M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月7日更新業種別M&A
タクシー会社の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?動向/事例/相談先も紹介
近年の法規制や最新技術に特に影響を受けているのがタクシー業界です。今後の不透明さに対し、M&Aや事業譲渡で再編を図るタクシー会社は増えております。この記事では、タクシー業界に焦点を当てた事業譲渡について、動向や事例と共に紹介します。
目次
タクシー会社とは
公共交通機関が混んでいたり、最終便が出てしまったりという時にお世話になるのがタクシーです。
タクシーを運営するタクシー会社は、主に定員が10人以下の自動車で旅客を運送する自動車運送事業を指します。
実際にタクシードライバーが乗客を運送することが収入源になり、労働により支えられた労働集約型産業であることが業界の特徴です。
また、業界構造は中小規模の会社と個人事業主が支えている形になります。さらに法人タクシーの多くは中小企業で、全法人の9割近くを占めており、大企業のシェアはわずか1割弱というデータがあります。
加え個人事業主も近年は増加し、特に平成15年以降は8000件以上にも登っています。
労働集約型産業の構造もあり、会社の営業費用の8割程度が人件費に当てられています。
事業譲渡とは
最初に、ここでご紹介する事業譲渡の特徴を押さえていきます。
事業譲渡とは、運営する事業の一部・もしくは全部を、別の会社に譲渡するM&A手法です。
基本的に事業譲渡で譲渡の対象となる事業とは、業務一般のほかにも一定の目的のために組織化された有形・無形財産や債務のほか、人材やノウハウ、ブランド性、取引先との関係なども含まれてきます。
事業譲渡では譲渡する事業を選択できるため、振るわない業績を手放せる他にも取得したいノウハウや店舗、従業員を選んで継承できること、また継承する財産の範囲を限定することで簿外債務、偶発債務等の承継が回避可能といったメリットがあります。
後継者問題を抱えた個人事業主、中小企業から大企業の事業拡大まで、幅広く行われています。
会社規模や状況に応じて、事業譲渡以外のM&Aが適している場合もございます。しかし適したM&Aがなんなのか判断することはなかなか難しく、もし不安に思われる際は、ぜひ一度M&A総合研究所へのご相談をお勧めします。
その他のM&A手法
M&Aには、事業譲渡の他にも以下のような手法があります。
- 株式譲渡
- 株式移転
- 合併
- 会社分割
M&Aとは、複数の企業を1つの企業へ統合したり、ある企業が他企業の株式や事業を買い取ることです。
一方で、広義で見た場合は協力関係を構築するための株式の持ち合いや、業務提携を結ぶことを意味します。そのため、個々の企業の目的に応じ様々な手法が取られています。
本記事では、事業譲渡および上記のうちの株式譲渡を取り上げます。
タクシー業界が直面している問題
交通機関の中でも、電車やバスに比べてタクシーの利用率は比較的低いものとなっています。
しかし、電車やバスに対してのタクシーの利用客層の違いや利用価格が背景にあります。
とはいえ最近の社会動向を見ると、増加した観光客の需要増加に伴う回復、それに対してのタクシー乗務員不足などの課題が表面化しているのが見受けられ、それによる事業譲渡や他M&Aでの業界再編の背景となっています。
現在は、特に以下の点が新たな今後の課題として生じています。
- ライドシェア・自動運転などによる将来的な不安
- 中小規模は配車アプリの導入が難しい
- 車両への投資負担が大きい
①ライドシェア・自動運転などによる将来的な不安
ライドシェア・自動運転などの新サービス・新技術は、タクシー業界の将来を大きく変える可能性があります。
ライドシェアとは、配車サービス会社の提供するサービスで、アプリにより一般のドライバーと乗客をマッチさせるものを指します。
自家用車でタクシー業のような行為をするのは、日本では「白タク行為」として法的に禁じられています。とはいえ、アメリカ・中国を中心に海外では合法でシェアを伸ばしているため、今後日本国内でもライドシェアは解禁される可能性が高いといえます。
また自動運転技術も、タクシー業界に影響を大きく及ぼすと考えられます。
