M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年6月27日更新都道府県別M&A
大分県のM&A・事業承継最新動向|成功事例やおすすめの相談先を徹底解説
大分県では後継者不足が深刻化しており、M&Aや事業承継への関心が高まっています。本記事では、大分県のM&Aの最新動向や成功事例、活用できる公的支援やおすすめの相談先を分かりやすく解説します。
目次
大分県の経済状況とM&A市場の背景
大分県の経済状況を把握することは、事業承継戦略を練る上で不可欠です。九州財務局の「法人企業景気予測調査結果(令和6年4月から6月期調査)」によると、大分県を含む九州管内の景況感は現状「下降傾向」とされています。
しかし、売上高は令和6年度に増加が見込まれ、経常利益も増加予測です。一方で設備投資は減少の見通しであり、従業員数は「不足気味」とされ、労働力確保が事業継続の鍵となるでしょう。このような経済環境は、事業承継のタイミングや方法にも影響を与える可能性があります。
大分県における事業承継・M&Aの最新動向
帝国データバンクによる『大分県企業「後継者不在率」動向調査(2023年)』では、「後継者不在」と回答した経営者は62.9%でした。
経営者の各年代における後継者の不在率は、2023年には全体的に前年を下回る結果となりました。特に、「30代未満」の後継者不在率が大きく改善し、前年に比べて16.7ポイントも減少しています。
次に大きな低下幅が見られたのは「80代以上」のグループです。彼らの後継者不在率は11.1ポイント減少し、ついに30%を下回る結果となりました。長い年月を経て、ようやく多くの経営者が引退を決意し、事業を次の世代へ託し始めていることが伺えます。
さらに、事業承継に適した年代である「60代」では、後継者不在率が50%を下回り、これは将来の安定した事業継続を期待させるものです。そして、「60代」を除く全ての年代において、後継者不在率は過去最低の水準に達しました。
後継者の属性と「脱ファミリー化」の傾向
後継者が判明している企業においても、承継の形は変化しています。帝国データバンクの2023年調査では、後継者として最も多いのは「子ども」(51.0%)ですが、前年比で減少傾向にあります。「親族」全体でも減少しており、代わりに「非同族」(従業員や外部からの招聘など)への承継が2.8ポイント増加しました。
この「脱ファミリー化」の動きは、特に内部昇格や外部招聘で社長が就任した企業で顕著です。大分県の企業においても、事業の継続と成長のため、最適な後継者を柔軟に検討する傾向が強まっていると言えるでしょう。
「創業者」や「同族承継」の企業でも、親族外の第三者に後を託す「非同族」承継の割合が上昇しており、ファミリー企業でも親族以外への事業承継が進む動きが強まっていることが伺えます。
九州のM&A・会社売却・事業承継については、下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
大分県の事業承継・M&A案件一覧
弊社M&A総合研究所が取り扱っている大分県の事業承継・M&A案件一覧をご紹介します。
【福岡・仙台地域×建築業】年間200棟以上の施工実績あり
施工体制に余力があることから、受注増加により更なる成長が可能です。これまで多くの建築工事未経験の外国人労働者を育成してきたため早期の戦力化が可能です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
エリア | 〜1000万円 |
総資産額 | 〜1000万円 |
譲渡希望額 | 2,500万円(株価1,500万円+役員借入金の返済約1,000万円)※応相談 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【九州 / HACCP認証あり】NB/PB商品製造の水産食品加工業
大手スーパー複数社からNB/PB商品を受注しています。生協向け、九州エリアの学校給食向けの商品も提供しており、安定的な売上確保を実現している状況です。
売上高 | 5億円〜10億円 |
営業利益 | 1000万円〜5000万円 |
総資産額 | 5億円〜7.5億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
大分県で行われたM&Aの最新成功事例
大分県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
イズミによるサンライフの事業承継・M&A
2024年1月9日、イズミは大分県の食品スーパーを展開するサンライフの株式を取得し、子会社化することを決定しました。イズミは中国・四国・九州地方で大型ショッピングセンターやスーパーマーケットを運営しており、サンライフの小商圏対応型食品スーパーとのシナジー効果を期待しています。
