2024年11月20日更新業種別M&A

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継の事例!動向や案件例・課題も紹介

本記事では、婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継の事例および、積極的に買収を行っている企業を中心に紹介します。婚礼・ウエディング業界は、「顧客減少」の経営課題からM&A・事業承継が活発化しています。ウエディング業界のM&Aを検討している方は必見です。

目次
  1. 婚礼・ウエディング業界のM&A動向・市場規模・課題
  2. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継の案件例
  3. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継事例・ニュース
  4. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行う6つのメリット
  5. 婚礼・ウエディング業界を積極的に買収する企業一覧
  6. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点
  7. 婚礼・ウエディング業界のM&A成約実績
  8. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先
  9. 婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継のまとめ

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婚礼・ウエディング業界のM&A動向・市場規模・課題

婚礼・ウエディング業界のM&Aを考察するにあたって、本章では、その動向と婚礼・ウエディング業界の市場規模、課題を中心に分析しました。

婚礼・ウエディング業界のM&A動向

婚礼・ウエディング業界のM&Aを買収側の視点で見てみると、その傾向は大別して2種類に分けられます。

1つ目は、事業規模・業績の拡大に直結させるために、同業者を買収し傘下に加えるM&Aです。同一エリアの競合企業を買収し、そのエリアでの市場シェアを高めるケースもあれば、未進出のエリアで事業を展開している会社を子会社化し、事業エリアの拡張を図るケースもあります。

2つ目は、競業相手に打ち勝つための差別化戦略を実施すべく、婚礼・ウエディング事業の周辺に位置する事業を行っている会社を自社グループに加えていくM&Aです。

一例としては、婚礼・ウエディング用ドレス・ジュエリー類を専門に扱う販売・レンタル業者を傘下に入れ、他社と一線を画す身支度品のラインナップをそろえて差別化・オリジナリティ感を強く打ち出すケースです。

内閣府の「少子化社会対策白書」によると、日本の結婚件数は1972年の約110万組をピークに減少し続け、2017年には過去最低の約60.7万組になりました。この減少の主な原因は、少子高齢化に伴う国内人口の減少と、晩婚化の進展です。この結果、挙式や披露宴を行うという従来の価値観にも変化が生じています。

この傾向は婚礼・ウエディング業界に直接的な影響を与え、案件数の減少に直面しています。そのため、業界内の企業経営者の間で、M&Aを通じた売却や買収により企業の存続を図る動きが増えています。

婚礼・ウエディング業界の市場規模

内閣府の資料「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、過去最高の婚姻件数は1972(昭和47)年の109万9,984組でしたが、2021(令和3)年では51万4,242組(対前年比4.3%減)で、過去最低を記録しています。

この主な理由は、少子化・晩婚化・価値観の変化に伴う未婚率の上昇だとされています。いずれにしても、婚礼・ウエディング業界にとって厳しい現実です。

出典:内閣府「令和3年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況(令和4年版少子化社会対策白書)」

婚礼・ウエディング業界の今後の課題

婚礼・ウエディング業界にとって深刻な問題は、単純な婚姻件数の減少のみではありません。人々の価値観の変容によって、従来のように高額な費用をかけて婚礼・ウエディング披露宴を行わない風潮が台頭していることも含まれます。

極端な例としては、費用をかけないどころか、婚礼・ウエディング披露宴そのものを行わない新婚カップルも少なからずいます。

しかし、その一方で晩婚化がもたらしたものとして、若年層よりも予算額の余裕があることから、婚礼・ウエディング披露宴を行うのであれば十分に費用をかけて、高いもてなしレベルの体現を行おうとするケースも生まれているのです。

つまり、1組あたりの夫婦が婚礼・ウエディングに使う費用は増加傾向にあります。したがって、婚礼・ウエディング業界各社としては、いかに他社よりも付加価値が高くオリジナリティのあるサービスを提供し、顧客に選んでもらうかが課題です。

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継の案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っている婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継の案件例として、「ウェディング×プラットフォーム事業」をご紹介します。

SNSマーケティング力と、自社エンジニアによる開発力が強みです。SNSフォロワー数はブライダル業界でトップクラスを誇っています。

エリア 関東・甲信越
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 5億円〜7.5億円
譲渡理由 戦略の見直し

