M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年9月30日公開業種別M&A
製缶板金業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!
製缶板金業界でも、他の製造業と同じように後継者問題や人手不足などから将来的なM&Aを検討している会社が増加しています。この記事では、製缶板金業界の業界動向とM&Aのメリット、M&Aで会社を売却するときのメリットなどをみていきましょう。
製缶板金業界の動向
製缶板金業界を含む金属製造加工業界の売上高の推移は、業界動向サーチの分析によると、2013年には18.5兆円だったのが、2018年には20.8兆円、コロナ禍で落ち込んだ2020年には16.9兆円でしたが、翌年の2021年には18.4兆円と回復しています。
金属製品の売上が好調な理由は、老朽化した建物が増えてリフォーム需要が伸びている他、住宅の新築件数も増えているためです。
また、コロナ禍で一時落ち込んだ経済の急速な復活により、製造業や自動車産業での金属製品の需要が高まっていることから、今後も好調な売上が続くでしょう。
参考:業界動向サーチ「金属製品業界の動向や現状、ランキングなどを解説」
製缶板金会社をM&Aで売却するメリット
製缶板金会社をM&Aで売却することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。M&Aで会社を売却する3つのメリットについて解説します。
後継者問題の解決
製缶板金会社をM&Aで売却するメリットの一つには、後継者問題を解決できるという点があります。
現在、日本の会社の6割以上の社長が60歳以上と高齢化しています。また、4割の会社で親族や社内に後継者がいなくて、将来的には廃業の危機に陥るかもしれないといわれています。
高い熟練の技術が必要な製缶板金会社が廃業してしまうと、その会社が育ててきた技術やノウハウが失われてしまうことになります。
M&Aで会社を他の会社に売却することができれば、今の経営者が将来的に経営を続けることができなくなっても、会社を存続させることができて、会社の技術を次世代に継承できるのです。
従業員の雇用確保
製缶板金会社をM&Aで売却するメリットの一つには、従業員の雇用を確保できるという点もあります。
会社を廃業することになると、従業員は全員解雇となります。もちろん、会社の廃業という会社都合での退職なので、失業保険はすぐにもらうことができますが、人によっては次の就職先を見つけるのに苦労する人もいるでしょう。
特に、定年まで数年という高齢の人にとっては、再就職先を見つけるのはかなり難しい状況かもしれません。最悪の場合、失業保険が切れた後に露頭に迷ってしまう可能性もあります。
M&Aで会社を売却することができれば、一般的に従業員は買収側の会社に引き継いでもらえるので、従業員の雇用を守ることができるのです。
売却利益の獲得
製缶板金会社をM&Aで売却するメリットの一つには、経営者が売却した利益を獲得できるという点もあります。
廃業することになると、従業員への退職金や設備の処分費用などの出費が必要です。経営者が金融機関からの借り入れに対して連帯保証や担保の提供などの個人保証をしていた場合には、廃業後に債務が残った場合には返済も続けなければいけません。
M&Aで会社を売却できれば、従業員も設備も債務も、全て買収側へ引き継いでもらうことができます。M&Aにより、経営者は出費もなく個人保証も負担からも解放される上に、利益も獲得できるのです。
製缶板金会社のM&Aの流れ
製缶板金会社をM&Aで売却する流れをみていきましょう。
M&Aの専門家への相談
製缶板金をM&Aで売却した方がいいのかどうか考え始めたら、まずはM&Aの専門家に相談することをおすすめします。
M&Aの専門家とは、金融機関では扱ってもらえない中小企業のM&Aを専門的に扱う専門家のことで、M&Aをした方がいいのかどうかといった相談から、M&Aを決断したら、売却先探しや手続きのサポートもしてくれます。
M&Aの専門家のサポートを受けずに、自分ひとりでM&Aを進めようとしても、最適な相手探しや、法律や財務についての高度な知識が必要な手続きが難しいのが現実です。
まずはM&Aの専門家への相談から始めましょう。
M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください
製缶板金業界で事業譲渡を適切に行うには、各業界に精通した専門家によるサポートを受けるのがおすすめです。
M&A総合研究所では、M&Aの支援経験豊富なM&Aアドバイザーが専任につき、事業譲渡を丁寧にフルサポートいたします。
また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)
無料相談も随時受け付けておりますので、こちらの業界で事業譲渡をご検討の際はM&A総合研究所までお気軽にご相談ください。
売却先の選定
M&Aの専門家にサポートをしてもらうことに決めたら、専門家は早速、売却先の選定を始めます。会社の状況を詳しく分析した上で、売却先を探します。
探し方は、会社名などを伏せたノンネームシートをM&A情報サイトに掲載したり、製缶板金会社に興味のある顧客に声を掛けたりして買収先候補を探します。
専門家がいくつか候補企業をピックアップしたら、会社の相性等を考えて数社に絞り経営者に提案します。最終的な交渉相手は経営者が自らの判断で決定するのです。
トップ面談・条件交渉
交渉相手を決めたら、最初にトップ面談を行います。売却側と買収側の経営者が直接会って会談を行うのです。
トップ面談では、財務資料の数字などからは見えてこない、それぞれの会社の企業文化や経営理念などを話し合い、お互いの相性をみます。