具体的には、物流や販促の効率化、地域内での商品・情報共有などが見込まれています。また、イズミがまだ進出していない大分県大分市や日出町におけるサンライフの事業展開は、イズミの新たな市場参入と市場占有率向上という経営戦略とも一致しており、サンライフをパートナーとして子会社化する決定に至った背景があります。
ジェイリースによるエイビスの事業承継・M&A
2024年4月12日、ジェイリースは大分県のソフトウェア開発企業、エイビスの全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。
ジェイリースは家賃債務保証を中心に保証事業を展開しており、エイビスは環境検査システムやパッケージソフトの開発販売を行っています。エイビスは国内外で強い実績を持ち、特に高齢者向けの見守りシステムはアジア各国にも展開しています。
今回の子会社化により、ジェイリースはデジタル化が進む不動産業界においてITサービスの強化を図り、さらなる成長を目指します。両社のリソースを融合させ、地方創生やグローバル展開に向けた事業領域の拡大も期待されています。
コーナン商事によるホームインプルーブメントひろせの事業承継・M&A
2023年3月22日、コーナン商事はホームインプルーブメントひろせを子会社化することを決定し、株式譲渡契約を締結しました。
コーナン商事はホームセンター「コーナン」を運営し、建築資材の小売りや卸売りも展開しています。一方、ホームインプルーブメントひろせは、日用品やDIY用品、食品などを販売する小売業者です。
このM&Aにより、コーナン商事は九州地域での事業基盤を強化し、食品スーパー事業への進出も目指しています。また、コーナン商事の経営ノウハウや物流、システムを活用することで、シナジー効果を期待し、業務のさらなる拡大を図ります。
大分県でM&Aを成功に導く3つのポイント
大分県でM&Aや事業承継を成功させるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。
① 早期からの準備と企業価値評価
M&Aの検討は、早めに始めることが成功の鍵となります。準備期間が十分にあれば、自社の強みや弱みを分析し、磨き上げる「企業価値向上」の取り組みが可能です。
また、余裕を持って交渉相手を探せるため、より良い条件でのM&Aが実現しやすくなります。準備の第一歩として、M&Aの専門家に相談し、自社の客観的な価値を算定する「企業価値評価(バリュエーション)」を行っておくことをおすすめします。
② M&Aの目的を明確にする
なぜM&Aを行うのか、その目的を明確にすることも非常に重要です。「後継者問題を解決したい」「事業をさらに成長させたい」「創業者利益を確保したい」など、目的によって最適な戦略や交渉相手は異なります。
目的を社内やアドバイザーと共有することで、一貫性のある方針で交渉を進めることができ、M&A後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
③ 専門家との連携と情報収集
M&Aは、法務・税務・財務など多岐にわたる専門知識が必要です。経営者の方が本業の傍らでこれら全てに対応するのは困難であり、リスクも伴います。
そのため、M&A仲介会社や弁護士、公認会計士といった専門家と連携し、サポートを受けながら進めるのが一般的です。後述する公的機関や金融機関も活用し、信頼できるパートナーを見つけることが、成功への近道となります。
大分で事業承継・M&Aを相談するなら?おすすめの専門機関
大分県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
日常的に取引のある地方銀行や信用金庫は、最も身近な相談先の一つです。大分銀行や豊和銀行といった地元の金融機関も、事業承継支援に力を入れています。普段から自社の経営状況を把握しているため、スムーズな相談が可能です。
M&A専門部署を設置している場合も多く、資金調達の相談と並行して進められる点が大きなメリットです。ただし、紹介されるM&Aの相手先が取引先企業に限られる場合や、大規模な案件でないと対応が難しいケースもあるため、注意が必要です。
公的機関
近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談がしやすい環境が整備されてきました。例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が直面する後継者不足などの問題に対応するための窓口として機能しており、無料で情報提供やアドバイス、さらには企業同士のマッチングサービスを提供しています。
このセンターは全国47都道府県に展開されており、地方の企業でも簡単に利用できるのが大きな利点です。
