M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年9月22日更新節税
経営分析とは?方法や目的、種類、財務分析との違いを解説
会社経営において、運営状態を把握して自社の経営状況を鮮明に可視化するには、経営分析の方法や種類などを理解しておくことが必要です。この記事では、経営分析について、方法・目的・種類、財務分析との違いをわかりやすく解説します。
目次
経営分析とは?
会社を運営するうえで、経営分析という言葉を耳にしたことのある経営者もいるはずです。広義に捉えると販売管理・人事管理・生産管理などをさすケースが多いですが、本記事で解説する経営分析は、貸借対照表・キャッシュフロー計算書・財務諸表・損益計算書などの分析をさします。
経営分析における指標は、決算書など財務諸表における客観視できる数字を基準に、自社の経営状況を可能な限り可視化したうえで、より客観的かつ感覚的に理解しやすいよう昇華させるためのツールをさします。いいかえれば、簡潔にマニュアル化された財務諸表とも捉えられるのです。
そもそも会社経営の感覚は、即座に身につくものではありません。簿記記帳の結果をただ眺めるだけなら、普通の社員にも任せられるでしょう。会社経営において、運営状態を把握しながら自社の経営状況をより可視化するには、経営分析に関する知識の習得が必要不可欠です。
このように会社を効率よく運営し合理的な経営を実現するために欠かせない経営分析ですが、実施すると自社の経営に関する意思決定を行ううえで重要な指針となります。経営分析の重要性を認識したうえで、経営者はこれを正確に理解して実行に移していく必要があるのです。
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【絶対知っておきたい】経営分析の基礎知識
経営分析を理解するには、会計・財務について最低限の知識が必要となります。経営分析を行うにあたってまず必要となるのが、財務諸表に関する知識です。
財務諸表とは、一定期間の経営成績や財務状態を表す資料をさします。このうち経営分析で使われる財務諸表は、以下の3つです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
ここからは、詳しく説明していきます。
貸借対照表
貸借対照表とは、特定時点で会社が持っている資産・負債・純資産の項目および金額が記入された財務諸表のことです。
つまり、会社に関わるお金の流れのうち、ストックの部分を示します。
損益計算書
損益計算書とは。会社の特定期間内における収益と費用の項目および金額が記された財務諸表です。そのため、損益計算書では、会社に関わるお金の流れのうち、フローの部分を表します。
経営分析では、売上高・受取利息などを「収益」、買掛金・支払利息などを「費用」として使います。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書とは、会社におけるキャッシュの増減を一会計期間で示した書類です。キャッシュとは、現金および現金同等物をさします。
キャッシュフロー計算書を見ると、会社にどれくらいのお金があるのかがわかります。
経営分析の目的
経営分析をする目的は、以下の2つです。
- 自社の現状を把握すること
- 自社の問題点・弱点・改善点を発見し、対策を立てること
経営分析を行うと、自社の資金繰りの状況や経営状態などを理解しながら、定期的に点検できます。また、細かな数値も客観視できるため、営業数値の悪化の予兆・業績悪化のサインなどをいち早く察知し、事前に対処して回避することも可能です。
日常的な経営分析により、会社の各種経営指標と売上・利益など自社の資産状況を正確に把握できれば、経営分析にもとづいて適切に対処できます。経済情勢の変化など多くの不確定要素にさらされている会社経営に対する被害・影響を最小限にするためにも、経営分析は効果的な手段の1つです。
経営分析をするメリット
経営分析を行うと得られるメリットには、一般的に以下の3つがあります。
- 客観的に自社の強み・弱みを把握できる
- 経営計画の策定や見直しに役立つ
- 投資可否の判断がしやすくなる
それぞれ、詳しく説明していきます。
①客観的に自社の強み・弱みを把握できる
自社の強みや弱みを経営者自身のみで考えたとしても、主観的なものばかりが思い浮かんでしまいます。仮に多くの案が思い浮かんだとしても、それが本当の強みや弱みとは限りません。
その一方、経営分析により算出した指標は、非常に客観性が高いです。例えば、収益性の指標が高ければ、収益性を強みと判断できます。また、生産性の指標が低ければ、生産性が弱みということがわかるのです。
②経営計画の策定や見直しに役立つ
経営分析により強みや弱みを把握できれば、経営計画の策定や見直しを実施しやすくなるのです。
