2020年2月9日更新業種別M&A

飲食店のM&Aの金額や相場とは?売却、買収の流れや事例を解説

競争が激しい飲食業界は、M&Aも活発に行われています。飲食店のM&Aでは買収して新規参入するケースや、飲食業界同士のM&A、異業種を含めたM&Aもあります。この記事では飲食店のM&Aのメリットや相場、買収の流れや事例など役立つ情報を紹介していきます。

目次
  1. 飲食店業界の現状・動向
  2. 飲食店買収のメリット
  3. 飲食店の買収におけるM&Aと居抜きの比較
  4. 飲食店買収の注意点
  5. 飲食店のM&A・売却金額の相場とは
  6. 飲食店買収の流れ
  7. 飲食店のM&A事例5選
  8. まとめ
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飲食のM&A・事業承継

飲食店業界の現状・動向

現代において食はますます多様化の様相を見せていますが、飲食店業界に新規参入を考えている方や、自社の飲食店を買収・売却を検討している方にとって業界の現状と動向が気になるところでしょう。

まず、飲食店業界の現状は、激しいシェア争いが続いている状態です。他業界と比較して、飲食店業は少ない資本で事業を始められるため、競争相手が次々と参入してくるのです。

ライバルとの競争に打ち勝つためにも、適切な価格で、消費者のニーズをうまく掴み、質のよいサービスを提供することが求められています。このように、競争能力が問われる厳しい業界ではありますが、飲食店業界の売上は上昇傾向にあります。

また、飲食業界は現状、トレンドに左右されやすい業界とも考えられます。消費者が求める飲食店にはトレンドがあり、その時々によって売上の増加率が著しい飲食店もある一方で、市場規模が減少した飲食店もあります。

飲食店業界のM&A動向は、主に同業種の買収を中心に、以前から活発に行われています。時間とコストを要する自社での事業拡大も、M&Aを活用することによって効率的に行えるメリットがあります。

近年のM&A動向では、他業種・異業種からの参入や、集客効果が見込まれるアクセスの良い店舗立地を目的としたM&Aも増加しています。サービスの向上や、消費者のニーズに合わせて他社を買収するM&Aが、増加傾向にあるといえます。

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飲食店買収のメリット

以前より飲食業界で活発に行われてきたM&Aですが、これはM&Aを利用することによりメリットが得られるからだと考えられます。それでは具体的に、飲食店の買収を通じて得られるメリットを以下に紹介していきます。

  1. 初期費用が低くなる
  2. 集客リスクの心配ない立地の確保
  3. 飲食店のノウハウを獲得

①初期費用が低くなる

一から飲食店を開業すると一般的にコストや時間がかかりますが、M&Aによる飲食店の買収を行った場合は初期費用が低くなるメリットがあります。

M&Aにより店舗が確保できるうえ、設備や備品に関する初期費用も抑えられます。さらに従業員も引き継げるので、新規採用にともなう費用を削減できる点も長所です。

②集客リスクの心配ない立地の確保

飲食業界においてアクセスの利便性は、売上を左右する重要なポイントです。飲食店を開業する誰しもが、集客リスクの心配がない立地で事業を始めることを望んでいることでしょう。

しかし、良い立地には飲食店がすでに建っていることも多く、なかなか希望に見合う立地を見つけることは困難を極めます。そこで、事業承継を望む店舗とM&Aを利用することで、希望に沿った立地の確保も可能になってきます。

③飲食店のノウハウを獲得

新規参入や異業種からの参入でも、M&Aによって飲食店を買収できれば、築き上げたノウハウを獲得できるため、スピーディーに開業することが可能です。

また、飲食店を経営する会社同士のM&Aであれば、双方のノウハウを活かした事業ができます。M&Aは目に見えるものの獲得だけではなく、技能や知識という目に見えない財産の獲得にもつながります。

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飲食店の買収におけるM&Aと居抜きの比較

飲食店は居抜きによる売却が多い傾向が見られましたが、最近ではM&Aを活用するケースも増えています。居抜きの場合は、設備や内装をそのままにして売却するので、設備費や改装費などの節約といったメリットがあります。

