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2019年6月5日公開
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EC事業の事業承継とは?事例や課題、注意点を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

EC事業の事業承継は一般的な事業承継だけでなく、M&Aのような手法を行うこともあります。 EC事業業界は異業種の参入も盛んであり、今後も成長の余地がある業界です。

目次
  1. EC事業の事業承継とは
  2. EC事業の事業承継のケース
  3. EC事業の事業承継課題
  4. EC事業の事業承継の注意点
  5. EC事業の事業承継はM&A仲介会社に相談
  6. EC事業の事業承継事例
  7. まとめ

EC事業の事業承継とは

事業承継はどんな会社にとってもいずれ経験し得るイベントです。最近はM&Aで事業承継を行うケースも増えており、かつてのように「引退する経営者が後継者に会社を譲る」というやり方以外の選択肢も使えるようになりました。
今回はEC事業の事業承継についてお伝えしていきます。「電子商取引」とも呼ばれるEC事業ですが、その事業承継にはどんな課題や注意点があるのでしょうか?

EC事業の事業承継のケース

EC事業の事業承継にはどのようなケースがあるのでしょうか?
EC事業の事業承継には下記三点のケースがあります。

事業の存続

後継者がいる場合、シンプルに事業の存続のために事業承継は行われます。
一般的な事業承継だと経営者の子供や親族に経営者の地位を渡すことが一般的です。経営者の引退に際し、新たな経営者を迎えるにあたって経営者の子供や親族が後継者になることは従業員や取引先、顧客も納得しやすい選択肢になるでしょう。EC事業に限らず、あらゆる業界・業主の会社もまずはこの事業承継を考えるでしょう。
ただ、最近は経営者の子供や親族だけでなく、従業員や社外の人間を後継者に選ぶ「親族外承継」を行うケースも増えています。

経営の再建

経営不振に陥ったEC事業が経営の再建を図るために事業承継を行うケースがあります。これは一般的なM&Aと同じようなケースだと考えてもいいでしょう。
M&Aは経営の再建を図るうえで有効的な手段の一つです。もし大きな規模を持つ大手の会社に買収されることができれば、その資本の傘下に入ることができるため、経営基盤の強化ができるようになります。また大手の会社のシステムやネットワーク、販路、ブランドを扱うことができるようになれば、競争力も上げることができるでしょう。
経営の再建のために事業承継M&Aを行うケースは増加していますが、買い手となる会社も積極的に経営不振の会社を買収しているという側面もあります。経営不振の会社は事業承継に応じやすく、またある程度赤字が出ているなら節税効果も見込めます。そのため、経営不振の会社を積極的に買収し、独自のノウハウで経営を立て直すことでさらなる収益の増加を図る会社も少なくありません。

さらなる事業展開

さらなる事業展開を実現するために、あえて第三者に事業承継を行うというケースも少なくありません。
中小規模、零細規模の会社だと、たとえ事業が順調だったとしても、ノウハウがあろうと資金面などの問題で事業展開に限界が見えてくることはあります。そのため、経営の再建のための事業承継と同様に大手の会社に買収してもらい、そのノウハウや資金を取り込むことでさらなる事業展開を実現するわけです。M&Aを行うため、会社の独立性こそ失いますが、このケースは前向きな事業承継を行っているといえます。欧米のベンチャー企業ではこのような形でM&Aを行うことは一般的であり、むしろ創業した段階からM&Aでありきで経営戦略を立てている経営者も多くあります。
EC事業は様々な異業種との相性も良く、特定のジャンルのEC事業が急成長するケースは少なくありません。そのため、異業種がEC事業のノウハウを求めて盛んにM&Aに対応してくれることもあり、このケースのM&Aは増加しています。

EC事業の事業承継課題

EC事業の事業承継にはどんな課題があるのでしょうか?

