2024年9月10日更新都道府県別M&A

広島県の事業承継・M&Aの動向!案件一覧や事例・相談先まで紹介

本記事では、広島県の事業承継・M&Aの動向から方法まで紹介します。広島県の事業承継は、後継者がいないことを理由に計画を進めていない中小企業もみられます。同様に多くの小規模企業でも、後継者不在問題を抱えたまま解決されていません。広島県で事業承継・M&Aを検討中の方は必見です。

目次
  1. 広島県の産業に見られる特徴
  2. 広島県の事業承継・M&Aの動向
  3. 広島県近郊の事業承継・M&A案件一覧
  4. 広島県の事業承継・M&A事例
  5. 事業承継・M&A時におすすめの相談先
  6. 広島県の事業承継に関する公的支援
  7. 広島県の事業承継・M&Aまとめ
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広島県の産業に見られる特徴

広島県の産業は、造船や鉄鋼、自動車などの重工業から、電気機器や電子部品といった先端技術分野まで、幅広く発展しています。その結果、製造品出荷額などの指標では、中国・四国・九州地方で11年連続トップの地位を維持しています。

さらに、広島県は関西と九州の経済圏の中間に位置し、高速道路網が整備されていることから、物流や人の移動が盛んです。卸売業や小売業においても、中国地方の5県で高いシェアを誇り、この地域のビジネスの中心として機能しています。

参考:広島県「広島県の産業 」

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広島県の事業承継・M&Aの動向

広島県の事業承継・M&Aの動向を2つのトピックに分けて解説します。

広島県企業の後継者不在率

2023年における広島県企業の後継者不在率は56.6%となり、2014年の調査開始以来、最も低い数値を記録しました。業種別では「建設業」が67.2%で最も高く、全8業種で前年を下回る結果となっています。

社長の年齢別では、60歳以上の35.9%が後継者を見つけられていない状況です。後継者がいる場合、最も多いのは「子供」で47.1%を占め、「親族」が26.7%と続いています。

参考:帝国データバンク「広島県 後継者不在に関する企業の実態調査(2023年)」

広島県企業の休廃業件数

後継者不在の問題は、企業の休廃業を招いています。2023年、広島県で休廃業や解散に至った企業は1354件となり、過去5年間で最も多い数を記録しました。倒産件数は157件で、これは休廃業・解散件数の8.6倍に相当し、3年ぶりに10倍を下回る結果となりました。

参考:帝国データバンク「広島県 企業の休廃業・解散動向調査(2023年)」

【関連】島根県の事業承継・M&Aの動向は?案件例や事例から経済状況まで紹介!

広島県近郊の事業承継・M&A案件一覧

弊社M&A総合研究所が取り扱っている広島県近郊の事業承継・M&A案件一覧をご紹介します。

【中国地方】有資格者が豊富な土木工事

大型の入札案件中心に実績が豊富で、今後も安定した収益が見込めます。土木・建築一式でAランクを取得しているのも強みです。

エリア 中国・四国
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 2.5億円〜5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【中国地方】有資格者が豊富な土木工事(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【中国地方/一部自社製造もあり】基礎調味料を中心とした食品卸売業

原料や工程、工期にこだわった化学調味料無添加の自然食品取扱いに強みを持っています。自社ホームページにて個人宅への宅配販売も実施しており、高単価の個人顧客を確保しています。

エリア 中国・四国
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 1000万円〜5000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安

【中国地方/一部自社製造もあり】基礎調味料を中心とした食品卸売業(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

【中国地方】営業黒字・NetCash・プレカット加工可能な建築木材の製材卸売

建築用木材の卸売、製材を行っており、関連組合との連携によりプレカットの対応が可能です。基本となる規格はあるが、顧客からの注文に基づき、オーダーメイドで製材可能です。

エリア 中国・四国
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 2.5億円〜5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【中国地方】営業黒字・NetCash・プレカット加工可能な建築木材の製材卸売(商社・小売・流通) | M&A総合研究所
【関連】鳥取県・米子市のM&A・会社売却・事業承継の最新動向は?案件例や注意点も解説!

広島県の事業承継・M&A事例

広島県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。

ウエル・ユーカンによる小見山家具製作所の事業承継・M&A

2024年8月13日、ウエル・ユーカン(広島県広島市)は、2024年7月5日付で小見山家具製作所(岐阜県岐阜市)の全株式を取得し、グループ会社化することを決定しました。

ウエル・ユーカンは、看板やLED、ネオンサイン、広告塔の企画・設計・施工をはじめ、店舗の内外装やショールームの設計・施工など幅広い事業を手掛けています。一方、小見山家具製作所は岐阜県で家具の製造・販売を行っています。

今回のM&Aによって、ウエル・ユーカンと小見山家具製作所が持つ強みを融合させ、双方の成長を加速させることを目指しています。

グループ会社追加のお知らせ

大和ライフネクストによるマリモコミュニティの事業承継・M&A

2024年3月27日、大和ライフネクスト(東京都港区)は、東急コミュニティー(東京都世田谷区)の子会社であるマリモコミュニティ(広島県広島市)の全株式を取得する契約を締結し、2024年4月22日(予定)にマリモコミュニティを子会社化することを発表しました。

