2020年1月8日公開業種別M&A

Web広告業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

web広告業界は既存の広告代理店業界の影響を受けつつも、IT技術の発展とともに成長を続けています。 これまでマスメディアへの広告掲載に依存していた広告代理店も、今後はweb広告業界に進出してくるようになるでしょう。 ​​​​​​​大手の総合広告代理店を中心に、大規模な資本が中小規模の広告代理店やweb広告事業を手掛ける会社を取り込んでいく構図は今後も続いていくでしょう。

目次
  1. Web広告業界のM&Aとは?
  2. Web広告業界のM&Aの現状と動向
  3. Web広告業界のM&Aの費用と相場
  4. Web広告業界の買収とは?買う・買いたい場合
  5. Web広告業界の売却とは?売る・売りたい場合
  6. Web広告業界のM&A事例
  7. まとめ
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Web広告業界のM&Aとは?

web広告業界のM&Aはどのような理由で行われているのでしょうか? web広告業界のM&Aは広告代理店業界と密接に関わっています。
そもそも日本の広告の中心はテレビ、新聞、ラジオ、雑誌といったマスメディアが中心であり、広告代理店業界はそれらのマスメディアに広告を掲載することによって収益を得ていました。
しかし、インターネットが登場し、メディア情勢が大きく変わったことにより、広告代理店業界もその煽りを受けるようになりました。 インターネットが一般化することによって広告の媒体としての存在感が増していき、代わりにマスメディアの広告市場が縮小しました。
スマートフォンの登場によってそれはさらに加速していき、ラジオや新聞、雑誌を中心に広告市場の縮小が目立つようになりました。 そのため、マスメディアへの広告掲載に依存してきた広告代理店は売上を減少させていき、広告代理店業界全体が縮小させていくようになっています。 他方で、そんな広告代理店業界が活路を見出したのがインターネットに掲載する広告、つまりweb広告というわけです。 web広告業界はインターネットやスマートフォンの普及によって急成長しており、注目度も日増しに上がっています。
とりわけ海外からの観光客を見据えたインバウンド型のweb広告や、フリーペーパーのようなリアルな広告とwebサービスを組み合わせる手法に注目が集まっており、web広告事業に進出する広告代理店が増加しています。 また、現在進行形でIT技術は発展しており、新たな技術・デバイスの登場によって広告の在り方はどんどん変わっていきます。
それにいかに適応していくかも、web広告を手掛ける会社や広告代理店の課題だといえるでしょう。 そしてその際に使用される手段がM&Aです。
M&Aであればweb広告に関する最新のサービスや機能が欲しい際に会社ごと獲得することができますし、資金が不足して事業の成長が難しくなっている会社も、積極的にM&Aを行っている大手の総合広告代理店の資本の傘下に入れば経営基盤を強化することができます。
詳しくは後述しますが、今は広告代理店業界と連動するようにweb広告業界でもM&Aが盛んに行われるようになっています。

Web広告業界のM&Aの現状と動向

web広告業界のM&Aの現状と動向はどうなっているのでしょうか?
さきほどもお伝えしたように、web広告が急成長を続ける中、それに比例してM&Aは活発化しています。 とりわけ電通や博報堂のような大手の総合広告代理店は積極的にweb広告を手掛ける会社を買収しており、web広告事業の強化を図っています。
それもあってweb広告業界は大手の総合広告代理店を中心に業界再編が進んでおり、上位の広告代理店と下位の広告代理店の差はますます広がっています。
今後も総合広告代理店を初めとした大手の広告代理店、web広告業者への資本の集約は進んでいくと考えられます。 とりわけマスメディアへの広告掲載に依存してきた中小規模の広告代理店はweb広告業界に参入したくとも、設備や人材を導入することができず、ますます困窮する事態に陥っています。
そのため、M&Aを積極的に行い、大手の総合広告代理店などに買収されることでweb広告事業のノウハウや設備を得ようとする動きも見られます。
他方で、海外向けのweb広告事業への進出も見られており、web広告業界もグローバル化が進んでいます。
しかし、web広告業界に限らず、広告代理店業界は日本と海外で商慣習がかなり違っているため、広告代理店同士のすり合わせや海外の広告代理店業界への適応が課題となります。