【ウェディング×プラットフォーム事業】マーケティング力に強み(ウェブサイト・システム) | M&A総合研究所

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継事例・ニュース

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継事例・ニュースをご紹介します。

クラウディアHDによるブライダルハウス島田の買収

クラウディアホールディングス(クラウディアHD)は、宮崎県宮崎市の貸衣裳店「ブライダルハウス島田」の株式を取得し、子会社化することを決定しました。

クラウディアHDは、ウェディングドレスの製造・販売・レンタルおよび挙式サービスを展開する持株会社で、衣裳店を運営するショップ事業を中核事業として位置づけています。

本件M&Aにより、九州地区のネットワークを拡大してショップ事業の収益基盤を強化し、婚礼衣裳の高品質な提供を通じて「総合ブライダル企業」としての企業価値向上を目指します。

株式会社ブライダルハウス島田の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

ココチエによるくふうウェディングへのWEB招待状「Dear」事業譲渡

ココチエは、結婚式向けWEB招待状サービス「Dear」をくふうウェディング(旧:エニマリ)に譲渡しました。ココチエは2014年から「Dear」を提供してきましたが、くふうウェディングが持つ結婚式場ネットワークと顧客基盤を活かすことで「Dear」のさらなる成長が見込めると判断しています。

くふうウェディングは、ウェディング情報サイト「みんなのウェディング」や結婚式プロデュースサービスを展開する企業です。譲渡後、ココチエは「Yobunara」などの新規事業に経営資源を集中し、マーケティング支援事業を強化していきます。

【重要】提携サービスによるシステムメンテナンスに伴う、ご祝儀事前お支払い決済への影響について

こころネットによるエルタへの事業譲渡

2021年1月、こころネットは、連結子会社のこころガーデンが運営する介護事業をエルタに譲渡すると発表しました。

売却側は、葬祭・石材・婚礼・生花・互助会などの事業を展開しており、顧客の人生の節目における儀式をトータルでサポートしています。買収側は、サービス付き高齢者向け住宅を運営する特定非営利活動法人です。

こころネットは、この譲渡によってM&Aの目的は、ニーズに沿った介護サービスのさらなる充実を図り、、安心安全な福祉の実現に期待するとしています。

連結子会社における事業譲渡完了に関するお知らせ

松屋による子会社のアターブル松屋グループ4社の合併

2020年12月、松屋は、連結子会社であるアターブル松屋グループのアターブル松屋ホールディングス、アターブル松屋、アターブル松屋フードサービス、アターブルイーピーエヌの合計4社を合併すると発表しました。

アターブル松屋グループは、婚礼宴会事業を主力として運営する企業です。近年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、婚礼宴会のキャンセルが相次ぐなど、非常に厳しい業績を強いられていました。

このような状況によって、アターブル松屋グループは構造改革を実施および不採算店舗の撤退などの効率化を進めています。

本事例は、業績改善に向けたさらなる効率化のために、ホールディングスカンパニー体制を見直し合併に至ったと考えられています。

テイクアンドギヴ・ニーズがグットラック・コーポレーションをケン不動産リースに株式譲渡

2020年9月、婚礼・ウエディング事業を行うテイクアンドギヴ・ニーズは、海外・リゾートウエディング事業を行っている子会社グッドラック・コーポレーションの全保有株式(全体の91.8%)をケン不動産リースに譲渡しました。譲渡価額は非公表です。

テイクアンドギヴ・ニーズとしては、コロナ禍の影響もあり経営状況が厳しくなった子会社を、取引関係のあったケン不動産リースに譲渡し、経営の選択と集中を行っています。

連結子会社の異動(株式譲渡) および、特別損失の計上見込みに関するお知らせ

aedamによるラビアンローゼとウィンクルの事業譲受

2020年8月、aedamは、ラビアンローゼから「ホテルアークリッシュ豊橋衣装室」、ウィンクルから「スウィートローゼスクラブ岡崎」の事業をそれぞれ譲受しました。

スウィートローゼスクラブ岡崎は、『心に残る、アットホームな結婚式を』を理念に掲げています。aedamは、愛知県で貸衣装事業とフォトスタジオ事業を営んでおり、本件M&Aによって愛知県におけるブライダル事業の拡大を図るとしています。

パートナーエージェントがpmaを子会社化

2020年4月、婚活サービス大手のパートナーエージェントは、挙式披露宴後の二次会プロデュース事業を行うpmaの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は1,000円です。

このM&Aスキームを細かく説明すると、まず挙式披露宴後の二次会プロデュース事業の大手であるオーセモーション・プロダクツが会社分割をして、pmaが設立されました。会社分割時にpmaが承継したのは、東京と神奈川における挙式披露宴後の二次会プロデュース事業です。