つまり、「強みであれば、それをどう伸ばせるのか」、「弱みであればそれをどう解決できるのか」などを見直す機会を作れます。
③投資可否の判断がしやすくなる
金融機関や投資家からすると、経営分析により投資可否の判断が可能となります。例えば、銀行は、確実に融資した金額を返金してもらうために、「安全性」の指標を投資可否に役立てるケースがほとんどです。
投資家からすれば、収益性や成長性の指標は、投資の判断材料となります。ひとことに経営分析といっても、その内容や手法は多肢にわたるのです。そこで次章からは、経営分析に用いられる主な方法を具体的にわかりやすく解説していきます。
経営分析と財務分析の違い
一般的に、経営分析の方が財務諸表分析よりも広義に捉えられています。つまり、経営分析のための主な方法として財務諸表分析が存在するといった関係です。
ただし、財務諸表分析の取り扱いについては、定量的データを中心に経営の定性的な情報も読み取るという見解と、財務諸表分析をあくまでも定量的データのみの分析ととらえる見方の2種類があります。
前者の場合、ほとんど経営分析と同義といえます。そのため、財務諸表分析と経営分析は、ほぼ同義で使われているケースも多いです。
経営分析の手法①収益性分析
収益性分析とは、特定の企業が利益を生み出せるパワーを測るための分析です。企業の資本・売上などを相対的に見ながら、どれだけのプロフィットを得ているのかを可視化します。
指標が高い場合、少ないコストで合理的に売上を得ていることを示しています。いうなれば、マネジメントの良し悪しや戦略の正否などをジャッジできる直接指標です。
結果が悪ければ、即座に施策を打ち出し実行すべきだと判断できます。そのため、企業のマネージャーであれば、知っておくべき知識です。収益性分析には、「資本利益率分析」「損益分岐点分析」「利益増減分析」の3種類があるので、それぞれ順番に紹介していきます。
資本利益率分析
資本利益率分析では、資本と利益をもとにした以下のような指標が用いられます。
- ROA(総資本経常利益率)
- ROE(自己資本当期純利益率)
- 売上高総利益率
- 売上高営業利益率
- 売上高経常利益率
- 売上高販管費率
それぞれの指標について順番に見ていきましょう。
①ROA(総資本経常利益率)
ROAとは総資本経常利益率のことであり、「Return On Assets」の頭文字を取った言葉です。
総資本経常利益率を出すと、企業の経常的な活動の業績がわかります。事業に用いた資本によって、どれほどのプロフィットが生み出されているかチェックできるのです。
数値が高いと、企業は合理的に資本運営できているとみなされます。計算式は以下のとおりです。
- 総資本経常利益率(%)= 経常利益 ÷ 総資本 × 100
上記を計算し、5%程度であれば適当な数値です。このときに1%未満であれば、能率が悪いため注意しましょう。もともとの資本金が増えていないため、今後はマイナス化する一方です。そのため、マネジメントの見直しをしたり改善対策を実施したりする必要があります。
②ROE(自己資本当期純利益率)
ROEとは自己資本当期純利益率のことであり、「Return On Equity」の頭文字を取った言葉です。これは、株主が出した自己資本を使って企業が株主のプロフィットを上げられているのか測るインデックスとなります。
そのため、株主からすると、投資効率を測れます。数値が高ければ、株主のプロフィットがしっかりと出せていることが示されるのです。自己資本当期純利益率は、以下のように算出しましょう。
- 自己資本当期純利益率(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本(株主総資本) × 100
上記を計算し、10%〜20%程度なら優良企業であるとみなされます。優良企業には株主による投資が集まりやすいため、株式公開企業であれば高い数値を目指すべきです。
③売上高総利益率
売上高総利益率とは、売上高に対する売上高総利益の比率です。粗利益率と呼ばれるケースもあります。
この数値が高ければ、事業が提供する商品やサービスのプロフィットが高いと判断されます。商品やサービスごとに数値を出しながら、自社の主力となっている商品・サービスを確認しましょう。
- 売上高総利益率(%) = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
④売上高営業利益率
売上高経常利益率とは、企業の売上高に対する経常利益の比率です。この指標を用いると、金融収支などの財務面を加味したプロフィットを把握できます。
- 売上高営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
⑤売上高経常利益率
売上高販管費率とは、売上高に対する変動費・固定費などの販管費の比率です。この指標を用いると、企業活動にどれほどのコストがかかっているのか把握できます。
