M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年6月22日更新都道府県別M&A
熊本の事業承継を徹底解説!M&A最新動向・事例・相談先と成功の秘訣
熊本県での事業承継やM&Aをご検討中ですか?本記事では、後継者不在の現状から最新のM&A動向、具体的な事例、頼れる相談先、公的支援まで、熊本の事業承継を成功に導くための情報を網羅的に解説します。
目次
熊本県における事業承継の現状とM&A動向
熊本県の中小企業を対象とした2023年の調査によると、後継者が不在の企業は47.7%にのぼります。この数字だけを見ると、比較的後継者が見つかっている企業が多い印象を受けるかもしれません。しかし、経営者の年齢別に見ると、60歳以上で「後継者候補がいない」と回答した割合は31.6%に達しており、事業承継の準備が喫緊の課題であることが浮き彫りになっています。
業種別では、特に小売業や不動産業で後継者不在の割合が高く、これらの分野での事業承継支援の重要性が示されています。
後継者候補の属性を見ると、「子ども」が最も多く、全体の34.3%を占めていますが、前年から0.2ポイント減少しました。2022年の調査に続き、2年連続で「子ども」がトップの後継者候補となっています。また、「配偶者」と合わせると、49.0%が親族内での事業承継を予定しており、2社に1社以上が身内に引き継ぐ意向を示していますが、この割合も前年より低下しています。
一方で、「内部昇格」や「外部招聘」によって社長に就任した企業では、次の後継者として「非同族」を選ぶ割合が8割を超えており、M&Aなどにより外部から第三者を経営に迎え入れる傾向がますます強まっていることが伺えます。
熊本県内企業の経営者年齢と後継者問題の深刻度
2023年の後継者に関する動向では、特に50~60歳代の「現役世代」で後継者不在率の低下が顕著に見られました。50代の後継者不在率は49.0%で、全国平均の60.0%を大きく下回っています。
また、事業承継が適齢期とされる60代でも31.6%と、前年から3.6ポイント減少し、全国平均の37.7%を下回りました。さらに、70代では24.8%で1.9ポイント、80代では21.2%で0.3ポイントの減少が見られ、各世代で後継者の選定が進んでいることが示されています。
事業承継問題と熊本県内企業の休廃業・解散動向
後継者不在の問題は、企業の休廃業リスクを高める深刻な要因となっています。
2023年における熊本県の休廃業・解散件数は572件で、前年比2.4%の減少となりました。注目すべき点として、「黒字」状態での休廃業の割合が45.5%と過去最低水準になったことや、資産超過の企業が休廃業する割合も減少傾向にあることが挙げられます。
一方で、経営者の平均年齢は71.6歳と過去最高を更新しており、経営層の高齢化が進んでいます。業種別に見ると、8業種のうち「建設業」「小売業」「運輸・通信業」の3業種で休廃業件数が増加しました。
この年は、いわゆる「あきらめ廃業」だけでなく、事業再編など将来を見据えた「前向きな廃業」も見られ、経営者にとって難しい判断が迫られる一年だったといえます。
熊本県の事業承継・M&A事例
熊本県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
西川印刷によるバッハベルクの事業承継・M&A
2024年7月30日、KYORITSUの子会社である西川印刷(熊本県熊本市)は、バッハベルク(福岡県福岡市)の全株式を取得し、子会社化することを決定し、株式譲渡契約を締結しました。これにより、バッハベルクはKYORITSUの連結子会社となります。
KYORITSUは、情報デジタル事業をグループの中心的な事業として位置づけており、デジタルプロモーションや電子書籍制作、IP事業の拡大を通じて収益の拡大を図っています。
今回のM&Aにより、バッハベルクのTV通販映像制作技術を活用し、クロスメディア対応の販促サービスを強化します。
これにより、eコマースやオンライン広告市場での競争力を高め、販路拡大や新規顧客の獲得を目指し、KYORITSUグループ全体の成長を促進することが期待されています。
