2021年7月21日更新業種別M&A

【2021年】電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継の事例35選!最新動向、譲渡案件も紹介

電気工事会社のM&Aは買い手、売り手によってM&Aの目的が異なります。それぞれのメリット・デメリットを把握しましょう。電気工事会社のM&Aを成功させる秘訣は、専門家の活用です。そのため、実績があるM&A仲介会社の起用をおすすめします。

目次
  1. 電気工事会社の定義
  2. 電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継の事例35選
  3. 電気工事会社のM&A最新動向と予測
  4. 電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継に強い仲介会社
  5. 電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準
  6. 電気工事会社のM&Aの相場と費用
  7. 電気工事会社のM&A・買収のポイント
  8. 電気工事会社のM&A・売却のポイント
  9. 電気工事会社のM&A譲渡案件例
  10. 電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継まとめ
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電気工事のM&A・事業承継

電気工事会社の定義

電気工事会社の定義

まず、電気工事業の正確な定義について確認しましょう。総務省の日本標準産業分類によると、建設業の中に設備工事業という分類があり、この設備工事業に電気工事業が含まれます。そして、この電気工事業は一般電気工事業と電気配線工事業の2つに分類されています。

一般電気工事業

一般電気工事会社の業務には、送電線・配電線・電線路工事や各種電気設備工事などが該当します。具体的な定義は以下のとおりです。

  • 送電線、配電線工事(地中線工事含む)
  • 電気鉄道、トロリーカー、ケーブルカーなどの電線路工事
  • 海底電線路配線工事
  • 浚渫(しゅんせつ)船電路工事
  • 水力発電所、火力発電所の電気設備工事
  • 変電所変電設備工事
  • 開閉所設備工事
  • 変流所設備工事
  • 船内電気設備工事
  • 電気医療装置設備工事

電気配線工事業

電気配線工事会社の業務は、電灯や照明などの機器・設備の配線工事が中心です。具体的には以下です。

  • 建築物、建造物の屋内、屋側およびその構内外の電灯照明、電力、同機器の配線工事
  • 一般工場、事業場、会社、商店、住宅その他電灯照明電力機器の配線工事
  • 屋外照明、アーケード、道路照明などの照明設備配線工事
  • 一般電気使用施設の自家用受変電設備工事や配線工事
  • 空港などの配線工事
  • ネオン広告塔、電気サイン広告塔、ネオン看板、電気看板などの設備並びに配線工事
一般電気工事会社も電気配線工事会社も工事業のため、電気機械器具の小売業や卸売業などは行いません。あくまでも電気関連工事のみを行う事業です。

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継の事例35選

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継の事例35選

公表されている電気工事会社関連のM&Aは、上場企業の事例です。中小企業サイドから見ると、あまり現実味がないかもしれません。しかし、大手企業の動きは、時間差をおいて業界内に波及するといわれています。そういった観点で参考事例を分析してください。

最新のM&A事例

まずは、最新のM&A事例から紹介します。

アイテックによるアウトソーシンググループへの売却

2021年2月、電気通信工事などを手掛けるアイテックは、アウトソーシングの連結子会社であるアウトソーシングテクノロジーへ、全発行済株式を売却しています。

これにより、アウトソーシングは、アイテックが保持する顧客基盤のシナジーにより、グループ全体の事業成長や事業ポートフォリオがより広がることを狙っています。

オーウイルによるメビウスのM&A

2020年12月、オーウイルは、吸収分割によりメビウスが手掛ける電気工事業の譲受を行っています。これにより、オーウイルグループにおける事業の相乗効果と業容が広がることを狙っています。

中央電機工事によるTOKAIへの売却

2020年8月、TOKAIホールディングスは子会社のTOKAIが、中央電機工事を連結子会社化したことを発表しています。

これによりTOKAIホールディングスは、経営資源やノウハウを共有し、両社がより事業を広げることを狙っています。

ミライト・ホールディングスによるYL Integrated Pte Ltdの買収

2020年4月、電気通信工事や電気工事、建築工事事業などを手掛けるミライト・ホールディングスは、シンガポールの子会社Lantrovisionにより、シンガポールの電気工事会社YL Integrated Pte Ltdの株式85%を取得させ子会社化しています。

