2025年11月18日公開業種別M&A

工場業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!

工場業界では、人手不足や後継者問題などの理由で、M&Aでの売却を検討する経営者が増加しています。工場のM&Aによる売却はどのような点を注意するべきなのでしょうか。この記事では、工場業界の近年の動向とM&Aについて詳しくみていきましょう。

目次
  1. 工場業界の動向
  2. 工場事業をM&Aで譲渡するメリット
  3. 工場業界のM&Aにおける売却・買収事例7選
  4. 工場事業をM&Aする際の流れ
  5. 工場事業のM&Aにおける注意点
  6. 工場業界のM&A・事業売却まとめ
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工場業界の動向

工場では、製造業で製造する製品の製造、生産を行っています。工場業界とは、製品の製造や生産、生産した製品の点検、機械などの製品の整備などのメンテナンスや保守などを主な業務として行う業界です。

近年の工業業界の動向を、工業業界でも重工業の代表格である自動車業界と、軽工業の代表格である食品業界、産業のコメともいわれる半導体業界の動向でみていきましょう。

2021年から2022年にかけての自動車業界の業界規模は63.9兆円でした。近年の推移をみてみると、2018年までは右肩上がりでの市場規模の増加がみられましたが、2019年には減少に転じています。

その後、2020年にはコロナ禍の影響で一気に市場規模が減少しました。2021年以降は経済の回復とともに増加に転じていますが、コロナ禍前にピークだった2018年レベルまでは戻っていません。

食品業界の2021年から2022年の業界規模は21.1兆円でした。市場動向の推移をみると、2019年までは順調に市場規模が増加していましたが、2020年にはコロナ禍による外食需要の減少により若干減少しました。

しかし、自動車産業ほど極端には落ち込んでおらず、2022年以降は順調に回復して、2019年レベルになることが見込まれるでしょう。

半導体業界の2022年から2023年にかけての業界規模は6.4兆円です。新型コロナ禍前後で世界的な半導体不足が問題になっており、業界規模の推移も2019年まで減少傾向にありました。

しかし、2020年には半導体の生産の増加が図られたことから若干の増加に転じ、2021年から2022年には大幅に業界規模が増加しています。

工場業界の市場規模は、その時々の景気や産業全体の動向に左右されるところがある点に注意が必要です。

参考:業界動向サーチ「自動車業界の動向や現状、ランキングなど」「食品業界の動向や現状、今後などを分析」「半導体業界の動向や現状、ランキング&シェアなど

製造業(メーカー)の事業譲渡/売却の流れや注意点をわかりやすく解説 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

工場事業をM&Aで譲渡するメリット

工場業界でM&Aを実施して、工場売却にはどのようなメリットがあるのでしょうか。主な4つのメリットについて解説します。

従業員の雇用維持

1つ目のメリットは従業員の雇用を維持できる点です。

後継者問題や事業の悪化を理由に工場を廃業することになると、そこで働いていた従業員は全員解雇しなければいけません。

会社が雇用保険を掛けていれば、廃業での解雇は会社都合での退職になるので失業保険は給付されます。人によってはすぐに次の仕事が見つかる人もいるでしょうが、再就職できずに失業保険が切れた後の生活に困る人も出てきてしまうでしょう。

M&Aで工場を売却すれば、従業員の雇用も買収側が一般的に引き取ります。現在の経営体制で会社を存続させることが難しくても、M&Aでの工場売却なら、従業員の雇用を維持することが可能です。

事業の存続

2つ目のメリットは、事業の存続が可能になるという点です。

工場によっては、その工場ならではの特許や技術を持っている場合もあります。独自技術とまではいかなくても、その工場ならではのこだわりや品質を保っているという製品もあるでしょう。

しかし、工場を廃業してしまうことになると、その工場で培ってきた技術などは一切失われてしまいます。

もしも、M&Aで工場を売却できれば、その工場での事業は継続させることが可能になり、その工場が長年培ってきた技術を守り続けることが可能です

オーナー利益の獲得

3つ目のメリットは、経営者がオーナー利益を獲得できるという点です。

M&Aで工場を売却すれば、経営者には売却金が入ってきます。売却金の中から、住民税や所得税、M&Aの手数料などを支払った残りの売却益は、経営者が自由に使って良いお金です

