M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月16日更新都道府県別M&A
鳥取県・米子市のM&A・事業承継の最新動向!案件例や事例も解説
鳥取県・米子市におけるM&A・会社売却・事業承継の最新動向や案件一覧、事例などを紹介します。鳥取県のM&A件数は都市圏と比べると少ないですが、県内企業がM&Aを行った事例が増加中です。鳥取県・米子市でM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
鳥取県・米子市のM&A・会社売却・事業承継の最新動向
まずは、鳥取県におけるM&A・会社売却・事業承継の動向を見ていきましょう。鳥取県は他の地域と同様に、少子高齢化により人口減少が起こり、県内企業に悪影響をもたらしています。人口減少は人手不足や後継者不在問題の原因となり、会社の存続を左右します。
地域によっては1年で数百件も会社が廃業する原因であり、人手不足や後継者不在への対策は、地域に関係なく急務です。鳥取県は商工会議所や地元の金融機関が中心となって、M&Aの普及に努めています。M&Aに関するセミナーを行って、M&Aに関する知識・情報を提供し、M&A仲介サービスを展開するなど、その試みはさまざまです。
それらの試みが功を奏し、鳥取県ではM&Aを行う件数が徐々に増え始めています。鳥取県内の企業がM&Aを行い、人手不足や後継者不在を解決すれば、企業が存続する可能性も向上するでしょう。事業拡大や新事業進出におけるM&Aも、今後増え続けると見られます。
鳥取県の経済状況
鳥取県の統計課の情報によれば、2022(令和3年)年度の名目県内総生産額は1兆9,263億円(前年度比+5.0%)でした。
- 第1次産業が425億0,500万円(前年度比+10.2%)
- 第2次産業が4,671億4,800万円(前年度比+21.1%)
- 第3次産業が1兆4,014億7,300万円(前年度比+1.0%)
第1次産業とは農林水産業をさし、第2次産業とは鉱業・製造業・建設業のことです。第3次産業には、これら以外のさまざまなサービス産業などが該当します。
鳥取県の後継者不在率
帝国データバンクによる「鳥取県 後継者問題に関する企業の実態調査(2023年)」を見ると、鳥取県における中小企業の後継者不在率は71.5%でした。高い数字ですが、前年度から横ばいで推移しています。
経営者の年代別による鳥取県の後継者不在率は、60代の中小企業経営者が59.9%でした。このことから、鳥取県内の経営者が60歳を超えている会社では、2社のうち1社以上が後継者が決まっていないことがわかります。
中国地方のM&A・会社売却・事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
鳥取県の休廃業件数
2023年、鳥取県で休業や廃業、解散した企業(個人事業主を含む)の件数は232件となり、前年より22件(10.5%)増加し、5年ぶりに増加傾向を示しました。この数は、同年の倒産件数(19件)の12.2倍に達し、2年ぶりに10倍を超えました。
2023年はコロナ禍からポストコロナへ移行し、国内経済が徐々に正常化したものの、原材料費やエネルギー価格の高騰が企業の収益を圧迫し、休廃業や解散の件数が前年を上回る結果となりました。
経営資源を第三者に引き継いで事業を閉じる「前向きな廃業」への支援策も広がっている一方で、特に後継者不在や代表者の高齢化が進む中小・零細企業では、経営の改善が見込めず「諦め廃業」が高水準で続く可能性があります。
鳥取県・米子市近郊のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている鳥取県・米子市近郊のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
【中国地方】業歴数十年以上の給食サービス事業
高齢者向け施設への提供のみでなく、学校給食など幅広く取引しています。進行期は2024年3月期比で+2,000万円以上の営業利益で推移しています。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 2億円(応相談) |
譲渡理由 | 自身での事業継続・拡大に限界を感じているため |
【中国地方/財務内容良好/業歴50年以上】学生用シャツ、学生服卸売業
大手卸や首都圏の販売店を主要販売先に持ち、安定した売上を計上しています。500坪ほどの自社倉庫を保有しており、納期に合わせて柔軟に対応可能です。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 財務的理由、後継者不在(事業承継) |
【財務安定】中国地方/総合電気工事業
第一種電気工事士2名、1級電気工事施工管理技士1名が在籍しています。前オーナーが創業以来、一貫して地場にて業務を続けてきたことにより、官公庁とは付き合いが長く非常に高い信頼を得ています。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 非公開 |