もちろん、必要な資金さえ用意すれば、運営しながら内装などを自分好みに柔軟に変えることもできます。 一方で、M&Aによる買収では、従業員やお店のコンセプトなどをそのまま引き継ぐため、自分の理想の飲食店を作りづらい場合があります。

M&A後に無理やりコンセプトを変えれば、従業員や顧客を失うおそれもあります。 ただ、M&Aによる買収を行えば、サービスやノウハウ、顧客、従業員をそのまま確保できるため、売上はある程度約束されます。

居抜きの場合も以前からの顧客は取り込みやすいですが、飲食店をそのままの形で運営するM&Aの方が売上は安定しやすいでしょう。

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飲食店買収の注意点

飲食のM&A・事業承継
飲食のM&A・事業承継

飲食業界で盛んに行われているM&Aですが、飲食店の買収を考えるうえで注意しなければいけないことがあります。飲食店の買収をする際の注意点は下記のとおりです。

  1. ビジネスモデルの整理
  2. スピーディーな判断
  3. デューデリジェンスを行う

①ビジネスモデルの整理

飲食店を買収する目的や条件がはっきりしていれば、具体的なM&Aのプランを立てられます。また、あらかじめビジネスモデルを整理しておくことで、M&A後の事業展開をふまえて適切な相手を探すことができます。

②スピーディーな判断

M&Aを進める際にはスピーディーな判断が必要です。スピーディーに判断すれば、迷っている間に他社に買収されてしまう事態を防げます。最終的な判断を急ぐ必要はありませんが、早めにアプローチして独占交渉できる状態にする必要があり、そのためにスピーディーで冷静な判断力を要します。

③デューデリジェンスを行う

相手企業に法的な問題点がないか、債務状況はどうなっているかなど、あらかじめ問題点を洗い出しておく必要があります。 この調査・検証をデューデリジェンスといいます。 

買収によってリスクを負わないためにも、必ずデューデリジェンスを行ってもらうようにしましょう。M&A仲介会社などの専門家に依頼すると、専門的なサポートやアドバイスも受けることができます。

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飲食店のM&A・売却金額の相場とは

近年、さまざまな業界・業種でM&Aの活発化が見られますが、飲食店も例外ではありません。M&Aによるシナジー効果やさまざまなメリットを目的に、飲食店のM&Aを検討する企業・経営者も増加傾向です。

例えば、飲食店を経営する会社同士のM&Aにより、双方のノウハウを活用し、事業エリアの拡大や事業の強化を図る事例があります。また、M&Aによって専門的なノウハウを取得し、開業コストを抑えて新規参入するケースもあります。

特に新規参入の場合、一から飲食店を開業するよりコストがかからず、比較的短期間で事業を開始できるメリットがあります。さて、こうした特徴のある飲食店のM&Aですが、実際にM&Aを検討する場合、その相場や仕組みを知っておく必要があります。

まずは飲食店のM&A相場について、以下のポイントを確認しておくとよいでしょう。

  1. 飲食店のM&A相場目安
  2. M&A相場は変動する
  3. 似ている事例の分析

①飲食店のM&A相場目安

一から飲食店を開業するより安く事業を開始できることもあり、飲食業界では以前からM&Aは注目されています。 規模にもよりますが飲食店M&Aの場合、相場は100万~250万円程度ともいわれています。

初めて飲食店を開業する場合に500万~600万円程度の資金が必要といわれていることと比べると、M&Aによる新規参入のほうが金額面でメリットがあります。 ただし、飲食店を経営する会社同士のM&Aなどの場合、それだけ金額規模は大きくなります。

このような会社はすでに何店舗も運営している場合が多く、もともとの事業規模が大きいため、必然的にM&Aの金額も大きくなります。こうしたケースでは数億円規模のM&Aや、場合によっては数十億円または数百億円規模のM&Aになるケースも見られます。

②M&A相場は変動する

飲食店のM&Aの場合、相場が変動する点にも注意しなければなりません。十分な面積が確保されていたり、一等地に飲食店を構えていたり、店舗の立地や敷地面積によって相場が高く変動することがあります。