工場を売却して引退生活に入るのであれば、M&Aでの売却益を生活費に充てることもできます。新規事業の資金にすることも可能です。

廃業や解体のコスト回避が見込める

4つ目のメリットは、M&Aでの工場売却によって廃業時のコストがかからないという点です。

廃業すると、従業員への退職金の支払いや、工場の建物の解体費用、設備の処分費用、廃業するための行政への手続きや会計処理などの手数料が必要になります。

これらの廃業コストは経営者が負担するべきものです。さらに、経営者が会社の連帯保証人になっていて、廃業時に債務が残った場合には、担保として設定されていた自宅が差押えられたり、引退後も返済が続いたりします。

M&Aで会社を売却した場合には、M&Aを行うための費用や売却金に対する課税などの負担はありますが、廃業したときと比較すると、必要なコストは少額です。

M&Aなら、従業員も設備も債務も、買収側が引き取ってくれるので、経営者が負担するコストはほとんどありません

自動車整備業のM&A・事業承継の動向は?事例や買収・売却事例も紹介! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

工場業界のM&Aにおける売却・買収事例7選

工場業界でのM&Aでの会社の売却、買収の事例をみていきましょう。

ネクスグループが工場向け資材事業を手がけるケーエスピーをM&Aした事例

2024年2月22日に、株式会社ネクスグループから、株式会社ケーエスピーを株式交換で完全子会社化することが発表されました。ネクスグループが株式交換完全親会社になり、ケーエスピーが株式交換完全子会社となります。

ネクスグループは通信機器メーカーで、IoTソリューション事業を中心に、メタバースやデジタルコンテンツ事業、暗号資産、ブロックチェーン事業、現在はメタバースやデジタルコンテンツ事業、IoTソリューション事業、農業ICT事業などを行っています。

ケーエスピーは総合商社で、外食業界やコスメティック業界などの企業向けの、消耗品や備品、パッケージ、厨房備品などを扱っています。

ネクスグループでは、慢性的な赤字営業からの脱却を目指して、暗号資産事業やデジタルコンテンツ事業を開拓してきましたが、主力となるIoT事業と暗号資産で売上高が伸びていません。

ケーエスピーは、国内外1,000社以上をサポートしてきた実績があり、高い収益性が見込まれる会社です。このM&Aで、ネクスグループの収益力改善を期待できるとのことです。

参考:簡易株式交換による株式会社ケーエスピーの完全子会社化に関するお知らせ

ライフドリンクカンパニーがソース製品製造拠点の茨城工場をM&Aした事例

2023年1月13日に、株式会社ライフドリンクカンパニーから、同社のソース製品の製造拠点である茨城工場を、大象(デサン)ジャパン株式会社(以下、デサンジャパン)が新しく設立する会社に譲渡するために、事業譲渡契約を締結したことが発表されました。

ライフドリンクカンパニーは、清涼飲料水の製造販売を行う会社で、独自ブランドの強炭酸水「ZAO SODA」などの他に、大手スーパーのプライベートブランド製品の製造請負もしています。

以前は清涼飲料水以外の、調味料や菓子類、麺類の製造販売も行っていましたが、このM&Aにより完全撤退しています。

デサンジャパンは韓国で食品や食品素材を提供している総合食品メーカー、大象株式会社の日本法人です。

このM&Aは、デサンジャパンからライフドリンクカンパニーへ事業譲渡の打診があり、ソース事業のさらなる成長が期待できるとのことで決定しました。

参考:事業譲渡に関するお知らせ

ベルテクスコーポレーションがコンクリート二次製品事業の一部をM&Aした事例

2022年12月1日に、株式会社ベルテクスコーポレーションから、同社の連結子会社であるベルテクス株式会社のコンクリート事業の一部である滋賀工場の、松阪興産株式会社への事業譲渡が発表されました。

