2024年4月22日更新業種別M&A

調剤薬局業界のM&Aの現状と最新動向は?事例から相場まで紹介【2024年最新版】

本記事では、調剤薬局業界のM&Aの現状や最新動向から売却・買収事例、買収に積極的な企業を紹介します。また、買い手側と売り手側それぞれのメリットやデメリットについても解説します。調剤薬局業界のM&Aを検討中の方は必見です。

目次
  1. 調剤薬局業界のM&Aの現状と最新動向
  2. 調剤薬局業界のM&Aとは
  3. 調剤薬局業界のM&Aのメリットとデメリット
  4. 調剤薬局業界のM&Aの相場と費用
  5. 調剤薬局業界のM&Aの成功・失敗事例
  6. 調剤薬局M&Aの仲介会社を選ぶ3つのポイント
  7. 調剤薬局の積極買収企業一覧
  8. 調剤薬局業界のM&Aのまとめ

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調剤薬局業界のM&Aの現状と最新動向

ここでは、調剤薬局業界のM&Aの現状と最新動向を把握するために、「市場の推移・構造」、「最新M&A動向・ニュース」の2項目に分けて詳しく紹介します。

調剤薬局市場の推移と業界の構造

厚生労働省の発表によると、2020(令和2)年度の調剤医療費(電算処理分に限る)は7兆4,987億円で、前年比2.6%の減少でした。また、処方箋1枚当たりの調剤医療費は9,849円で、こちらは前年比で7.2%上昇しています。

もともと調剤薬局業界は、医療制度において社会保障という重要な役割を担っている一方で、少子高齢化が加速する日本ではコスト削減の対象とされている業界です。

したがって、医療費削減の施策が行われる中で医師の診療報酬や薬価の改訂が続いており、薬剤師の調剤報酬も同様に減額が続いています。

特に、門前薬局と呼ばれる特定の医療機関の近くで開業し、その医療機関からの処方箋を集中的に調剤しているような薬局では、調剤報酬の減額により大きな影響を受けている状況です。

つまり、従来の経営モデルでは存続が厳しい状況にあり、調剤薬局の経営者の多くは将来に不安を抱えています。そのうえ、調剤薬局の規制の厳しさは年々、加速中です。

最近の規制緩和では、「大手薬局グループが医療モールを建設して医院を誘致し、処方箋を集中的に取り扱う」というビジネスモデルも、集中率が高いと判断されました。

そこで、門前薬局と同様に、調剤報酬の減額対象となる可能性が出てきており、中小規模の薬局だけでなく大手薬局も競争激化が進んでいる状況です。

こうした環境において、調剤薬局業界では処方数の確保が大きな課題となっており、市場内でのプレゼンス向上を図る戦略が非常に重要視されています。

調剤薬局業界のM&Aの最新動向とニュース

調剤薬局業界のM&Aの現状・動向を見ると、M&Aが頻繁に実施されている点が最大の特徴です。元来、調剤薬局業界は大手の占有率が低く、小規模事業者が多数存在しています。

OTC医薬品(処方箋無しで購入できる医薬品)の販売規制緩和による異業種との競合、薬価の段階的引き下げなど外部環境が厳しい中で、経営資源の乏しい小規模事業者としては、大手薬局チェーンの傘下に入り店舗の存続を図っている状況です。

一方で、事業規模をなるべく拡大する体制を取り、調剤報酬が減額されても収益を確保しようと考える経営者も多くいます。これに伴い調剤薬局業界では、M&Aを通じた規模拡大を目指す動きが目立つ状況です。

また、調剤薬局業界では、薬剤師不足・人件費高騰を理由に人材確保が困難ですが、これを解消する方法としてM&Aを選択するケースも増えています。有資格者である薬剤師の確保は、薬局運営に欠かせません。

M&Aを利用すれば経験豊富な資格者を即座に獲得できるため、効率的な経営手法として注目されています。さらに、業界で大半を占める中小規模薬局では、従業員数不足だけでなく経営者の高齢化も大きな課題です。

少子高齢化の状況下で後継者がおらず、事業継続が困難となっている点は、さまざまな業界で問題視されています。そこで、従業員の雇用確保のために、M&Aによる事業承継を検討するケースも増加中です。

以上のように調剤薬局業界は、さまざまな理由でM&Aの実施件数が増えてきています。したがって、調剤薬局を経営していて、これまでに取り上げたような悩みを抱いている場合、M&Aの実施を検討するとよいでしょう。

調剤薬局の今後の予測については、下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】調剤薬局の今後の予測を発表!2020年の調剤改定でM&Aが増加?