参考:株式譲渡契約締結に伴う子(孫)会社化に関するお知らせ
肥後銀行による肥銀カードの「くまモンのICカード」の事業承継・M&A
2024年5月24日、肥後銀行(熊本県熊本市)は、グループ会社である肥銀カード(熊本県熊本市)から「くまモンのICカード」事業を譲り受けることを決定しました。
肥後銀行は、預金や貸付業務をはじめ、証券売買や為替業務、有価証券投資など、幅広い銀行業務を展開しています。一方、肥銀カードはクレジットカード業務や金銭貸付、信用保証、集金代行などを手掛けています。
この事業譲受の目的は、熊本県内でのキャッシュレス決済の普及を促進することです。「くまモンのICカード」の機能を引き継ぎつつ、より多様な決済に対応するスマートフォンアプリ「くまモン!Pay」の開発に着手し、今後もサービスの利便性向上を目指していきます。
参考:肥銀カード株式会社から当行への「くまモンのICカード」事業譲受 および「くまモン!Pay」の開発着手について
ゆめマート熊本による西友の九州地域の食品スーパー69店舗の事業承継・M&A
2024年4月3日、イズミは、西友が九州地域で展開する食品スーパー事業を会社分割により承継することを決定し、子会社であるゆめマート熊本がその事業を引き継ぐ契約を締結しました。この決定により、九州地方における店舗網の強化を図ります。
イズミは、中国・四国・九州地方を中心にドミナント戦略を展開しており、地域密着型の経営を進めています。一方、西友は「サニー」ブランドで福岡県を中心に高い知名度を誇り、効率的な店舗運営と魅力的な商品提供で強固な基盤を築いています。
今回の事業承継により、両者の強みを融合し、九州地域でのさらなる成長と競争優位性を高め、イズミが掲げる2030年長期ビジョンの実現に向けた大きな一歩を踏み出すこととなります。
参考:当社連結子会社における会社分割(吸収分割)による株式会社西友の九州事業の承継に関するお知らせ
熊本での事業承継・M&Aを成功に導く相談先の選び方
熊本県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、地方銀行を含む多くの金融機関がM&A支援を専門とする部署を立ち上げ、事業承継サポート体制を強化しています。特に投資銀行業務を手掛ける大手銀行やメガバンクは、M&Aプロセスにおいてファイナンシャルアドバイザー(FA)として中心的な役割を担うことが少なくありません。買収を検討する企業が、まず取引のある金融機関に資金調達の相談をするのは一般的な流れです。
金融機関に相談するメリットは、資金調達に関する専門的なアドバイスを受けられるだけでなく、事業承継全般についても有益な情報を得られる点にあります。また、M&A専門部署や提携している専門家を紹介してもらえる場合もあります。
ただし、大手金融機関は主に大規模なM&A案件を中心に取り扱う傾向があり、中小企業の小規模な事業承継には対応が難しいケースも見られます。加えて、FA契約(アドバイザリー契約)の場合、報酬が高額になる可能性がある点も考慮しておく必要があります。
公的機関
近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談を受け付ける体制が整備されつつあります。たとえば、「事業承継・引継ぎ支援センター」では、中小企業が直面する後継者不足といった問題に対応するための窓口が設けられ、無料で情報提供やアドバイスを受けられるほか、企業間のマッチングサービスも提供しています。
このセンターは全国47都道府県で展開されており、地方にある企業でも気軽に利用できるというメリットがあります。
公的機関が運営しているため、費用がかからず、かつ公平なアドバイスを受けられるのも大きな魅力です。また、M&Aの仲介や専門家の紹介といった支援も行っています。しかし、公的機関であるがゆえに、対応スピードに限界があることや、民間の仲介会社と比べてサポートの質が劣る場合があるというデメリットも考慮する必要があります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却を専門的に支援し、売り手と買い手の両方と契約を結びながら、交渉を円滑に進めます。これらの会社は、初期の相談から相手企業の選定、スケジュールの調整、企業価値の評価、さらには契約書類の作成に至るまで、M&Aの全過程を一貫してサポートします。