2018年末、アメリカでドライバー不在でも運行ができる自動運転タクシーが開発されました。日本はアメリカに遅れを取っていますが、すでに営業走行による自動運転の実証実験は行われているため、実用化のための動きは加速すると考えられます。その際は、まず利便性や経済性の考慮からタクシーなどの交通手段へ優先的に導入されるとも予測されています。
ライドシェアサービスおよび自動運転タクシーの実用化と普及によって、最も変化を迫られるのはタクシー業界となり、業界全体が一変する可能性があるかもしれません。
②中小規模は配車アプリの導入が難しい
タクシー業界では、特に今世紀に入って間も無く大手タクシー会社を中心にIT化、サービスの多様化が推進されてきました。
主な例として車両へのドライブレコーダーの導入やデジタル無線の活用、乗客に向けては配車アプリや支払いのオンライン決済の導入などがあります。
こうした整備に成功した大手タクシー会社は、さらなる拡大のため業務提携などを行い、企業規模を拡大しています。
このような動きが広まるにつれて苦戦を強いられるのは、そういった先端サービスの導入が難しく、大企業のような立ち回りのための体力を持たない中小規模のタクシー会社です。
配車アプリの運営には技術やノウハウ、人員がさらに必要となり、古くからある会社の場合や個人事業主の場合はアプリを導入しても運営が円滑に行いづらいことが現実にあるようです。
③車両への投資負担が大きい
タクシー会社は、まず車と車庫を整備した上でドライバーなどの人材を雇い、業務を行います。
車両の数によりどのくらい稼働できるかが左右され、また車両がどのくらい揃っているかはタクシー会社の規模を比較する際に参照されることも多いですが、車両整備への投資には意外な負担が伴います。
平成14年の改正道路運送法が成立して以来、タクシー業界全体で車両数は増加しました。すると一台当たりの収入が低下し、それに燃料の高騰が起きて利益が低下、倒産する会社も出てくるという出来事がありました。
タクシー会社は、このように法規制や燃料・世界金融情勢などの影響を受けやすい業界です。利益が低下し万一体力を削らないといけなくなると、従業員の人件費削減や解雇が最悪取れますが、車両削減には大きなコストがかかります。
このように、車両に新たに投資するのはリスクが伴い、慎重にならざるを得ないケースが多いようです。
タクシー業界の今後の動向予測
タクシー業界のこうした現状を受けて、今度は業界の今後の動向予測を取り上げます。
- ライドシェアや自動運転は確実に広がると予測される
- 乗務員の年齢が高齢化する懸念がある
- タクシー業界の事業譲渡・M&A動向
①ライドシェアや自動運転は確実に広がると予測される
上記で取り上げたライドシェアサービスは、国内では現在「白タク行為」として道交法により禁じられています。
しかし、その規制緩和を目指す動きが2010年代から起こっています。2018年には新経済連盟によるライドシェア推進のための提案が経産省などに提出され、政府も自家用車ライドシェア事業者の以降のシェアリングを行なっています。
政府は基本的には容認しない考えですが、地方過疎地などの現実的に移動に困難を抱えた地域を中心に、今後規制緩和へ向かう可能性はあります。
自動運転についても、現状自動運転の普及の壁となっている安全面の問題が解決されれば、一気に普及することが考えられます。
とはいえ、タクシードライバーが人であるがゆえのサービスが運行に大きなポストを保つため、まずは格安の無人タクシーが誕生する予測がされています。
そうした将来的な動きに向けて、M&Aや事業譲渡などによる再編などを経て、タクシー業界の改革が迫られてることになるかもしれません。
②乗務員の年齢が高齢化する懸念がある
タクシー会社のドライバーの高齢化も、今後さらに加速すると考えられます。
総務省統計局の発表する「主要職種別平均年齢」によると、東京都でのタクシードライバーの平均年齢は59.4歳で、統計内の他の職種であれば自動車整備工が36.8歳、営業バス運転手が49.9歳であることを見ると、かなり高齢となっている状況です。
これでも比較的最近は若齢化が進んでいるとはいわれていますが、全体的にかなりドライバーが高齢化しているのは確かでしょう。
高齢や健康状態により運転手の退職が進む中、新規に雇用することができない状態が続くと、ドライバーの人材不足は依然として残る結果になります。
③タクシー業界の事業譲渡・M&A動向
タクシー業界では、近年M&Aや事業譲渡による業界再編が活発に進展しています。