Web広告業界のM&Aの費用と相場

web広告業界のM&Aの費用と、その相場はどうなっているのでしょうか?
海外と違い、日本のM&Aは取引価格を公開するケースが少ないため、費用の全容を知ることは難しくなっています。
これまであったM&Aの事例を確認する限り、取引価格を含め、M&Aにかかる総合的な費用は数億円~十数億円で推移することが多いようです。
もちろん、規模の大きい会社を買収した際にはそれ以上の費用に達することも考えられるでしょう。 ただ、web広告業界はまだまだ成長著しい業界であり、業界再編が進む過程で大手同士がM&Aを行う可能性も考えられます。
実際、過去にあったM&Aの中には1000億円以上の取引価格に達したケースもあります。
そのため、今後のweb広告業界の動向によってはより大きな費用がかかる可能性は高いでしょう。

Web広告業界の買収とは?買う・買いたい場合

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Web広告業界への進出

やはり買収する会社・広告代理店にとって、web広告業界への進出がM&Aの最たる目的だといえます。 いうなれば「新事業の立ち上げ」をM&Aで行うというわけです。
元々広告代理店業界はマスメディアに掲載する広告に依存している傾向が強く、大手の広告代理店の中にもweb広告の分野ではほとんどシェアの獲得が出来ていないこともあります。
しかし、web広告事業をゼロから立ち上げるにはITのノウハウや、その知識に長けた人事、設備などを全て揃える必要があり、それには時間もコストもかかります。
そんな時にM&Aを行えば、web広告事業に必要なものを備えた既存の会社をそのまま買収することでweb広告業界への進出をスムーズに進められます。

新たな技術の取り込み

新たな技術の取り込みもweb広告業界におけるM&Aのメリットだといえます。
昨今、IT技術は発展がめざましく、ほんの数年の間でどんどん新しいデバイスや機能が登場しています。
自社の研究だけでこの流れに追いつくことは難しいでしょう。
しかし、新たな技術を事業に取り入れている会社をM&Aで買収すれば、自身の事業に取り込むことが可能になります。
web広告業界にも進出しているグーグルはまさにこの典型例であり、自社単独での開発が少ない代わりに、新たな技術を持つベンチャー企業をどんどん買収することで新たなサービスや機能の追加を実現しています。
IT技術と密接に関連しているweb広告業界でも、大手の総合広告代理店を中心に新たな技術の取り込みは積極的に行われており、この流れは今後も続くと考えられます。

海外進出

他の業界でも珍しくありませんが、M&Aを行うことで海外進出を行うケースも増えています。 web広告業界においても、海外進出や海外の顧客向けのサービスを行うにはIT技術のみならず、多言語に長けたスタッフや海外へのネットワークが不可欠です。 この際にも、M&Aは有効的な手段であり、海外の会社や広告代理店、海外にネットワークを持つ広告代理店を買収することで海外進出への足掛かりを得ることができます。

Web広告業界の売却とは?売る・売りたい場合

経営基盤の強化

web広告業界は成長著しい業界ではあるものの、まだまだ発展途上の会社が多いことが現状であり、更なる事業の拡大を実現するうえで経営基盤の強化が課題になっている会社も多いです。
そんな会社にとって、M&Aは経営基盤の強化を実現し得るものです。
大手の広告代理店や会社の傘下に入れば、大手の資本を得られるようになるため、事業の拡大が実現しやすくなります。
もちろん、M&Aで経営基盤を強化すれば、資金繰りの悪化によって経営状態が困窮している会社が存続する可能性も引き上がるでしょう。

人手不足の解決

web広告業界に限らず、ITに関する業界は人手不足になりがちであることが実情です。 そもそもITに関する業界はIT技術が急激に発展していることもあって、最先端のIT技術に長けた人材が常に不足している状態に陥っています。 加えて中小規模の会社を中心に、労働条件の過酷さから人材流出が激しく、慢性的な人手不足に悩んでいる会社も少なくありません。 しかし、M&Aを行い、大手の会社の傘下に入れば人手を増やせるうえに、労働条件を改善することで人材の定着率を引き上げられる可能性が高まります。