新たな経営者との相性

事業承継を行う際、新たな経営者との相性は非常に重要になります。
車内外の人材から後継者を選んだとしても、M&Aで第三者に経営を委託したとしても、新たな経営者が自分の方針と、自分の会社とマッチしているかどうかはちゃんと確認しておく必要があります。もし新たな経営者が独自の路線で経営を始めた場合、引退した経営者の方向性や理念と食い違うことがあるからです。どんな業界・業種の会社の事業承継でも、これは懸念すべき課題だといえます。
このような事態にならないようにするには、後継者や経営を委託する第三者と綿密と協議し、会社を任せるに足る人物かどうかを慎重に吟味するようにしましょう。とりわけ事業承継M&Aの場合は注意が必要です。
EC事業や通販業界は物理的な拠点に依存しないことから、近年は異業種が積極的に業界へ参入するようになっています。そのため事業承継M&Aの買い手が異業種の会社になる可能性も充分にあり得ます。この際、異業種とのノウハウの共有が重要になるため、当事者同士で綿密に協議を行うようにしておきましょう。

ECサイト売買には注意

事業承継とは趣が異なりますが、EC事業のM&AにはECサイトの売買になるケースもあります。EC事業は店舗に依存しない事業形態であり、会社によってはECサイトの運営だけでEC事業を行っているケースがあるからです。このようなM&Aは俗にいう「サイトM&A」と呼ばれます。
ただ、サイトM&Aは一般的なM&Aとスキームが異なるため、注意が必要です。M&Aと比べてサイトM&Aは歴史が浅く、その定義や取引価格の相場が曖昧になっていることもあり、市場の動向や事例、相場を見極めて行う必要があります。またサイトM&Aをサポートしてくれる専門家も通常のM&Aの専門家と違うため、この点にも注意しておきましょう。

EC事業の事業承継の注意点

EC事業の事業承継にはどんな注意点があるのでしょうか?
EC事業の事業承継は以下三点の注意点があります。

独自性のアピール

事業承継M&Aを行う場合、EC事業はその独自性が買い手から注目されることに注意しておきましょう。
EC事業業界はamazonやジャパネットたかたなど、様々な競合他社がいる業界であり、競争を勝ち抜くうえではEC事業の事業形態やサイト、サービスなどの独自性が重要になります。もし事業承継M&Aを行うのであれば、自社の独自性や強みが何なのかをしっかり踏まえ、適切にアピールできるようにしましょう。

会社名・サイト名が変わる

事業承継M&Aを行う場合、会社名・サイト名が変わる可能性を考慮しておくようにしましょう。
事業承継M&Aが完了し、経営者が変わると、会社名はもちろん運営しているECサイトの名称が変わる可能性は十分にあります。もし会社名やECサイトの名前が変わることになれば、ブランドイメージが変わってしまうものです。また、前任の経営者からしても、愛着がある会社名やECサイトの名前が変わることに抵抗感を抱くこともあるかと思います。
ただ、名前が変わることはM&Aにおいては珍しいことではありません。これも買い手との協議次第になるので、どうしても避けたい場合はちゃんと話し合うようにしましょう。

ポイント引当金の扱い

これはどちらかというと事業承継M&Aの買い手の注意点ですが、M&Aを行った後のポイント引当金の扱いには注意が必要です。
ポイント引当金とはポイントの会計処理項目のことをいいます。EC事業の多くは顧客向けにポイント制度を行っていますが、この際に発生するポイント引当金は負債として処理されるものです。しかし、M&Aでばたばたしていたり、EC事業の業態について理解していないと、ポイント引当金を適切に会計処理できていないことがあります。そうなると偶発債務を発生させてしまうことになるので注意しておきましょう。

EC事業の事業承継はM&A仲介会社に相談

EC事業の事業承継を行う際にはM&A仲介会社に相談するようにしましょう。
「後継者に事業承継する」か、「M&Aで事業承継を行う」かによって、M&A仲介会社からは下記のようなサポートを受けられる可能性があります。

後継者に事業承継する場合

経営者が選んだ後継者に直接事業承継をする際にもM&A仲介会社や経営コンサルティング会社などといった専門家のサポートが得られます。
一般的な事業承継は5年~10年程度の時間を必要とするなど、時間も手間もかなりかかるものです。そのプロセスも後継者の選定から育成、事業や資産などを承継する手続きなど、多種多様なものあり、当然専門的な知識が必要になる場面もあります。何より事業承継は経営者個人で進行できるものではなく、綿密な計画を立てておくことが重要です。その際にも専門家の力を借りることができれば、円滑に事業承継を進められるようになります。EC事業の場合、その事業形態の特徴から店舗や施設のような資産を受け継ぐ手間があまりないケースは多いですが、EC事業を支えるシステムなどの承継は非常に重要になります。
また今後の会社のかじ取りを行ってもらう以上、後継者とのコンセンサスはしっかりとっておくべきです。そのような場面でもM&A仲介会社や経営コンサルティング会社は支援してくれます。むしろ多種多様な会社を見てきた彼らなら、有益なアドバイスを呈示してくれるでしょう。

