2024年10月26日更新業種別M&A

ラーメン屋の事業承継の案件例!市場動向や事例・課題も解説

後継者不足などでラーメン屋の存続が困難である場合、M&Aによる事業承継を検討しましょう。M&Aでラーメン屋を事業承継するには、M&Aに詳しい専門家のサポートを受けつつ、慎重にプロセスを進めることが大切です。ラーメン屋の事業承継の案件例や事例を解説します。

目次
  1. ラーメン屋の市場動向
  2. ラーメン屋の事業承継案件例
  3. ラーメン屋の事業承継・M&A事例
  4. ラーメン屋を事業承継するメリット
  5. ラーメン屋の事業承継における課題
  6. ラーメン屋の事業承継を成功させるポイント
  7. ラーメン屋の事業承継時におすすめの相談先
  8. ラーメン屋の事業承継まとめ

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

ラーメン屋の市場動向

ラーメン業界は個人経営店や小規模チェーンが多数を占めており、大手企業の市場占有率が低いのが特徴です。総務省の経済構造実態調査や各企業のデータを基にした推計によると、業界トップ3社の売上が市場全体に占める割合は、ハンバーガー業界が92%、牛丼業界が88%で寡占状態であるのに対し、ラーメン業界ではわずか8%程度です。

富士経済の予測によれば、2023年の国内ラーメン店の総売上は前年比7%増の4,385億円と見込まれており、ファミリーレストラン(5,087億円)や回転寿司(7,530億円)には及びません。ただし、2024年にはコロナ禍前の水準を超え、さらに増加が続く見通しです。店舗数も2023年には約1万6,200店に達し、すでにコロナ前の数を上回っています。

物価上昇の中で消費者の節約志向が強まる一方、コロナ禍以降は「締めのラーメン」の需要が減少しました。これを受け、ラーメン店各社は大都市の駅前立地から、郊外や大型ショッピングモールへの出店へとシフトしています。地方の方が家賃負担が少なく、収益性が高いためです。

参考:日経コンパス「ラーメン・中華料理店」

ラーメン屋の事業承継案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っているラーメン屋の事業承継案件例として、「シンガポールのラーメン店」をご紹介します。

日本で料理人として修行をした創業者がメニューを開発しています。トリップアドバイザーの評価は5点満点中4点と高評価です。

エリア 海外
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 希望なし
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【シンガポール/譲渡案件】人気ラーメン店複数店舗(飲食店・美容) | M&A総合研究所

ラーメン屋の事業承継・M&A事例

ラーメン屋の事業承継・M&A事例をピックアップしご紹介します。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスによる一幻フードカンパニーの事業承継・M&A

2024年9月6日、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、北海道札幌市の一幻フードカンパニーの株式を取得し、連結子会社化することを決定しました。

クリエイト・レストランツは、フードコートや居酒屋、レストラン、ベーカリーなど、多様な飲食店舗を企画・運営している企業です。一幻フードカンパニーは、「えびそば一幻」などの飲食店を展開しています。

このM&Aにより、クリエイト・レストランツは自社の物件開発情報や運営ノウハウを活用し、一幻フードカンパニーのブランド力をさらに高めることを目指します。これにより、麺事業の拡大、新ブランドの育成、グループ内でのフランチャイズ展開などを通じて、企業価値の向上を図る計画です。

株式会社一幻フードカンパニーの株式取得に関するお知らせ

壱番屋による竹井の事業承継・MA&

2023年3月29日、壱番屋は、竹井(京都府城陽市)の全株式を取得し、連結子会社化しました。

壱番屋は、「カレーハウスCoCo壱番屋」などの外食チェーンを国内外で1,455店舗展開する企業です。一方、竹井は「麺屋たけ井」を京都・大阪で8店舗運営しています。