飲食店のM&Aを検討している場合、目安の相場を確認することも大切ですが、相場の変動を見越した店内の広さや店舗を構える場所も考慮しておく必要があります。

③似ている事例の分析

これまでの点をふまえると、M&Aの金額は案件ごとに大きく変わることがわかります。そのため、一概に相場を把握することは難しい部分もあります。 

ただし、相場や費用を全く考えずにM&Aを行うわけにはいきません。 事前に相場を分析しておかないと、想定外の費用が発生したなどの事態になりかねないからです。

相場を考える場合、似た事例は徹底的に分析しておきましょう。具体的には、そのM&Aの目的、M&Aの当事者となる会社の規模、対象事業の規模、会社の業績、従業員の数、M&Aのスキームなどを事例ごとにチェックし、自社と似ている事例は特に分析しておくことが大切です。

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飲食店買収の流れ

飲食店のM&Aに限った話ではありませんが、M&Aの実行にあたっては事前の準備・計画が必要です。なぜ飲食店のM&Aを行いたいのか、買収したい飲食店に対する希望条件は何か、目的に合ったM&Aのスキームは何かなど、事前にポイントを整理する必要があります。

また、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家とも相談しつつ、M&A戦略を策定することが大切です。これらの点もふまえ、具体的に飲食店のM&Aの流れを紹介していきます。

①売り手を探す

M&Aはさまざまな場面で専門知識が求められるため、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けることは必須です。 これは売り手を探す場合も例外ではなく、専門家と相談しつつ候補を絞っていく必要があります。

②条件交渉と基本合意書の締結

次に、対象会社が決まったら具体的な交渉に進みます。売り手側と売却価格や従業員の処遇などの条件を話し合い、条件交渉がまとまったら基本合意書を締結します。

③デューデリジェンス

基本合意書の締結後、買い手は売り手の詳細な調査と問題点の検証を行います。法務や財務、税務などの専門的な調査が必要になるので、弁護士や会計士などの専門家が調査・検証をします。このデューデリジェンスで問題点の洗い出しが行われ、リスク回避につなげることができるのです。

④契約

デューデリジェンスが完了し、交渉がまとまったら、最終的な合意によって契約となります。契約締結後、M&A業務における最終的な手続き(クロージング)によって取引が実行されます。

例えば、株式譲渡の場合であれば、株券の引き渡しと対価の支払いがクロージングとなり、これによって実際に経営権が移転します。また、店舗があるため、店舗の資産譲渡や賃貸借などにおける諸手続きも必要です。

以上が飲食店買収までの流れとなりますが、M&Aの経験がなければ「どこへ相談していいかわからない」という方もいると思います。飲食店のM&Aについて少しでも疑問があったり、不安を感じたりするのであればM&A総合研究所へお気軽にご相談ください。

M&A総合研究所には、これまでさまざまな業種においてM&A仲介をサポートしてきた実績豊富なアドバイザーが多数在籍しています。また、相談料は無料で、成功報酬も業界最安値の水準となっていますので、お気軽にお問い合わせください。

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飲食店のM&A事例5選

飲食店業界のM&Aをより深く知るためには事例を把握するとよいでしょう。ここからは飲食店業界のM&Aについてご紹介します。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスによる木屋フーズの子会社化

2019年1月、「クリエイト・レストランツ・ホールディングス」は、うどん・そばの老舗「銀座木屋」などを運営する「木屋フーズ」の全株式を取得し、連結子会社化することを発表しました。株式取得は2019年3月1日を予定しています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは東京都品川区に本社を構え、カジュアルなフードコートやディナータイプのレストランなど、立地特性や顧客属性に合わせた幅広い業態の店舗の企画・直営展開を行っています。

また、木屋フーズが運営する銀座木屋は、40年以上の歴史を誇る老舗ブランドです。都内でも観光客などの集客も見込める銀座や、羽田空港をはじめとする場所で7店舗を運営しています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは木屋フーズを子会社化することで、銀座木屋の獲得によるブランドラインナップの強化、銀座木屋ブランドの成長が期待されています。

さらには銀座や羽田空港などの都内好立地店舗による安定的な収益などを目指します。グループ初出店でもある羽田空港では訪日外国人の取り込みも見込まれ、事業エリアの拡大・強化が期待されます。