仲介会社の強みは、豊富な候補企業の中から最適な相手を見つけ出す能力にあり、売り手・買い手の双方にとって有利な条件で取引を進められる可能性を高めます。特に、M&Aに不慣れな企業でも、仲介会社の手厚い支援により、交渉やコミュニケーションがスムーズに行われ、成功率が向上します。
一方で、着手金や中間金が必要になる場合があり、費用負担が大きくなることがあるため、成功報酬型の契約を選ぶことが推奨されます。
熊本で事業承継を成功させるためのポイント
事業承継は、企業の将来を左右する重要な経営判断です。熊本県で事業承継を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
早期からの計画的な準備の重要性
事業承継には、後継者の選定・育成、株式や資産の移転、関係者との合意形成など、多くの時間と手間が必要です。そのため、経営者が元気なうちから早期に準備を開始し、計画的に進めることが成功の鍵となります。熊本県内の状況を把握しつつ、余裕を持ったスケジュールで取り組みましょう。
企業価値の正確な評価と磨き上げ
事業承継を円滑に進めるためには、自社の企業価値を客観的かつ正確に評価することが不可欠です。税理士やM&A専門家などの助言を受けながら適正な評価額を把握し、必要に応じて企業価値を高める取り組み(磨き上げ)を行うことで、より有利な条件での承継や、後継者へのスムーズな引き継ぎが期待できます。
専門家との連携によるスムーズな進行
事業承継は法務、税務、財務など多岐にわたる専門知識が求められます。熊本県内にも事業承継に詳しい弁護士、税理士、中小企業診断士、M&Aアドバイザーなどがいます。
これらの専門家と早期に連携し、それぞれの専門分野からのアドバイスを受けることで、複雑な手続きもスムーズに進められ、潜在的なリスクを回避することにもつながります。
熊本県の事業承継・M&Aに関する公的支援
熊本県の事業承継・M&Aに関する主な公的支援をご紹介します。
熊本県事業承継・引継ぎ支援センター
熊本県事業承継・引継ぎ支援センターでは、中小企業診断士や税理士、行政書士、弁護士、金融機関出身の専門家など、多様な経験を持つスタッフが、事業承継に関する幅広い相談に対応しています。国が運営する公的なサービスであるため、安心して相談できます。
熊本県事業承継・後継ぎ支援事業補助金
地域の中小企業が廃業することを防ぎ、雇用を安定的に確保し、地域の活力を長期的に維持することを目的に、後継者やその候補者の育成、事業承継に伴う企業評価、さらに後継者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに対して、経費の一部を支援します。
対象となる経費は、研修費や教材費(公的な研修機関が実施するものに限る)です。対象外となる経費には、宿泊費や交通費、資格取得の検定料、社内研修費、振込手数料、消費税、地方消費税などがあります。
補助金の上限は20万円、補助率は対象経費の3分の2までです。
熊本県の事業承継・M&Aまとめ
熊本県では、2016年に発生した熊本地震の影響により、事業の継続が困難になり廃業を選択した中小企業も見受けられます。一方で、事業承継に関しては、比較的後継者が見つかっている企業も一定数存在し、表面上は問題が少ないように見えるかもしれません。
しかしながら、全国的な傾向と同様に、熊本県でも経営者の平均年齢は年々上昇しており、60歳を超えてもなお現役で経営の第一線に立っている方が多数いらっしゃいます。
事業承継の準備を早期に開始していれば大きな問題にはなりにくいものの、後継者不在の状況を放置し、具体的な対策を講じないままでは、企業の将来的な存続に深刻な影響を及ぼしかねません。
熊本県や地域の支援機関などが主催する事業承継に関するセミナーや相談会も開催されていますので、これらを活用し、中小企業の経営者が積極的に情報収集や準備を進めることが、事業の持続的発展のためには不可欠です。
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