これにより、ミライト・ホールディングスは東南アジアにおける事業展開を強めることを狙っています。

サノヤスホールディングス子会社サノヤスMTGがハピネスデンキを買収

2020年1月、サノヤスホールディングスの完全子会社で、グループ内の駐車装置、建設機械、遊戯機械、製造用乳化装置、産業用機械部品の製造販売および各種設備工事業を統括する大阪のサノヤスMTGが、東京のハピネスデンキの全株式を取得し子会社化しました。

ハピネスデンキは、電気機械器具製造業および電気工事業の会社です。特に動力制御盤や分電盤などは全国各地の施設への納入実績があります。サノヤスMTGにとっては、ハピネスデンキのグループ入りによって同グループにおける事業基盤の拡大を意図したM&Aです。

一般・電気通信関連のM&A事例

次に、一般・電気通信関連のM&A事例を見ていきましょう。

マクセルホールディングスと日本政策投資銀行による泉精器製作所の買収

2019年1月、マクセルホールディングスは日本政策投資銀行とともにマクセル特別目的株式会社を介し、泉精器製作所を連結子会社としました。

これにより電設工具事業へ参入し、住生活・インフラ部門の事業領域やシェアを広げ収益を得ることを狙っています。

ミライト・ホールディングスによる塚田電気工事の買収

2018年10月、ミライト・ホールディングスにおける子会社のTTKは、株式交換の手法を用いて塚田電気工事を買収しました。

これにより、電気工事事業の地域を広げることを狙っています。

コムシスホールディングスによるNDSの買収

2018年5月、電気通信工事など社会のインフラ事業を行うコムシスホールディングスは、NDSを含む3社と株式交換契約を結びました。簡易株式交換で、NDSは上場廃止となっています。

このM&Aは、インフラ通信設備のサービスを拡充させ、両社が安定した人材交流を図ることが目的です。

協和エクシオによるシーキューブの買収

2018年5月、情報通信インフラの構築事業を主に手掛ける協和エクシオは、シーキューブを含む3社と株式交換を行いました。簡易株式交換のスキームが用いられています。

これにより、互いの技術や営業力の強みを活用して得意領域を共有し、ビジネスを広げて企業が成長することを見込んでいます。

九電工によるエルゴテックの買収

2018年3月、九州の電力工事関連会社により設立した九電工は、エルゴテックの株式を追加で得て連結子会社化しました。

これにより、互いの経営資源を補って活用しシナジーを高めることを狙っています。

四電工による有元温調の買収

2018年2月、四国電力系で建築設備工事、電力供給設備工事などを行う香川の四電工は、冷暖房設備工事、給排水工事、各種配管工事、冷凍機器工事などを行う兵庫の有元温調の全株式を取得し子会社化しました。

四電工は今後の業務拡張、事業規模拡大に向けて100億円規模のM&A予算を組んでおり、その第一弾となるM&Aです。四電工におけるM&A時点での受注業務は9割が四国地域の売上構成で、それを変革するべく京阪神で長く事業を行う有元温調をグループに加えました

ミライト・テクノロジーズによる西日本電工の買収

2017年8月、情報通信エンジリニアリングを主に手掛けるミライト・テクノロジーズは、西日本電工の株式を取得し買収しました。

これにより、施工体制の強化やビル・エネルギー分野の事業拡大を狙っています。

中電工による早水電機工業の買収

2016年9月、中国電力系の電気設備工事会社である広島の中電工は、総合電気設備工事業で兵庫の早水電機工業の全株式を取得し子会社化しました。中電工は、1945年創業の早水電機工業における確かな技術力と人材を獲得できました。

