2020年4月15日更新業種別M&A

EC事業の事業承継とは?事例や課題、注意点を解説!

EC事業に参入する企業は年々増加しており、競争も激化しています。一般的な事業承継だけでなく、M&Aによる事業承継の手法も活発になっています。EC事業業界は異業種の参入も盛んであり、今後も成長の余地がある業界です。ここでは、EC事業の事業承継のM&Aの方法などを解説します。

目次
  1. EC事業の事業承継とは
  2. EC事業の事業承継の事例
  3. EC事業の事業承継課題
  4. EC事業の事業承継の注意点
  5. EC事業の事業承継はM&A仲介会社に相談
  6. EC事業の事業承継事例
  7. まとめ
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EC 通販のM&A・事業承継

EC事業の事業承継とは

事業承継はどのような会社にとっても、いずれ経験し得るイベントです。最近はM&Aで事業承継を行うケースも増えており、かつてのように「引退する経営者が後継者に会社を譲る」という方法以外の選択肢も使えるようになりました。

ここでは、EC業界の動向やEC事業の事業承継についてお伝えしていきます。

EC業界とは

EC業界とは、一般的にインターネット上でサービスやモノを売買することです。インターネット通販やネットショップなど、代表的なECサイトにはAmazonやZOZO、楽天などが挙げられるでしょう。

EC業界は、実店舗も必要とせず、また店舗の立地に左右されなく事業を行えます。そのため、国内だけでなく海外の消費者をターゲットにできます。これはECの発展によるところが大きく、将来ますますEC業界は発展することでしょう。

EC業界の動向

EC業界の売上高は年々増加傾向にあります。特に以前までは、インターネットショッピングは、パソコンを使用して行っていました。しかしスマートフォンが普及した昨今は、消費者の動向も変化しスマートフォンからの購入が増加しています。

そのため、いつでも気軽にショッピングができる便利なものとなり、EC業界の発展、市場拡大へとつながっています。またEC・通販関連のアプリも充実してきており、EC事業を行う企業の多くが自社のアプリを開発し、活用しています。

またEC業界では消費者の傾向が変化し、コンテンツマーケティングが重要視されるようになっています。ECサイトの運営企業やメーカーは、自社製品のオウンドメディアをもち、ブログやSNSで宣伝を兼ねた紹介をするなどのマーケティング戦略が取られています。

このようにEC業界の動向が激しく変化する中で、流通・小売大手、中小企業は生き残りをかけて事業承継を積極的に行う必要があります。

EC業界の事業承継をする方法

事業承継をするにあたり一番重要なことは、承継先を選択することでしょう。経営者の方が「まだ事業承継は先だから大丈夫」と今は思っていたとしてもいつかは誰かに承継しなければなりません。手遅れになる前に、事業承継先の候補を確認し、準備を始めておきましょう。

EC業界で事業承継をする方法は主に3つです。

親族への事業承継

子供や親族などの後継者がいたとしても、親族内承継のハードルは高いのが現状です。EC業界はまだまだこれからも伸びる業界です。

中小企業庁の「中小企業白書(2019)」によると、後継者候補が事業を継いでもよいという理由は、「事業がなくなると困る従業員・取引先がいるから」に次いで、「事業に将来性があるから」というのが大きく占めています。

そのため、将来のあるEC業界の後継者を望む親族のいる可能性は高いでしょう。後継者になる資質を見極めるためにも、継ぐためにはどのような能力を身につけておく必要があるのかを知ることで、事業承継に前向きになるでしょう。

親族内承継であれば、社内社外の取引先からも受け入れられやすいでしょう。後継者教育には、5〜10年かかると言われておりますので、早めに後継者を決め業務の引き継ぎに取り掛かることが大切です。

役員などの従業員へ事業承継

従業員へ事業承継する方法もあります。役員などの従業員であれば、経営者とともに会社を支えてきているので、親族や社内、社外の取引先からも受け入れられやすいでしょう。

従業員であれば経営方針も熟知しており、事業承継後も大きく経営の方向性が変わることもなく安定した経営を望めるでしょう。しかし従業員に、資金力がない可能性が高い場合も多いです。

