M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年6月27日更新業種別M&A
EC M&Aの動向と成功の秘訣|メリット・手法・事例を専門家が徹底解説
競争が激化するEC業界では、事業成長や後継者問題の解決策としてEC M&Aが活発化しています。本記事では、EC M&Aの最新動向や手法、成功のポイントを事例とともに分かりやすく解説します。
目次
EC事業の市場規模・動向
EC業界とは、一般的にインターネット上でサービスやモノを売買することです。インターネット通販やネットショップなど、代表的なECサイトにはAmazonやZOZO、楽天などが挙げられるでしょう。
EC業界は、実店舗も必要とせず、また店舗の立地に左右されなく事業を行えます。そのため、国内だけでなく海外の消費者をターゲットにできます。これはECの発展によるところが大きく、将来ますますEC業界は発展することでしょう。
EC業界の市場規模

経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
出典:https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html
EC業界の動向
経済産業省が2024年9月に公表した「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によると、2023年の日本国内におけるBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は24.8兆円(前年比9.23%増)、BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は465.2兆円(前年比10.7%増)と、いずれも成長を続けています。
スマートフォンの普及や各種アプリの充実により、消費者は時間や場所を選ばず手軽に買い物を楽しめるようになり、市場拡大を後押ししています。BtoC-ECにおけるEC化率も9.38%と着実に上昇しており、商取引のデジタル化が今後も進展していくことが見込まれます。
また、ECサイトの運営企業やメーカーがオウンドメディアやSNSで情報発信を行うコンテンツマーケティングも重要性を増しています。このように市場が変化し続ける中で、多くの企業が成長戦略の一環として事業承継やM&Aを積極的に検討しています。
EC事業の事業承継で用いられる3つの手法
事業承継をするにあたって一番重要なことは、承継先を選択することでしょう。経営者の方が「まだ事業承継は先だから大丈夫」と今は思っていたとしてもいつかは誰かに承継しなければなりません。手遅れになる前に、事業承継先の候補を確認し、準備を始めておきましょう。
EC業界で事業承継をする方法は主に3つです。
親族への事業承継
子供や親族などの後継者がいたとしても、親族内承継のハードルは高いのが現状です。EC業界はまだまだこれからも伸びる業界です。
中小企業庁の「中小企業白書(2019)」によると、後継者候補が事業を継いでもよいという理由は、「事業がなくなると困る従業員・取引先がいるから」に次いで、「事業に将来性があるから」というのが大きく占めています。
そのため、将来のあるEC業界の後継者を望む親族のいる可能性は高いでしょう。後継者になる資質を見極めるためにも、継ぐためにはどのような能力を身につけておく必要があるのかを知ることで、事業承継に前向きになるでしょう。
親族内承継であれば、社内社外の取引先からも受け入れられやすいでしょう。後継者教育には、5〜10年かかると言われておりますので、早めに後継者を決め業務の引き継ぎに取り掛かることが大切です。
役員などの従業員へ事業承継
従業員へ事業承継する方法もあります。役員などの従業員であれば、経営者とともに会社を支えてきているので、親族や社内、社外の取引先からも受け入れられやすいでしょう。
従業員であれば経営方針も熟知しており、事業承継後も大きく経営の方向性が変わることもなく安定した経営を望めるでしょう。しかし従業員に、資金力がない可能性が高い場合も多いです。
そのため事業承継融資などを利用し、後継者の資金力を補う必要も出てきます。また、社外から後継者を見つけて事業承継する方法もあります。外部の場合、一度取締役などに就任させ、後継者教育などで数年仕事をしながら引き継ぎを行い、事業承継をするとスムーズです。
M&Aを利用した事業承継
親族や従業員に適切な後継者が見つからない場合、M&Aによる第三者への事業承継が有効な選択肢となります。
M&Aでは、会社や事業を売却することで創業者利益を確保できるだけでなく、全国の企業から最適な承継先を探せるため、事業の更なる成長も期待できます。近年、後継者不在問題を解決する手段として、M&Aを選択する経営者が増加しています。
EC事業でM&Aが活用される主な目的