- 売上高経常利益率(%)= 経常利益 ÷ 売上高 × 100
⑥売上高販管費率
売上高販管費率は、売上高に対する変動費・固定費などの販管費の割合を示す指標です。この数値が低ければ、販管費を抑えて効率的な経営が行えていると判断されます。
- 売上高販管費率(%)= 販管費 ÷ 売上高 × 100
損益分岐点分析
損益分岐点とは、純益ゼロのポイントをさします。つまり、損益分岐点を知れば、損失もなければ利益も出ていない状態の売上高はいくらなのか把握可能です。
事業の収益性を把握するには、事業の損益分岐点を知っておかなければなりません。「売上=費用」となれば、赤字ではないため会社を現状維持させられます。損益分岐点は、以下のような手順で算出しましょう。
- 損益分岐点 = 固定費 ÷ {1―(変動費÷売上高)}
損益分岐点分析を行うときは、固定費と変動費に分けて考えることが重要です。それぞれの費用をどのように抑えるかによって、損益分岐点は大きく変わります。
利益増減分析
利益増減分析は、企業の収益構造を解明するための分析方法です。そもそも各決算期の期間損益は、常に変動します。そこで、「期間損益の増減がいかなる要因によりどれほど影響を受けたのか」を分析し企業の収益構造を解明できれば、今後の企業業績を予測しやすくなるのです。
具体的には、販売価格の上昇および下落・販売数量の増減・原材料価格の高騰および下落をはじめとする利益の増減要因を探りながら、これらの寄与度をハッキリさせるための分析を実施していきます。
経営分析の手法②安全性分析
安全性分析とは、負債・資本の構成や比率を見て経営が安定しているかを分析する方法です。資金調達と運用のバランスや将来の見込みがあるかなどをチェックします。
この分析方法を用いて、自社がバランスの取れたマネジメントができているかを判定しましょう。また、安全性分析は、企業が支払不能で倒産する危険度を測るインデックスでもあります。
そのため、「取引先が取引をしても大丈夫か」、「金融機関が融資をしても返済が滞らないか」などをチェックするためにも使われるインデックスです。安全性の面で見れば高い方が好ましいですが、高すぎるとマネジメントが機能的でないとみなされます。
なぜなら、資金が余っている状態であり、事業に資金を注ぎ込めていないためです。安全性分析で用いられる指標には、「流動比率」「当座比率」「固定比率」「自己比率」などがあります。
短期財務安全性分析
短期的財務安全性とは短期間における企業の支払能力の安全性を表すものです。短期財務安全性分析では、おおむね1年以内の企業の支払い能力や倒産リスクを評価します。
資金繰りが悪く支払い能力が滞っている企業は、短期間で倒産してしまうリスクが高いです。また、利益があっても黒字倒産してしまうケースもあるため、短期間における企業の支払い能力に問題ないかを確認する必要があります。
流動比率
流動比率とは流動負債に対する流動資産の比率で、短期財務安全性分析における指標のひとつです。短期的な支払い能力をチェックするために使われ、流動比率を求めることで1年以内に現金化できる資産が1年以内に返済すべき負債をどれほど上回っているかがわかります。
流動比率を求める計算は以下となり、流動資産は売掛金・受取手形・当座資産・棚卸資産を合計した数値です。また、流動負債とは、短期借入金・買掛金・支払手形などの合計をさします。
- 流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
一般に、上記の計算式で流動比率200%以上であれば、堅実性の高い企業と判断されます。
当座比率
当座比率とは、当座資産に対する流動負債の比率で、流動比率と同じく短期財務安全性分析の指標です。当座資産とは、流動資産から棚卸資産を差し引いた数字となり、以下の計算式で求めます。
- 当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100
これにより、換金性の高い流動資産・当座資産の流動負債に対する割合を示しつつ、短期的な会社の返済能力を詳細に確認できます。
長期財務安全性分析
長期財務安全性とは、長期における会社の財務構造の安全性をみるものです。長期的な安全性があれば長期的な支払い能力があるといえるため、短期的な財務安全性とは違って企業全体としての安全性をみることができます。
大きな投資をした際に自己資本で補えるか、売上に対して負債が多くないかなどを判断するケースでは、長期財務安全性分析を行うことが多いです。
固定比率
固定比率とは、自己資本に対する固定資産の比率です。固定資産に投資した運転資金が自己資本でどれほど賄われているのかがわかり、以下の計算式で求めます。
- 固定比率(%)= 固定資産 ÷ 自己資本 × 100
自己資本比率
自己資本比率とは、全体の資金調達に対する返済不要の自己資本の比率です。比率が高ければマネジメントの釣り合いが取れており、倒産しにくいと判断されます。