M&Aで事業承継をする場合

M&Aは多種多様なスキームがあり、会社の内情に合わせて適切な選択をする必要があるものです。しかしどのスキームが適切かを選ぶのは素人では難しいでしょう。また、デューデリジェンスやバリュエーションといった場面は税務・財務・法務などといった専門的な知識を用いらなければなりません。そのため、事業承継M&Aを行うのであれば、M&A仲介会社の協力は不可欠です。
最近は特定の業界・業種に特化したM&A仲介会社も増えており、EC事業のM&Aを得意としている業者もあります。そのようなM&A仲介会社であれば、業界の事情や慣習、動向にも精通しているため、よりニーズにマッチしたサポートを受けることもできます。加えて、さきほどお伝えしたようなサイトM&Aに特化している業者もあるので、サイトM&Aを行う際にはそちらの力を借りればいいでしょう。
EC事業は買い手へのシステムの承継やサイトM&Aのような特殊な形態での事業承継が多いため、ITに強いM&A仲介会社がおすすめです。

EC事業の事業承継事例

EC事業の事業承継の事例にはどんなものがあるでしょうか?

ジャパネットたかたの事業承継

日本のEC事業・通販事業の中でもトップクラスの知名度を誇るジャパネットたかたですが、名物社長でもある高田明は長男の高田旭人に事業承継しました。
創業者である高田明は66歳で事業承継を行いましたが、まだタイミングが早いという声も少なくありませんでした。しかし高田明は会社内の変化を見極め、適切にかじ取りを行える人間に事業承継を行うことにより、結果として会社のさらなる成長につなげることに成功しています。事業承継は経営者が高齢化し、経営を続けることが難しいと考えるタイミングで行うケースが多いですが、このように適切なタイミングの見極めで行うことも有効的です。
また、ジャパネットたかたの事業承継は経営者が長男に経営者の地位を譲るというオーソドックスなものですが、お互いにしっかり協議し、互いの理念や方向性を確認したうえで決定しています。一般的な事業承継だと無条件で経営者が子供に地位を譲ることが多いですが、こちらの場合は安易にそれを選択せず、ちゃんと協議したうえで行っています。例え経営者の親族でも経営者としての適性があるかどうかは不明です。そのため、親族に対してもシビアに後継者を選定することはとても重要なことです。

オールアバウトライフマーケティング×ミューズコー

ECサイトのサンプル百貨店を運営しているオールアバウトライフマーケティングは、2017年に女性向けファッション通販サイトのミューズコーとM&Aを行いました。
ミューズコーは成長著しいファッション分野でのEC事業で実績があり、オールアバウトライフマーケティングはその分野での事業展開を目指していました。そのため、両者は互いのノウハウを活かすことで合意し、M&Aを行ったわけです。
この際、取引価格は約5000万円でしたが、これはいささか小さいイメージがあるかと思います。EC事業は店舗に依存しない事業形態であり、施設や不動産のような資産を承継する必要がありません。そのため、会社の規模によってはある程度コンパクトな取引価格でM&Aを行うこともあり得ます。このようなM&Aは「スモールM&A」と呼ばれており、昨今は中小企業を中心に件数が増えています。
かつてはM&A仲介会社がなかなか対応してくれないことがありましたが、今ではスモールM&Aを専門的に扱うM&A仲介会社もあるため、以前よりサポートを受けやすくなっています。

まとめ

EC事業の事業承継は一般的な事業承継だけでなく、M&Aのような手法を行うこともあります。EC事業業界は異業種の参入も盛んであり、今後も成長の余地がある業界です。
事業承継を行うのであれば、その業界の動向の行先をしっかり見極めて行うようにしましょう。

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