M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年2月28日更新都道府県別M&A
福島県・郡山市のM&A・事業承継の現状!案件例や事例から相談先も紹介!
福島県・郡山市におけるM&A・事業承継の現状や最新動向から案件の探し方を紹介します。福島県・郡山市は東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた地域ですが、経済が回復しM&Aが活発化しています。福島県のM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
福島県・郡山市の産業に見られる特徴
郡山市は、福島県内の経済を牽引する「経済県都」 として知られています。安積開拓によって肥沃な農地を確保し、優れた地理的条件を活かし全国有数の高速交通網を整備しています。これにより、「農業・工業・商業」がバランスよく発展し、人・モノ・情報が集まる交流拠点 となっています。
農業では、米の生産量が全国トップクラスで、平成16年には「特A」評価を獲得したほか、野菜や花の栽培を取り入れた複合経営を推進しており、農業産出額は181億7,000万円(平成18年)です。
商業面では、TMO郡山と連携し、市街地の活性化に取り組み、遊歩道やアーケードを整備。これにより、商品販売額は1兆4,913億9,400万円(平成19年)と、東北地方の市町村で第2位を誇ります。
また、高度技術産業を基盤とした工業振興 も進めており、産学官連携のもと、日本大学工学部内のインキュベーションセンターで新事業創出を支援しています。工業団地の整備も進め、製造品出荷額は1兆192億6,815万円(平成19年)と東北地方で第2位の規模を誇っています。
参考:郡山市「経済県都」
福島県・郡山市のM&A・事業承継の現状
M&Aは、大企業・中小企業を問わずさまざまな企業が行っている経営戦略であり、事業承継・事業拡大・新規事業への進出など、M&Aを行う目的は多種多様です。最近は、M&A仲介会社が増え、M&Aのサポートを受けやすい環境も整備されています。
一方で、M&Aは地方によって異なる特色があり、成功させるにはこれを把握することが重要です。今回は、福島県におけるM&Aの状況などを取り上げます。
後継者不在率はコロナ禍の2019年比で減少傾向
2024年における福島県の後継者不在率は、45.1%でした。2023年比で1.0%減少したほか、コロナ禍の2019年と比較すると19.4ポイント低下しています。
コロナ以前から官民一体で推進されてきた事業承継の重要性が中小企業にも浸透してきたこと、さらにM&Aの普及や事業承継税制の改良・拡大など、多様なニーズに対応できる支援策が整備されたことが、後継者問題の解消に大きく貢献しました。今後も国や自治体の取り組みによって、企業の後継者問題に対する意識がさらに高まり、後継者不在率の低下が続くことが期待されます。
休廃業件数は増加傾向にある
2024年における福島県の休廃業・解散件数は871件で、前年比8.5%の増加が見られました。2022年から2023年にかけての休廃業・解散件数の推移を見ても、2.30%の増加が見られ、近年は増加傾向にあるといえます。
福島県における休廃業件数の増加には、以下の主な要因が挙げられます。
- 経営者の高齢化と後継者不足:多くの企業で経営者の高齢化が進行しており、後継者を確保できないケースが増えています。特に、事業承継が困難な中小企業では、廃業を選択する事例が多く見られます。
- 新型コロナウイルス関連の支援策終了:新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業に対する国の支援策が終了したことにより、経営が悪化し、休業や廃業を余儀なくされる企業が増加しています。
- 物価高騰と人手不足:近年の物価上昇や人手不足が、企業経営に大きな負担をかけています。特に、建設業や運輸業では、これらの要因が倒産や廃業の引き金となっています。
- 復興需要の収束:東日本大震災後の復興需要が一段落したことで、関連企業の需要が減少し、経営環境が厳しくなっています。
今後も、物価高や人手不足といった経営環境の悪化が続く場合、休廃業件数がさらに増加する可能性が指摘されています。
福島県企業によるM&A件数
2021年の登録M&A支援機関の報告によると、福島県企業におけるM&A件数は、譲渡側で32件、譲受側で24件を記録しています。東北地方の他県と比べると、宮城県(譲渡側51件、譲受側31件)、岩手県(譲渡側36件、譲受側26件)に次いで多い水準にあることがわかっています。
参考:中小企業庁「M&A支援機関登録制度実績報告等について」
福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
①【好立地・50室以上】福島県_ビジネスホテル
業歴50年弱の地元をはじめ、復興工事関係者に愛されるビジネスホテルです。好立地でコストパフォーマンスが良く口コミの評価が高いです。
観光関連の支援事業や福島イノベーション・コースト構想、インバウンド復興対策事業の強化に乗り出しているため、福島県への観光客は増加傾向にあります。
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業力 | 赤字経営 |
総資産額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 希望なし |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、戦略の見直し |
②【東北地方/長年の実績あり】不動産業
長年の人脈から安定した仕入が可能です。同社展開エリアでは数少ない造成工事から行っている会社です。中古住宅のリフォームに強みがあります。役員陣が地場の不動産会社の出身のため、職人との繋がりが強く低価格での工事の依頼が可能です。
