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2020年12月5日更新業種別M&A
お弁当・惣菜屋におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説
近年のお弁当・惣菜の需要の高まりとともに、お弁当・惣菜屋のM&Aも増加傾向にあります。具体例を挙げると、同業者同士のM&Aであれば、事業規模の拡大・サービス体制の強化などのメリットを期待可能です。本記事では、お弁当・惣菜屋のM&A事例を中心に紹介します。
目次
お弁当・惣菜屋とは
近年さまざまな業界・業種でM&Aの活性化が目立っていますが、食品製造業界も例外ではなく、事業エリアの拡大・販路の拡大・サービス体制の強化などを目的に、多種多様な企業がM&Aを実施しています。惣菜業界でも、お弁当・惣菜屋を営む企業のM&Aがしばしば見られる状況です。
具体例を挙げると、コンビニエンスストアやスーパーにおける惣菜の需要増加を見据えたM&Aや、お弁当の宅配事業の強化を目指したM&Aなど、事例ごとにさまざまな目的が掲げられています。
お弁当・惣菜屋のM&Aを整理するにあたり、まずは食品製造業界・惣菜業界の特徴や、お弁当・惣菜屋の事業内容などを把握しておきましょう。
お弁当・惣菜業とは何か?
お弁当とは、携帯できるようにした食糧のうち食事に相当するものの呼称です。一方で惣菜とは、主食とともに食べる副食(おかず)のことをさします。 これら副食・おかずの製造・販売を行う事業が「惣菜業」です。 なお、副食(おかず)は、米飯などと合わせて弁当として販売されるケースも多く見られます。
そのため、業界として「惣菜業」とまとめる場合、弁当の製造・販売なども含めるのが一般的です。 本記事では、「お弁当・惣菜屋」として、業界動向やM&A事例について紹介していきます。
お弁当・惣菜業界の主な動向

仕出し屋・弁当屋の営業施設数(厚生労働省「平成30年度衛生行政報告例の概況」をもとに作成)
出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/18/dl/kekka4.pdf
近年、お弁当・惣菜の需要は拡大傾向にある状況です。特にコンビニエンスストアやスーパーなどでは、お弁当・惣菜の需要増加が目立っており、こうした背景には単身世帯の増加といった要因が挙げられます。
晩婚化・未婚化の進行により近年は単身世帯が増えており、世帯ごとの食生活にも変化が見られます。そのため、手軽な食事のニーズが高まっており、今後もお弁当・惣菜の需要が高まる見とおしです。
需要の拡大に伴い、外食産業からの参入も活発化しています。 お弁当・惣菜に対するニーズの高まりとともに使用する食材・料理のバリエーションも拡大していることから、今後も参入企業は増える見込みです。
お弁当・惣菜の需要が拡大する中で、競争激化が目立っています。スーパーマーケット・コンビニエンスストア・飲食店でも弁当・惣菜を強化する動きが見られ、仕出し屋・弁当屋の店舗(営業施設)数自体は減少傾向にある状況です。持ち帰り寿司店など競合店舗の増加が理由として考えられるでしょう。
また、食品製造業界全体で宅配サービスの市場も成長していますが、この傾向はお弁当・惣菜屋も例外ではありません。宅配サービスに対する需要の増加を踏まえると、お弁当・惣菜屋が宅配事業を開始・強化する経営戦略には大きなメリットがあります。
そして、宅配事業の開始・強化にあたり、M&Aを検討する会社も増加しています。具体例を挙げると、弁当メニューを扱う会社が宅配事業を展開する会社を買収するといったM&Aが典型的な事例です。
お弁当・惣菜業界の市場規模

グラフ:料理品小売業の市場規模(出典:Foresight「外食産業市場規模推計について」※⽇本フードサービス協会による推計をもとに作成)
出典:https://gaisyoku.biz/upload/file/data/data_market_2018.pdf
一般社団法人 日本フードサービス協会の「平成30年の外食産業市場規模」によると、お弁当・惣菜屋が該当する「料理品小売業」の市場規模は、2018年時点で7兆8,647億円と報告されており、前年比で2.1%の増加が見られました。
なお、上記から弁当給⾷を除いた市場規模は7兆3,237億円であり、対前年比で2.2%増加しています。
食品製造業界の特徴
ここでは、お弁当・惣菜業も含めた食品製造業界全体の特徴を整理します。 少子高齢化などの状況を踏まえると、将来的に食品製造業界全体で消費量が格段に上がる事態は考えにくいです。ただし、お弁当・惣菜の需要は今後も増加傾向が続くものと見られます。
そのため、今後のお弁当・惣菜屋の成長傾向が、食品製造業界全体の成長につながる可能性はあります。また、宅配サービスに対する需要も高まっていることから、食品製造業における新たな市場として宅配事業が活発化する可能性もあるのです。