壱番屋は、「麺屋たけ井」の商品力や成長性を高く評価し、これが自社の企業価値向上に繋がると判断し、このM&Aを実施しました。

「株式会社竹井」の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

グルメ杵屋による雪村・ゆきむら亭エフシー本部の事業承継・M&A

2020年4月20日、グルメ杵屋は、雪村およびゆきむら亭エフシー本部(茨城県土浦市)の全株式を取得し、両社をグループ会社化することを決定しました。

グルメ杵屋グループは全国で飲食店を運営しており、2018年には茨城県北部でラーメン店を展開する株式会社壱番亭本部をグループ会社化しています。

雪村は、1979年に創業し、茨城県を中心に「ゆきむら亭」などラーメン店5ブランド、中華料理3ブランド、唐揚げ専門店1ブランドを運営する企業で、計32店舗を展開しています。

このM&Aを通じ、グルメ杵屋は雪村のセントラルキッチンを活用したドミナント展開でシナジー効果を生み、フランチャイズシステムの強化と関東東部地域でのラーメン事業の基盤強化を図る計画です。

「株式会社雪村」 及び 「株式会社ゆきむら亭エフシー本部」 株式取得による資本提携のお知らせ

ラーメン屋を事業承継するメリット

ラーメン屋を事業承継するメリットは、以下のとおりです。

  1. 後継者不足の問題を解決できる
  2. 将来の不安を解消できる
  3. 財務基盤強化により店舗運営が継続される
  4. 売却利益を獲得できる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①後継者不足の問題を解決できる

最近では、ラーメン屋業界だけでなくさまざまな業界の企業・店舗が後継者不足に悩まされています。後継者不在を理由に、事業を承継できず仕方なく廃業を選択するケースが増加中です。

M&Aによる第三者への承継では、後継者問題を解決したうえで経営を引退できるメリットがあります。

②将来の不安を解消できる

ラーメン屋業界では競争激化が目立っているうえに、新規参入者も増加している状況です。消費者ニーズの移り変わりも激しく、特に個人経営のラーメン屋にとっては将来の不安が大きいといえます。

M&Aによる事業承継を活用すれば、ラーメン屋業界における予測が困難な将来の不安を解消可能です。

③財務基盤強化により店舗運営が継続される

大手企業にラーメン屋を事業承継できれば、グループ傘下として大手の資本を利用可能です。これによりラーメン屋の財務基盤を強化できることから、店舗の運営を継続できます。

経営者の中には、M&Aによる事業承継をしてしまうと、店舗のコンセプト・味などが完全に失われると考える人もいます。しかし、M&Aでは売り手となる経営者の意志をくむ形での契約締結も可能です。

希望すれば、従来のラーメン屋が持つ味・アイデンティティを残すこともできます。

④売却利益を獲得できる

M&Aによる事業承継は、第三者にラーメン屋を売却する手法です。そのため、廃業で発生する費用を削減できるだけでなく、かえって売却利益の獲得を期待できます。ここで獲得した売却利益は、経営引退後の生活資金にできるほか、他事業の資金に充てることも可能です。

以上、ラーメン屋を事業承継するメリットでした。ちなみに、買い手側からしても、M&Aによる事業承継で得られるメリットは大きいです。もともと新規でラーメン屋をはじめる場合、コンセプトの考案・店舗や従業員の準備などをゼロの状態から着手する必要があります。

一方でM&Aによる買収では、企業・店舗のノウハウや従業員などをそのまま引き継げるため、ラーメン屋を開業するためにかかる手間・時間を大幅に削減可能です。このようにM&Aによる事業承継は、売り手と買い手の双方がメリットを享受できる手法だといえます。

【関連】ラーメン屋における事業売却とは?メリット・デメリットを解説
【関連】M&Aのメリット・デメリットとは?買い手・売り手ごとのメリットやリスクを紹介

ラーメン屋の事業承継における課題

ラーメン屋の事業承継における課題を説明します。

味の承継が難しい

ラーメン屋の事業承継では、店舗特有の「味」の引き継ぎが困難です。もともとラーメンは、スープ・麺・具材というさまざまな要素が絡み合って成立しています。こうして成立したラーメンの味は店舗ごとに全く異なっており、無数のバリエーションが見られるのです。