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業利益 | 〜1000万円 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
③【東北地方/主要ターミナルからのアクセス抜群】土地自社保有のゴルフ場
高級クラブとしてのコースをリーズナブルな価格でプレイ可能です。主要ターミナルからのアクセスが抜群です。土地、建物を自社保有しています。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
④【東北地方/事業譲渡】太陽光発電事業
年間売電金額は約1億円です。FIT終了までの想定売電収益は約11億円(FIT買取期間終了は2037年)を見込んでいます。年間売電金額が約1億円の太陽光発電が2区画あり、1区画を売却予定(2区画合わせての売却は応相談)です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 5000万円〜1億円 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 7.5億円〜10億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
⑤【東北エリア/高収益】住宅の設計施工・リフォーム業
ワンランク上の高性能住宅を身近に手頃な価格で提供することをモットーに事業を運営しています。直近3期平均で実態EBITDA4,000万で、直近期のNetCashが9,000万弱と財務良好です。
地域では一定の知名度があり、SNSや展示会運営も行うことで顧客流入経路を確保できています。体系的な組織化ができており、社長が勇退後も問題なく事業の運営が可能です。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
営業利益 | 1000万円〜5000万円 |
総資産額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
福島県・郡山市のM&A・事業承継の事例
福島県・郡山市のM&A・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。
ハタフルによるユーティルとの資本業務提携
ハタフル(福島県郡山市)は、2024年12月9日付でユーティル(東京都新宿区)と資本業務提携を締結 しました。
今回の提携により、両社は共同で「ホームページできるくん」の営業・制作体制を構築 し、低コストで高品質なWeb制作サービスの拡充を目指します。
ハタフルはWeb制作を手掛ける企業で、Webデザイナー養成スクール「ハタフルアカデミー」やクリエイターコミュニティ「ハタコミュ」を運営 し、クリエイターの技術向上や仕事のマッチング支援を行っています。
一方、ユーティルは、中小企業のDX支援を目的としたプラットフォームおよびBPaaS事業を展開しています。今回の提携により、中小企業向けのWeb制作・DX推進を加速し、より多くの企業が手軽にホームページを持てる環境を整備する方針です。
スタンディによるmanabyへのM&A・事業承継
2024年7月18日、manabyは、スタンディ(福島県郡山市)が運営する障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業の一部事業所を譲り受けるため、事業譲渡契約を締結することを決定しました。
manabyは、東北・関東・関西エリアを中心に、約40カ所の障害者就労支援事業所を運営しており、フランチャイズ(CSP)も含めて展開しています。一方、スタンディは、就労支援や共同生活援助、WEB関連事業、カフェ運営、農業と福祉の連携事業など、幅広い事業を展開しています。
今回の事業譲受の目的は、manabyが関東エリアにおけるサービス提供の範囲を拡大するとともに、スタンディの就労移行支援に関する専門知識を持つ人材を引き継ぐことで、より充実した支援を提供できる体制を整えるためです。
リビングプラットフォームによるエコのM&A・事業承継
2023年1月30日、リビングプラットフォームは、子会社であるリビングプラットフォームケアを承継会社とし、エコを分割会社とする吸収分割を行うことを決定しました。この分割により、エコが運営する高齢者向けグループホーム7施設の運営事業がリビングプラットフォームケアに引き継がれます。
リビングプラットフォームは、介護、保育、障がい者支援の事業を幅広く手がける企業です。一方、エコは福島県郡山市を拠点に複数の介護施設を展開しています。
今回の事業承継により、リビングプラットフォームは東北地方での事業シェア拡大を目指しています。
福島県・郡山市の事業承継・M&A時におすすめの相談先3選
福島県・郡山市での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
①金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設置するケースが増えています。特に、投資銀行やメガバンクはファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aにおける資金調達や戦略的なアドバイスを提供し、買収を進める上で重要な役割を果たしています。そのため、M&Aを成功させるためには金融機関との連携が不可欠です。
金融機関を活用するメリットとして、資金調達に関する専門的な知識を基にアドバイスを受けられることや、事業承継や後継者への株式移転時にサポートを受けられる点が挙げられます。
また、M&A専門の部署を通じて適切なアドバイザーを紹介してもらえることも大きな利点です。ただし、大手金融機関は主に大規模な案件を優先する傾向があり、中小規模の案件には対応しないことがあるほか、アドバイザリー報酬が高額になる可能性があるため、利用する際には注意が必要です。