お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡動向
近年は、お弁当・惣菜の需要増加に対応すべく、M&Aによりサービス体制の強化・事業の拡大などを図る事例が目立っています。具体的には、同業者同士のM&Aであれば、製造・販売ノウハウの共有による競争力の強化や、当事会社の事業エリア・販路の活用による事業の拡大・強化などが代表的なメリットです。
また、食材調達から販売に至るまで一貫したサービス体制の構築を目指す会社が、各段階を担う会社をM&Aで買収する事例も見られます。そのほか、宅配サービスへのニーズに対応するため、宅配事業会社とM&Aを実施するケースも目立っている状況です。
上記事例の目的は宅配事業への新規参入に限らず、これまで宅配事業を展開していたお弁当・惣菜屋がサービス体制の強化を目指してM&Aを実施するケースもあります。
お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡のメリット/デメリット
お弁当・惣菜屋を営む企業がM&A・買収・売却・譲渡を行うと、さまざまなメリットを享受できます。ただし、その一方でデメリットも存在するため、経営戦略としてM&Aを成功させるためにもしっかりと把握しておきましょう。
まずは、譲渡企業から見たメリット/デメリットを紹介します。
譲渡企業のメリット/デメリット
お弁当・惣菜屋を営む企業のM&Aにおいて、譲渡企業が享受できるメリットは以下のとおりです。
- 従業員の雇用維持
- 事業承継問題の解決
- 安定的・効率的な経営の推進
- 創業者利潤の獲得
- 廃業費用の削減
- 個人保証からの解放
- 主力事業への集中
このようにさまざまなメリットがある一方で、M&Aにおける譲渡では以下のようなデメリットも存在します。
- モチベーション低下や反発による従業員の離職・流出
- 取引先との関係悪化による取引の中止
- 最適な買収企業とマッチングできるとは限らない
メリットを最大限獲得しつつデメリットを回避するためにも、専門家からサポートを得ながらM&Aを進めていくことが大切です。
買収企業のメリット/デメリット
お弁当・惣菜屋を営む企業のM&Aにおいて、買収企業が享受できるメリットは以下のとおりです。
- 顧客をそのまま引き継げる
- セントラルキッチンなど事業に必要な拠点・設備をまとめて引き継げる
- 物流網・拠点もまとめて引き継げる
- 事業基盤の拡大に伴いスケールメリットを得られる
- 事業の多角化を狙える
- 弱点を補強できる
- 経営戦略をスピーディーに遂行できる
買収企業もさまざまなメリットを享受できますが、譲渡企業と同様に注意すべきデメリットも存在します。
- 簿外債務や偶発債務の引き継ぎリスク
- 経営統合の停滞はM&Aの失敗に直結する
- 最適な譲渡企業とマッチングできるとは限らない
特に買収では経営統合がM&A成功のカギを握ります。専門家の協力を得ながら綿密な計画のもとで、経営統合プロセスを進めると良いです。
お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
ここでは、お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡を成功させるポイントについて、売却側・買収側に分けて紹介します。
お弁当・惣菜屋を売却するケース
売却により資金力のある企業の傘下に入れば、安定した財務基盤のもとで事業を展開できます。また、双方のノウハウ・技術・販路などを活かせば、競争力の強化も期待可能です。ただし、これらのメリットを享受するには、売却にあたって自社の強みを十分にアピールする必要があります。
買い手が魅力に感じる点が多ければ多いほど、多くの企業が買収に名乗り出るようになります。そのため、自社のお弁当・惣菜業について、特化している分野・強みのあるエリア・顧客基盤の特徴など魅力になるポイントを整理したうえでアピールしましょう。
お弁当・惣菜屋を買収するケース
お弁当・惣菜屋の買収事例は、同業者によるM&Aが多く報告されています。これは、特定エリアに強みを持たないお弁当・惣菜屋が当該エリアで事業を展開するお弁当・惣菜屋を買収すると、比較的短期間で事業エリアを拡大できるためです。
もちろん、双方のノウハウ・技術・販路などを活用する目的でお弁当・惣菜屋を買収するケースもあります。そのため、お弁当・惣菜屋を買収する際は、「どのエリアを強化したいのか」「どの事業を強化したいのか」といった目的を踏まえたうえで、買収すべき企業を検討しましょう。
対象企業が自社の目的に沿った企業であれば、買収の成功に近づきます。
お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