調剤薬局業界のM&Aとは

ここでは、調剤薬局業界のM&Aの概要を把握するために、調剤薬局業界の定義・変遷・特色・抱える課題などを中心に取り上げます。

調剤薬局業界の定義

調剤薬局とは、薬剤師が常駐していて調剤室がある薬局をいいます。調剤室とは、医師からの処方箋に基づき、薬剤師が薬を調合する独立した部屋のことです。つまり、病院での診察後に処方箋を持って薬をもらいにいく場所が、調剤薬局の典型的なイメージといえます。

調剤薬局は法律上の定められた呼び方ではなく、一般的な薬局の総称です。従来より薬局には、調剤薬局のなかでも保険薬局と呼ばれる薬局があるため、自身の経営している薬局が調剤薬局なのか保険薬局なのか確認しておきましょう。

保険薬局は、公的保険制度の健康保険を利用した調剤・処方が行える薬局のことであり、調剤薬局と呼ばれる薬局の中でも保険指定を受けた薬局をさします。つまり、調剤薬局の大枠の中に保険薬局が存在する関係性です。

このうち保険薬局ではない薬局は、「薬局製剤」と呼ばれる、処方箋がなくても薬局で処方できる薬や「OTC(Over The Counter)」と呼ばれる大衆薬・市販薬などを取り扱います。

その場合、処方箋が必要な調剤の処方はできないことから、実際には保険指定を受けている調剤薬局が大半を占めており、いうなれば調剤薬局の多くは保険薬局です。したがって、調剤薬局の経営者の多くは保険薬局を経営しています。

店舗販売業・配置販売業・ドラッグストアとの違い

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称は医薬品医療機器等法、または薬機法)」において、薬局、店舗販売業、配置販売業それぞれが規定されています。

配置販売業とは、店舗を持たずに企業や一般家庭を訪問して販売する業種です。販売方法として、一定の医薬品セットを預け(配置)、次回訪問時に使用された医薬品の代金を受け取るというやり方を行っています。

ドラッグストアは法令上の名称ではなく、通称が広まって一般化したものです。具体的には、医薬品、医薬部外品・化粧品・日用雑貨・飲料、食料などを販売しており、薬局・店舗販売業と小売業が合わさったビジネス形態ということになります。

薬局と店舗販売業の違いは、医療法医薬品(処方薬=医師の処方箋による調剤される医薬品)を取り扱えるかどうかという点です。たとえ薬剤師が在籍しているとしても、店舗販売業の許可しか得ていない店舗では、処方薬を取り扱えません。

調剤薬局業界の変遷

日本における調剤薬局業界の歴史は、明治期までさかのぼります。これ以前は薬剤師の概念が存在せず、医師が診断から調剤までを手掛けていましたが、西洋の医療制度を取り入れる中で医薬分業の考え方も導入されました。

そして1980年代になると、医薬分業が日本で本格的に普及を始めたのです。また、1980年代に処方と調剤が分離する医薬分業の流れの中で、調剤薬局が急激に増加しました。

その結果、現在の調剤薬局の数はコンビニエンスストアよりも多いとされており、調剤薬局業界の市場成長は頭打ち傾向にあるとされています。

医薬分業とは

医薬分業とは、医師と薬剤師、それぞれの専門性を根拠に、医療を分業して行うという体制です。具体的には、以下の役割分担となっています。

  • 医師:患者の診察と薬の処方までを行い、診療業務に集中する。
  • 薬剤師:処方箋を受け取って薬を調剤する。患者に対して薬の効能・注意点などを細かく説明し、質問にも応答する。

調剤薬局業界の特色

調剤薬局業界に見られる大きな特色として、「収益源の多くを薬の販売益と調剤報酬が占めている」点が挙げられます。つまり、いかに多くの患者に処方箋を持ってきてもらうかが、売上を伸ばすための大きなポイントです。

そのため、2018(平成30)年度の調剤報酬改定以前は、「いかに病院の近辺に薬局を配置できるか」が調剤薬局の成功を大きく左右する要素でした。

しかし改定によって、処方箋の処理数・集中率・医療機関との賃貸借契約を持つ薬局に応じて、調剤報酬の見直しが行われたのです。これにより、従来は処方箋の数をさばくことのみが命題だった調剤薬局業界では、サービスの品質や多様性が求められるようになりました。

調剤薬局業界の収益構造

調剤報酬は一元的なものではなく、1つの処方箋につき、以下のような細かい内訳があります。

  • 調剤基本料:3種に分かれている調剤技術料の1つ。薬局の設備に対する費用。
  • 調剤料:3種に分かれている調剤技術料の1つ。調剤作業への対価。
  • 各種加算料:3種に分かれている調剤技術料の1つ。特別な調剤を行った場合の割増料。
  • 薬学管理料:患者に対する服薬管理・指導料。
  • 薬剤料:薬剤自体の値段。
  • 特定保険医療材料:特定の医療材料を使用した場合のみに発生する費用。

