用いられる手法の総称をさします。経営権を包括的に譲渡・売却する場合は株式譲渡が多く用いられることが多い一方で、事業の一部を個別に譲渡・売却する場合は事業譲渡が用いられることが多いです。
また、2つ以上の法人を1つに統合する場合は、合併の手法が採用されます。自動車小売業(ディーラー)の場合は、正規ディーラー間で店舗を譲渡したり、独立系ディーラーが他自動車ブランドの企業を取得したりケースが多く見られます。
事業承継とは
事業承継とは、後継者へ事業を引き継ぐために必要な一連の手続きのことです。事業承継は、事業を継ぐ相手によって以下の3種類に分けられます。
- 親族内事業承継
- 親族外事業承継
- M&Aによる事業承継
親族内事業承継
親族内事業承継とは、経営者の子どもや兄弟などの親族に事業を継ぐケースをさします。自動車小売業(ディーラー)の場合、独立系の中小企業や小規模企業で行われることが多い方法ですが、近年は子どもが事業を継ぐケースが減っていることから、その割合は減少傾向にあります。
親族外事業承継
親族外事業承継とは、会社の役員や従業員あるいは外部から招いた関係者に事業を継ぐことです。自動車小売業(ディーラー)の場合は、大手メーカー系列の正規自動車ディーラー企業で多く用いられています。
M&Aによる事業承継
M&Aによる事業承継とは、親族内や会社関係者に事業を継ぐ人物がいない場合に、第三者へ事業を譲渡するケースをさします。M&Aによる事業承継では、M&A仲介会社などの専門家に譲渡先を探してもらい、交渉など手続きのサポートも依頼するケースが一般的です。
もしもM&A仲介会社をお探しでしたら、M&A総合研究所に一度お問い合わせください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを生かしてM&Aによる事業譲渡を手厚くサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
自動車小売業(ディーラー)を取り巻く環境
近年の自動車小売業(ディーラー)業界動向には、以下のような特徴がみられます。
- 営業体制の再構築による業界再編
- 倒産・廃業の増加
- 同系列の統合
①営業体制の再構築による業界再編
業界再編が進む自動車業界の影響により、自動車小売業(ディーラー)でも業界再編が進められています。正規自動車ディーラーの場合は、店舗の閉店や近隣地域の系列ディーラー間での店舗譲渡が行われ、独立系ディーラーの場合は自動車ブランドごとの売買が行なわれています。
②倒産・廃業の増加
国内自動車販売市場の縮小や利益率の低下により、自動車小売業(ディーラー)の倒産や廃業が増加しています。その一方で、売上を伸ばしているディーラーも少数ながら存在するなど、業種内での二極化が進んでいます。
③同系列の統合
各メーカーの正規自動車ディーラーでは、同系列メーカー内での統合が行なわれています。正規自動車ディーラーはメーカーの権限が強いため、統廃合はメーカーの営業戦略に大きく左右されます。
自動車小売業(ディーラー)をM&A・事業承継のメリット
本章では、自動車小売業(ディーラー)を対象とするM&A・事業承継で期待される基本的なメリットをまとめました。まず、売り手側に期待されるメリットは、以下のとおりです。
- 事業を継続できる
- 従業員の雇用を維持できる
- 大企業の傘下により、安定的・効率的な事業経営が実現する
- 創業者利益を獲得できる
- 借入金の個人保証や差入担保を解消できる
売り手側にとって最も大きなメリットだと考えられているのは、事業承継の実現です。たとえ後継者を確保できていない企業であっても、M&Aによる事業承継では、自社の後継者に相応しい人材を第三者から広く探せます。その一方で、買い手側では以下のようなメリットの獲得が期待されます。
- 新たなネットワーク・販路を獲得できる
- スケールメリットを享受(間接部門の効率化、車両の仕入価格など)
- 新規の自動車販売エリアを獲得できる
このように、自動車小売業(ディーラー)を対象とするM&A・事業承継では、売り手・買い手ともにさまざまなメリットが期待されます。なお、M&A全般に期待されるメリットについて知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。
自動車小売業(ディーラー)をM&A・事業承継の際におすすめの相談先
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継を行う際は、以下の会社・機関などに相談できます。
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の弁護士・会計士・税理士など
- マッチングサイト
①M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&A・事業承継のサポートを専業とする専門家です。M&A相手を探すためのネットワークや、M&Aを成功させるための豊富なノウハウを蓄積しています。
M&A仲介会社は小規模の会社も含めると非常に多いため、その中から自社に合った仲介会社を選ぶことが大切です。
②地元の金融機関
地方金融機関が、地元中小企業の事業承継支援も行っている場合は、融資先や取引先企業の中からM&A相手を紹介してもらえる可能性があります。
ただし、実際のM&Aサポートは提携先のM&A仲介会社が行うケースがほとんどであるため、自社に合ったサポートが可能であるか不明な点がデメリットです。そのため、自身で最適な仲介会社を選んだ方が良い場合もあります。
③地元の公的機関
各都道府県に設置されている事業承継・引継ぎ支援センターでは、地元の事業者であれば小規模な案件でも対応しています。
しかし、公的機関であり実務面のサポートを直接行えないため、金融機関のケースと同じく、提携先の仲介会社などに再依頼しなければなりません。
④地元の弁護士・会計士・税理士など
多くの弁護士・会計士・税理士事務所では、M&A・事業承継の中でも特定分野に特化してサポートを行っています。
相続税・贈与税に関する相談や債権者・株主とのトラブル対応など、相談内容が定まっている場合は強みを発揮します。
ただし、M&A相手とのマッチングや交渉などは、提携している仲介会社やマッチングサイト運営会社に任せるケースがほとんどです。
⑤マッチングサイト