Web広告業界への進出

買い手のみならず、売り手にとってもM&Aはweb広告業界への進出に役立つものです。 これまでマスメディアへ掲載する広告に依存していた中小規模の広告代理店は収益が縮小しており、web広告事業に関するノウハウや設備を新たに導入することができないケースが少なくありません。 しかし、web広告業界への進出が生き残りのための術であるなら、その実現は課題にせざるを得ないでしょう。 そんな時に、M&Aですでにweb広告事業のノウハウを持つ大手の広告代理店に買収されることができれば、web広告業界への進出が実現できるようになります。

事業承継の実現

中小規模の広告代理店の中には、経営者が高齢化している一方で後継者不在であるため事業承継ができない広告代理店も少なくありません。 そのような状況に陥ると、たとえ経営状態が黒字でも経営者が引退してしまえば会社を存続させられなくなってしまいます。 しかし、M&Aであれば、経営権を第三者に委託することができるため、会社を存続させられる可能性が高まります。 それができれば事業のみならず、従業員の雇用を守ることができるようになるでしょう。 加えて、引退する経営者に売却益が入るため、老後の生活に必要な資金も得られるようになります。

Web広告業界のM&A事例

博報堂DYメディアパートナーズ×DAC HD

大手の総合広告代理店の一つである博報堂DY傘下の博報堂DYメディアパートナーズは、2018年にweb広告事業を持つDAC HDを買収しました。 博報堂DYメディアパートナーズはこれによってweb広告事業のノウハウをしっかり取り入れ、またグループ全体が一体となった運営を実現しようとしています。 そもそも博報堂DYは日本のみならず、海外の広告代理店やweb広告事業を手掛ける会社とのM&Aを積極的に行っており、世界5位の規模を誇る最大手の総合広告代理店の電通とは別の路線を辿りながら成長を続けています。 当初博報堂DYは日本国内の会社とのM&Aを優先している傾向があり、守りの姿勢が少し目立っていましたが、2014年以降は欧米の市場への進出を目指し、世界に通用するような専門性の高いノウハウを獲得し、それを生かした事業を展開するためにM&Aを盛んに行うようになっています。 博報堂DYは最先端のIT技術にもしっかり注目しており、自社の事業への取り込みも積極的に行っています。

電通×セプテーニ

世界5位の規模を持つ日本最大級の総合広告代理店である電通ですが、web広告事業を手掛けるセプテーニと2018年に資本業務提携を発表しています。
そもそも電通はweb広告のみならず、デジタルマーケティングを手掛ける会社を国内外に関わらず積極的にM&Aを行って買収しており、そのノウハウを取り入れています。 もともと電通は2013年以降から海外の会社を中心にM&Aを盛んに行っており、それによって世界的な規模にまで成長しています。 電通が世界各国に拠点を持つ規模までに成長することができているのもM&Aを戦略の主軸に置いているからだといえます。 電通がここまでM&Aを多用できるのも、日本国内のシェアの25%を持っているからこそ持てる潤沢な資金のおかげだといえるでしょう。 電通のM&Aの積極的な姿勢は今後も続くと見られており、規模の大きいM&Aを繰り返してスケールメリットを享受しつつ、web広告事業の拡大も続けていくと考えられます。

まとめ

web広告業界は既存の広告代理店業界の影響を受けつつも、IT技術の発展とともに成長を続けています。
これまでマスメディアへの広告掲載に依存していた広告代理店も、今後はweb広告業界に進出してくるようになるでしょう。
もちろん、その際にM&Aは有効的な手段として多用されると考えられます。 そしてM&Aによる広告代理店業界の業界再編は、web広告業界にも及んでくると予測されます。
大手の総合広告代理店を中心に、大規模な資本が中小規模の広告代理店やweb広告事業を手掛ける会社を取り込んでいく構図は今後も続いていくでしょう。

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