注意すべきポイントとして、まずは「目的を明確にすること」「対象企業は丁寧に選ぶこと」の2点が挙げられます。M&Aの目的がはっきりしていると具体的なM&A戦略を策定できるため、M&Aによってさまざまなメリットを享受できる可能性が高いです。
これに対して、目的が不明瞭の場合、想定していた効果が見られずにM&A費用ばかりがかさむといったトラブルになりかねません。また、M&Aによって売却・買収を行う以上、対象企業は丁寧に選ぶ必要があります。このときは、事業内容や方針などを十分に検討し自社に合う相手かどうか判断しなければなりません。
そして、相応しい対象企業が見つかったら、アプローチを早めに実施しましょう。他の企業に先を越されてしまうおそれがあるためです。さらに、M&Aのトラブルを回避するには、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなど専門家のサポートを受けることをおすすめします。
M&Aは法務・税務・財務などの専門知識が必要となるほか、対象企業と十分な交渉を重ねなければなりません。専門的に高度なプロセスを自社のみで済ませるのは非常に困難かつ非効率的であるため、専門家のサポートを得ながらM&Aを進めると良いでしょう。
もしもM&Aの専門家選びにお悩みでしたら、M&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所では、M&Aに関する知識・経験を豊富に持つアドバイザーによる手続きのフルサポートを提供しております。
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お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡の相場
ひとことにお弁当・惣菜屋のM&Aといっても、それぞれの事例で対象事業・企業規模は異なります。事例は多様化しているため、相場・費用を一概に把握することは困難です。とはいえ、ある程度は相場の目安を付けておかないと、想定外の費用が発生してしまいかねません。
そこで、相場の目安を把握する際は、過去の事例におけるM&Aの目的・M&Aの当事会社の規模・対象事業の規模・業績・従業員数・M&Aスキームなどのポイントをチェックしましょう。特に自社と類似する会社の事例は徹底的に分析し、取引価格や費用の相場を把握しておくと良いです。
お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡の事例/ニュース6選
ここでは、お弁当・惣菜屋を営む企業のM&A・買収・売却・譲渡の事例/ニュースを6つ選んで紹介します。
- 明治による明治ライスデリカの株式譲渡
- ユニー・ファミリーマートHDによるカネ美食品の株式譲渡(一部)
- 小僧寿しによるデリズの子会社化
- オイシックスドット大地によるらでぃっしゅぼーやの子会社化・吸収合併
- ユニー・ファミリーマートHDによるカネ美食品の子会社化
- プレナスによる宮島醤油フレーバーの子会社化
それぞれの事例の概要・狙いを押さえて、自社のM&A戦略に活かしましょう。それでは、それぞれの事例を順番に見ていきます。
①明治による明治ライスデリカの株式譲渡
2020年3月、大手食品会社である明治は、連結子会社「明治ライスデリカ」の株式すべてを藤本食品に対して譲渡すると発表しました。本件M&Aの株式譲渡価額は非公開とされています。なお、本件M&Aを受けて、明治ライスデリカは藤本ライスデリカに社名を変更しました。
明治ライスデリカは、高い品質・衛生管理体制のもとで顧客に喜ばれる新商品開発を手掛けるなど、炊飯・米飯二次加工品の製造販売の事業を展開しています。一方の藤本食品は、近畿・中四国・中部エリアを中心に事業を展開する企業です。
具体的には、お弁当・寿司・おにぎりなどの米飯類をはじめ、うどん・そば・中華そばなどの麺製品、お惣菜・各種サラダ・調理パンといった製品を取り扱っています。
②ユニー・ファミリーマートHDによるカネ美食品の株式譲渡(一部)
2019年2月、ユニー・ファミリーマートHD(現:ファミリーマート)は、子会社であるカネ美食品の株式の一部をパンパシフィックインターナショナルHDに譲渡すると発表しました。本発表を受けて、2019年4月、ユニー・ファミリーマートHDは、保有するカネ美食品の株式26.55%(議決権ベース)を約78億円で譲渡しています。
パンパシフィックインターナショナルHDはディスカウントストア「ドンキホーテ」を展開する企業であり、2019年2月にドンキホーテHDから商号変更しています。本件はユニー・ファミリーマートHDからすると子会社であるカネ美食品の株式を譲渡したM&Aですが、これには複雑な背景がありました。
本件M&Aに先立ち、2019年1月、ユニー・ファミリーマートHDは子会社である流通企業のユニーの全株式をパンパシフィックインターナショナルHDに譲渡しています。そして、このユニーの重要な取引先がカネ美食品だったのです。