②公的機関
近年、事業承継やM&Aに関する相談窓口が公的機関によって大幅に整備されてきました。
「事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不足といった中小企業が直面する課題に対応するための窓口で、情報提供やアドバイス、企業間のマッチング支援などを行っています。2021年4月に設立され、全国47都道府県に設置されているため、地方の企業でも簡単に利用でき、信頼性の高い無料のサポートを受けられます。
また、このセンターは個人事業主も対象としており、M&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。しかし、民間のM&A仲介会社と比べると、対応のスピードやサービスの質に限界がある場合があるため、その点を考慮することが必要です。
③M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買に関わるすべてのプロセスを包括的にサポートする専門機関です。売り手と買い手の両方と契約を結び、交渉の調整や適切な相手企業の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、書類作成など、M&A全体に関わる業務をサポートします。
仲介会社は、双方の条件をすり合わせ、最適な合意に導く重要な役割を担っています。また、幅広い選択肢の中から最適なパートナーを見つけることで、M&Aの成功率を高められます。初めてM&Aに取り組む企業にも、具体的なアドバイスや手厚いサポートを提供し、安心して手続きを進めることができます。
ただし、着手金や中間金が必要になるケースもあり、費用が負担となることもあります。そのため、成功報酬制を導入している仲介会社を選ぶことが賢明です。
福島県・郡山市のM&A・事業承継に役立つ公的機関5選
本章では、福島県・郡山市のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的機関として、以下の5つを取り上げます。
- 福島県事業承継・引継ぎ支援センター
- 福島県よろず支援拠点
- 福島商工会議所
- いわき商工会議所
- 福島県信用保証協会
それぞれの項目を見ていきましょう。
①福島県事業承継・引継ぎ支援センター
福島県事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在などの理由で事業の引き継ぎに悩む福島県内の中小企業・個人事業主へ向けた相談窓口です。相談料は無料で、事業承継問題を抱える中小企業者向けにさまざまなサポートを行っています。
主に地元の企業などが活用する公的機関で、福島県内のM&A案件を管理している場合があります。福島県事業承継・引継ぎ支援センターに相談すれば、M&Aに役立つでしょう。
事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し
事業承継・引継ぎ支援センターを活用するよう、政府も後押ししています。近年は、後継者不在などで経営に悩みを抱える企業者が増加中です。こうした状況を踏まえ、事業承継・引継ぎ支援センターのネットワークが拡充されています。
政府の後押しにより、福島県を含めた各都道府県に事業承継・引継ぎ支援センターが設置され、M&Aを行いたい方をサポートしています。事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関を活用すれば、M&Aの案件を見つけることが可能です。
しかし、公的機関は、M&Aの仲介まで行うとは限りません。M&Aの仲介自体は、仲介会社へ紹介するケースが多いです。
②福島県よろず支援拠点
福島県よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者向けの経営相談所です。郡山市と福島市にオフィスがあり、コーディネーターが在籍しています。予約制で相談を行え、相談料は無料です。
悩みをどこに相談したら良いのかわからない中小企業・小規模事業者の方に向けて幅広く相談を受付けており、相談内容に応じて適切な支援を受けられる機関へつなぎます。福島県よろず支援拠点を活用して、M&Aに生かしましょう。
③福島商工会議所
福島商工会議所とは、商工会議所法に基づいて設立された地域総合経済団体です。事業経営者を中心に運営され、中小企業者への経営支援や地域経済復興支援を実施しています。福島県でM&Aを行う際は、活用しましょう。
④いわき商工会議所
いわき商工会議所では、地域における中小企業の経営改善を図るため、経営に関する支援を行っています。会員でなくても相談できますが、会員の方がより手厚いサポートを受けられるでしょう。
⑤福島県信用保証協会
福島県信用保証協会は、中小企業者の方が金融機関から融資を受ける際に公的な保証人となることで、金融の円滑化を進める機関です。
主に中小企業者向けの金融に関するサポートを行っていますが、福島県内の中小企業者をサポートしているので、M&Aを行う際に役立つでしょう。
事業承継・引継ぎ支援センターについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
福島県・郡山市のM&A・事業承継まとめ
かつては東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた福島県ですが、現在は復興が進み、経済が回復傾向にあります。これに比例して、福島県ではM&Aが活発化し、県内企業がM&Aを行った事例が増加中です。
昨今の日本では中小企業を中心に地域内でM&Aを普及させる動きが目立っており、今後も福島県ではM&Aが活発に行われる傾向が続くと見られます。
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