鳥取県・米子市近郊のM&A・会社売却・事業承継の事例
鳥取県・米子市近郊のM&A・会社売却・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。
KYORITSUによる山陰クリエートのM&A・事業承継
2023年3月1日、KYORITSUは、山陰クリエート(鳥取県米子市)の全株式を取得し、連結子会社としました。
KYORITSUは、印刷事業やBPO事業、デジタル事業、環境事業などを展開している企業グループです。一方、山陰クリエートは、リサイクルプラスチックの開発、製造、販売を手掛けています。
今回のM&Aにより、KYORITSUは自社グループのネットワークを活用して、リサイクル製品の原料となるポリプロピレン(PP)の回収スキームや農業資材のリサイクル体制を構築します。
リサイクルプラスチック製品の全国展開を進めることで、リサイクル事業のさらなる拡大を目指します。
スカラによるエッグのM&A・事業承継
2022年1月31日、スカラは、エッグ(鳥取県米子市)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。取得金額は10億6百万円です。
これに伴い、一般社団法人EGGが所有するエッグ社に加え、コロンブス、Bizサポート、エッグ総研(いずれも鳥取県米子市)の4社もスカラの子会社となります。
スカラは、「医療と健康」、「農業と食」、「教育」、「地方創生」をテーマに、IT/AI/IoT技術を活用して新規事業の創出やシステム開発を行っています。エッグは、全国の自治体と強い取引関係を持つソフトウェア開発会社で、ふるさと納税システムなど、顧客のニーズに応じたIT・システムを提供しています。
今回のM&Aにより、スカラはエッグとのシナジーを創出し、両社の事業をさらに成長させることを目指しています。
ツルハホールディングスによるたかきファーマシーのM&A・事業承継
2021年2月、ツルハホールディングスは、連結小会社であるツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本を通じ、たかきファーマシーから調剤薬局1店舗を取得しました。
広島県のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本は、中国・九州地方でドラッグストアを手掛けています。子会社となったたかきファーマシーは、鳥取県米子市にある調剤薬局を運営する会社です。
近年、ツルハグループは積極的な出店を加速しており、今回のたかきファーマーシー取得もその一環です。本M&Aにより営業基盤のさらなる強化を図り、新規出店・系列店増加を狙っています。
マーケットエンタープライズによる旺方トレーディングのM&A・事業承継
2020年5月、マーケットエンタープライズは、新設立した100%子会社のMEトレーディングにより、旺方トレーディングにおける中古農機具の買取・販売・海外輸出などの事業を譲受しました。譲渡価額は2億4,400万円です。
東京都にあるマーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業、メディア事業などを手掛けています。譲渡側の旺方トレーディングは、鳥取県鳥取市にある中古農機具の買取・海外輸出・国内小売卸売などを行う会社です。
マーケットエンタープライズは、インターネットによる中古品の買取・販売が主力事業の一つですが、2017年からは農機具の買い取りも始めていました。
旺方トレーディングはオークションや国内農機具店への販売ルートを持っており、また、農機具のメンテナンス・修理を行うエンジニアも多数在籍しています。マーケットエンタープライズは、この事業譲受により競争力の強化を狙います。
事業承継・M&A時におすすめの相談先
鳥取県・米子市での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設立するケースが増えています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aの場面で重要な役割を果たすことが多く見られます。
M&Aを進める際、金融機関は重要なパートナーとなります。特に買収側では、資金調達のために金融機関との協議が不可欠であり、通常、既に取引のある金融機関が最初の相談先として選ばれることが一般的です。
金融機関を利用するメリットとして、資金調達に関する専門的なアドバイスが得られる点が挙げられます。例えば、親族や従業員が事業承継で後継者となる場合、株式取得の資金が必要となるため、金融機関のサポートが非常に役立ちます。
さらに、M&Aに特化した部署を持つ金融機関では、他の専門家とも連携して適切なアドバイザーを紹介してもらえることもあります。
