M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月6日更新業種別M&A
コールセンターM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説
コールセンターのM&Aは、買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため慎重に専門家を活用しましょう。
目次
コールセンターのM&Aとは?
コールセンター業界でも、M&Aの事例がしばしば見られます。M&Aは後継者不足問題の解決、経営基盤の安定化、優秀な人材の確保など、メリットは非常に多いです。
そのため、経営戦略としてM&Aを検討する経営者はたくさんいます。現在では、幅広い業界でM&Aの事例が見られますが、コールセンター業界も例外ではありません。
コールセンターのM&Aについて、コールセンターの特徴や業界の動向を踏まえてご紹介します。まずはコールセンターの特徴と種類について見ていきましょう。
また、以下の記事ではM&Aの概要について詳しく紹介しており、具体的な手続きの流れも解説していますので、M&Aについて気になる人は併せてご確認ください。
コールセンターの特徴と種類
コールセンターとは、顧客への電話対応業務を専門に行う事業所や部門のことです。顧客サポートや苦情対応など、電話によってさまざまなサポートを行います。電話対応のみのことがほとんどで、顧客と直接会うことにはまずなりません。
一般的なコールセンターは、多数の電話回線を設けて、顧客や取引先と連絡業務を行っています。また、コールセンターの業務は電話だけでなく、メールやWeb、FAXによる場合もあります。幅広い方法で、遠隔地にいる顧客のサポートをするのがコールセンターの業務なのです。
コールセンターの種類には、「インバウンドコールセンター」と「アウトバウンドコールセンター」の2種類があります。
インバウンドコールセンターは、かかってくる電話に対応するコールセンターです。
一方で、アウトバウンドコールセンターは、コールセンターから顧客や取引先に電話をかけるコールセンターです。
つまりインバウンドコールセンターは電話に応対する業務を行い、アウトバウンドコールセンターは電話をかける業務を行うことになります。したがって、コールセンターによって具体的な業務内容は異なるのです。
コールセンターのサービス形態でも分類することが可能です。コールセンターのサービス形態とは、それぞれの会社内にコールセンターが設けられている場合と、コールセンター会社に外注する場合があります。
コールセンター業務の需要はまだまだ十分にあるので、M&Aが行われることも珍しくありません。
コールセンターの定義
ここで、コールセンター業の正確な定義を確認しておきましょう。
総務省の「日本標準産業分類」によると、コールセンター業は以下のように定義されています。
「電話等により顧客サポート、苦情対応などの顧客対応の窓口業務を専門的に行う事業所をいう。通信販売などの受注、消費者からの問い合わせ・苦情などを電話等で受け付ける事業所、電話をかけて購買を勧誘する事業所も含まれる。」
また、「コールセンター業:テレマーケティング業」と示されています。
「自社がこのようなコールセンター業を行っていてM&Aをしてみたい」「自社にコールセンター業をM&Aで追加したい」という人のために、ここからはコールセンター業界の動向とM&Aについて見ていきましょう。
コールセンター業界の動向とM&A
コールセンター業界の動向とM&Aについて確認して、自社のM&Aを成功させるために役立ててください。
コールセンター業界は、企業によるコールセンター業務の外注も進む中、今後も拡大すると思われます。一方で、人材不足などの問題も発生しているのが現状です。コールセンター業界自体の需要は高まっているものの、従業員がなかなか定着しないという問題も出てきています。
例えば、インバウンドコールセンターの場合、顧客からの電話に対応することが基本的な業務です。場合によっては、クレーム対応になることもあります。コールセンター業界に勤めている人は、クレーム対応によってストレスを感じてしまい、離職してしまったという事例も珍しくありません。