企業同士の結婚ともいわれるM&Aでは、数字以上に相性が重要なので、その部分をトップ会談でお互いに探るのです。
トップ面談の結果、M&Aを進めることに両社が同意したら、最初の条件交渉に入ります。ここでは、M&Aのスキームや時期の目標、譲渡金額、従業員の待遇などを交渉します。
秘密保持契約の締結
M&Aを行う上では、売却側の会社のノウハウや財務資料、人事資料などの機密情報を買収側に開示する必要があります。
開示する資料の多くはM&A以外の用途に使われては、万が一M&Aが失敗したときに、売却を希望していた側の損失になる内容です。開示した機密情報がM&A以外の用途に使われないように、必ず秘密保持契約を結びましょう。
秘密保持契約には、開示する資料の内容、利用目的、返却期限、情報が流出した場合の損害賠償などを記載します。自社に不利な内容が盛り込まれていないか、サインする前によく確認しましょう。
基本合意の締結
最初の交渉がまとまったら基本合意書を締結します。基本合意書には交渉で決まったことを記載しますが、基本的に秘密保持と独占交渉権以外の項目には法的拘束力は掛けません。
基本合意書は、両社がこの方向性でM&Aを進めるために合意したということを確認するためのものです。今後、基本合意書から内容が変更される可能性があることはよく理解しておきましょう。
デューデリジェンスの実施
基本合意書を締結したら、次に買収側が売却側の会社を調査するデューデリジェンスが実施されます。デューデリジェンスでは、買収側の会社からM&Aの専門家チームが派遣されて、売却側の会社の正確な価値評価とリスクを調査します。
この段階で基本合意書締結時までに開示されていなかった重大な問題が発見された場合には、最悪の場合M&Aの破談の可能性もあります。
破談には至らなくても、大幅な減額交渉にもなり得るので、都合が悪い情報でもできるだけ早く開示しておいた方がいいでしょう。
最終交渉と最終契約の締結
デューデリジェンスの結果、買収側がM&Aを進めても問題がないと判断した場合には、最終交渉が行われます。最終交渉では、デューデリジェンスの結果に基づいた価格交渉や、実際に会社を譲渡するに当たり、細かい事項まで決めていきます。
基本合意書で大枠を決めたM&Aのスキームや従業員の待遇の他、売却側の経営者の債務保証の外し方や、会社が所有する絵画はどうするのか、といったことも細かく決めて最終契約書にまとめていきます。
最終契約書は、全ての項目に法的拘束力が発生して、サイン後の変更は違約金などが発生します。サインする前に、不利な点や納得できない点はないかなど、よく確認しましょう。
クロージング
最終契約書の締結から1ヶ月から1年ほどの期間を置いてクロージング、経営権の引き渡しとなります。クロージングまでに期間を置くのは、M&Aの実施を公表してから、従業員と取引先に理解を求める必要があるためです。
買収側としては、熟練工や顧客の獲得もM&Aの目的なので、M&Aに反発して離職や取引停止が起きてしまうのは困ります。そのようなことが起きないように、丁寧な説明に努めましょう。
クロージング日になったら、株式の譲渡や登記の書き換えなどを行い経営権を譲渡し、代金を決済し経営権の引き渡しが完了します。
製缶板金会社でM&Aを行う際の注意点
製缶板金会社でM&Aを行う時には、どのような点に注意すればいいのでしょうか。日本でのM&Aの成功率は4割程度といわれており、M&Aでの会社の売却を希望しても、約6割の会社は売却できないのが現実です。
M&Aに成功するためにはどのような点に注意すればいいのか、特に製缶板金業界で気をつけたい2つの注意点について解説します。
情報漏洩に気を付ける
M&Aが成功するかどうかは、情報漏洩を起こさないかどうかにかかっているともいわれています。
特に、最終契約書を締結する前に会社売却の噂が流れてしまうと、不安にかられた従業員の離職や、経営状態の悪化を懸念する取引先からの取引停止を招いてしまう可能性もあるのです。
情報管理ができずに、離職や取引停止を招く事態に陥ってしまうと、M&Aも破談になってしまいます。
M&Aの噂は、ほんの小さな会話の断片から広がる事がほとんどです。社長室での経営陣の会話や、応接室や電話でのM&Aの専門家との打ち合わせの会話などが、従業員の耳に入り、そこから憶測が広がっていきます。
M&Aについては、社内では話をしないように気をつけて、情報がもれないように徹底的に管理しましょう。
目的と戦略の明確化
M&Aには、スキーム(手法)がいくつかあります。株式譲渡を選択する場合が多いのですが、その他に事業譲渡、合併などがあり、M&Aの目的によって選択するべきスキームが変わってきます。
スキームはM&Aの目的によって選ぶべきものです。最初に、M&Aで会社を売却する目的と、その目的を達成するための戦略を明確化すると、スキームが決まり、最適な相手も見つけやすくなります。
とはいえ、M&Aの目的と戦略の明確化は少し難しいものです。M&Aの専門家の助けを借りて、相手探しを始める前に、この点を明確化しておくようにしましょう。
製缶板金会社のM&A・事業譲渡まとめ
製缶板金業界は、国内だけでなくアジアの新興国のメーカーとの競争や、後継者問題、人手不足など厳しい状況に置かれている会社が多く、会社の将来に不安を覚える経営者も少なくないでしょう。
M&Aで会社を売却できれば、将来的に会社の存続が難しくても、会社を継続していくことができます。会社の将来が不安なら、まずは、M&Aの可能性について、M&Aの専門家に相談することからはじめてみることがおすすめです。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。