そのため事業承継融資などを利用し、後継者の資金力を補う必要も出てきます。また、社外から後継者を見つけて事業承継する方法もあります。外部の場合、一度取締役などに就任させ、後継者教育などで数年仕事をしながら引き継ぎを行い、事業承継をするとスムーズです。

M&Aを利用した事業承継

もし親族や従業員の中にも、後継者となる資質を持ち合わせている人物がいない場合は、M&Aを活用するのもおすすめです。M&Aは、会社や事業を第三者へ売却することで対価を受け取れます。またM&Aを活用することで幅広い選択肢から後継者を選べるメリットがあります。

近年は、後継者問題に悩む経営者がM&Aを実施するケースが増えています。M&A仲介会社であるM&A総合研究所は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをサポートいたします。

さらに、M&A総合研究所はスピーディーなサポートを実践しており、平均3ヶ月という期間で成約を実現します。

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EC事業の事業承継の事例

EC事業の事業承継では、どのようなケースで行われているのでしょうか。それぞれの企業の経営状態や将来を見据えた事業承継が実施されています。

事業の存続

経営者の引退に際し後継者がいる場合、シンプルに「事業の存続」のために事業承継は行われます。一般的な事業承継であると、前述の通り経営者の子供や親族に経営者の地位を渡すことになります。

経営の再建

経営不振に陥ったEC事業が経営の再建を図るために事業承継を行うケースがあります。これは一般的なM&Aと同じようなケースと考えてもいいでしょう。M&Aは経営の再建を図るうえで有効的な手段の一つです。

もし大きな規模を持つ大手の会社に買収されることができれば、その資本の傘下に入ることができるため、経営基盤の強化ができます。

また大手の会社のシステムやネットワーク、販路、ブランドを活用すれば、業績もアップします。経営の再建のために事業承継M&Aを行うケースは増加していますが、買い手となる会社も積極的に経営不振の会社を買収しているという側面もあります。

経営不振の会社は事業承継に応じやすく、またある程度赤字が出ているなら節税効果も見込めます。そのため経営不振の会社を積極的に買収し、独自のノウハウで経営を立て直すことでさらなる収益の増加を図る会社も少なくありません。

さらなる事業展開

さらなる事業展開を実現するために、あえて第三者に事業承継を行うというケースも少なくありません。中小規模、零細規模の会社であると、たとえ事業が順調であり、高い技術力やノウハウがあっても、資金面が問題となり事業展開に限界が見えてくるケースがあります。

そのため、経営の再建のための事業承継と同様に大手の会社に買収してもらい、そのノウハウや資金を取り込むことでさらなる事業展開を実現するわけです。

M&Aを行うため、会社の独立性こそ失いますが、このケースは前向きな事業承継を行っているといえます。欧米のベンチャー企業ではこのような形でM&Aを行うことは一般的であり、むしろ創業した段階からM&Aでありきで経営戦略を立てている経営者も多くいます。

EC事業はさまざまな異業種との相性も良く、特定のジャンルのEC事業が急成長するケースは少なくありません。そのため、異業種がEC事業のノウハウを求めて盛んにM&Aに対応してくれることもあり、このケースのM&Aは増加しています。

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ネット通販・ECサイトにおけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

EC事業の事業承継課題

EC事業の事業承継の課題について紹介します。

新たな経営者との相性

事業承継を行う際、新たな経営者との相性は非常に重要になります。社内外の人材から後継者を選んだとしても、M&Aで第三者に経営を委託したとしても、新たな経営者が会社の方針を理解しているかを、確認しておく必要があります。

もし新たな経営者が独自路線で経営を始めた場合、引退した経営者の方向性や理念と食い違っていくことでしょう。どのような業界・業種の会社の事業承継でも、これは懸念すべき課題といえます。

このような事態には、後継者や経営を委託する第三者と綿密と協議し、会社を任せるに足る人物かどうかを慎重に吟味するようにしましょう。とりわけ事業承継M&Aの場合は注意が必要です。

EC事業や通販業界は物理的な拠点に依存しないことから、近年は異業種が積極的に業界へ参入するようになっています。そのため、事業承継M&Aの買い手が異業種の会社になる可能性も十分にあり得ます。