ベルテクスコーポレーションは、コンクリート事業やパイル事業などを行っています。

2018年に、コンクリート二次製品製造などの事業を行う、東日本が基盤のゼニス羽田ホールディングスと、西日本が基盤のホクコンが、共同株式移転によって設立した持ち株会社です。

松阪興産は三重県松阪市にある骨材事業メーカーで、砕石や砂、コンクリート二次製品などの製造販売を行っています。

ベルテクスコーポレーションとしては、主力事業の成長と推進を図り、最適生産体制を再構築する必要性がありました。

そこで、滋賀工場で生産している可変側溝の製造と販売の量で日本トップクラスの松阪興産へ事業譲渡することで、滋賀工場の能力を最大限に生かせると判断してM&Aを実施を決定したとのことです。

参考:連結子会社の一部事業譲渡に関するお知らせ

サワイグループホールディングスが小林化工から全工場をM&Aした事例

2021年12月3日に、サワイグループホールディングス株式会社から、小林化工株式会社の生産活動に係る資産及び関連部門人員を譲り受ける譲渡契約を締結したことが発表されました。

サワイグループホールディングスは持株会社で、ジェネリック医薬品の製造メーカーである沢井製薬株式会社を中核会社として、傘下にメディサ新薬、化研製薬などがあります。

小林化工株式会社は、福井県あわら市で1946年に福井県製薬会社から独立する形で創業した製薬メーカーで、経口剤や注射剤などのジェネリック医薬品の製造販売を行っていました。

しかし、2020年の経口抗真菌薬への睡眠薬混入によって死者も出た健康被害により、業務停止命令を受けて、2023年4月に医薬品製造販売業許可を廃止しました。

ジェネリック医薬品は需要が拡大している一方、製造メーカーによる製造手順の不正などが相次ぎ、近年多くの工場が業務停止になっています。そのために、一部の薬が不足する事態も起きており、安定した供給力の確保が大きな課題となっていました。

サワイグループとしては、稼働したくても稼働できない小林化工の製造体制を引き継ぐことで、工場の稼働を可能にし、ジェネリック医薬品の安定供給への貢献を図るとしています。

なお、事業譲渡されるのは、生産体制のみで、小林化工が持つ知的財産などは譲渡されないとのことです。

参考:【サワイGHD】小林化工株式会社との譲渡契約締結についてオリックス株式会社と合意

わらべや日洋ホールディングスがセブンイレブン向け食品事業をM&Aした事例

2021年10月7日に、わらべや日洋ホールディングス株式会社から、新潟工場の閉鎖と、同工場で製造していた生産品目の製造を、株式会社デイリーはやしやへ事業譲渡することが発表されました。

わらべや日洋ホールディングスの新潟工場では、コンビニ向けの調理済み食品の製造を長年行ってきましたが、建物や設備の老朽化が進んでいました。

さらに、同工場での生産可能品目と商品供給のニーズの変化に伴う将来的な動向も考慮して、工場の閉鎖と事業譲渡を決定したとのことです。

参考:新潟工場の閉鎖および事業譲渡に関するお知らせ

中部飼料が配合飼料の製造子会社3工場をM&Aした事例

2021年5月20日に、中部飼料株式会社から、伊藤忠商事株式会社と伊藤忠飼料株式会社との間の資本業務提携を解消して、伊藤忠飼料との共同出資で設立した、みらい飼料株式会社が所有する石巻工場、門司工場、志布志工場の3工場を伊藤忠飼料へ譲渡することが発表されました。

譲渡する3工場を会社分割で分離した上で、3工場を承継するみら飼料の完全子会社の全株式を伊藤忠飼料に譲渡します。

みらい飼料では、今回M&Aで譲渡する3工場と合わせて4工場ありましたが、今後について検討する中で、4工場での経営を継続するよりも、それぞれ独自の経営戦略の推進がより望ましいとのことで、MA&を実施する事になったとのことです。