コールセンターの業界自体は堅調で、今後はさらに拡大することも予想されます。コールセンター業界の拡大に伴い、人材の確保は最も優先すべき事項の一つです。そして、新たな人材の確保だけでなく、離職率を抑えることも課題となっています。
従業員の定着率が高く、人材をしっかり確保できているコールセンターであれば、M&Aで売る場合でも非常に人気になるでしょう。コールセンター業界でM&Aをするときに買い手が見つかりにくいなら、従業員の確保を意識して会社を磨き上げるのが良いです。
クレーム対応などのストレスが離職の原因となる場合は、AI(人工知能)によるやり取りのシステムを設けるなど、直接の会話を避けるという対処法があります。また、先ほども述べたように、コールセンターはメールやWebによる場合も少なくありません。
これらのストレスの少ない方法を増やし、顧客との直接の会話を避けることができれば、オペレーターのストレスも軽減するでしょう。
一方で、新たな人材の確保のためには、積極的な採用活動が必要になります。例えば、大手のコールセンター会社であれば、知名度もあるためある程度の人材確保が期待できるはずです。
しかし、中小のコールセンター会社は大手より知名度が低いため、人材の確保が難しい傾向があります。採用活動を活発化しても、なかなか人材が集まらないというケースも少なくありません。そこで、M&Aの活用によって人材を確保するという動きも見られます。
コールセンターがコールセンターをM&Aで買収することで、手っ取り早く従業員を増やすことが可能です。しかし、根本的なストレスへの対策ができていなければ、その従業員が定着しない可能性も高いので気をつけなければなりません。
また、近年の外国人観光客の増加傾向に伴い、多言語対応サービスの重要性が高まっています。東京オリンピックもふまえると、各種サービスで多言語対応ができるかどうかは重要なポイントです。
コールセンター会社にも様々な言語に対応できるオペレーターが必要ですが、こちらも人材不足がしばしば問題となります。多言語に対応できる人材は貴重となるので、人材確保は非常に難しいです。そうなると、多言語対応サービスの導入がますます求められる中で、会社の競争力は弱まってしまいます。
このようなケースも、M&Aの活用によって解決につなげることができるはずです。例えば、多言語に対応できる人材が少ないコールセンター会社が、多言語に強いコールセンター会社と経営統合できれば、短期間で競争力を上げることができます。
ちなみに、コールセンター業界は、競争激化による単価の下落も見られることに注意しておきましょう。
企業がコールセンター業務を外注する傾向が強くなったこともあり、コールセンター会社の競争は激化しています。価格戦略として値下げは必須ですが、中小のコールセンター会社にとってはなかなか難しい問題です。
競争の激化は、外注先の選別も加速させます。競争力が弱まれば、取引先の確保も難しくなってしまうでしょう。このようなケースでも、M&Aの活用によって対処することができます。例えば、資金力のある大企業に買収されることで、競争力を高めるといった例は珍しいものではないのです。
さらに、企業がコールセンターを子会社としている場合に、そのコールセンターを売却する事例も増加しています。一般的にM&Aでは、事業の集中のために特定の部門を売却する事例がしばしば見られており、コールセンター業界でも行われているのです。
様々な事業を行っている会社がコールセンター部門のみを売却するという事例も一定数存在しており、今後も増加すると思われます。
以上が、コールセンター業界の動向とM&Aについてでした。このように、コールセンター業界でもM&Aが盛んです。
ここからは、コールセンターのM&Aに関してさらに詳しく見ていきましょう。
コールセンターのM&Aの現状と動向
今後の拡大が予想されるコールセンター業界は、とにかく人材不足に対応する必要があります。多言語に対応できる人材も含め、効率的に人材を確保しなくてはなりません。
コールセンター業界においてM&Aは、優秀な人材の確保のためには効果的な方法です。
大手のコールセンター会社は知名度が高いため、中小のコールセンター会社よりは人材を集めやすくなります。新卒採用や中途採用など、あらゆる採用形態で人材の確保を急ぐでしょう。
一方で、知名度が低い中小のコールセンター会社の場合、採用活動を活発化しても人材確保に結びつくとは限りません。中小のコールセンター会社が知名度を上げる方法の一つに、大企業による買収があります。大企業の傘下に入ることで知名度が上がれば、それだけ多くの人材が集まりやすくなるはずです。