また、京阪神地区に強みを持つ早水電機工業を買収することで、事業領域拡大の目的も達しています。

関電工による佐藤建設工業の買収

2016年9月、電気設備工事など各種設備工事を行う関電工は、佐藤建設工業の株式を取得して子会社化しました。

これにより、送電線事業への対応や会社機能の強化を狙っています。

中電工による杉山管工設備の買収

2016年8月、総合設備事業を手掛ける中電工は、杉山管工設備の全株式を取得して買収しています。

これにより、対象会社の人材・顧客を獲得し首都圏における電気工事や空調管工事を広げることを狙っています。

スズキ太陽技術による大香電工の買収

2016年2月、スズキ太陽技術は、株式譲渡の手法により大香電工の株式を取得して買収しました。電気工事のノウハウを共有して事業領域を広げる狙いです。

U-NEXTによるアルテリア・ネットワークスのM&A

2016年2月、光インターネット回線や動画配信事業などを行うU-NEXTは、アルテリア・ネットワークスにより集合住宅向けの固定ブロードバンド回線事業を譲り受けました。

これにより、サービスの多様化を狙っています。

サンテックによるシステック・エンジニアリングのM&A

2015年1月、システック・エンジニアリングの全保有株式を、サンテックは同社に譲渡しました。自社のみで工事請負体制を築き東京電力との取引にあたることを狙っています。
 

アドテックによるバディネットのM&A

2015年1月、アドテックは、電気通信工事事業などを行うバディネットの株式を取得し、簡易株式交換(完全親会社をアドテック、完全子会社をバディネット)を実施しています。

これにより、新規事業への参入による収益の拡大、基盤を強めることなどを狙っています。

ラックランドによるニイクラ電工の買収

2013年7月、店舗や食品工場などの企画などを行うラックランドは、ニイクラ電工の株式を取得し買収しました。

これによって、電気工事事業を強めることによりサービスがより良くなることを狙っています。

綜合警備保障による綜警電気工事のM&A

2013年6月、綜合警備保障は、綜警電気工事を吸収合併しました。これにより、品質を上げて効率化をより進めることを狙っています。

大日本塗料によるニッポ電機のM&A

2012年9月、塗装工事事業などを行う大日本塗料は、ニッポ電機と株式交換契約を結びました。株式交換のスキームは、簡易株式交換です。

これにより、生産・販売・開発体制を強め、グループにおける照明機器事業の経営効率を上げることを狙っています。

送配電工事関連のM&A事例

次は、送配電工事関連のM&A事例です。

北陸電力による北陸電気工事の買収

2015年3月、北陸電力は、公開買付けの手法により北陸電気工事の株式を取得し買収しました。このM&Aの目的は、電力の小売り全面自由化・送配線電設備の改修工事に対応することです。

北陸電話工事による光道路のM&A

2013年3月、通信設備基盤工事事業などを行う北陸電話工事は、持分法の適用関連会社である光道路の株式を一部譲渡しました。これにより、北陸電話工事の光道路における議決権比率は24.4%から10%に下がっています。