EC事業の事業承継・M&Aは、どのような目的で行われているのでしょうか。それぞれの企業の経営状態や将来を見据えた事業承継・M&Aが実施されています。
事業の存続
経営者の引退に際して後継者がいる場合、シンプルに「事業の存続」のために事業承継は行われます。一般的な事業承継であると、前述の通り経営者の子供や親族に経営者の地位を渡すことになります。
経営の再建
経営不振に陥ったEC事業が経営の再建を図るために事業承継を行うケースがあります。これは一般的なM&Aと同じようなケースと考えてもいいでしょう。M&Aは経営の再建を図るうえで有効的な手段の一つです。
もし大きな規模を持つ大手の会社に買収されることができれば、その資本の傘下に入ることができるため、経営基盤の強化ができます。
また大手の会社のシステムやネットワーク、販路、ブランドを活用すれば、業績もアップします。経営の再建のために事業承継M&Aを行うケースは増加していますが、買い手となる会社も積極的に経営不振の会社を買収しているという側面もあります。
経営不振の会社は事業承継に応じやすく、またある程度赤字が出ているなら節税効果も見込めます。そのため経営不振の会社を積極的に買収し、独自のノウハウで経営を立て直すことでさらなる収益の増加を図る会社も少なくありません。
さらなる事業展開
事業が順調でも、さらなる成長を目指してM&Aを選択するケースも増えています。特に中小のEC事業者は、独自のノウハウや高い技術力があっても、資金力や人材不足から新規事業や海外展開などの大きな飛躍が難しい場合があります。
大手企業の傘下に入ることで、豊富な資金やブランド力、販路を活用し、自社だけでは実現できなかった事業展開をスピーディに進めることが可能になります。これは会社の独立性と引き換えに、事業と従業員の未来の可能性を広げる成長戦略型のM&Aと言えるでしょう。
EC M&Aを検討する際の主な課題
EC事業の事業承継・M&Aに見られる課題について紹介します。
新たな経営者との相性
事業承継を行う際、新たな経営者との相性は非常に重要になります。社内外の人材から後継者を選んだとしても、M&Aで第三者に経営を委託したとしても、新たな経営者が会社の方針を理解しているかを、確認しておく必要があります。
もし新たな経営者が独自路線で経営を始めた場合、引退した経営者の方向性や理念と食い違っていくことでしょう。どのような業界・業種の会社の事業承継でも、これは懸念すべき課題といえます。
このような事態には、後継者や経営を委託する第三者と綿密に協議し、会社を任せるにあたいする人物かどうかを慎重に吟味するようにしましょう。とりわけ事業承継M&Aの場合は注意が必要です。
EC事業や通販業界は物理的な拠点に依存しないことから、近年は異業種が積極的に業界へ参入するようになっています。そのため、事業承継M&Aの買い手が異業種の会社になる可能性も十分にあり得ます。
この際、異業種とのノウハウの共有が重要になるため、当事者同士で綿密に協議を行うようにしておきましょう。
ECサイト売買には注意
EC事業のM&Aは、法人格ごと譲渡する株式譲渡だけでなく、ECサイトや関連資産のみを売買する「サイトM&A(事業譲渡)」という形で行われることもあります。サイトM&Aは比較的簡易な手続きで進められますが、一般的な株式譲渡とは異なる注意点があります。
例えば、取引価格の算定基準が確立されていなかったり、譲渡範囲(ドメイン、顧客情報、SNSアカウントなど)が不明確でトラブルになったりするケースがあります。サイトM&Aを専門としない仲介会社に依頼するとリスクが高まるため、実績豊富な専門家への相談が不可欠です。
EC M&Aを成功に導くための注意点
EC事業の事業承継・M&Aにおける注意点をご紹介します。
独自性のアピール
事業承継M&Aを行う場合、EC事業はその独自性が買い手から注目されることに注意しておきましょう。EC事業業界はAmazonやジャパネットたかたなど、さまざまな競合他社がいる業界です。
競争を勝ち抜くうえではEC事業の事業形態やサイト、サービスなどの独自性が重要になります。もし事業承継M&Aを行うのであれば、自社の独自性や強みが何なのかをしっかり踏まえ、適切にアピールできるようにしましょう。
UI・UXや取り扱い商品のアピール
ECサイトを成功させるためには、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザー体験)の品質が重要です。
UIはデザインやレイアウト、UXはユーザーがサイトを通じて得る体験を指します。使いやすく、商品の魅力が伝わるサイト設計が重要で、購入ページが分かりにくいサイトは離脱率を高め、再訪問率を下げられる傾向にあります。そのため、UI/UXを向上させることでサイトの評価を高める必要があります。
また、取り扱う商品の需要が将来も見込めることが重要です。EC市場は競争が激しく、差別化が不可欠です。他サイトと同じ商品構成では競争に勝てないため、特定のカテゴリーや顧客層に特化した商品構成を検討することが効果的です。顧客満足度を重視した商品選定や戦略が、ECサイトの成功に繋がります。