大和ライフネクストは、分譲マンションを中心にオフィスビル、商業施設、ホテルなどの建物管理サービスを提供しており、今回の取引により、同社グループが管理を受託する約38万戸に加え、マリモコミュニティの約22,000戸を合わせることで、総受託戸数は40万戸を超える規模となります。

マリモコミュニティは、北海道から九州まで全国的に拠点を持ち、幅広いエリアで管理サービスを提供しています。今回の子会社化により、大和ライフネクストは各地域での事業展開をさらに強化し、グループ全体の経営効率も向上させることを期待しています。

株式会社マリモコミュニティの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

TISによるレスコの事業承継・M&A

2024年1月18日、TISは、精神科病院向けに電子カルテを提供するレスコの全株式を取得し、連結子会社化することを発表しました。TISは、多様な業種にITサービスを提供する企業で、ヘルスケア分野でもオープンなプラットフォームを活用して医療や保険分野で課題解決に取り組んでいます。

一方、レスコは精神科専用の電子カルテを開発し、この分野で国内トップシェアを誇る企業で、最近では診療所や訪問看護、自治体向けにもサービスを展開しています。

TISは、レスコの技術や実績を活用し、医療DXやメンタルヘルスケアの領域で新たな事業の創出を図り、医療や保険業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに推進することを目指しています。

TIS株式会社による連結子会社化に関するお知らせ
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事業承継・M&A時におすすめの相談先

広島県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

金融機関

最近では、金融機関がM&Aサポートに特化した専門部署を設立するケースが増えてきています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aの場面で重要な役割を担うことが多く見受けられます。買収を進める際には、資金調達に関して金融機関との協議が不可欠であり、通常、既存の取引がある金融機関が最初に相談する相手となることが一般的です。

金融機関に相談するメリットとして、資金調達に関する専門的な助言を得られる点が挙げられます。事業承継においてもこのアドバイスは大いに役立ちます。また、M&Aに特化した部署や、専門家の紹介を行う金融機関も存在しています。

ただし、大手の金融機関は主に大型案件を取り扱う傾向があり、小規模案件には対応しないことも多いです。また、アドバイザリー形式を採用しているため、報酬が高額になる点がデメリットとなる可能性もあります。

公的機関

近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談ができる仕組みが整備されつつあります。例えば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が直面する後継者不足といった問題を解決するための窓口として、無料で情報提供やアドバイス、企業同士のマッチング支援を行っています。

このセンターは、全国47都道府県に展開されており、地方の企業でも簡単に利用できるのが大きなメリットです。さらに、公的機関が運営しているため、無料で公平なアドバイスが受けられ、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介も受けられます。

しかし、公的機関ゆえに対応の迅速さには限界があることがあり、民間のM&A仲介会社と比較するとサポートの充実度で劣る場合がある点が懸念材料です。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却に特化した支援を提供し、売り手と買い手の双方と契約を締結して交渉を進めます。これらの会社は、初期段階の相談から相手企業の選定、スケジュールの調整、企業価値の評価、必要書類の作成など、M&Aに関わるすべてのプロセスを総合的にサポートします。

仲介会社の大きなメリットは、多くの選択肢から最適なパートナーを見つけられる点にあり、これにより双方にとって納得のいく取引が実現しやすくなります。特に、初めてM&Aに臨む企業にも、仲介会社は継続的な支援を提供し、交渉やコミュニケーションを円滑に進めることで成功の可能性を高めます。

一方で、着手金や中間金が発生するケースがあり、費用面での負担が問題となることもあるため、成功報酬制を導入している企業を選ぶことが推奨されます。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

広島県の事業承継に関する公的支援

広島県の事業承継に関する主な公的支援をご紹介します。

広島県事業承継・引継ぎ支援センター

広島県事業承継・引継ぎ支援センターは、広島商工会議所が中国経済産業局から委託を受け、「産業競争力強化法」に基づいて設置された公的な相談窓口です。

このセンターでは、企業が抱える事業承継に関するさまざまな課題に対して、担当者や専門家が直接対応し、解決に向けたサポートを行っています。事業承継に関する問題を抱える企業にとって、専門的なアドバイスを得られる頼れる窓口となっています。

産業支援融資(事業承継支援資金)

産業支援融資は,広島県産業を担う中小企業者等の事業承継の段階における事業確立・拡大に必要な資金を円滑に供給することにより,本県産業の多様で均衡ある発展に資することを目的としています。

借入可能額は2億円で、金利は0.70%〜1.70%、最長借入期間は1年3か月とされています。

参考:広島県「12 産業支援融資(事業承継支援資金」

広島県の事業承継・M&Aまとめ

広島県での事業承継では、後継者が不在のため計画が進められない中小企業が多くみられます。また、小規模企業は後継者不在の問題を抱えたまま、現経営者が会社を存続しています。このような状況が続けば、いずれ会社は廃業を選択する可能性が高くなります。

現経営者が60歳前後の場合は、事業を存続させるために何かしらの事業承継を選択して、会社の存続を目指した方が良いといえます。後継者不在の問題については、中小企業を対象にしたM&Aを検討し、広島県内の経済が衰退しないよう事業承継を行うべきでしょう。

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