この際、異業種とのノウハウの共有が重要になるため、当事者同士で綿密に協議を行うようにしておきましょう。

ECサイト売買には注意

事業承継とは趣が異なりますが、EC事業のM&AにはECサイトの売買になるケースもあります。EC事業は店舗に依存しない事業形態であり、会社によってはECサイトの運営だけでEC事業を行っているケースがあります。

このようなM&Aは俗にいう「サイトM&A」と呼ばれます。ただ、サイトM&Aは一般的なM&Aとスキームが異なるため、注意が必要です。

M&Aと比べてサイトM&Aは歴史が浅く、その定義や取引価格の相場が曖昧になっていることもあり、市場の動向や事例、相場を見極めて行う必要があります。またサイトM&Aをサポートしてくれる専門家も通常のM&Aの専門家と違うため、この点にも注意しておきましょう。

※関連記事
EC・ネット通販の事業譲渡・事業売却の流れやチェック項目を解説!

EC事業の事業承継の注意点

EC 通販のM&A・事業承継
EC 通販のM&A・事業承継

EC事業の事業承継における注意点をご紹介します。

独自性のアピール

事業承継M&Aを行う場合、EC事業はその独自性が買い手から注目されることに注意しておきましょう。EC事業業界はAmazonやジャパネットたかたなど、さまざまな競合他社がいる業界です。

競争を勝ち抜くうえではEC事業の事業形態やサイト、サービスなどの独自性が重要になります。もし事業承継M&Aを行うのであれば、自社の独自性や強みが何なのかをしっかり踏まえ、適切にアピールできるようにしましょう。

会社名・サイト名が変わる

事業承継M&Aを行う場合、会社名・サイト名が変わる可能性を考慮しておきましょう。事業承継M&Aが完了し、経営者が変わると、会社名はもちろん運営しているECサイトの名称が変わる可能性は十分にあります。

もし会社名やECサイトの名前が変わることになれば、ブランドイメージが変わってしまうものです。また、前任の経営者からしても、愛着がある会社名やECサイトの名前が変わることに抵抗感を抱くこともあるでしょう。

ただ、名前が変わることはM&Aにおいては珍しいことではありません。これも買い手との協議次第になるので、どうしても避けたい場合は事前に話し合うことが大切です。

ポイント引当金の扱い

これはどちらかというと事業承継M&Aの買い手の注意点ですが、M&Aを行った後のポイント引当金の扱いには注意が必要です。ポイント引当金とはポイントの会計処理項目のことをいいます。

EC事業の多くは顧客向けにポイント制度を行っていますが、この際に発生するポイント引当金は負債として処理されるものです。しかしEC事業の業態について理解していないと、ポイント引当金を適切に会計処理がされていない場合があります。

知らない間に偶発債務を発生させてしまうことになるので注意しておきましょう。

EC事業の事業承継はM&A仲介会社に相談

EC事業の事業承継を行う際にはM&A仲介会社に相談するようにしましょう。後継者に事業承継するか、M&Aで事業承継を行うかによって、M&A仲介会社からは下記のようなサポートを受けられる可能性があります。

後継者に事業承継する場合

経営者が選んだ後継者に直接事業承継をする際、M&A仲介会社や経営コンサルティング会社などの専門家に相談すればサポートが得られます。

事業承継におけるプロセスには、後継者の選定や育成、事業や資産などを承継する手続きなどがありますので、専門的な知識が必要になる場面もあります。何より事業承継は経営者自身で進行できるものではなく、綿密な計画が必要です。

専門家の力を借りることで、円滑に事業承継を進められるようになります。EC事業の場合、その事業形態の特徴から店舗や施設のような資産を受け継ぐ手間があまりないケースは多いです。

しかし、EC事業を支えるシステムなどの承継は非常に重要になります。また今後の会社のかじ取りを行ってもらう以上、後継者とのコンセンサスはしっかりとっておくべきです。そのような場面でもM&A仲介会社などの力を借り、有益なアドバイスをもらいましょう。