会社名・サイト名が変わる
事業承継M&Aを行う場合、会社名・サイト名が変わる可能性を考慮しておきましょう。事業承継M&Aが完了し、経営者が変わると、会社名はもちろん運営しているECサイトの名称が変わる可能性は十分にあります。
もし会社名やECサイトの名前が変わることになれば、ブランドイメージが変わってしまうものです。また、前任の経営者からしても、愛着がある会社名やECサイトの名前が変わることに抵抗感を抱くこともあるでしょう。
ただ、名前が変わることはM&Aにおいては珍しいことではありません。これも買い手との協議次第になるので、どうしても避けたい場合は事前に話し合うことが大切です。
ポイント引当金の扱い
これはどちらかというと事業承継M&Aの買い手の注意点ですが、M&Aを行った後のポイント引当金の扱いには注意が必要です。ポイント引当金とはポイントの会計処理項目のことをいいます。
EC事業の多くは顧客向けにポイント制度を行っていますが、この際に発生するポイント引当金は負債として処理されるものです。しかしEC事業の業態について理解していないと、ポイント引当金を適切に会計処理がされていない場合があります。
知らない間に偶発債務を発生させてしまうことになるので注意しておきましょう。
EC M&Aにおける企業価値評価(バリュエーション)の方法
EC M&Aにおいて、売却価格は最も重要な要素の一つです。自社の事業がいくらで売れるのか、その価値を正しく把握するために、代表的な企業価値評価(バリュエーション)の方法を理解しておきましょう。
サイトM&Aで主に使われる「年買法」
年買法は、特に中小規模のECサイトやサイトM&Aで頻繁に用いられる簡易的な評価方法です。以下の計算式で算出されます。
- 企業価値 = 営業利益 × N年 + 純資産
「N年」は事業の安定性や将来性によって変動し、一般的には2〜5年程度が目安とされます。例えば、ニッチな分野で高いシェアを誇り、リピート顧客が多い安定したECサイトはN数が高くなる傾向にあります。
企業の将来性を評価する「DCF法」
DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法は、事業が将来生み出すキャッシュフローを予測し、それを現在価値に割り引いて企業価値を算出する方法です。
将来の事業計画の実現可能性が評価の根拠となるため、成長性が高いEC事業の価値を適切に評価しやすいメリットがあります。ただし、将来予測の客観性が求められるため、専門的な知識が必要な評価方法です。
企業価値(バリュエーション)を高めるためのポイント
売却価格を最大化するためには、日頃から企業価値を高める取り組みが重要です。具体的には、以下のような点が評価に影響します。
- 安定した収益基盤:特定の商品や広告に依存せず、収益源が分散されている。
- 効率的な運営体制:業務がマニュアル化されており、オーナー不在でも事業が回る仕組みがある。
- SEOの強さ:特定のキーワードで上位表示されるなど、安定した集客力がある。
- 顧客リストの質と量:優良なリピート顧客や多くの会員情報を保有している。
EC事業の事業承継・M&A案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っているEC事業の事業承継・M&A案件例をご紹介します。
【首都圏/EC売上70%以上】アパレル事業
数十年の歴史があるアパレルの小売販売業です。安定したEC販売での利益が確保ができており、仕入れ先とも良好な取引関係にあります。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【増収総益/首都圏】中古着物用品EC販売(店舗あり)
コロナ前に始めたECショップにより売上が拡大し、3期以上増収増しています。【実店舗】売上の約2割。駅近で立地が良く、国内客9割・インバウンド客1割です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 売上高 |
譲渡希望額 | 1億2,500万円以上(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【関東圏/レディース服のEC販売/SNS利用に強み】
LINEを活用した接客や、YouTubeを活用した配信により、遠方在住の新規顧客も獲得しています。YouTubeの登録者数は6.05万人(2024年3月末時点)です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 事業拡大、ノウハウ獲得の為 |
【都内/大手取引先あり】EC・店舗にてアパレル販売(事業譲渡可能)
インフルエンサーや著名人をディレクターに加えて、自社アパレルブランドを展開しています。20代~40代の女性をターゲットにし、EC販売をメインに店舗での販売も行っています。