調剤薬局の抱える問題

調剤薬局業界では、高齢化の進行に伴う医療費削減政策の一環として、医師の診療報酬の減額と同時に薬価の引き下げ・調剤報酬の減額などが進められています。つまり、現在の調剤薬局業界は、収益確保に対して向かい風の環境に立たされているのです。

なかでも、特定の病院からの処方箋枚数が多く一定条件を満たせない調剤薬局では、調剤報酬が減額されかねません。こうした状況は、特定の病院の前で開業している門前薬局にとって死活問題です。

また、最近では大手ドラッグストアチェーンによる大量出店の状況も相まって、業界内での競争が激化しています。こうした環境を受けて、調剤薬局業界では、事業規模拡大・人材確保・後継者問題解決などを目的にM&Aを検討するケースが増加中です。

薬剤師不足の現状

調剤薬局では、少子化と薬学部6年制への移行などの影響を受けて、薬剤師不足の傾向も深刻化しています。人材確保が難しい薬局が増加しているうえに人件費の高騰も重なっており、特に中小調剤薬局は深刻な影響を受けている状況です。

後継者不在問題

帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2021年)」によると、日本の中小企業の後継者不在率は、61.5%でした。調剤薬局が含まれる「病院・医療業」の後継者不在率は、全業種平均よりさらに高い約70%という状況です。

後継者が不在のまま経営者が引退時期を迎えると、どんなに業績の良い調剤薬局であったとしても廃業するしかありません。この状況を打破するための手段が、M&Aによる第三者への事業承継です。国や自治体も、さまざまな施策により、これを後押ししています。

「かかりつけ薬局」への転換・薬剤師のあり方

厚生労働省では、患者が診察を受けた病院ごとに、その門前や近所の調剤薬局で薬を受け取っている現状から、どの病院で診察を受けたとしても自宅の近所の調剤薬局で薬を受け取る「かかりつけ薬剤師・薬局」に移行するのを推進しています。

診療報酬の改定も、この推進のために行っているもので、厚生労働省が掲げる「かかりつけ薬剤師・薬局の機能」は、以下のように示されています。

  • 服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導
  • 24時間対応、在宅対応
  • かかりつけ医を始めとした医療機関などとの連携強化

ただし、このかかりつけ薬剤師・薬局を実現していくには、薬剤師不足問題の解決が急務です。そこで、厚生労働省は、2019(平成31)年4月に、薬剤師の業務負担を抑えるべく、「調剤業務のあり方について」という通知を発しました。

その通知では、本来、禁じられている薬剤師の資格のない者の調剤業務について、薬剤師が同席している場において、薬剤師以外の者が一定の調剤補助作業を行っても許されるという指針が細かく書かれています。

国の薬事政策の動向

調剤薬局の経営とは切っても切れないのが、国の薬事政策動向です。近年における2つの事項を説明します。

「患者のための薬局ビジョン」策定・診療報酬改定の動向

先述した「かかりつけ薬剤師・薬局」の基となった方針が、厚生労働省が2019(平成29)年7月に策定した「患者のための薬局ビジョン」です。

要は、かかりつけ医師がいれば、安心して健康全般の相談・受診ができるように、調剤薬局も服薬の一元的管理に加えて健康サポートまで行えるよう、業容変化を求めています。最近の診療報酬改定は、それを促すために行われた内容です。

わかりやすい改定内容とてしては、以下の2つがあります。

  • 調剤薬局側:かかりつけ薬剤師指導料という名目の薬学管理料が加算。
  • 患者側:複数の病院の処方箋をまとめて1つの調剤薬局に持ち込んだり、同じ調剤薬局を3カ月以内に複数回利用したりした場合、調剤費用が割安になる(同一調剤薬局利用の促し)。

オンライン服薬指導の拡大

2020年9月に施行された改正薬機法により、オンライン服薬指導(調剤と薬剤販売)が条件付きで可能になりました。これには新型コロナウィルス感染拡大問題を受けた特例的な意味合いもありましたが、今後、恒久化および全面解禁されていく予定です。

具体的には、現在、初回の診療や服薬指導は対面必須ですが、この制限の撤廃が議論されています。ただし、病院や調剤薬局側には、設備面やオンラインを通しても十分な服薬指導ができる信頼関係の構築など、クリアしなければならない要件は多いです。

調剤薬局・会社の身売りの理由については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】調剤薬局が大手に身売りするのはなぜ?売却側・買収側のメリットや M&Aの動向・事例まで徹底解説

調剤薬局業界のM&Aのメリットとデメリット

「調剤薬局業界では、どのようなメリットを想定してM&Aが行われているのか気になる」経営者の方は多いはずです。そこで本章では、M&Aのメリット・デメリットを当事者ごとに分けて紹介します。