M&Aで事業承継をする場合

M&Aの多くのスキームがあり、会社の内情に合わせて適切な選択をする必要があるものです。しかし、どのスキームが適切かを選ぶのは素人では難しいでしょう。

また、デューデリジェンスやバリュエーションといった場面は税務・財務・法務などといった専門的な知識を用いらなければなりません。そのため、M&Aを活用して事業承継を行うのであれば、M&A仲介会社の協力は不可欠です。

昨今は特定の業界・業種に特化したM&A仲介会社も増えており、EC事業のM&Aを得意としている業者もあります。そのようなM&A仲介会社であれば、業界の事情や慣習、動向にも精通しているため、よりニーズにマッチしたサポートを受けられるでしょう。

加えて、サイトM&Aに特化している業者もあるので、サイトM&Aを行う際にはそちらの力を借りればいいでしょう。EC事業は買い手へのシステムの承継やサイトM&Aのような特殊な形態での事業承継が多いため、ITに強いM&A仲介会社がおすすめです。

M&Aを検討している経営者の方は、その都度M&A仲介会社、アドバイザリーに実務をサポートしてもらうのがベストです。M&A総合研究所は完全成功報酬制となっておりますので、M&Aをご検討される際には気軽にご相談ください。

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※関連記事
M&Aの依頼は誰にすれば良い?仲介会社/銀行/税理士の特徴を解説

EC事業の事業承継事例

EC事業の事業承継の事例には、どのようなものがあるでしょうか?

ジャパネットたかたの事業承継

日本のEC事業・通販事業の中でもトップクラスの知名度を誇るジャパネットたかたですが、名物社長でもある高田明は長男の高田旭人に事業承継しました。創業者である高田明は66歳で事業承継を行いましたが、まだタイミングが早いという声も少なくありませんでした。

しかし高田明は会社内の変化を見極め、適切にかじ取りを行える人間に事業承継を行うことにより、結果として会社のさらなる成長につなげることに成功しています。

事業承継は経営者が高齢化し、経営を続けることが難しいと考えるタイミングで行うケースが多いですが、このように適切なタイミングの見極めで行うことも有効的です。

また、ジャパネットたかたの事業承継は経営者が長男に経営者の地位を譲るというオーソドックスなものですが、お互いにしっかり協議し、互いの理念や方向性を確認したうえで決定しています。

一般的な事業承継であると無条件で経営者が子供に地位を譲ることが多いですが、こちらの場合は安易にそれを選択せず、しっかりと協議したうえで行っています。たとえ経営者の親族でも経営者としての適性があるかどうかは不明です。

そのため、親族に対してもシビアに後継者を選定することはとても重要なことです。

オールアバウトライフマーケティング×ミューズコー

ECサイトのサンプル百貨店を運営しているオールアバウトライフマーケティングは、2017年に女性向けファッション通販サイトのミューズコーとM&Aを行いました。

ミューズコーは成長著しいファッション分野でのEC事業で実績があり、オールアバウトライフマーケティングはその分野での事業展開を目指していました。そのため、両者は互いのノウハウを活かすことで合意し、M&Aを行ったわけです。

この際、取引価格は約5,000万円でしたが、これはいささか小さいイメージがあるでしょう。EC事業は店舗に依存しない事業形態であり、施設や不動産のような資産を承継する必要がありません。

そのため、会社の規模によってはある程度コンパクトな取引価格でM&Aを行うこともあり得ます。このようなM&Aは「スモールM&A」と呼ばれており、昨今は中小企業を中心に件数が増えています。

かつては、M&A仲介会社がなかなか対応してくれないことがありましたが、今ではスモールM&Aを専門的に扱うM&A仲介会社もあるため、以前よりサポートを受けやすくなっています。

※関連記事
【2020年最新】会社売却の仲介会社一覧!手数料やサービス内容を徹底比較

まとめ

EC事業の事業承継は一般的な事業承継だけでなく、M&Aのような手法を行うこともあります。EC事業業界は異業種の参入も盛んであり、今後も成長の余地がある業界です。事業承継を行うのであれば、その業界の動向の行先をしっかり見極めて行うようにしましょう。

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