素早い意思決定と管理業務を効率化するために、このM&Aを実施しています。

電気事業・管理関連のM&A事例

次は、電気事業・管理関連のM&A事例を見ていきましょう。

オーテックによるフルノ電気工業の買収

2016年8月、空調制御システムの工事などを手掛けるオーテックは、株式譲渡の手法によりフルノ電気工業を買収しています。

オーのテックは、道北エリアの受注工事を得ること、工事資格を持つ人材を有効活用することを狙っています。

神田通信機による日神電子のM&A

2015年3月、情報通信システム事業などを手掛ける神田通信機は、株式取得により日神電子を買収しています。

関連事業でシナジーを獲得し効率的な経営体制を目指すことを狙っています。

日東工業による日東テクノサービスの買収

2013年4月、電気・情報のインフラ事業を行う日東工業は、完全子会社の日東テクノサービスと吸収合併を実施しています。

これにより、グループにおける経営資源の集中と選択を行う見込みです。

太平工業と日鉄エレックスのM&A

2012年9月、鍛造や素材加工などを行う太平工業は、日鉄エレックスと合併を実施しています。吸収合併を用い、太平工業が存続会社で日鉄エレックスが消滅会社です。

これにより、鉄鋼業界の変化に対応することを狙っています。

太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例

次は、太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例を紹介します。

スズキ太陽技術によるTAKグリーンサービスの買収

2015年11月S、太陽光発電システムなど住宅設備の販売・施工管理を手掛けるスズキ太陽技術は、高島からTAKグリーンサービスの株式を取得し子会社化しました。

これにより、販売におけるノウハウを得ること、首都圏に事業エリアを広げることを狙っています。

関電工による銚子風力開発の買収

2012年10月、総合設備事業を手掛ける関電工は、日本風力開発が保有する銚子風力開発の株式を取得し買収しています。これにより、関電工は銚子風力開発の発行株式90%を保有しました。

本格的に再生可能エネルギーの発電事業へ参入することがこのM&Aの目的です。

海外(クロスボーダー)M&A事例

最後に、海外(クロスボーダー)M&A事例を紹介します。

協和エクシオによるLeng Aik Engineering Pte Ltd グループの買収

2018年10月、情報通信・環境・社会インフラの構築事業などを行う協和エクシオは、シンガポールの企業Leng Aik Engineering Pte Ltdグループの全株式を取得しました。

これにより、アジアでの事業・事業領域・顧客基盤を広げることを狙っています。

きんでんによるANTELEC LIMITEDの買収

2017年11月、きんでんはインドの会社であるAntelec Limitedの発行済株式を取得し買収しています。

きんでんはこの買収により、多くのインド企業や国外の企業が持つ顧客網を得て、海外での事業体制を築くことを狙っています。また、営業網を広げることを見込んでいます。

中電工と日本政策投資銀行によるRYB ENGINEERING PTE. LTD.の買収

2017年10月、中電工は日本政策投資銀行との共同出資により、シンガポールで電気工事業を手掛けるRYB Engineering Pte. Ltd.を連結子会社化しています。

中電工は、人材の育成を目的とした投資を行っており、そのためにRYB社のM&Aを実施しました。RYB社をグループに入れることで、東南アジアでの優秀な人材や優良顧客を得て事業拡大につなげることを狙っています。

アウトソーシングによるアメリカンエンジニアコーポレイションの買収

2017年4月、国内外でアウトソーシング事業を手掛けるアウトソーシングは、米国企業であるアメリカンエンジニアコーポレイションの全発行株式を得て買収しました。

景気の影響を避けるため国内外の米軍基地へ事業を広げることが、このM&Aの目的です。

ミライト・ホールディングスによるLantrovisionの買収

2016年6月、ミライト・ホールディングスは、シンガポールの子会社をとおしてLAN配線設計などを手掛けるLantrovisionを、スキーム・オブ・アレンジメント(シンガポール法における株式の取得手続き)の手法を用いて買収しました。

これにより、海外に拠点を置いて顧客基盤を広げることを狙っています。

電気工事会社のM&A最新動向と予測

電気工事会社のM&A最新動向と予測

M&Aには、後継者不足問題の解決や経営基盤の強化などさまざまなメリットが広く浸透しつつあります。そのため近年では、それぞれの業界でM&Aが活発化してきました。これは、電気工事会社の場合も例外ではありません。

現在、多くの電気工事会社では、慢性的な人手不足が深刻化しています。他業種同様に後継者問題もあります。好調が伝えられる業界でも、各電気工事会社では、経営上の課題は尽きません。

このような動向の中、それぞれの電気工事会社が抱える問題を解決するために、M&Aは効果的な手法です。電気工事会社のM&Aについて、業界の特徴や動向も踏まえながら見ていきましょう。

電気工事会社・業界の特徴

電気工事会社の特徴を検証するため、業界全体の市場規模とその動向について明らかにしておきましょう。国土交通省が2020年1月31日に発表した「設備工事業に係る受注高調査結果(各工事主要20社)」より、以下に過去5年間の電気工事受注高を掲載します。