エリア | 東京都 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 成長戦略のため |
【近畿・東海地方】釣具・アウトドア用品小売・EC販売業
店舗内にボートピット完備し、ボート、エレキ、エンジンの修理とメンテナンス(周辺競合なし)を手掛けています。進行期(6ヶ月経過)で売上5,000万円、営業利益400万円で推移しています。
エリア | 近畿 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【増収総益/首都圏】中古着物用品EC販売(店舗あり)
着物中心とした和服販売(EC・店舗)の案件です。コロナ前に始めたECショップにより売上が拡大し、3期以上増収増であり、月平均訪問者数65,000人です。
エリア | 首都圏 |
売上高 | 5,000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 1億2,500万円以上(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【首都圏/3期平均EBITDA3億円越え】EC・物販業
仕入・販路共に稀有なビジネスモデルです。ノウハウが長けており、毎期高収益を上げ続けています。
エリア | 首都圏 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 15億円〜20億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
EC事業の事業承継・M&A事例
EC事業の事業承継・M&Aの事例には、どのようなものがあるでしょうか?
ここでは代表的な事例を紹介します。
プライムダイレクトによるフローラ・ハウスのWEBショッピング事業のM&A
2024年10月7日、IKホールディングスの連結子会社であるプライムダイレクト(名古屋市)は、フローラ・ハウス(渋谷区)のWEBショッピング事業を譲り受けることを発表しました。
プライムダイレクトはTV・WEBショッピング事業を展開し、フローラ・ハウスは輸入卸とWEBショッピングを手掛ける企業です。
今回の譲受は、IKホールディングスが推進する中期経営計画「IK Way to 2027」の一環であり、EC事業の拡大を通じて収益基盤の強化を図る狙いがあります。
特に、フローラ・ハウスの運営ノウハウや商品力を活用し、EC事業の成長と収益力向上を目指すとしています。また、他の販路との相乗効果も期待されています。
千趣会による読売テレビ放送へのセンテンス全保有株式のM&A
2024年8月30日、千趣会は、関連会社であるセンテンス(大阪市中央区)の全株式を讀賣テレビ放送株式会社(同市)に譲渡しました。この譲渡により、センテンスは千趣会の持分法適用対象から外れます。
センテンスは放送やインターネットを活用した通信販売事業を展開しており、読売テレビは放送番組の企画・制作を行っています。
本決定は、センテンスが読売テレビの完全子会社となることで意思決定を迅速化し、番組コンテンツと連携した商品提供を強化するためです。この結果、読売テレビグループとの相乗効果の最大化が期待されています。
want.jpによるBASEへの事業承継
2024年8月、BASはwant.jpの株式を取得し、子会社化しました。
BASEは、Webサービス企画・開発・運営を展開しています。対象会社のwant.jpは、越境EC事業を運営をしている企業です。
今回のM&Aにより、越境EC機能を強化することで、ショップオーナーの販路拡大を目指します。
アクセスブライトによる売れるネット広告社への事業承継
2024年5月、売れるネット広告社はアクセスブライトの「中国越境EC」に関する事業を譲受しました。
売れるネット広告社は、健康食品・化粧品など、D2C(ネット通販)事業者を対象としたクラウドサービスやマーケティング支援を展開しています。対象会社のアクセスブライトは、WEB特化型広告代理/運用代行を行っており、中国市場をターゲットとした「中国越境EC」を行っていました。
今回のM&Aにより、海外販路の開拓とモール事業のノウハウ拡充を目指します。
フェリシモ によるcd.の吸収合併
株式会社フェリシモは、2024年1月25日に開催された取締役会で、2024年3月1日に連結子会社である株式会社cd.(東京都渋谷区)を吸収合併することを決定しました。この合併により、フェリシモは存続会社となり、cd.は解散します。
フェリシモはダイレクトマーケティング事業を、cd.はファッションや雑貨の通信販売事業を手がけています。この合併の目的は、フェリシモグループの組織と事業をより合理的に整理し、グループ全体の経営資源を効率的に活用することにあります。
Waqooによるセルプロジャパンの完全子会社化