買い手側のメリットとデメリット

まずは、調剤薬局業界のM&Aにおける買い手側で想定されるメリット・デメリットを順番に取り上げます。調剤薬局業界のM&Aにおける相手企業のニーズをつかむためにも、M&Aによる売却を検討する経営者の方も確認しておきましょう。

買い手側のメリット

まずは調剤薬局業界でM&Aによる買収を行う際のメリットです。そもそも調剤薬局業界は規制産業であるうえに市場は成熟しており、少子高齢化による医療費抑制の流れも相まって大きな収益獲得が難しい環境にあります。

また、事業展開をするうえで必要な人員(特に薬剤師)の確保が難しい点も経営環境をより困難にしている要素です。これらの環境に対応するための方法としてM&Aが考えられますが、M&Aにおける買い手側のメリットは以下の項目が挙げられます。

  • 事業規模の拡大
  • 人員の確保

調剤薬局は、中小規模の薬局が大半を占めています。調剤報酬が減少傾向にあることから、中小規模のままでは収益獲得が困難な状況の解消は難しいです。そのため、今後も経営を継続するうえで、事業規模の拡大は重要な経営戦略だといえます。

事業規模を拡大すると、営業エリアの拡大やスケールメリットによるコスト削減や効率化など、経営上の施策の幅を広げることが可能です。M&Aにより企業や事業を獲得すれば、自社のみで行うよりも効率的に事業規模の拡大を進められます。

また、人員確保ができる点も、M&Aの買収側にある大きなメリットです。少子化や薬学部6年制などを背景とする薬剤師不足は、調剤薬局業界における大きな問題といえます。

新卒市場・転職市場で国家資格保有者である薬剤師を確保することは、人件費の高騰もあり非常に難しい状況が続いている状況です。そこで、M&Aによる買収で譲渡企業の人員を受け入れれば、効率的に人員拡充を図れます。

買い手側のデメリット

買い手側で想定されるデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 従業員(薬剤師)の離職による人材流出の可能性
  • 従業員同士の反発
  • 簿外債務などのリスク発生

上記のデメリットは、主に経営統合(PMI)がスムーズに進まないことで発生しやすいです。経営統合をスムーズに成功させるためにも、M&Aの専門家からサポートを得ながらプロセスを進めましょう。

売り手側のメリットとデメリット

続いて、調剤薬局業界のM&Aにおいて売り手側で想定されるメリット・デメリットを順番に紹介します。相手企業のニーズをつかむためにも、M&Aによる買収を検討する経営者の方も確認しておきましょう。

売り手側のメリット

調剤薬局業界のM&Aによる売却のメリットには、以下のようなものがあります。

  • 後継者問題の解消
  • 従業員の雇用確保
  • 大手グループへの傘下入りによる経営効率化
  • 創業者利益の獲得

1つ目に、M&Aによる売却では、後継者問題を解消できます。事業継続のために後継者の確保は必須ですが、最近は親族・組織内での後継者探しが困難となっており、後継者の選定で悩む経営者が多いです。

そこでM&Aを選択すれば、相手企業の情報を精査したうえで実行できることから、人柄などの人物面を含めて求める条件に応じた後継者探しが可能となるため、事業を存続させるうえで有力な方法だといえます。

2つ目に、M&Aでは従業員の雇用維持も可能です。経営者にとって、従業員の雇用確保は大きな問題だといえます。M&Aを用いれば、事業の譲渡先を見つけたうえで、従業員の雇用を継続しながら事業経営の一線から身を引くことも可能です。

3つ目に、M&Aでは経営の効率化も図れます。調剤薬局業界は小規模だと収益を獲得しにくく、一定以上の規模で事業展開して収益獲得を目指す戦略が効果的です。M&Aで大手グループ傘下に入れば、コスト面・管理面などで、事業規模をベースにした収益獲得力を獲得できます。

4つ目に、M&Aによる事業売却では、まとまった創業者利益も獲得できます。ハッピーリタイアを考えている創業者からすると大きなメリットであるため、引退後の生活の安定を望むならM&Aを行うとよいでしょう。

売り手側のデメリット

売り手側で想定されるデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 従業員(薬剤師)の離職による人材流出の可能性
  • 顧客・取引先・従業員からの反対
  • 希望どおりの売却先が見つからないおそれ

上記のデメリットは、主に相手企業とのマッチングに失敗することで発生しやすくなります。マッチングを成功させるためにも、M&Aの専門家からサポートを受けながらプロセスを進めるとよいでしょう。

調剤薬局のM&Aのメリットとデメリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】調剤薬局のM&Aは売り手も買い手もメリットがある?デメリットは?