観光客特需があったとはいえ全体的に規模が縮小している最中では、大手のようなIT化や多様なサービスを導入し規模拡大する会社と、それ以外の中小規模・零細企業のタクシー会社ではっきり二極化が進んでいます。
積極的な事業展開のため、大手タクシー会社が中小規模のタクシー会社を事業譲渡での買収やフランチャイズ化する動きが強まっています。
これらの場合は大手のビジネス展開の思惑と、資本やサービスを強化したい中小タクシー会社の双方の利益が一致し、M&Aや事業譲渡が成功に終わる可能性が高いです。
事業譲渡は特に中小規模の会社に適した手法であり、中小規模のタクシー会社にとってM&Aや事業譲渡は、不透明性の強い今だからこそ、設備のアップデートのために有効に利用できる手法だといえます。
タクシー会社の評価を高めるポイント
それでは、タクシー会社が事業譲渡を成功させるために、どのような点で相手先から高い評価を受けられるかを見ていきましょう。
- 車両の整備が行き届いている事
- 車両台数が多い事
①車両の整備が行き届いている事
車両の整備がしっかり行われていることが、基本的なところながら事業譲渡での重要な高評価ポイントとなります。
現役運転手の高齢化などを背景にドライバー不足が課題となるタクシー業界では、新たに人材が入ってくることにつながる要素が大変重要です。
そこである程度の会社の規模を保つ、また車両整備を整えておくなどで「賃金が安定しなさそう」「若い人が来なさそう」と言った業界のネガティブなイメージを払拭できることは、M&A・事業譲渡のみならず今後の運営でも重要です。
タクシー業界がM&A・事業譲渡で事業拡大面でのメリットが得られやすいとされています。そのため、シンプルなところから力を入れていきましょう。
②車両台数が多い事
車両台数の多さも、タクシー会社として事業譲渡の際は高評価につながります。
新規にタクシードライバーとして働きたいという人の中では、規模の大きいタクシー会社を望む人が多いです。
ある程度の規模があれば、ドライバーへの待遇が良いことに加えてドライバー数も多く、休日の融通がきくなど継続して働けるような環境が整っています。
実際に営業数や車両保有台数が多いという特徴で人気を誇る老舗大手のタクシー会社もあり、一定の車両台数があることは事業譲渡では大切なポイントです。
タクシー会社の事業譲渡・M&Aは規制への認識と最新技術への理解が大切
タクシー会社は、政府による規制や最新技術の発明により影響を受けやすい側面があります。
タクシー業界への規制の方向性も、新技術による変化も見極めることは困難です。現在であれば、事業拡大の主な手段はM&Aや事業譲渡ですが、そうした方法以外も今後は出てくる可能性があります。
M&Aや事業譲渡の際、法規制や最新技術に対しては、特に注意して動向を押さえておきたいポイントです。
規制により台数制限がかけられているためニーズが高い
タクシー会社には、台数制限により新規に許可を得るのが困難な事情があります。
タクシー会社については、2002年に規制緩和が行われたことで、条件は以下のように改変されています。
- 認可制→事前届出制
- 最低保持台数は60台→10台
- 営業所や車庫を所有すること→リースでも可能に
- 車両が新車であること→中古車でも可能に
またこの緩和により、タクシーの数量規制も廃止されています。
結果参入条件が大いに緩和されたことで、一台当たりの負担コストも軽くなり、他機関にタクシー車両が大幅に増加しました。しかし同時に一台当たりの売り上げも激減し、ドライバーへの賃金の低下を招いています。
その後2013年に台数規制が出され、国土交通省から地方運輸局へ通知された特定の29地域ではタクシー台数の減車が要請されました。
そうした規制が行われていった結果、現在は新規参入や増車が難しい状態になっています。
技術の進歩により業界の構造が変わる事を視野に入れておく
こうした規制強化に加え、ドライバー不足の影響も受けて需要と供給のバランスは全体的に緩やかに改善されている形になります。
一般的には、タクシー業界は低収入かつ長時間労働の傾向にあり、若年層の入植が減少していることもドライバーの高齢化に拍車をかけています。
タクシー会社の中には、保有している車両数に対してドライバーを確保できない所もあり、そうした中小規模のタクシー会社と高い実働率を保てている大手タクシー会社とタクシー事業者の間で二極化が続いています。