ホットランドによるアイテムの子会社化

2018年10月、「築地銀だこ」を運営する「ホットランド」は、お好み焼飲食店「ごっつい」を運営するアイテムを子会社化しました。取得価額は4億7,700万円となっています。

ホットランドは「和のファーストフード」の展開を掲げ、築地銀だこの運営をはじめ、世界に日本の食文化を発信しています。また、アイテムはお好み焼飲食店ごっついを首都圏に14店舗展開しています。

ホットランドがアイテムを子会社化したことで、築地銀だこブランドで培われたノウハウや経営資源が融合し、事業拡大につなげています。

サトレストランシステムズがすし半を梅の花に売却

2017年2月、和食レストラン「和食さと」などを運営する「サトレストランシステムズ」は、寿司主体の和食店「すし半」の事業を、和食レストランなどを運営する「梅の花」に売却することを発表しました。

同年4月梅の花は、すし半を約25億円で買収しています。梅の花は、ゆば・豆腐料理の和食レストラン梅の花などを全国に展開するレストランチェーンです。

サトレストランシステムズは和食さと、「天丼・天ぷら本舗さん天」などの運営を展開しています。また、このサトレストランシステムズの根幹事業にはすし半(1958年開業)も含まれていました。

しかし近年、グループ内での成長が困難とされ、梅の花にすし半事業を売却する形となりました。すし半が持つ鮮魚系の調理・加工技術と、懐石料理などに強みのある梅の花のノウハウが合わさり、双方の事業強化・拡大につながっています。

ゼンショーホールディングスによるAFCの子会社化

2018年10月、「すき屋」などを展開する外食最大手の「ゼンショーホールディングス」は、アメリカを中心に店舗を展開する持ち帰りすしチェーンの「アドバンスド・フレッシュ・コンセプツ」(以下、AFC)の子会社化を発表しました。

買収金額は約288億円とされ、同年11月にAFCの子会社化が行われています。ゼンショーホールディングスは牛丼チェーンすき家のほか、和風ファストフードチェーン「なか卯」、ファミリーレストラン「ココス」などの運営でも知られています。

また、AFCはアメリカで約3,700店舗を展開する持ち帰りすしチェーンで、カナダとオーストラリアを合わせると4,000店を超える店舗を主にフランチャイズチェーンで展開しています。

このAFCの子会社化により、ゼンショーホールディングスは4,000店舗を超えるネットワークをグループ内に取り込みます。 アメリカやカナダに強みがあるAFCを傘下とすることで、グループの海外事業の強化も期待されています。

小僧寿しによるデリズの子会社化

こちらは、異業種も含めたM&A事例となります。2018年4月、持ち帰りすし店「小僧寿し」などを展開する小僧寿しは、宅配代行サービスを手がける「デリズ」の完全子会社化を発表しました。

小僧寿しは、持ち帰りすし店の小僧寿しおよび「茶月」を中心として、全国で261店舗を展開しています。近年は消費者のニーズなどをふまえて宅配事業の推進にも力を入れており、デリズの子会社化もこうした取り組みの一環として行われました。

また、デリズは「ニッポンに、出前革命を起こす」というスローガンと「専門店のうまい!をご家庭で!」というコンセプトのもと、宅配代行サービスを行っています。

このデリズを子会社したことで、小僧寿しはデリズが持つバーチャルレストランにおける宅配事業のノウハウを共有し、相互のデリバリー事業の拡大などを目指します。

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まとめ

飲食店のM&Aでは、飲食店を買収して新規参入するケースや、飲食店を経営する会社同士のM&A、海外企業とのM&A、異業種を含めたM&Aなど、その事例はさまざまです。特に飲食店を経営する会社同士がM&Aを行うことは事業の拡大につながります。

飲食店のM&A事例は多様化しているので、M&Aにかかる費用も事例によって大きく異なります。ただ、飲食店の事業を開始する場合の相場は、一から事業を始めるよりもM&Aによって事業を開始したほうが比較的安くなります。

飲食店のM&Aを考える際には、こうした飲食店のM&A動向をふまえ、自社と似た事例は徹底的に分析し、相場を把握しつつ検討することが大切です。

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