つまり、パートナーエージェントとしては、オーセモーション・プロダクツの東京と神奈川における挙式披露宴後の二次会プロデュース事業を譲受しています。

株式会社 pma の株式の取得及び子会社化(グループ化)に関するお知らせ

パートナーエージェントがMクリエイティブワークスを子会社化

2020年3月、パートナーエージェントは、フォトウエディング事業を行うMクリエイティブワークスの全株式を取得し、完全子会社化しました。取得価額は2億1,400万円となっています。

パートナーエージェントは、以前よりMクリエイティブワークスの株式14.9%を所有していましたが、残りの85.1%を追加取得したものです。パートナーエージェントとしては、これまで行ってきていなかったフォトウエディング事業を新たに取得しています。

連結子会社間の合併及び商号変更に関するお知らせ

エスクリがラヴィマーナ神戸から事業譲渡

2020年3月、婚礼・ウエディング事業を行うエスクリは、ラヴィマーナ神戸が運営してきた結婚式場「ラヴィマーナ神戸」と、扇屋が「ラヴィマーナ神戸」内で行ってきた衣装事業を、それぞれ譲受しました。取得価額は公表されていません。

エスクリとしては、神戸市で2軒目の結婚式場を得て、同エリアにおける業績拡大を図る目論見です。

こころネットがベトナムの墓石加工販売会社を子会社化

2020年2月、こころネットが、ベトナムの墓石加工販売会社KANNO VIETNAM TRADING COMPANY LIMITEDを子会社化しました。冠婚葬祭事業を幅広く手掛けるこころネットは、今回の買収によって海外の墓石受注増加を見込んでいます

ベトナムにおける墓石加工販売会社の持分取得(連結子会社化)に関するお知らせ

平安レイサービスがさがみライフサービスとシンエイ・クリエート・サービスを子会社化

2020年1月、冠婚葬祭事業を行う平安レイサービスは、葬祭業のさがみライフサービスと、ホテル経営のシンエイ・クリエート・サービスのそれぞれの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。

子会社となった両社は、ともに神奈川県小田原地区で事業を行っています。平安レイサービスとしては、同エリアにおける営業力アップ期待してのM&Aです。

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行う6つのメリット

この項では、婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリットを解説します。

  1. 後継者問題を解決できる
  2. 従業員の雇用先を確保できる
  3. 競争から解放され将来の不安がなくなる
  4. 個人保証や担保をなくせる
  5. 結婚式場・ブライダル会場を取り壊す費用が不要になる
  6. 譲渡・売却益を獲得できる

①後継者問題を解決できる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリットの1つ目は、後継者問題を解決できることです。中小企業庁が定期的に発行している「中小企業白書」では、中小企業の後継者問題が毎回取り上げられており、その深刻度は年々、増しています。

この傾向は婚礼・ウエディング業界も同様であり、地方の中小企業にとって後継者問題は命題といえます。この問題に対処するべく、M&A・事業承継を選択する婚礼・ウエディング会社が増えつつある状況です。

②従業員の雇用先を確保できる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリット2つ目は、従業員の雇用先を確保できることです。

M&Aによって買収を行う目的には、ほとんどの場合、事業規模拡大が含まれています。この目的を掲げる会社の多くは新たな人材を欲しているため、従業員をそのまま引き継ぐ事例がほとんどです。

また、事業承継であれば会社はそのまま存続するため、従業員の失業に関する心配が不要です。

③競争から解放され将来の不安がなくなる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリット3つ目は、売却側の場合、競争から解放され将来の不安がなくなることです。

婚礼・ウエディング業界は、少子化による婚姻率の減少や、そもそも結婚式を行わない「なし婚」の増加によって、市場規模が縮小を続けている背景があります。そのため、減り続ける顧客の奪い合いが、年々、激しさを増しているのです。

業界全体の将来性を不安視する見方もあり、悩みや不安を抱える経営者がM&A・事業承継によって同事業から撤退する事例も多く見受けられます。

④個人保証や担保をなくせる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリット4つ目は、個人保証や担保をなくせることです。

会社運営に必要となる資金は、多くの場合、金融機関からの融資で賄われています。そして、中小企業の場合、経営者が個人保証や担保を提供しなければ融資を受けることが難しい傾向にあるのです。