反対に、比率が低ければ他人資本の影響を受けやすく会社の独立性が取れていない状態です。自己資本比率は、以下の計算式で求めます。
- 自己資本比率(%)= 自己資本 ÷ 総資本 × 100
自己資本比率が70%以上だと理想的な企業、40%以上であれば倒産しにくい企業と判断されます。40%を下回ると借入金の比率が高く信用率が下がるため、銀行からの融資を受けづらくなる可能性が高いです。
キャッシュ・フロー分析
キャッシュ・フロー分析の代表的なものは、「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の指標を利用した分析手法です。年間の事業利益が、金融費用の何倍であるかを示したもので、以下の式で算出できます。
インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息+割引料)
この方法によって利子支払能力を把握でき、比率が高いほど金利負担の支払能力が高く財務的に余裕があるとみなされます。企業の信用力を評価するための財務指標の一つとして、企業の安全分析を行う際に用いられる分析です。
経営分析の手法③生産性分析
生産性分析とは、会社のヒト・モノ・カネのそれぞれにどれほどの生産性があるかチェックする分析方法です。従業員1人あたり・機械1つあたり・資金1,000万円あたりなど、細かく確認できます。
企業の持っている資産がどれほど効率よく利益を上げているか可視化できるため、企業の課題発見や最適な投資先選択などの意思決定に役立ちます。生産性分析に用いられる代表的な指標は、「労働生産性」「資本生産性」「労働分配率」の3種類です。
労働生産性
労働生産性とは、従業員1人あたりが生み出すベネフィットや生産量などを表すインデックスです。売上総利益を従業員数や従業員の総労働時間などで割って算出します。具体的には、以下のように算出しましょう。
- 労働生産性(円)= 付加価値額 ÷ 従業員数(2期平均) × 100
労働生産性は、生産量を上げるときの判定水準や、研修を行い1人あたりの労働効率を高めるといった施策を検討する資料として役立ちます。
資本生産性
資本生産性とは、投入した資本金に対して発生した付加価値の比率です。つまり、資本1円につきどれくらいの付加価値が付いているのか調べられます。以下のように算出しましょう。
- 資本生産性(円)= 付加価値額 ÷ 総資本 × 100
数値が大きければ、キャピタルに対する付加価値が高いと評価できます。一般的に粗利率を高めると、資本生産性を向上させることが可能です。
労働分配率
労働分配率とは、付加価値額に対する人件費の比率です。つまり、企業が生み出したプロフィットのうち、どれほど人件費に分配されているのかが把握できます。労働分配率は、以下のように算出しましょう。
- 労働分配率(%)= 人件費 ÷ 付加価値額 × 100
一般的な労働分配率は40%〜60%程度とされていますが、業界によって適正な労働分配率は異なります。ただし、同じ業界の適正相場と比べて比率が高いとしても、即座に人件費を下げる判断をすべきではありません。
労働分配率が高いと、他の会社と比べて良い待遇で社員を雇用できている証拠です。マネジメントに支障をきたしていないのであれば、数値を維持して良い人材を集める施策も有効な戦略となります。
経営分析の手法④成長性分析
成長性分析とは、企業の売上高や総資産などの規模がどのように変化しているかチェックする分析方法です。成長性分析を行うと、企業の今後の見とおしや発展速度などを把握できます。
また、前期と今期の売上高やプロフィットの増加率などを比べれば、今後のマネジメント方針の決定に役立てられます。成長性分析に用いられる指標は、「売上高増加率」「利益増加率」「総資産増加率」「純資産増加率」「従業員増加率」「EPS」などが代表的です。
売上高増加率
売上高増加率とは、前期の売上高に対して今期はどれほどの売上高になっているか分析するインデックスです。売上高増加率は、以下のように算出しましょう。
- 売上高増加率(%)= (当期売上高 - 前期売上高) ÷ 前期売上高 × 100
売上高増加率は高ければ高いほど良く、会社の発展する様子が示されます。ただし、M&Aで買収した場合には注意が必要です。このとき、事業ごとの数値を出せば、純粋な成長度合いを測れるでしょう。
利益増加率
利益増加率とは、企業の発展度合いを測るインデックスです。以下のように算出できます。
- 利益増加率(%)= (当期経常利益 - 前期経常利益) ÷ 前期経常利益 × 100
利益に焦点をあてており、無駄な経費が発生していないか調べられます。そのため、利益増加率は高ければ高いほど良いとされています。低ければ、コスト削減のための施策を打ち出すべきです。
総資産増加率