一方で、人材確保のためにM&Aを検討するのは中小のコールセンター会社だけではありません。大手のコールセンターでも、M&Aによって人材確保を図る事例が見られます。
したがって、「中小規模のコールセンター会社を経営しているけれど、M&Aで売れるか不安」という場合も、大手のコールセンター会社に買収される可能性はゼロではありません。
コールセンター業界は、今後ますますM&Aでも需要が増加する見込みです。コールセンター業界の拡大に伴い、大手で人材不足が問題になる可能性も十分あります。
効率的な人材確保の重要性は、大手のコールセンター会社にも存在するということです。そのための手法として、M&Aがしばしば検討されます。
また、M&Aによって競争力を高めることもできます。コールセンター業界は、同業他社との競争が激しいです。
近年のコールセンター業界内の競争激化により、将来的に安定して存続することが難しいコールセンター会社も見られます。単価を下げたいと思っても、経営的に難しい場合も多いです。外注先の選別が加速すれば、事業継続が難しくなるおそれもあります。
このようなコールセンター会社も、力のある大企業に買収されることで、競争力を高めることができます。なぜなら、M&Aで大手のコールセンターの傘下に入ることができれば、資金面で余裕が生まれるためです。
それによって、価格をある程度低く設定できるため、価格面での競争力が強化されます。
さらに、M&Aは、後継者不足問題や事業承継問題の解決といったこともメリットです。中小規模のコールセンターでは後継者不足がしばしば問題となっています。これからも会社を存続させたいのに後継者が不在であるという悩みを抱えているコールセンター会社の経営者は珍しくありません。
M&Aで大手企業による買収が実現すれば、安心してコールセンターを任せることができるでしょう。大手企業のため、資金面でも安心できます。
以上、コールセンター業界のM&Aについて詳しく見てきました。
「コールセンター業界でM&Aを行いたい」と、お考えになった人も多いはずです。しかし、コールセンターをM&Aをする際の相場や費用がわからないと取り組みにくいと思います。そこで、コールセンターM&Aの相場や費用について見ていきましょう。
コールセンターのM&Aの相場と費用
ここからは、コールセンターのM&Aの相場と費用について見ていきます。結論から言うと、コールセンターのM&Aの相場や費用は、規模や目的によって大きく異なるので一概には言えません。
コールセンターの需要は増加傾向にあり、売り手市場となっているのでコールセンターサービスを譲渡する側に現在は有利な状況です。
コールセンターのM&Aの相場と費用は、現段階ではサービスを譲渡する側に有利という状況を踏まえ、目安を考えることができます。
一方で、コールセンター業界は現時点で拡大している段階です。業界再編は今後ますます進むと考えられ、売り手市場が続くとは限りません。そのため、今後のM&Aの相場と費用は、売り手市場という状況だけで判断するわけにはいきません。
また、コールセンターのM&Aは人材確保の手段として活用しやすいですが、M&Aの目的は競争力の強化や後継者不足問題の解決なども含まれます。M&Aの目的が多岐に渡れば、相場と費用の判断は難しくなります。
例えば後継者不足を解決するためにコールセンターをM&Aで買収したいと考えている経営者がいるなら、優秀な後継者候補がいるコールセンターは小規模でも高額な価格になる可能性があるのです。
また、コールセンター業界では、今後の業界の拡大に伴い、M&Aの事例が増えることが予想されます。現時点では人材確保という目的が分かりやすい例ですが、それ以外の事例も多いです。
今後は、さまざまな目的をもったコールセンターのM&Aが増えて、事例の幅もますます広がるでしょう。事例が多様化する場合、相場と費用を考えるには、似た事例を徹底的に分析する必要があります。それによって、M&Aに取り組む前にコールセンターのある程度の相場と費用の目安をつけておくことが重要です。
一概に相場と費用を考えることが難しくても、ある程度の目安は考えなくてはなりません。相場と費用の目安を考えずにM&Aを検討することは、効果的とは言えません。似た事例をもとに、細かく分析することが大切です。