2014(平成26)年度 1兆4,620億2,500万円
2015(平成27)年度 1兆5,601億1,200万円
2016(平成28)年度 1兆5,472億8,600万円
2017(平成29)年度 1兆5,513億8,300万円
2018(平成30)年度 1兆6,518億1,000万円

2018年度の電気工事の受注高は、過去5年度の中で最高額です。2014年度からの推移を見ても、大きな落ち込みもなく安定した市場動向といえます。電気工事業界は、主に新築建物の建設、既存建物の改修・補修が大きく影響する業界です。

現状では、新築改築どちらも需要があることに加え、2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設特需状態にあることが好況の要因です。そうなると、オリンピック後の電気工事市場動向が懸念されます。

その点については、新築建物建設が当分は見込まれること、さらに全国的に多くの建物が老朽化し、改修・補修・改築タイミングを迎えていることから、電気工事業の需要は続く見方もあります。

電気工事会社・業界の経営課題

続いて、電気工事会社個々の状況と経営課題を、M&Aとの関係性を含めて見ていきましょう。

人手不足

電気工事業は建設業に含まれますが、建設業全体として人手不足は慢性的な課題です。その原因として、若者離れや離職率の高さなどが挙げられます。また、そのために社員が高齢化する事態となり、なおさら若年層の人材不足が目立ちます。

電気工事業も、近年における需要の高まりとともに人手不足が深刻化しています。今後さらに需要が高まる可能性を考えると、人手不足への早急な対応が必要です。そこで、M&Aによって人材を確保し、人手不足の解消を図る方法が検討されています。

M&Aによる買収を例に考えてみましょう。買収は、優秀な人材確保のメリットがあります。技術者などの優秀な人材が多く在籍する電気工事会社を買収することで、採用活動や従業員教育をすることなく、短期間で効率的に人材を集めることが可能です。

また、売り手側も人材確保のための手法としてM&Aを活用できます。中小規模の電気工事会社では、募集を行っても思ったように応募者が集まらない現状があります。

そこで、M&Aによって有名な大手企業のグループ会社となれば、会社の知名度も上がり、また雇用条件もグループ会社水準で募集できます。そのため、以前より多くの応募者を得て人手不足解消のチャンスが訪れやすくなるでしょう。

建設市場の縮小への対応

今後の電気工事市場規模について、東京オリンピック・パラリンピック後の見方には2つの観測があります。いずれにしても、経営者は楽観的立場に身を置くことはできません。万が一の市場縮小を見据えて、M&Aを実施している電気工事会社も見受けられます。

市場縮小に対応する取り組みとして、新たな収入源の確保があります。M&Aで電気工事業とは別の事業を行う会社を買収することで、新規事業に参入して新しい収入源を効率的に確保できます。今後、このようなM&A事例が増加する可能性もあります。

後継者不足問題への対応

電気工事会社に限ったことではなく日本全国における中小企業の課題として、現在、後継者不足による事業承継問題があります。従来、親族など身内に事業承継してきた中小企業は、少子化の影響などにより後継者がいない事態が起こっています。

身内に後継者がいない場合、社内で後継者を探しますがそれでも決まらない場合は、廃業してしまう中小企業も出ている状況です。この事態を問題視した国と自治体は、M&Aによって第三者に事業承継する方策を広くPRし、支援する活動を行っています。

競争力の強化

電気工事業の需要が増加している現状を受けて、電気工事会社間の競争が激化する可能性もあります。しかし、競争力の強化は容易ではありません。そこで、M&Aによって電気工事会社としての競争力を強化する発想が出てきます。

例えば、電気工事会社同士がM&Aを行えば、事業規模は簡単に拡大します。また、お互いの技術やノウハウをうまく融合できれば、競合他社への圧倒的なアドバンテージを獲得できるでしょう。特に大手の電気工事会社が、このような動きに出るかもしれません。