調剤薬局業界のM&Aの相場と費用

調剤薬局業界のM&Aの相場と費用は、M&A対象となる調剤薬局の事業規模により大きく異なるのが現状です。そもそもM&Aは相手先企業との取引であり、譲渡価額をはじめとするM&A条件は、当事者間の交渉で決定されます。

これは調剤薬局業界のM&Aでも同様であり、売り手・買い手の経営状況・事業規模・M&Aの目的・タイミングなどの要素により、譲渡価額は変動する仕組みです。

そのため業界特有の相場はありませんが、M&A時の譲渡価額の算定方法はほとんど共通しており、以下に挙げた3つの方法の組み合わせにより算定されます。

  1. 市場基準方式(マーケット・アプローチ)
  2. DCF法(インカム・アプローチ)
  3. 資産基準(コスト・アプローチ)

①市場基準方式(マーケット・アプローチ)

市場における他社の事例を参考に価額を決定する方法であり、「市場=マーケット」の情報に基づき価額を決定することから市場基準方式(マーケット・アプローチ)と呼ばれています。つまり、過去の同業種事例やビジネスの売買情報を参考に譲渡価額を算定する方法です。

具体的には、事業展開エリア・企業規模・業績・市場での立ち位置など、さまざまな点をピックアップします。その後、これらのポイントに類似した特徴を持つ事例を参考にしながら、検討する事例との比較を行って譲渡価額を決定する手順です。

②DCF(Discounted Cash Flow)法(インカム・アプローチ)

将来、獲得されるキャッシュ・フローを割り引いて(ディスカウントして)、譲渡価額を評価する方法です。将来、獲得が想定される収入・キャッシュ(インカム)に基づいて価値を算定するため、インカム・アプローチと呼ばれています。

M&A相手の将来を想定した事業計画をベースに評価する方法であり、今後の見とおしを定量的な数字にどのように織り込むのか、割引率など計算上の指標の大小によって価値が変動する点が特徴です。

そのため、評価に利用する事業計画の精度が高ければ高いほど事業価値をより正確に算出できます。ただし、事業計画策定・割引率の設定などが必要となることから多くの手間がかかりやすく、また、事業計画に恣意性のある可能性が問題点です。

③資産基準(コスト・アプローチ)

資産基準は、中小企業のM&Aで比較的、頻繁に採用される方法であり、資産と損益の両方の要素を考慮して算定する方式です。

対象企業の資産・負債を現時点で購入したらどの程度の対価が必要なのか(コストがかかるのか)を前提とする計算方法であるため、コスト・アプローチと呼ばれています。

具体的には、対象会社の純資産額をベースに、将来の収益に関する要素を追加で考慮して譲渡価額を計算するのです。実務上は、対象会社の固定資産の時価から負債を引いた金額に、「営業権=将来の収益価値」をプラスして算定します。

調剤薬局業界のM&Aの成功・失敗事例

M&Aにおける成功事例とは、M&Aで想定していた効果をうまく獲得したケースのことであり、失敗事例とは反対にうまく機能しなかったケースをさします。M&Aは相対取引であるため、失敗を防ぐには相手企業との信頼関係を構築したうえで実行することが大切です。

売り手側の主な成功事例としては、大手傘下に入り、売り手経営者が店舗運営に集中できるようになったケースなどが挙げられます。これにより、地域に根差した信頼のある調剤薬局に成長したケースも多く報告されている状況です。

ここでは、実際に行われた調剤薬局業界のM&A成功・失敗事例を紹介します。

成功事例

調剤薬局業界で近年、実施されたM&Aの中から、以下の成功事例を取り上げます。

  1. クオールHDによるケーアイ調剤薬局の買収
  2. クスリのアオキホールディングスによる一二三屋の買収
  3. クスリのアオキによるホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューの吸収合併
  4. 日本調剤によるヤジマメディカルブレーンとデュオンの吸収合併
  5. ウエルシアホールディングスとププレひまわりの資本業務提携
  6. クオールホールディングスによる勝原薬局の買収
  7. 日本調剤によるWORKERS DOCTORSの買収
  8. クスリのアオキホールディングスによるフクヤの買収
  9. ウエルシアホールディングスによるマザーピアの取得
  10. ココカラファインによる寿の買収
  11. 寛一商店グループによるライフプランニングの買収

①クオールHDによるケーアイ調剤薬局の買収

クオールHDは、ケーアイ調剤薬局の全株式を取得し、同社をグループに加えました。ケーアイ調剤薬局は1991年に創業し、鹿児島県で5つの調剤薬局を運営しています。

クオールグループは、調剤薬局事業を主力としつつ、医療関連事業も展開しています。グループは中期目標として、連結売上高3,000億円と営業利益250億円を目指しており、これを達成するために新規出店やM&Aを積極的に活用して事業を拡大しています。

また、クオールグループは地域に根差した「かかりつけ薬局」としての役割を重視しています。ケーアイ調剤薬局のグループ化は、地域医療や在宅医療への貢献を強化する観点から行われました。