また、以下の記事では会社売却時における手数料や費用の相場について解説しています。
以上、コールセンター業界でM&Aをする際の相場や費用についてでした。具体的な金額については、専門家に相談して査定してもらうのが良いでしょう。
それではここからは、コールセンターを買収したい人、売却したい人のためにそれぞれ知っておくべきことを見ていきます。
コールセンターの買収とは?買う・買いたい場合
コールセンター業界は現時点で売り手市場となるため、買収を考える企業も多いです。
コールセンター会社を買収することで、今後拡大が予想されるコールセンター業界に参入することができます。また、コールセンター会社がコールセンター会社を買収する場合は、サービスの向上、事業領域の拡大、人材確保などと、メリットが少なくありません。
先ほども述べたように、大手のコールセンター会社でも、人材確保の重要性は高いです。他のコールセンター会社を買収することで優秀な人材を確保すれば、自社のサービスの質をさらに上げることができます。
今後のコールセンター業界は多言語に対応できる力が求められますが、大手のコールセンター会社でも、多言語に強い人材が多いとは限りません。
多言語に対応できる人材を数多く確保するために、多言語に特化したコールセンター会社を買収するといった事例は、今後も十分に考えられます。
コールセンターの売却とは?売る・売りたい場合
コールセンター会社が売却を考える場合、後継者不足問題などの問題を抱えているケースが多いです。M&Aによって信頼できる会社に買収されれば、後継者不足を解消でき、安心して経営を任せることができます。
M&Aによる売却は、経営基盤の安定化、創業者利益の獲得、個人保証や担保の解消、従業員の雇用の維持といったメリットもあります。いずれも中小のコールセンター会社にとってメリットが大きく、M&Aは大きな経済効果を期待できるでしょう。
また、大手企業にM&Aで買収されることでコールセンターの知名度を上げ、人材確保につなげることもできます。
今後起こりうる人手不足に対処するためにも、M&Aでの売却は効果的な手法の一つです。
それではここからは、コールセンターのM&Aの成功事例や失敗事例を見ていきましょう。
コールセンターのM&Aの成功・失敗事例
アウトソーシングビジネス大手となるトランスコスモスによるM&Aは、コールセンター業界でもしばしば話題になります。トランスコスモスは日本、中国、韓国を中心にアジア・国内最大規模のコールセンターサービスを展開している会社です。
トランスコスモスは、コールセンター海外拠点も少なくありません。海外進出にあたり、トランスコスモスは様々なM&Aを活用しています。例えば、2015年にイギリス領バージン諸島のメトロディール・ホールディングス(主にフィリピン市場に向けた日替りセールサイト運営)の買収などがあります。
トランスコスモスが行うM&Aは、拠点の拡大に大きな特徴があるので押えておくべきです。海外拠点は着実に増加し、成功事例の一つとなります。
コールセンター業界は現時点で拡大している段階となり、M&Aの事例もこれからさらに増加すると考えられる業界です。現段階では、目立った失敗事例は少ないと言えるでしょう。
一方で、今後はM&Aが加速することが見込まれ、M&Aの事例も多様化すると思われます。外国人観光客の増加や東京オリンピックの開催もふまえ、今後のコールセンター業界の動向が大きく注目されているのが現状です。その中でコールセンターのM&Aの事例を分析し、目的に沿って成功しているかどうか、見極めることが大切だと言えます。
コールセンターのM&Aを希望通りに成功させるためには、実力のあるM&A仲介会社のサポートを受けながら手続きを進めていくのが良いでしょう。
また、以下の記事ではM&Aの成功事例を紹介しています。大手・中小企業様々な規模の事例を紹介しているので、ぜひご確認ください。
まとめ
コールセンターのM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でコールセンターのM&Aを選択しましょう。
大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いためM&A仲介会社などの専門家を活用してください。
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