参考:伊藤忠商事株式会社及び伊藤忠飼料株式会社との資本提携の解消及び業務提携の変更、並びに子会社(孫会社)の異動を伴う株式譲渡に関するお知らせ 

アイカ工業によりDSM Coating Resins Ltd. の大園工場と付随事業をM&Aした事例

2021年1月29日に、アイカ工業株式会社から、同社の台湾にある連結子会社のEvermore Chemical Industry Co., Ltd.が、DSM Coating Resins Ltd.の大園工場およびそれに付随するオーバープリントワニス用UV硬化型コーティング剤事業を譲り受けることが発表されました。

アイカ工業は、建築材料や接着剤などを製造販売しているメーカーで、キッチンパネル市場では国内シェア1位を誇ります。台湾子会社のEvermore Chemical Industry Co., Ltd.は、台湾で機能材料の製造販売を行っています。

DSM Coating Resins Ltd.は、台湾のオーバープリントワニス用UV硬化型コーティング剤事業の大手メーカーの一つです。

アイカ工業では2000年代以降、中国や東南アジアへの進出など、海外展開を積極的に進めており、機能材料事業での海外への投資を行っています。

このM&Aによりオーバープリントワニス用UV硬化型コーティング剤のシェアをさらに拡大させることが可能になるとのことです。

参考:DSM Coating Resins Ltd. の大園工場およびそれに付随するオーバープリントワニス用 UV硬化型コーティング剤事業の譲受に関するお知らせ

2025年問題とは?事業承継できずに廃業する中小企業の特徴や事例・企業が取るべき対策を解説 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

工場事業をM&Aする際の流れ

工場でM&Aを実施するときには、どのような流れで進めるのでしょうか。M&Aの流れを解説します。

M&Aの専門家に相談を行う

M&Aで工場を売却することを検討し始めたら、最初にM&Aの専門家に相談しましょう。M&Aの専門家は、売却先の選定から法律や財務についての専門的な知識が必要なM&Aの手続きのサポートまで一貫して、M&Aの実施をお手伝いしてくれます

一人で進めると、シナジー効果を得られない相手を選んでしまったり、途中の手続きでつまずいたりしやすいので、M&Aの専門家のサポートを得るのがおすすめです。

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

工場業界で事業譲渡を適切に行うには、各業界に精通した専門家によるサポートを受けるのがおすすめです。

M&A総合研究所では、M&Aの支援経験豊富なM&Aアドバイザーが専任につき、事業譲渡を丁寧にフルサポートいたします。

また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)

無料相談も随時受け付けておりますので、こちらの業界で事業譲渡をご検討の際はM&A総合研究所までお気軽にご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

売却先の選定

M&Aの専門家に仲介依頼をしたら、専門家は売却先の選定を始めます。顧客に声を掛けたり、M&A情報サイトに会社の詳細を明かさない形で売却希望を掲載したりして、売却先を選びます。

候補企業の中から、数社を厳選して、経営者に提案し、最終的な交渉相手の選定は経営者本人の決断です。

トップ面談・条件交渉

交渉相手を決めたら、最初にトップ面談です。トップ面談では、売却側と買収側の経営者同士が直接会って、企業文化や経営理念などを話し合い、お互いの相性を確認します。

トップ面談の結果、M&Aを進めることに両社が合意したら、最初の条件交渉です。こちらでは、M&Aのスキーム、金額と日程の目安、従業員の待遇など、M&Aの根幹となる部分について決めていきます。

秘密保持契約の締結

M&Aを実施する上では、買収側が買収金額を査定したり、買収に当たってのリスクを調査したりする必要があります。その調査を行う上で、売却側の財務や人事、ノウハウなどの機密情報が必要です。

また、買収側が提示した金額が適正なものか判断してもらうために、M&Aの専門家にも同じ資料を見てもらう必要があります。

開示した機密資料が万が一流出したら、売却側の企業にとって大きなダメージとなるので、必ず資料の開示前に秘密保持契約を締結します。

秘密保持契約に記載する内容は、開示する資料の種類、利用目的、返却期限、返却方法、情報流出が起きた場合の罰則などです。

基本合意の締結

最初の交渉がまとまったら基本合意書の締結です。最初の交渉で決まった事柄を契約書のようにまとめていきますが、秘密保持と独占交渉権以外の項目には、基本的に法的拘束力を掛けません。