自己資産を担保とすることで融資を受けられますが、事業に失敗した場合はすべてを失ってしまう大きなリスクを抱えています。リスクを抱えることは、経営者であり続ける限りつきまとう問題ですが、M&A・事業承継によって経営者を降りれば、こういった悩みからも解放されます。

⑤結婚式場・ブライダル会場を取り壊す費用が不要になる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリット5つ目は、仮に廃業した場合に発生する、結婚式場・ブライダル会場を取り壊す費用が不要になることです。

同業種へのM&Aや事業承継によって会社が存続するのであれば、結婚式場やブライダル会場をそのまま活用できるため、わざわざ取り壊す必要がなくなります。

⑥譲渡・売却益を獲得できる

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継を行うメリット6つ目は、売却側であれば譲渡・売却益を獲得できることです。株式譲渡の場合、株式の取得対価の支払いによりM&Aが成立します。取得対価は株主個人に支払われるため、新しく手掛ける事業や新生活の資金などに活用することが可能です。

婚礼・ウエディングの売却の相場については、下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】婚礼・ウエディングの売却の相場は?高値で売るポイントを解説!

婚礼・ウエディング業界を積極的に買収する企業一覧

ここでは、婚礼・ウエディング業界において積極的に買収を実施している企業を紹介します。

  1. こころネット
  2. アスカネット
  3. エスクリ

①こころネット

こころネットは、冠婚葬祭事業の「アイトゥアイ・グループ」と石材事業の「カンノ・グループ」が2005年11月に経営統合をして誕生しました。

設立以降、冠婚葬祭事業を手掛ける企業の買収を繰り返して、同事業の強化を図っています。近年では、北関東互助センターや玉橋などが代表的なM&A事例です。

②アスカネット

アスカネットは、「思いをかたちに」を理念に、写真集の制作請負および関連するソフトウェアの開発を手掛けています。思い出の写真を残せるとして、婚礼・ウエディング事業にも大きく関わっている企業です。

近年では、「3Dスキャナー開発・販売のVRCとの資本業務提携」が話題となり、両社が独自に持つ技術とネットワークを共有することで製品・サービスの向上を図っています。

③エスクリ

エスクリは、全国で結婚式場を運営する婚礼・ウエディング会社です。

以前は都市部を中心に事業展開をしていましたが、近年はさらなる事業エリアの拡大を図った地方の婚礼・ウエディング業界の買収の動きが強まっています。買収スキームとしては、会社を買収する株式譲渡だけでなく、式場運営などの細かい事業単位での買収も多い点が特徴です。

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点

本章では、婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点を解説します。いずれもM&A・事業承継を成功させるために欠かせないポイントであるため、念入りに把握しておきましょう。

  • 計画的に準備を行う
  • M&A・事業承継の目的を明確にする
  • 事業承継時は後継者育成を行う
  • M&A・事業承継先を選定する
  • 結婚式場・ブライダル会場の老朽化などの確認
  • M&A・事業承継の専門家に相談する

計画的に準備を行う

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点1つ目は、計画的に準備を行うことです。

M&A・事業承継の準備には、「自社の状況確認」「業界の動向確認」などが挙げられます。内外を取り巻く環境を把握しておかなければ、適切にM&A・事業承継を進められません。

また、「相談先を決める」ことも重要です。婚礼・ウエディング業界に精通している専門家のサポートを受けることで、成功率が大幅に上がります

M&A・事業承継の目的を明確にする

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点2つ目は、M&A・事業承継の目的を明確にすることです。

婚礼・ウエディング会社がM&A・事業承継を行う理由には、後継者不在・従業員の雇用先の確保・将来性の不安からの解放など、さまざまなものが挙げられます。

どの理由を重視するかによって適切な取引先が変わり、得られる結果も変動します。したがって、初期段階で目的を明確にしたうえで、M&A・事業承継の方向性を定めることが重要です。

事業承継時は後継者育成を行う

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点3つ目は、事業承継時は後継者育成を行うことです。

親族内に適任者がいない場合、次善の策として従業員に事業承継するケースが想定されます。この場合、事前に会社内の優秀な人材をピックアップし後継者育成を行っておくことで、いざという時に慌てずに事業承継することが可能です。

M&A・事業承継先を選定する

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点4つ目は、M&A・事業承継先を選定することです。

M&A・事業承継先の選定は、目的や条件を満たすための重要なプロセスであり、M&A全体の流れの中でもより慎重に行うべきプロセスです。仲介会社などからサポートを得つつ、M&A・事業承継先を選定しましょう。