クオール調剤薬局5店舗を運営する有限会社ケーアイ調剤薬局の株式取得に関するお知らせ

②クスリのアオキホールディングスによる一二三屋の買収

2022(令和4)3月、クスリのアオキホールディングスは、一二三屋の全株式を取得して完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。また同日に、クスリのアオキホールディングスの完全子会社であるクスリのアオキが、一二三屋を吸収合併しました。

一二三屋が消滅会社、クスリのアオキが存続会社となります。クスリのアオキホールディングスは、ドラッグストア・調剤薬局・スーパーマーケットを運営するグループの持株会社です。クスリのアオキは、ドラッグストア・調剤薬局を運営しています。

一二三屋は、福島県いわき市でスーパーマーケット4店舗を運営していた企業です。クスリのアオキホールディングスの狙いは、スーパーマーケットの新鮮な食料品の品ぞろえを取り込むことと、東北地方におけるドミナントの強化にあります。

株式会社一二三屋の株式の取得(子会社化)及び吸収合併に関するお知らせ

③クスリのアオキによるホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューの吸収合併

2022年3月、クスリのアオキは、ホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューを吸収合併しました。クスリのアオキが存続会社、ホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューは消滅会社です。吸収合併対価の金額は公表されていません。

ホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューの代表取締役は同一人物です。ホーマス・キリンヤは、岩手県と宮城県にて食品スーパー6店、衣料品店2店を展開しています。フードパワーセンター・バリューは、それらの店のための仕入れ業務を行っている企業です。

クスリのアオキの目的は、食品スーパーの持つ新鮮な食料品の取り込みと東北地方におけるドミナントの強化となっています。

株式会社ホーマス・キリンヤ及び株式会社フードパワーセンター・バリューの吸収合併に関するお知らせ

④日本調剤によるヤジマメディカルブレーンとデュオンの吸収合併

2022年1月、日本調剤は、完全子会社であるヤジマメディカルブレーンとデュオンを吸収合併しました。ヤジマメディカルブレーンとデュオンが消滅会社です。完全親子会社関係における合併なので、合併対価は発生していません。

日本調剤は、保険調剤薬局チェーンの経営を行っている企業です。ヤジマメディカルブレーンとデュオンは、薬局の経営を行ってきました。日本調剤の目的は、調剤薬局事業を一元管理化し、経営の効率化を図ることです。

連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

⑤ウエルシアホールディングスとププレひまわりの資本業務提携

2021(令和3)年12月、ウエルシアホールディングスとププレひまわりは資本業務提携を締結しました。その結果、ウエルシアホールディングスが、ププレひまわりの50%超の株式を取得して子会社化しましたが、株式数詳細および取得価額は公表されていません。

ウエルシアホールディングスは、調剤薬局併設型ドラッグストアチェーンの運営をグループの持株会社です。ププレひまわりは、広島県、岡山県、島根県、鳥取県、兵庫県、愛媛県、香川県でドラッグストア・調剤薬局・フェイシャルエステサロンの運営を行っています。

ウエルシアホールディングスの狙いは、中国四国地方の店舗網拡大と、経営資源の共有による経営規模拡大・経営体質強化です。

グループ会社に関するお知らせ

⑥クオールホールディングスによる勝原薬局の買収

2021年1月、クオールホールディングスは、勝原薬局の全株式を取得し完全子会社化しました。株式取得価額は非公開です。

買収側のクオールホールディングスは、調剤薬局の運営および医薬品の販売を行う「クオール」を前身とする持ち株会社であり、「あなたの、いちばん近くにある安心」をスローガンに全国に保険薬局を展開しています。

売却側の勝原薬局は、1915(大正4)年に創業され、兵庫県姫路市を中心に調剤薬局を11店舗運営してきました。本件M&Aの狙いは、地域密着の「かかりつけ薬局」の実現、および地域医療・在宅医療への貢献にあります。

調剤薬局 11 店舗を運営する株式会社勝原薬局の株式取得に関するお知らせ

⑦日本調剤によるWORKERS DOCTORSの買収

2020年10月、日本調剤は、連結子会社メディカルリソースを通じて、WORKERS DOCTORSの全株式を取得し完全子会社化しました。株式取得価額は公表されていません。

日本調剤は、東京都千代田区に本社を置く保険調剤薬局チェーン企業です。WORKERS DOCTORSは、産業医業務提供事業を手掛けています。

本件M&Aの狙いは、産業医業務提供事業の全国展開・業容の拡大・企業の健康経営に欠かせないメンタルヘルスを含む健康管理を中心とする働衛生管理へのさまざまなニーズへの対応などを実現することです。