業界のこうした動向は、今後の自動運転開発や新サービスの台頭でさらに変化していく可能性があります。先行きが見えない中だからこそ、M&Aや事業譲渡においても、大きな視野を持つことが必要とされています。
タクシー会社の事業譲渡のポイント
不透明性の高い今だからこそ、タクシー会社には事業譲渡による事業再編がおすすめ出来るでしょう。
新サービス・新技術の台頭や人々のライフスタイルの変化に伴い、運送業の中でもタクシー業界は大きな変化を迎えようとしている今こそ、事業譲渡の特徴を抑えておくことが大切です。
ここでは、タクシー会社の事業譲渡する際のメリットや注目点を説明します。
タクシー会社を事業譲渡する際の注目点
昨今は後継者不足・人材不足などで経営難を抱えるタクシー会社は少なくありません。もし万が一廃業を迫られる自体になった時、タクシー会社にとって最も重荷となるのが抱えている車両をどのようにするかということです。
タクシー会社ならではの資産である車両は、廃業するとなると必然的に「中古車」として販売することになります。
しかし、事業譲渡を行うとすると、会社の資産である車両は「営業車」として譲渡することになります。
事業譲渡では、何より会社の技術、資産、事業を譲渡することで現金を受け取れることが特徴です。車両を中古車として販売するのと、現役で運用できる営業車として引き継ぐのでは、その買取価格も大きく差がついてきます。
廃業に比べてはるかに税金面、費用面で経済的になることは、事業譲渡の注目点です。
タクシー会社の事業譲渡事例
タクシー会社の事業譲渡の事例として、福岡県北九州市にある戸畑第一交通株式会社が、同市にある戸畑タクシー株式会社のタクシー事業を譲り受けることを決定した例があります。
戸畑第一交通株式会社は第一交通産業の連結子会社であり、新たに26台のタクシーを獲得しました。北九州市内では既存の608台に加えて634台になった形となり、さらに路線の拡大を行っていく見込みです。
事業譲渡に適したタクシー会社とは
様々なM&Aの中でも、主に以下の理由から事業譲渡は選択されています。
- 中小規模の会社、もしくは個人営業である
- まとまった現金を手にしたい
- 後継者不足を抱えている
- 人材不足を抱えている
- 新規参入したいが、初期にかかるコストを抑えたい
特に、以下のようなタクシー会社は、事情譲渡が良い選択になるかもしれません。
- 会社の借入金がある場合、事業譲渡の条件に個人担保の解除を盛り込める
- 廃業を考えているが、車両の処分にかかるコストが重荷
- ITサービスやアプリ運用を始めたいが、会社の現在の規模では厳しい
- 大手企業の傘下に入ることで事業拡大したい
タクシー会社の株式譲渡のポイント
M&Aには様々な手段が存在しますが、ここでは上記の事業譲渡に加え、株式譲渡の特徴や注目点を説明します。
株式譲渡と事業譲渡は異なるものであり、手続きの手間や必要な事務、M&A後のことなどに相違がありますので、特徴を押さえていきましょう。
タクシー会社を株式譲渡する際の注目点
株式譲渡では、事業譲渡と比較して以下のメリットがあります。
- 社名ごと会社を存続させられる
- 株式保有率を調整できる
- 営業許可や雇用契約など許認可・諸契約を引き継げる
株式譲渡では、誰が所有するか・誰が経営を行うかという点の引き継ぎなので、会社自体は存続することが可能です。
地域の観光業などと深くつながっている老舗タクシー会社などの場合、会社を残すことでブランドを継続できることが重要になるケースもあります。
またタクシー会社は、道路運送法で定められている「一般乗用旅客自動車運送事業」の許可が必要になります。
この許可がなければ違法営業になってしまうのですが、許可をそのまま引き継げる株式譲渡であればM&A後もすぐに営業を続けることが可能です。
反面、事業譲渡とは異なり株式譲渡は債務や負債を引き継ぐことはできません。こうした負債を抱えている、もしくはその額が返済できなさそうなケースは、株式譲渡は適切でない可能性があります。
タクシー会社の株式譲渡事例
タクシー会社に関連した株式譲渡の事例では、インバウンド事業を推進するラオックスが京都府の愛都交通株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約書を締結した例があります。
愛都交通株式会社は京都府内でタクシー事業を営んでいます。ラオックスグループは、インバウンド事業を主に物販などの免税事業のほか、飲食、エンターテインメントなどのサービスの提供も展開しています。