公的機関が運営しているため、費用のかからない公平なアドバイスを受けることができ、さらにM&A仲介会社や専門家の紹介も行われています。ただし、民間の仲介会社に比べると、対応の迅速さやサービスの内容が劣る場合がある点がデメリットとなり得ます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却に特化したサポートを提供し、売り手と買い手の双方と契約を結びながら交渉を進めていきます。これらの企業は、初期の相談段階から、相手企業の選定、スケジュール管理、企業価値の算定、必要な書類の作成まで、M&Aに関する一連の手続きを包括的にサポートします。
仲介会社の強みは、豊富な候補企業の中から最適なパートナーを見つけ出し、双方にとって納得のいく取引を実現する可能性を高める点です。さらに、M&Aに不慣れな企業に対しても、仲介会社は一貫した支援を行い、交渉や手続きが円滑に進むよう導いてくれます。
ただし、着手金や中間金が発生するケースもあり、コスト面での負担が懸念される場合があります。そのため、成功報酬制を採用している企業を選ぶことが推奨されます。
大分県の事業承継・M&Aに関する公的支援
ここでは、大分県事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関による事業承継支援の内容を見ていきましょう。
大分県事業承継・引継ぎ支援センター
大分県事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置する公的な相談窓口で、大分県商工会連合会が運営を担っています。
中小企業経営者の高齢化や後継者不足という課題に対し、親族内承継、従業員承継、M&Aによる第三者承継など、多様な選択肢を視野に入れた専門的なアドバイスを無料で提供しています。
具体的には、事業承継診断、専門家(税理士、弁護士等)の紹介、M&Aのマッチング支援、セミナー開催など、包括的なサポート体制が特徴です。大分県内で事業承継を考え始めたら、まず相談したい機関の一つです。
大分県信用保証協会
大分県信用保証協会は、1949年に設立された中小企業の金融面におけるサポートを主に行う公的機関です。公的機関が金融機関から借り入れを行う際、公的な保証人となります。また、事業承継を後押しするため、事業承継特別保証制度などを設けています。
大分県で事業承継を成功に導く3つのポイント
大分県で事業承継を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを意識することで、円滑な移行と事業の持続的発展が期待できます。
ポイント1:早期からの計画と準備
事業承継は一朝一夕に成し遂げられるものではありません。理想としては、経営者が引退を考える5~10年前から準備を開始することが望ましいです。
まずは現状分析を行い、事業の強みや課題、将来性を明確にします。その上で、どのような形で誰に引き継ぐのか、具体的な計画を策定しましょう。早期に着手することで、後継者育成やM&Aの相手探しにも十分な時間をかけることができます。
ポイント2:専門家との連携と客観的な評価
事業承継には、法務、税務、財務など専門的な知識が不可欠です。税理士や弁護士、M&Aアドバイザー、事業承継コンサルタントといった専門家のサポートを得ることで、複雑な手続きをスムーズに進め、リスクを低減できます。
また、自社の企業価値を客観的に評価してもらうことも重要です。これにより、適正な条件での承継やM&A交渉が可能になります。大分県事業承継・引継ぎ支援センターなども専門家紹介を行っています。
ポイント3:後継者とのコミュニケーションと経営理念の共有
親族内承継であれ、従業員承継であれ、M&Aによる第三者承継であれ、後継者(または譲受企業)との十分なコミュニケーションは不可欠です。経営理念やビジョン、企業文化などをしっかりと伝え、共有することが、承継後の事業運営を円滑にする鍵となります。
特に、従業員や取引先への説明も丁寧に行い、不安を取り除く配慮が求められます。これにより、承継後の組織の一体感を醸成し、事業の継続性を高めることができます。
大分県の事業承継・M&Aのまとめ
大分県は全国的に見ても後継者不在率が高く、事業承継は喫緊の課題です。しかし、これはM&Aによって事業の成長や従業員の雇用維持を実現する好機でもあります。
親族内承継だけでなく、第三者へのM&Aも視野に入れることで、最適な承継方法が見つかる可能性が広がります。本記事で紹介した公的支援や相談先を積極的に活用し、専門家のアドバイスを受けながら、早期に準備を始めることが成功の鍵となるでしょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。