総資本増加率とは、総資本金額が前期と比べてどれほど増えているかを示すインデックスです。会社の規模の拡大率をチェックできます。総資本増加率は、以下のように算出しましょう。
- 総資産増加率(%) = 総資産増加額 ÷ 基準時点の総資産残高 × 100
利益増加率と総資産増加率が一致しないと、不良在庫や不良債権を抱えているケースが多いです。
純資産増加率
純資産増加率とは、会社の純資産が前期と比べてどれほど増えているかを示すインデックスです。以下のように算出できます。
- 純資産増加率(%)= 純資産増加額 ÷ 基準時点における純資産残高 × 100
純資産増加率が高まっていれば、独立性・安定性も高まっていると判断されます。
従業員増加率
従業員増加率とは、従業員の増加により会社がどれほど発展できているかを判定するインデックスです。以下のように算出できます。
- 従業員増加率(%)=(当期従業員数 - 前期従業員数)÷ 前期従業員数 × 100
ただし、設備投資の実施時には、従業員が増加していなくても会社が発展するケースもあります。検討する施策として、人材採用と設備投資の間で迷った際に比較すると良いでしょう。
EPS
EPSとは1株あたりの利益額(円)のことであり、Earnings Per Shareの頭文字を取った言葉です。以下のように算出できます。
- EPS(円)= 当期純利益 ÷普通株式発行済株式数
EPSが高ければ投資に対するリターンが多いと判断され、投資家が「リターンが大きいから投資したい」と思う企業づくりができているとみなされます。結果的に資金調達がしやすくなり、企業イメージもアップするでしょう。
経営分析の手法⑤活動性分析
活動性分析とは、会社のマネジメントが活発に行われているかをチェックする分析方法です。資本がちゃんと使われているのか測る方法であり、売上と資産を見ながら確認していきます。
そもそも資本が使われていなければ売上につなげられないため、企業活動がしっかりできているのかを測る分析方法ともいえます。活動性分析に用いられる指標は、「総資本回転率」「固定資産回転率」「棚卸資産回転率」などが代表的です。
総資本回転率
総資本回転率とは、総資産に対する売上高の割合です。事業に投資した資本が有効活用されて売り上げに結びついているのかどうか判定できます。計算式は以下のとおりです。
- 総資本回転率(%) =売上高 ÷ 総資本(当期・前期末平均)
回転率が高いほど、より大きなプロフィットを上げていると結論づけられます。
固定資産回転率
固定資産回転率とは、固定資産に対する売上高の比率です。企業の持っている固定資産でどれくらいの売り上げがあるのか確認できます。計算式は以下のとおりです。
- 固定資産回転率(%) = 売上高 ÷ 固定資産(当期・前期末平均)
固定資産回転率が小さければ、固定資産に対して売り上げが少なかったり無駄な固定資産があったりすることがわかります。使っていない不動産・建物・機械・工場や、無駄な車両運搬具などがあれば処理しましょう。
棚卸資産回転率
棚卸資産回転率とは、棚卸資産に対する売上高の比率です。在庫を適切に管理できているかどうかを測れます。計算式は以下のとおりです。
- 棚卸資産回転率(%)= 売上高 ÷ 棚卸資産(当期・前期末平均)
回転率が高いと棚卸資産が少ないと判定され、低いと棚卸資産を持ち過ぎていると判定されます。棚卸資産には商品・原材料・仕掛品などがありますが、業種・職種で適切とされる数値は異なるため注意が必要です。
適切な数値を求めたいなら、会計士などの専門家に相談すると良いでしょう。
経営分析を正確に行うポイント
これまで経営分析の計算方法などを説明しましたが、最後にこれらを正しく使うにはどうすれば良いのか説明していきます。
正確な財務諸表を準備すること
経営分析は、財務諸表の数値を用いながら分析を進めていきます。もしも数値が間違っていたら、意味がありません。誤った結果が出ると、経営判断に悪影響が及びます。こうしたトラブルを避けるためにも、正確な財務諸表を準備しましょう。
事業の指標を選定すること
経営分析には、さまざまな方法があります。であるからこそ、各事業に合った指標を選定することが大切です。
利用する指標は絞ること
利用する指標は、できるだけ絞ることをおすすめします。さまざまな指標を利用して経営状態を判断してしまいがちですが、指標の算定が目的となってしまうと本末転倒です。
そのため、現時点で必要な指標のみに絞り、重視した項目のみを算定しましょう。
経営分析のまとめ
本記事で解説した「収益性分析」「安全性分析」「生産性分析」「成長性分析」「活動性分析」といった経営分析を行う際は、指標をうまく活用しながら自社のサービス向上の足がかりとしてください。正確な経営分析を行い、高収益化などの目標達成を目指しましょう。
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