この株式譲渡にて、愛都交通の車両稼働率の向上を図るとともに、京都内でのラオックスの顧客への送迎サービスなど観光客の形態に合わせたシナジー創出を図りました。
株式譲渡に適したタクシー会社とは
株式譲渡も、事業譲渡同様に以下の理由から選択されることが多いです。
- 中小規模の会社・もしくは個人事業主
- 後継者不足を抱えている
- 人材不足に悩んでいる
その中でも、以下のようなタクシー会社であれば、株式譲渡は適切だと思われます。
- 借入金や個人担保がない、または低額に収まっている
- 事業譲渡で煩雑になる手続きを正確にこなせるだけの労力が割けない
- 株式をすぐに集められる
タクシー会社のその他のM&A手法
ここまで紹介した事業譲渡・株式譲渡の他にも、状況や目的に応じて様々なM&A手法が取られています。
実際に行われたタクシー会社のM&Aから、事業譲渡や株式譲渡の他に選択されたM&A手法を紹介します。
- 吸収分割にてタクシー配車アプリ事業を統合・承継(株式会社ディー・エヌ・エーの事例)
- 会社分割により中間持株会社を新設(近畿日本鉄道株式会社の事例)
- 株式交換にて連結子会社を完全子会社に(第一交通産業の事例)
様々な手法が実際に取られていますので、M&A仲介会社などに相談の上、事業譲渡・株式譲渡、その他のM&A手法の中から適切なものを判断することをお勧めします。
タクシー会社を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
事業譲渡や株式譲渡でM&Aを行う際、主に以下のような事務準備が必要だとされています。
- 会計事務所に試算表を準備してもらう
- 事務所の建物などの資産に関する権利書の準備
- 車両関係の書類をわかりやすくファイリング・リスト化
- 株主総会などの役員会関係の議事録を参照しやすくしておく
- 小切手や手形・手形帳の照合
また、タクシー会社が事業譲渡を行う際に、それまでの取引先や顧客も譲渡先の会社へ引き継ぐことになります。
特に経営者の手腕で成長した中小企業や個人事業主の場合は、1人もしくはわずか数人に会社の機能の大半が依存している場合もあります。そうした場合は、事業譲渡・株式譲渡で経営者が変わる場合、取引の引き継ぎが円滑に進まないことが考えられます。
そのような事態に備えて、これまでわずかな人数で抱え込まれていたリストを可視化するなど、確かな信頼を相手先と築けるような対策が必要になってきます。
また、労働集約型のタクシー会社の経営資産でもっとも大切なのはドライバーです。
ドライバーはより良い労働環境を求めて移動する存在でもあります。そのため、事業譲渡・株式譲渡をするにあたって、ドライバーの労働条件や処遇についてしっかりと慎重にビジョンを固めておく必要があります。
タクシー会社を事業譲渡する際の相談先
タクシー会社の事業譲渡をお考えの経営者様は、ぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。
M&Aの知識・実績豊富なアドバイザーが経営者様のM&Aをご相談からクロージングまで親身になってサポートをいたします。
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また、Webおよび電話での無料相談を受け付けております。タクシー会社の事業譲渡をお考えの際は、ぜひお気軽にM&A総合研究所へご相談ください。
まとめ
本記事では、タクシー会社のM&A・事業譲渡・株式譲渡についての解説をしました。
タクシー業界直面している問題として、以下の点があります。
- ライドシェアや自動運転の普及への将来的な不安
- 中小規模は配車アプリの導入が難しい
- 車両への投資負担が大きい
- ライドシェアや自動運転は確実に広がると予測される
- 乗務員の年齢が高齢化する懸念がある
- 車両の整備が行き届いている事
- 車両台数が多い事
- 規制により台数制限がかけられているためニーズが高い
- 技術の進歩により業界の構造が変わる事を視野に入れておく
ご紹介した事業譲渡・株式譲渡のそれぞれの特徴や事例とも合わせて、ぜひご自身のタクシー会社のM&Aの参考にしてみてください。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。