経営者にとってラーメンの味は商売道具であり、なるべく引き継ぎたいと考える資産だといえます。自身の子供もしくは従業員に事業承継する場合には、業務の引き継ぎプロセスだけでなく、その後の経営にも現在の経営者が多少なりとも関わるケースは珍しくありません。

ところが、M&Aなどで第三者に事業承継する場合、承継後に現在の経営者が経営に関わるケースは少ないため、店舗の味を引き継ぐことが難しいのです。とはいえ、大手チェーンを展開する企業に事業承継できれば、大手企業の資金力・設備力を利用してラーメンの味をさらに追求できます。

大手チェーンのフランチャイズ基盤を利用すれば、ローカル店舗が全国規模で店舗拡大を目指すことも可能です。飲食チェーンに限らず将来的な展望を持つ優良企業へ事業承継できれば、買い手企業の技術を取り入れて自社・自店舗のみでは不可能だった成長を遂げることも期待できます。

立ちはだかる課題以上のメリットが期待できる場合があるため、M&Aによる事業承継の検討がおすすめです。

買い手の選定が難しい

M&Aによる事業承継を決断した場合、買い手先を慎重に選ぶ必要があります。もともとM&Aでは買い手が見つからないリスクが存在しますが、たとえ買い手が見つかったとしても希望する条件どおりに売却を済ませることは困難です。

事業承継までに時間的猶予がないケースでは、納得できない条件においてM&Aを進行せざるを得ない場合があります。M&Aは買い手探しも含めて長期戦になることが予想されるため、高齢を理由にM&Aによる事業承継を考える経営者は時間的余裕を持って準備を進めていくことが大切です。

買い手候補を吟味できる余裕があれば、より有利な条件での取引成立を期待可能です。加えて事業承継の専門家を利用すると、豊富な買い手候補から取引相手を選択できるうえに、専門家からサポートも受けられます。

なお、前提として、自身のラーメン屋にある魅力を理解しておくことも大切です。買い手企業にとって自身のラーメン屋を買収する行為にいかなるメリットがあるのか、自店舗の売りはどこにあるのか、これらを理解しているとアピールポイントを効果的に打ち出せます。

自店舗の市場価値を把握しておくと、相場より安く買い叩かれるリスクを軽減させることも可能です。ただし、日常業務の中で経営者が自店舗の価値を意識する機会は決して多くありません。スムーズにプロセスを進めるためにも、専門家のアドバイスを受けると良いです。

【関連】事業承継の課題と解決方法
【関連】事業承継の専門家|必要性・種類・探し方・補助金も徹底紹介

ラーメン屋の事業承継を成功させるポイント

ラーメン屋の事業承継を成功させるポイントは、以下のとおりです。

従業員の離職を防ぐ

ラーメン屋の事業承継において最も注意すべき点は、従業員に対するフォローについてです。事業承継をすると、自店舗の従業員は買い手先にそのまま引き継がれます。仮に経営者の子供を後継者に据える場合には、比較的に周囲からの抵抗は少ないです。

その一方で、従業員を後継者とする場合、選ばれなかった後継者候補との間で軋轢が生じる恐れがあります。M&Aにより第三者を後継者とする場合にも、社内の人間として受け入れ難いことがあるため、念入りにフォローする必要があるのです。

最悪の場合では、事業承継をきっかけに従業員が離職してしまうケースもあります。自店舗について熟知した人材を逃さないためにも、従業員を納得させる説明を心がけることが大切です。具体的には、従業員が働きたいと思える雇用条件の確保が必要不可欠となります。

待遇面だけでなく、仕事へのやりがいにも十分に配慮した雇用条件の継続が理想的です。

情報漏えいを防ぐ

事業承継の実施に関しては、具体的内容が確定してはじめて従業員・取引先などに発表する必要があります。具体的な内容が決定する前に情報が漏れてしまうと、事業承継が失敗しかねません。