電気工事会社のM&Aの現状

電気工事会社のM&A動向としては、会社規模に応じた2つの潮流に分かれると分析できます。まず、中小企業の電気工事会社は、第一に後継者問題という会社存続に関わる課題を抱えている会社が多いため、会社の生き残り策としてM&Aを志向します。

一方、中堅規模から大手の電気工事会社の場合は、市場動向を見ながら他社に打ち勝つ競争力を持つことを中心課題とするため、企業価値と規模を増大するためのM&Aがテーマです。そして、この大手電気工事会社の動きは、今後の業界再編につながる可能性があります。

【関連】人手不足が深刻化する業界は?原因や課題・対策も紹介

ここまで述べてきた電気工事会社の現状だけではなく、課題解決に向けたM&Aについても解説した動画を公開しています。動画でよりわかりやすく解説しています。

電気工事会社のM&Aの予測【2021年】

電気工事会社のM&Aにおける2021年以降の予測について見ていきましょう。

事業計画を見据えたM&Aの増加

まずは、事業計画を見据えたM&Aの増加です。国土交通省による「平成31年3月分設備工事業に係る受注高調査」では、電気工事の受注高が前年同月と比較して20.4%増えています。民間部門では、前年同月と比較して18.1%増えています。

東京オリンピックへ向けて、電気工事会社への発注が増えたと考えられます。しかし、オリンピック後は、同業者が限られた仕事を取り合うことになるでしょう。

そのため、電気工事会社のM&Aを行う際は、事業計画をきちんと立て、売却や買収などのM&A戦略を立てることが重要です。

内製化を図るM&Aの増加

内製化を狙ったM&Aの増加も予測されます。電気工事業では、2021年以降における需要の減少が見込まれるため、2021年以降の事業継続にはサービスの拡充が見られるといえます。

さまざまなサービスを提供すれば顧客を囲い込めるので、M&Aを活用し会社や事業を買収して不足するサービスを補うと見られます。

人手不足の解消を図るM&Aの増加

経済産業省の「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」によると、しばらくは、第2種・3種の電気主任技術者の不足はないとあります。

しかし、保安業務を行う第3種の電気主任技術者は、2045年に約4,000人の不足が見込まれています。そのため、電気の保安業務を外部へ委託する企業では、人材不足の影響がおよぶと考えられるのです。

第2種の電気主任技術者も、2045年にかけてより規模が大きい再生エネルギー設備が増加するため、第2種電気主任技術者の確保が難しくなるエリアもあるでしょう。

以上のことから電気工事会社は、将来の人材不足に備えM&Aによる人材確保を行うと予測できます。

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継に強い仲介会社

電気工事のM&A・事業承継
電気工事のM&A・事業承継
電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継に強い仲介会社

この章では、電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継に強いM&A仲介会社を紹介します。

①M&A総合研究所

M&A総合研究所は中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱う仲介会社です。本社は東京にあり、全国の案件に対応しています。専門知識や経験の豊富なM&Aアドバイザーが在籍し、案件をフルサポートいたします。

また、M&A総合研究所ではスピーディーな対応を実践しており、最短3カ月での成約実績を有します。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を行っておりますので、電気工事会社のM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②インテグループ

インテグループは、中小規模のM&Aに特化したM&A仲介会社です。そのため、中堅・中小企業のM&Aをサポートした実績が豊富です。また、最適な相手先とのマッチングを行う情報力も備わっています。

インテグループは、後継者不在のため電気工事会社を長年の信頼関係がある上場企業グループへ譲渡した事例などもあります。

③ケンビレッジ

ケンビレッジは、中小企業の事業承継や経営全般に関するコンサルティングなどを行っています。

ケンビレッジの代表者である又吉雄二氏は、建設業を手掛けながらポータルサイトを運営する際、多くの経営者から事業承継などいろいろな悩みを相談された経験があります。その経験から、建設業に特化した全国版M&Aサイト「建設M&A」を立ち上げました。

④事業承継総合センター

第三者承継のサポートをしてくれる事業承継総合センターは、1万社以上の中から買手企業を比べて検討できるM&A仲介会社です。また、着手金なしの成果報酬を採用しています。