その理由は、今後の流れの中で内容が変更される可能性が高いためです。法的拘束力がない基本合意書の有効性に疑問を持つ人もいますが、今後、クロージングまでに長い時間がかかるM&Aの流れの中で、両社の思惑を常に一致させておくために大切なものです。

デューデリジェンスの実施

基本合意書締結後にデューデリジェンスを実施します。M&Aのデューデリジェンスは買収監査ともいい、M&Aについて知見の高い弁護士、税理士、会計士がチームとなり、売却側の企業価値評価の算定と買収に当たってのリスクを調査します。

この段階で基本合意書締結時までに開示されていなかった重大なリスクが発見された場合には、大幅な減額交渉やM&Aの破談になることもあるようです。

最終交渉と最終契約の締結

デューデリジェンスの結果、M&Aを進めることに問題がないと買収側が判断したら、最終交渉です。

最終交渉では、最終的なM&Aの条件が決められていき、最終契約書にまとめられます。経営権の変更に必要な、経営者の個人保証の外し方や、会社で保有する絵画の扱いなど細かい点も全て記載されます。

最終契約書締結後の条件の変更や契約破棄は違約金などが生じるので、サイン前によく内容を確認しましょう。

クロージング

最終契約書締結から1ヶ月から1年の期間を空けてクロージング、経営権の引き渡しです。この間に、M&Aの実施を公表して、従業員と取引先に説明します。

会社売却に反発する従業員からの退職や、取引先からの取引停止の申し出が起きる場合がありますが、M&Aの必要性や今後の待遇や取引について丁寧に説明して理解してもらうように努めてください。

クロージング日になったら、株式や登記の名義変更などの経営権変更の手続きを行い、代金を決済して、M&Aが完了します。

事業譲渡による社員・従業員への影響は?処遇・退職金・給与面から徹底解説 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

工場事業のM&Aにおける注意点

工場でM&Aを実施するときにはいくつか注意点があります。主な2つの注意点について解説します。

チェンジ・オブ・コントロール条項(COC)

1つ目の注意点は、チェンジ・オブ・コントロール条項(COC)についてです。

チェンジ・オブ・コントロール条項とは、契約を交わしている当事者の一方に、経営権や支配権の変更、異動があった場合には、もう一方の当事者が一方的に契約内容に制限を設けたり、契約を破棄したりできるという条項です。

資本拘束条項ともいい、M&Aで経営権の変更が起きた場合に適用される可能性があります。

COC条項の内容は、M&Aの事前もしくは事後の通知を求める程度のものから、契約破棄や大幅な契約内容の変更を可能にするものまで多岐に渡ります。デューデリジェンスのときにCOC条項が発覚して、内容によっては大きな問題になる可能性もあるようです。

日本では、取引先との事前相談で承諾を得ることで、そのまま取引を継続できることが多く、COCを盾にしてM&Aをきっかけに契約破棄に至る事例はあまりありませんが、取引先が買収側の競合である場合などに注意が必要です。

従業員の労働環境や雇用条件の変化

株式譲渡では、雇用契約などはそのまま引き継ぐことが多いので、M&A直後に労働環境や雇用条件が大きく変化することはありません。

しかし、事業譲渡など、従業員それぞれから個別の承認を得ることが求められる場合には、雇用条件が大きく変更される可能性があります。

雇用条件が変わることで、優秀な人材が流出してしまう可能性もあるので、必要な人材を留めて置けるような条件交渉が必要です。

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収・事業承継の現状は?事例から相場まで解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

工場業界のM&A・事業売却まとめ

後継者問題や、経営環境の変化に対応することが難しいなどの理由で、将来的に工場の経営を続けることを諦めるしかないと考えている経営者も増えているようです。しかし、廃業では、その工場が培ってきた技術が失われてしまうでしょう。

M&Aでの工場売却には、廃業よりも大きなメリットがあります。まずは、M&Aの専門家にM&Aの可能性について相談してみるのがおすすめです。

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