もしも従業員に事業承継の情報が漏れてしまうと、人員削減・リストラなどを恐れるために余計な不安感を与えることがあります。取引先に情報が漏れてしまえば、事業承継を不安に感じて取引を中止されてしまう可能性もあるのです。

実際に、実施前に情報が漏えいしたことで、事業承継が不成立となったケースも報告されています。事業承継を成功させるためにも、具体的内容が決定される実行直前のタイミングで周囲に発表すると良いです。

【関連】事業承継対策のポイント|必要性・考え方・事前準備の方法・注意点も徹底解説【事例付】
【関連】事業譲渡が従業員・社員に与える影響とは?退職金の取扱いや転籍時の注意点・M&A事例も解説

ラーメン屋の事業承継時におすすめの相談先

ラーメン屋の事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

最近、金融機関がM&A支援に特化した部門を設立する動きが活発化しています。特に、投資銀行や大手メガバンクでは、企業間取引をスムーズに進めるため、ファイナンシャルアドバイザー(FA)として資金調達や戦略策定の支援を積極的に行っています。

こうした専門的なサポートを利用することで、企業は資金調達や事業承継など複雑な課題に迅速に対応しやすくなり、プロのアドバイスを受けることで取引成功の可能性を高めることができます。

ただし、大手金融機関は大規模な案件を優先する傾向があるため、中小企業が十分な支援を得にくいケースもあります。そのため、自社の規模やニーズに最適な支援先を選ぶことが重要です。

また、アドバイザリーサービスの費用が高額になる場合もあるため、事前にコストを確認し、予算をしっかりと計画する必要があります。

公的機関

近年、事業承継やM&Aに関する公的支援が大幅に強化されています。全国に展開されている「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者不足に悩む中小企業に向け、事業承継やM&Aに関する情報提供や専門的なアドバイスを行い、企業間マッチングの支援を無料で行っています。

この体制により、地方の中小企業や個人事業主も簡単に専門的なサポートを受けられる環境が整備されています。また、必要に応じてM&A仲介会社や専門家を紹介することも可能です。

ただし、民間のM&A仲介会社と比べると、対応が迅速でない場合や、柔軟性に欠けるケースもあるため、その点には注意が必要です。それでも、公的機関は事業承継やM&Aを検討する企業にとって、信頼性が高く頼りになる支援先として、重要な役割を果たしています。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却に関わる全プロセスをサポートする専門機関です。売り手と買い手の双方に対して、最適な取引相手の紹介、交渉支援、取引進行の管理、企業価値評価(バリュエーション)、契約書作成など、幅広いサービスを提供し、取引が円滑に進むようにサポートします。

特に、仲介会社は豊富なネットワークを活かして最適な取引先を見つけ、M&Aの成功率を高める役割を果たしています。M&Aの経験が少ない企業には、実践的なアドバイスを提供し、取引がスムーズに進行するよう支援します。

ただし、仲介会社を利用する際には、着手金や中間金などの費用が発生することがあるため、コスト管理が重要です。コストを抑えたい場合は、成功報酬型の仲介会社を選ぶのも有効な選択肢です。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

ラーメン屋の事業承継まとめ

昨今のラーメンブームもあり、ラーメン屋業界ではますます競争が激化していくものと見られています。こうした状況の中で、中小規模のラーメン屋が事業を継続していくためには、事業承継およびM&Aを実施する必要性に迫られる可能性が高いです。

M&Aによる事業承継を実施する場合には、専門家であるM&A仲介会社への相談も視野に入れて、十分な時間的余裕を持って着手する必要があります。

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
  3. 上場の信頼感と豊富な実績
  4. 譲受企業専門部署による強いマッチング力
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

あなたにおすすめの記事

関連する記事

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

お電話でのご相談
0120-401-970
WEBから無料相談