事業承継総合センターのホームページには、「電気設備工事業界M&A 業界の課題やM&Aの注意点とポイントを解説!」が掲載されています。

⑤ミツキタアドバイザリー

ミツキタアドバイザリーは、小規模・スモールM&A・小規模事業承継をサポートするM&A仲介会社です。具体的には、主にM&Aの取引対価が数百万円から数億円の中小企業・個人事業に対し、事業承継対策や事業戦略としての友好的M&Aをサポートしてくれます。

ミツキタアドバイザリーのホームページには、「電気工事、通信工事」の動向が掲載されています。

電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準

電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準

M&A仲介会社は多くあるため、「どこにすれば良いのか」と悩む経営者もいるでしょう。ここでは、電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準について解説します。

①対象業界の専門知識・実績がある

電気工事会社におけるM&A仲介会社を選ぶときは、電気事業分野の専門的知識やM&A実績があるかどうか確認しましょう。

電気事業に関する知識があれば、自社の希望や条件などをくみ取ってもらいやすいです。また、電気工事会社のM&A実績があると、適切な譲渡価格の提示などが期待できるのでM&Aの成功率が上がるといえます。

②自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある

M&A仲介会社によって、得意とする案件の規模が異なります。自社の規模とかなり異なる場合は、希望するM&Aとならなかったり、交渉相手が見つからなかったりするなど、M&Aが失敗する可能性もあります。

そのため、電気工事会社のM&Aでは、自社と同規模の案件を取り扱う仲介会社を選択しましょう。ホームページなどをチェックして、実績から得意とする案件の規模を確認してください。

③M&Aに関する幅広い知識・経験がある

M&Aの成功には、マッチングや交渉、契約書の締結、手続きの代行、各種デューデリジェンス、M&A後のPMIなど、さまざまな専門的知識や経験が欠かせません

専門知識が足りなかったり実務経験が乏しかったりすると、希望するM&Aに至らないこともあります。電気工事会社のM&Aを検討する場合は、M&Aに関する幅広い知識や経験があるM&A仲介会社に依頼しましょう。

④わかりやすい料金体系を採用している

M&A仲介会社により、着手金・中間金・相談料が無料かどうか異なります。報酬体系も、成功報酬型や時間制など、M&A仲介会社ごとに比較する必要があります。

しかし、M&A仲介会社にはホームページに明記していなかったり複雑な料金制度を載せていたりするなど、料金体系を把握するまで時間がかかるところもあります。

電気工事会社のM&Aで予期しなかった支払いに困ることがないよう、わかりやすい料金体系を採用している仲介会社を選びましょう。

⑤担当アドバイザーとの相性が良い

M&Aの成功は、M&A仲介会社の担当スタッフが握っているといえるくらい担当アドバイザーとの相性は重要です。

担当者の対応や相性が悪ければ、希望が聞き入れてもらえなかったり、適切な交渉先が紹介されなかったりするなど、M&Aのチャンスを逃すこともあります。

そのため、担当スタッフとの相性が良くないときは、担当者を代えてもらうか他のM&A仲介会社に依頼することをおすすめします。

電気工事会社のM&Aの相場と費用

電気工事会社のM&Aの相場と費用

電気工事会社としてM&Aを検討する場合、気になるのは費用面でしょう。そこでまず話題となるのはM&Aの相場ですが、会社はそれぞれ状況が違うため相場の目安となる金額はM&Aにはありません

具体的な対象候補が決まった段階で、各種経理資料や事業計画などから値踏みするしかない実情です。一方、M&Aの費用は、大部分がM&A業務を委託するM&A仲介会社に支払う手数料です。

M&A仲介会社の手数料は各社異なります。手数料、月極契約料、中間報酬、成功報酬などが発生する会社もあれば、成功報酬のみの会社もあります。どちらの報酬体系でも基本的に業務内容は変わりません。

電気工事会社のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所にはM&Aに関する知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ってきたノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。