結婚式場・ブライダル会場の老朽化などの確認

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点5つ目は、結婚式場・ブライダル会場の老朽化などの確認(買い手側)です。

近年では、手早く事業エリアの拡大を果たせるとして、結婚式場・ブライダル会場の確保を目的に、婚礼・ウエディング会社を買収する事例も多く見受けられます。

しかし、肝心の結婚式場・ブライダル会場が長い年月を経て老朽化が進んでいる可能性も存在します。リニューアルなどの必要が生じて、想定外の出費が伴うケースもあるため注意が必要です。

M&A・事業承継の専門家に相談する

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時の注意点6つ目は、M&A・事業承継の専門家に相談することです。

M&Aや事業承継は、成約するまで多数のプロセスを必要とします。プロセスの中には、秘密保持契約書などの各種契約の締結もあるため、M&A・事業承継の専門家のサポートが欠かせません。M&A・事業承継を円滑に進めるためにも、専門家への相談をおすすめします。

婚礼・ウエディングの事業譲渡/株式譲渡の成功のコツや注意点については、下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】婚礼・ウエディングの事業譲渡/株式譲渡の成功のコツや注意点を解説

婚礼・ウエディング業界のM&A成約実績

ここでは、婚礼・ウエディング業界のM&A成約実績事例を、M&A仲介会社であるM&A総合研究所の案件から1件紹介します。

【売り手側】

業種 ブライダル
売上高 3億円
経営者の年齢 60代
譲渡理由 事業承継

【買い手側】
業種 飲食業
売上高 非開示
上場/非上場 非上場
譲受理由 事業の多角化

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

近年、金融機関によるM&A支援への注力が顕著で、専任の部署を設ける動きが加速しています。特に投資銀行や大手メガバンクは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)として、資金調達のサポートや戦略立案を含む包括的なサービスを提供し、M&Aプロセスを円滑に進める役割を担っています。

このような支援により、企業は事業承継や資金調達といった複雑な課題に対応しやすくなるほか、専門知識の活用により取引の成功率を高めることができます。

しかし、大手金融機関は大規模な取引を優先する傾向があるため、中小企業が適切なサポートを受けられないケースも見受けられます。そのため、企業規模やニーズに合った支援機関を慎重に選ぶことが必要です。また、アドバイザリー費用が高額になる場合もあるため、事前に費用に関する詳細を確認することが重要です。

公的機関

近年、事業承継やM&Aを支援するための公的な仕組みが急速に整備されています。全国47都道府県に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不足に直面している中小企業向けの窓口として、事業承継やM&Aに関する情報提供、アドバイス、さらには企業間のマッチングサービスを無料で提供しています。

この制度により、地方の中小企業でも専門的なサポートを受けやすい環境が整備されており、個人事業主への支援も強化されています。また、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介を受けることができる点も利便性の一つです。

ただし、民間仲介会社に比べて対応のスピードや柔軟性に限界がある場合があるため、利用に際してはその点を考慮する必要があります。公的支援機関は、事業承継やM&Aを検討する際の信頼できる選択肢として活用する価値があります。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業間の売買をスムーズに進めるための幅広い支援を提供する専門機関です。売却を希望する企業と買収を検討する企業の双方に対して、取引相手の紹介や交渉支援、進行管理、企業価値の評価、契約書の作成などを手掛け、取引が円滑に進むよう調整役を果たします。

特筆すべきは、広範なネットワークを駆使して適切な取引先を見つける能力であり、成約率を高める点が大きな利点です。また、初めてM&Aに挑む企業にも分かりやすい助言を提供し、取引を安心して進められる体制を整えます。

ただし、仲介サービスの利用には着手金や中間報酬などの費用がかかる場合があるため、事前に料金体系を確認することが重要です。コスト負担を抑えたい場合には、成功報酬型の仲介会社を検討するのも賢明な選択といえるでしょう。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

婚礼・ウエディング業界のM&A・事業承継のまとめ

M&A・事業承継事例から、婚礼・ウエディング業界全体でM&Aの動きが活発化していることがわかりました。この傾向には、婚礼・ウエディング業界の市場規模の縮小が進んでいることや、M&A・事業承継を行うさまざまなメリットがあることも影響していると考えられます。

M&Aや事業承継には多くのメリットがありますが、成約するまで多数のプロセスを必要とします。プロセスには秘密保持契約書などの各種契約の締結もあるため、M&A・事業承継を円滑に進めるためにも、専門家への相談をおすすめします。

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