当社連結子会社による「株式会社 WORKERS DOCTORS」の株式取得(孫会社化)に関する お知らせ

⑧クスリのアオキホールディングスによるフクヤの買収

2020年10月、クスリのアオキホールディングスは、フクヤの株式94.8%を取得して子会社化しました。株式取得価額は公表されていません。

クスリのアオキホールディングスは、石川県白山市に本社を置き、石川県を拠点に中部・関東・近畿・東北にドラッグストアチェーンを展開しているグループの持株会社です。

北陸地方を主な営業エリアとしつつ、限られた商圏で集中的に出店するドミナント戦略で店舗を拡大しています。フクヤは、京都府舞鶴市・宮津市を拠点に食品スーパーを8店舗運営している企業です。

本件M&Aの狙いは、両社の経営資源の融合により、地域の顧客に一層愛される店舗を作ることにあります。

株式会社フクヤの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

⑨ウエルシアホールディングスによるマザーピアの取得

2020年9月、ウエルシアホールディングスの子会社ウエルシア薬局は、M&Aにより上新電機の運営するドラッグストア「マザーピア」6店舗を取得しました。店舗取得の金額は公表されていません。

ウエルシアホールディングスは、調剤薬局併設型ドラッグストアチェーンの運営を行う企業グループの持株会社です。上新電機は、大阪市浪速区を拠点に家電量販店を展開しています。本件M&Aの狙いは、近畿地区におけるドミナントのさらなる強化です。

ドラッグストア店舗の譲渡に関するお知らせ

⑩ココカラファインによる寿の買収

2020年9月、ココカラファインは、寿の全株式を取得して完全子会社化しました。株式取得価額は公表されていません。ココカラファインは、神奈川県横浜市港北区に本社を置くドラッグストアチェーンを展開する企業グループの持株会社です。

売却側の寿は、大阪府で1店舗の調剤薬局を展開しています。本件M&Aの狙いは、大阪府におけるドミナントの強化、および当該地域におけるヘルスケアネットワーク構築の推進です。

⑪寛一商店グループによるライフプランニングの買収

2020年7月、寛一商店グループは、ライフプランニングの株式を取得して子会社化しました。株式取得価額は公表されていません。寛一商店グループは、現在は「なぎさ薬局グループ」として、保険薬局の経営・医薬品の販売ならびにそれに付帯する業務を手掛けています。

ライフプランニングは、新潟県内エリアで保険薬局を6店舗運営するほか、地域密着型のサービスを展開している企業です。

本件M&Aの狙いは、グルーブ全体として信越地方への店舗ネットワークの拡充、および両社の事業ノウハウ融合による高品質で安心安全な医療サービス提供の実現にありました。

有限会社ライフプランニングの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

失敗事例

主な失敗事例を見ると、薬剤師の離職が発生しているケースが多く存在します。M&Aで所属薬局が変更になり待遇や環境など変化が生じたことで、これに不満を持った薬剤師が離職するケースは、調剤薬局業界のM&Aで珍しくありません。

経営者からすれば、想定していたM&Aの効果が得られないうえに、かえって人員不足に陥ってしまい事業運営が困難になるのです。薬剤師は資格保有者であるため、調剤薬局業界では人手不足の状況に陥っています。

薬剤師の離職を防ぐには、M&Aの大きな変化のタイミングにおいて、待遇をはじめとする条件面・就労環境面などに十分に配慮する必要があります。

調剤薬局を高額で買取してもらう方法については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】調剤薬局を高額で買取してもらうには?価格の算出方法を解説!

調剤薬局M&Aの仲介会社を選ぶ3つのポイント

ここでは、薬局M&Aの仲介会社を選ぶ3つのポイントをまとめました。以下のポイントを押さえれば、自身が行う薬局M&Aで、最適な仲介会社を見つけられます。

  1. 薬局M&Aの実績が豊富である
  2. 料金体系がわかりやすく明確である
  3. 担当者がついてくれて親切である

①薬局M&Aの実績が豊富である

まず確認すべきポイントが、調剤薬局のM&A実績です。自社が行うM&Aと同規模の案件を取り扱ったことがある仲介会社であれば、適切なサポートを受けやすくなります。M&A仲介会社の実績を確認する方法としては、公式サイトの確認や電話などでの問い合わせが主流です。

たとえM&Aの成約実績が豊富だとしても、薬局業界での実績がなければ業務依頼するには適さない仲介会社だといえます。したがって、薬局M&Aの実績に自信があるM&A仲介会社を選ぶとよいでしょう。

②料金体系がわかりやすく明確である

次に確認すべきポイントは、M&A仲介会社の料金体系です。後から予想外の請求をされて困らないよう事前に確認しておくと、安心して依頼できます。最近では、完全成功報酬型の料金体系を採用するM&A仲介会社が多くなりました。

完全成功報酬型では、依頼前の相談料・着手金・中間報酬など、さまざまな手数料が無料です。M&A仲介会社によって料金体系はさまざまであるため、正式に依頼する前に詳しく見積もりを出してくれる仲介会社に依頼するとよいでしょう。

③専任担当者がいて親切である

最後に確認すべきポイントは、専任担当者がいて親切に相談に乗ってくれるかどうかです。依頼するM&A仲介会社によっては、組織全体で動くために担当者が専属でつかないケースもあります。

その場合、状況に応じて専門のスタッフがサポートしてくれる点は心強いものの、困ったときに納得できるまで話を聞いてもらえないケースも珍しくありません。したがって、専任担当者が就く仲介会社を選ぶとよいでしょう。

調剤薬局の事業承継マニュアルについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】調剤薬局の事業承継マニュアル!相談先や成功事例を解説!