ただし、大手金融機関は大規模なM&A案件に注力する傾向が強く、中小規模の案件には対応しない場合があります。また、仲介ではなくアドバイザリー形式を採用しているため、報酬が高額になることがある点には注意が必要です。
金融機関
近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談窓口が充実してきました。例えば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が抱える後継者不足などの課題に対して、公的な支援を提供する機関です。
このセンターでは、事業承継やM&Aに関する情報提供やアドバイスに加え、企業同士のマッチング支援も行っています。2021年4月の設立以来、全国各地に専門家が配置され、無料で相談に応じており、多くの中小企業がこのサービスを利用しています。
全国47都道府県に拠点があるため、地方の企業でも簡単に利用できるのが大きな利点です。政府運営のため、信頼性の高いアドバイスを無料で受けられ、必要に応じてM&A仲介会社や専門家を紹介してもらうことも可能です。また、個人事業主の事業承継にも対応しています。
ただし、公的機関であるため対応に時間がかかることがあり、民間のM&A仲介会社に比べるとサポート内容に限界がある点がデメリットになることもあります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却をサポートする専門企業で、売り手と買い手の双方と契約を結び、交渉を調整しながら両者の利益を考慮して取引を進めます。仲介会社は、初回の相談から、買収候補の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、書類の作成など、M&Aに関わる全プロセスを一貫してサポートします。
仲介会社の役割は、売り手と買い手の希望や条件を調整し、双方が納得できる合意点を見つけることです。これにより、多くの候補企業の中から最適な相手を選定し、M&Aの成功率を高めることが期待できます。
特に、初めてM&Aに取り組む企業にとっては、仲介会社が提供する手厚いサポートが安心材料となり、交渉の進行をスムーズにする具体的なアドバイスと円滑なコミュニケーションを提供します。
ただし、一部の仲介会社では着手金や中間金が発生する場合があり、コストが課題となることもあります。コストを抑えたい場合は、成功報酬制を採用しているM&A総合研究所のような企業を選ぶことが一つの解決策です。
鳥取県・米子市のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関4選
この章では、鳥取県・米子市のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関を見ていきましょう。
①鳥取県事業承継・引継ぎ支援センター
鳥取県事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在や事業の引き継ぎに不安を抱える経営者を対象に、無料で支援を行う公的機関です。相談内容に応じて、利害関係のない専門家が、公平な立場で助言や提案を行っています。
必要に応じてM&A仲介会社などの支援機関へ引き継ぎを実施し、引き継いだあともサポートを行います。
②鳥取県よろず支援拠点
鳥取県よろず支援拠点は、中小企業や小規模事業者のための経営相談所です。無料で相談できるため、気軽に利用できるのが魅力です。
中小企業診断士や一級建築士の資格を持ち、ビジネスに詳しいコーディネーターが在籍しています。セミナーなども開催しているため、鳥取県でM&Aを行う際に役立つでしょう。
③鳥取商工会議所
鳥取県各地には、経営者や商工者が会員となって活動している商工会議所が設置されています。相互に助け合いながら、鳥取県における経済活性化のためにさまざまな活動を行っているのです。セミナーなども開催しているため、鳥取県のM&Aに役立つでしょう。
④鳥取県信用保証協会
鳥取県信用保証協会は、信用保証で金融面から中小企業を支える公的機関です。創業や経営に関するサポートを提供し、さまざまな保証制度を取り扱っています。事業承継に関するセミナーなども開催しているので、鳥取県でM&Aを行う際に活用しましょう。
鳥取県・米子市のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
鳥取県のM&A件数は、都市圏と比べるとまだ少ないですが、県内企業がM&Aを行う事例が増加しています。また、金融機関や自治体が積極的にM&Aの推進に努めており、事業承継のための支援金制度などもあるため、M&Aを行いやすい環境が整っています。
それらの施策もあって、鳥取県は今後M&Aが積極的に行われる可能性が高いといえるでしょう。
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