株式会社Waqooは、自社を完全親会社とし、セルプロジャパン株式会社を完全子会社とする株式交換を行うことを決定しました。この取引により、セルプロジャパンはWaqooの完全子会社となります。
WaqooはD2C(直接消費者への販売)事業を展開し、化粧品分野で「HADA NATURE(肌ナチュール)」という自社ブランドの企画・開発を行っています。製品は自社のECサイトを通じて販売されています。
一方、セルプロジャパンは、再生医療関連事業、分析・加工受託事業、化粧品・原料事業の3つの分野で事業を行っています。また、SBCメディカルグループと協力し、再生医療領域での血液由来加工サービスを提供しています。
この株式交換により、Waqooはセルプロジャパンの化粧品・原料事業との連携を強化し、同社の技術や専門知識を活用して、より効果的な化粧品の開発を目指します。
EC事業の事業承継・M&A時におすすめの相談先
EC事業の事業承継・M&A時におすすめの相談先をご紹介します。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買プロセス全体をサポートする専門機関です。売り手・買い手双方に対し、適切な取引相手の紹介、交渉の仲介、取引スケジュールの管理、企業価値の評価(バリュエーション)、契約書の作成など、幅広い支援を提供します。彼らの主な役割は、双方のニーズや条件を調整し、スムーズに取引が成立するようサポートすることです。
特に、広範なネットワークを駆使して、最適な取引先を見つけ出す点が強みであり、M&Aの成功率を高めることが期待されています。また、経験の浅い企業にも実務面でアドバイスを行い、取引が円滑に進むようサポートします。
ただし、仲介会社を利用する際には、着手金や中間金といった手数料が発生する場合があり、コスト面での負担が課題となることがあります。コストを抑えたい場合は、成功報酬制の仲介会社を選ぶのが一つの方法です。
地元の金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した部門を設立する動きが活発化しています。特に投資銀行や大手メガバンクは、M&Aを円滑に進めるために、資金調達や戦略策定のサポートを提供しています。
この専門的なサポートを利用することで、企業は複雑な課題にも対応しやすく、アドバイザーの助言により成功率を高められる利点があります。
ただし、大手金融機関は規模の大きい案件を優先する傾向があり、中小企業が十分な支援を受けにくい場合があります。そのため、自社のニーズに合った支援先を選び、アドバイザリー費用についても事前に確認することが重要です。
地元の公的機関
最近では、事業承継やM&Aに関する公的な支援が大幅に強化されています。全国各地に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者不足に悩む中小企業に対し、事業承継やM&Aに関する情報提供や専門的なアドバイスを行うほか、企業同士のマッチング支援を無料で実施しています。
この支援を活用することで、地方の中小企業でも簡単に専門的なサポートを受けることができます。また、個人事業主も支援の対象となっており、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介を受けることも可能です。
ただし、民間のM&A仲介会社と比べると、対応の迅速さや柔軟性には限界がある場合もあります。それでも、公的機関は、事業承継やM&Aを考えている企業にとって、信頼性の高い支援機関となるでしょう。
地元の弁護士・会計士・税理士など
弁護士、公認会計士、税理士は、それぞれM&Aにおける法務、財務、税務のデューデリジェンス(企業調査)を担当し、専門的な助言を提供します。買収側の企業は、譲受対象の企業や事業に財務リスクがないか、適切な買収価格がどの程度かを判断する必要があり、その際の重要な情報がデューデリジェンスの結果です。
さらに、これらの専門家は売却側企業のバリュエーション(企業価値評価)も行い、税務調査では税制優遇制度の適用も確認します。これらの業務は、効率的に進めるために多くの場合、同じ会計事務所グループが一括して提供することが一般的です。
ただし、弁護士や公認会計士、税理士はデューデリジェンスや法務、税務面でのアドバイスは得意ですが、M&Aの実務全般に関して十分な経験がないこともあり、特に相手企業の選定などの支援は範囲外となることが多い点には留意が必要です。
EC事業の事業承継・M&A動向まとめ
EC事業の事業承継は一般的な事業承継だけでなく、M&Aのような手法を行うこともあります。EC事業業界は異業種の参入も盛んであり、今後も成長の余地がある業界です。事業承継を行うのであれば、その業界の動向の行先をしっかり見極めて行うようにしましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。