調剤薬局の積極買収企業一覧

最後に、調剤薬局を積極的に買収している企業を一覧にして紹介します。

企業名 事業の概要 アピールポイント
アイリスファーマ ・あけぼの薬局グループとして調剤薬局51店舗を東京、千葉、神奈川、埼玉で運営
・近年は医療モールメディカルスクエアの開発にも注力
・処方箋がなくても気軽に相談に行ける薬局をコンセプトに店舗展開
・管理栄養士による栄養相談、レシピ提案、各店企画による健康イベント開催など親しまれる薬局づくりに注力
アイセイ薬局 ・1984年の創業以来、調剤薬局を中心に展開
・出店エリアは東名阪の大都市圏を中心に青森県から兵庫県まで展開
・医療モールパイオニアとして業界トップクラスの地位
・全国394店(2022年3月現在)のうち9割がマンツーマン型や医療モール型で処方元のドクターと連携した地域密着型店舗
・約3分の1の店舗がM&Aを通じて加わっており、M&Aの豊富な経験値を誇る
ココカラファイン ・豊富な専門知識とカウンセリングによる接客販売に重点を置いた調剤薬局・ドラッグストアチェーンの運営および介護関連事業 ・M&Aや新規出店によって店舗数を拡大
・現在は日本全国の8割を超すエリアに約1,300の店舗を展開
・ドミナント戦略の出店に強み
ノイン ・10~20代のユーザーに人気の化粧品ECサイト「NOIN」をWebとスマホアプリで展開
・購買データの分析に基づくマーケティング情報の提供を行い、大手化粧品メーカーとの直接取引につなげている
・「NOIN」の月間アクティブユーザー数は40万人、取扱商品数は8,000SKU
・独自のマーケティングノウハウや読者目線に立ったコンテンツ制作力も展開可能
ピアラ ・ビューティ&ヘルス、食品領域のEC事業者を対象に成果報酬型のマーケティング支援を展開
・越境ECのトータルサポートも実施
・11期連続で増収を記録し、2018年には東証マザーズに上場
・消費者の「悩み」別にタグ付けした独自の購買データベースを蓄積
・マーケティング領域、健診や肌診断データなどの取得につながるヘルステックや越境ECで重要な食品加工など幅広くパートナーを募集中

【関連】【2020年最新版】調剤薬局のM&A案件一覧!

調剤薬局業界のM&Aのまとめ

調剤薬局業界のM&Aでは、買い手・売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり把握したうえでM&Aを選択しましょう。

調剤薬局業界ではM&Aにより生き残りを図る経営者が非常に多いですが、大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため、調剤薬局業界のM&Aに強い専門家を活用するのが得策です。本記事の概要は以下のようになります。

・調剤薬局の定義
→薬剤師が常駐していて調剤室がある薬局

・調剤薬局業界の特色
→収益源の多くを薬の販売益と調剤報酬が占めている

・調剤薬局の抱える問題
→薬価の引き下げ、調剤報酬の減額、薬剤師不足、競争激化など

・調剤薬局市場の推移
→2020年度の調剤医療費(電算処理分に限る)は7兆4,987億円(前年比2.6%減)

・調剤薬局業界のM&Aの相場と費用
→M&Aの対象となる調剤薬局の事業規模により大きく異なる

・調剤薬局業界のM&A買い手側のメリット
→事業規模の拡大、人員の確保

・調剤薬局業界のM&A買い手側のデメリット
→従業員(薬剤師)の離職による人材流出の可能性、従業員同士の統合、簿外債務などのリスク発生

・調剤薬局業界のM&A売り手側のメリット
→後継者問題の解消、従業員の雇用確保、大手グループへの傘下入りによる経営効率化、創業者利益の獲得

・調剤薬局業界のM&A売り手側のデメリット
→従業員(薬剤師)の離職による人材流出の可能性、顧客・取引先・従業員からの反対、希望どおりの売却先が見つからないおそれ

・調剤薬局M&Aの仲介会社を選ぶ3つのポイント
→薬局M&Aの実績が豊富である、料金体系がわかりやすく明確である、専任担当者がいて親切である

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