大手企業や他業界の企業が相次いで参入していることで、マッチングサイトの質と信頼性が年々向上しています。
買収ニーズを登録するだけで条件の合う売却案件をマッチングするなど、従来にはなかったシステムやサービスを提供するマッチングサイトも生まれています。
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継の際の確認事項
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継を行う際は、以下の点に注意が必要です。
- 自社の収益力の確認
- 棚卸資産の確認
- 立地条件や環境など不動産の確認
- 賃貸契約などの契約内容の確認
- 取引先との代理店契約の確認
①自社の収益力の確認
自動車小売業(ディーラー)は、メーカーとの関係上、利益率がそれほど高くありません。また、自動車メーカーの利益率も下がっていることから、自動車小売業(ディーラー)は今後さらに厳しくなる可能性があります。
事業を売却する際は、収益を生み出せる付加価値があるかどうか、十分に買い手に示す必要があります。
②棚卸資産の確認
自動車小売業(ディーラー)のM&Aでは、棚卸資産を十分に確認する必要があります。多くの自動車ディーラーは、購入者が即座に乗り出せるための在庫や、引先からの実質ノルマ在庫などを抱えています。
そのため、在庫車がいつから保管されているのか、新車扱いか中古車扱いなのか、メーカーへの支払い期日はいつかなどを確認しておかなければ、M&A価格に大きく影響したり、買収後に損を被ったりするおそれがあります。
③立地条件や環境など不動産の確認
自動車メーカー各社は、それぞれ独自の販売網戦略を講じており、同系列で販売網を分散させるケース・近隣に集中させるケース・同メーカーの異ブランドを集中させるケースなど、その戦略はさまざまです。
買収予定の販売店が他メーカー販売店に対して不利な位置にないかなど、立地条件も戦略的に見極める必要があります。
④賃貸契約などの契約内容の確認
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継の際は、販売店の土地や建物の契約内容に関しても確認が必要です。事業譲渡によってM&Aを行う際は再契約が必要とされるため、土地や建物を借りている場合は解約金や再契約金が発生したり、契約条件が変わったりする可能性があります。
⑤取引先との代理店契約の確認
正規自動車ディーラーとの代理店契約を結んで自動車販売を行っている独立系販売店の場合、契約内容の確認も忘れずに行わなければなりません。取引先との代理店契約に支障がある場合、M&A後の営業再開に時間がかかるなど、思わぬ負担を負うこともあり得ます。
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継を成功させるポイント
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継を成功させるには、以下のポイントを意識して行うことが重要です。
- 他店にはない強みをまとめる
- 従業員・整備士の離職を防ぐ
- 希望する条件をまとめる
- 入念な準備を行う
- M&A・事業承継の専門家に相談する
①他店にはない強みをまとめる
自動車の販売自体で差別化を図り収益力を高めることが難しい自動車小売業(ディーラー)の場合、いかに他サービスの付加価値で収益力を向上させるかが重要です。他店との差別化が可能な強みをまとめると、条件どおりに取引を行ってくれる良買い手が見つかる可能性が高まり、交渉もスムーズに進みます。
②従業員・整備士の離職を防ぐ
M&A・事業承継によって会社の経営者が変わることで、従業員・整備士が不安や不満を覚えて離職するケースもあります。そのため、売り手側では、情報を伝えるタイミングや伝え方に注意する一方で、買い手側では買収後のコミュニケーションや待遇などに配慮が必要です。
③希望する条件をまとめる
M&Aで希望する条件を明確にし、アドバイザーやM&A相手に伝えることで、交渉がスムーズに進みやすくなります。
M&Aを早く成立させることに焦って条件を妥協したり、逆に条件にこだわりすぎて交渉を難航させたりしないよう、自社の希望条件を事前にまとめておくことが大切です。
④入念な準備を行う
M&Aの成功率を高めるには、入念な準備が必要です。M&Aの手続き期間中は精神的・時間的負担が大きくなりますが、先を見据えて早めに仲介会社などに相談しておくことで、負担を減らすことが可能です。
⑤M&A・事業承継の専門家に相談する
仲介会社などのM&A・事業承継の専門家は、ネットワークによってM&A相手を探したり、豊富な経験によって負担の大きい交渉事などをサポートしたりと、幅広いサポートを行います。
仲介会社に相談することで、手続き面のサポートだけでなく、企業価値の向上や事業の成長支援につながるケースもあります。
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継の際におすすめの仲介会社
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継を成功させるには、M&Aスキームの策定や最適なM&A相手の選定や円滑な交渉が求められるために、M&A仲介会社などの専門家によるサポートは必要不可欠だといえます。
M&A総合研究所では、経験と知識が豊富なアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
無料相談は随時お受けしていますので、自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継まとめ
本記事では、自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継事例や成功させるポイントなどを紹介しました。
自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継事例や成功させるためには、業界動向を把握し計画的に進めることが重要です。
また、専門的な知識や見解が求められるため、M&A仲介会社など専門家のアドバイス・サポートは必要不可欠だといえます。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。