また、料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
【関連】M&Aの費用
【関連】M&Aの譲渡価格の相場はいくら?決め方、高値で売却するコツも紹介【事例付き】

電気工事会社のM&A・買収のポイント

電気工事会社のM&A・買収のポイント

電気工事会社において、人手不足を一挙に解消したい場合、事業領域・規模を大きく広げたい場合、業界内で競争が激化した時にライバル会社に勝ちたい場合などが最重要課題であれば、M&Aを今すぐ検討すべき段階です。

M&Aは一般的に半年以上かかる交渉です。成功率も40%前後で、交渉候補が1社見つかっても、破談して別の相手を探す場合もあります。M&Aの目的が重要な課題であれば、実施に向けて急いで行動を起こすべきでしょう。

電気工事会社のM&A・買収のメリット

電気工事会社におけるM&A・買収のメリットは、他の地域へ進出できることが挙げられます。また、新顧客獲得や隣接業務への新規進出もメリットといえるでしょう。

電気工事会社のM&A・売却のポイント

電気工事会社のM&A・売却のポイント

電気工事会社において、身内にも社内にも後継者がいなければ、M&Aによる事業承継を積極的に考えましょう。廃業は面倒な手続きのわりに、得るものがありません。M&Aで事業承継が実現すれば、会社は存続し伝統も残ります。

従業員も職を失わず路頭に迷うことがありません。そして、経営者自身も会社の売却代金(株式の譲渡代金)を得られます。新たな事業を起こす資金や、リタイア後の生活費として役立ちます。

電気工事会社のM&A・売却のメリット

電気工事会社におけるM&A・売却のメリットとして、空調工事など隣接した業界の大手中堅とグループを形成することで、顧客へワンストップのサービスを提供できることが挙げられます。

また、社員の雇用が守られる、円滑な後継者問題の解決、ハッピーリタイアなどのメリットもあります。

電気工事会社のM&A譲渡案件例

電気工事会社のM&A譲渡案件例

電気工事会社のM&A譲渡案件にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

【特殊技術保有】電気工事会社のM&A案件

まずは、関東・甲信越にある特殊技術を保有する電気工事会社の案件です。売上高は5億円〜10億円で、譲渡希望価格は1億円〜2.5億円です。

後継者不足のために譲渡を希望しています。自社が開発した山間部などの建設現場における有用な技術を保有する点が強みです。

都内電気工事業者のM&A案件

次は、東京都にある電気工事業者の案件です。売上高は2.5億円〜5億円で、譲渡希望価格は1億円〜2.5億円です。

戦略の見直しなどのために譲渡を希望しています。電力系電工から安定した受注があり、資格を所有する職人が多数在籍する点が強みです。

電気工事・電気通信工事業のM&A案件

次は、関東・甲信越にある電気工事・電気通信工事業の案件です。売上高は1億円〜2.5億円、譲渡希望価格は2億円~3億円です。

譲渡を希望する理由は不明です。入れ替わりの多い業界において従業員の平均年齢が40歳で平均勤続年数は8年という高い定着率を持つ点が強みです。

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

電気工事会社にとって最大の関心事は、東京オリンピック後の市場規模が縮小するかどうかです。仮に縮小するとしても、どの程度縮小するのかも重要点でしょう。大手電気工事会社の中には、すでに市場縮小を見越した動きも見え隠れしています。

国内でのシェアの維持あるいは拡大を意図した業界再編的なM&A、海外市場進出を目指した海外の電気工事会社とのM&Aなどです。中小規模の電気工事会社の場合は大手と同じ行動は取れません。しかし、業界動向には注意深くアンテナを張りましょう。

本記事の要点は以下のとおりです。

・電気工事会社の市場規模
 →2018年度、直近5年間で最高受注高1兆6,518億1,000万円を記録

・電気工事会社の現状
 →人手不足、事業承継問題、市場縮小に備えた競争力の蓄積

・電気工事会社のM&Aのポイント
 →人手不足解消、事業規模拡大を目指す場合は買収、後継者難の場合は売却して事業承継を目指す

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