そのため、パンパシフィックインターナショナルHDは、ユニーの取引先であるカネ美食品の株式も取得し関連性を深めれば、カネ美食品の成長・企業価値向上につながると判断しました。こうした背景により、ユニー・ファミリーマートHDはカネ美食品の株式を譲渡しています。
③小僧寿しによるデリズの子会社化
2018年4月、持ち帰り寿司店「小僧寿し」などを展開する小僧寿しは、宅配代行サービス事業を手掛けるデリズの完全子会社化を発表しました。小僧寿しは、持ち帰り寿司店「小僧寿し」および「茶月」などのブランドを中心に全国250店舗以上を展開しているほか、弁当メニューも取り扱っている企業です。
一方のデリズは、「ニッポンに、出前革命を起こす」というスローガンを掲げながら、「専門店の「うまい!」をご家庭で!」というコンセプトをもとに宅配代行サービスを手掛けています。
本件M&Aにより、小僧寿しでは、デリズが強みとするバーチャルレストラン分野における宅配事業のノウハウ共有および相互のデリバリー事業の拡大などにつなげています。従来より、小僧寿しは消費者ニーズを踏まえた宅配事業を推進しており、取り組みの一貫としてデリズを子会社化したと捉えられる事例です。
④オイシックスドット大地によるらでぃっしゅぼーやの子会社化・吸収合併
2018年1月、有機野菜などの宅配サービスを手掛けるオイシックスドット大地は、同じく食品宅配事業を展開する「らでぃっしゅぼーや」の完全子会社化を発表しました。取得価額は10億円と発表されています。
また、同年5月にはオイシックスドット大地が「らでぃっしゅぼーや」を吸収合併すると発表され、同年7月には「らでぃっしゅぼーや」との経営統合を踏まえて「オイシックス・ラ・大地」に商号変更しました。
オイシックスドット大地(現オイシックス・ラ・大地)は弁当メニューも含めた食材宅配を手掛ける会社で、近年はEC市場における競争優位性の確立を進めています。一方の「らでぃっしゅぼーや」は、会員制食品宅配事業において約30年の歴史を誇る企業です。
本件M&Aによって、オイシックスドット大地(現オイシックス・ラ・大地)では、両社が持つ食品宅配事業のノウハウを活用し、事業拡大・新市場の創出につなげました。食品製造業界では宅配サービスなどの新市場が成長しており、本事例でも、宅配サービスのさらなる発展への貢献が期待されています。
⑤ユニー・ファミリーマートHDによるカネ美食品の子会社化
2017年6月、ファミリーマートの運営を行うユニー・ファミリーマートHDは、惣菜・弁当などの製造を行うカネ美食品を子会社化すると発表しました。取得価額は87億3,300万円と発表されています。
ユニー・ファミリーマートHDは、コンビニエンスストア事業者として、国内店舗数1万7232店舗・海外店舗数6849店舗を展開する企業です(2018年2月末時点)。
一方のカネ美食品は、以前よりユニー・ファミリーマートHDの子会社「ファミリーマート」の重要な取引先で、寿司・揚げ物・惣菜など小売店舗の展開やコンビニエンスストア弁当の製造を手掛けています。
本件M&Aにより、ユニー・ファミリーマートHDでは、食材調達から一貫したサービス体制の構築に成功し、惣菜販売の強化などにつなげました。近年はコンビニエンスストア・スーパーで惣菜の需要が増加しており、こうした傾向状況に対応すべく惣菜事業におけるスピード性が重視されています。
本件M&Aも、需要増加に応じて惣菜事業のスピードアップを図った事例のひとつです。
⑥プレナスによる宮島醤油フレーバーの子会社化
2016年12月、「ほっともっと」などを展開するプレナスは、調味料の製造・販売などを手掛ける宮島醤油フレーバーの子会社化を発表しました。2017年1月、宮島醤油フレーバーの発行済み株式55%をプレナスが取得し、宮島醤油フレーバーの子会社化が完了しています。
プレナスは、持ち帰り弁当チェーンの「ほっともっと」や外食チェーンの「やよい軒」の展開および、食材・包装・資材の販売を手掛けています。一方の宮島醤油フレーバーは、調味料に関する豊富な原材料情報や優れた開発技術などに強みを持つ企業です。
本件M&Aにより、プレナスでは、食品製造の知識や技術の交流・短時間での商品開発および製造・海外展開における自社での調味料の現地生産などにつなげています。
お弁当・惣菜屋業界M&Aのまとめ
近年、お弁当・惣菜の需要の高まりとともに、お弁当・惣菜屋のM&Aも増加傾向にあります。例えば、同業者同士のM&Aであれば、事業規模の拡大やサービス体制の強化などにつながりやすいです。これにより、お弁当・惣菜の需要増加に迅速に対応できます。
また、宅配サービスの需要増加に対応するため、M&Aを行うケースも増えています。惣菜業に限らず、食品製造業界全体で宅配事業の重要性が高まっており、今後の市場成長も見込まれている状況です。
お弁当・惣菜屋からすると、宅配事業会社とM&Aを行えば、宅配事業の開始・強化が図れます。お弁当・惣菜屋のM&Aを検討する場合、業界やM&A動向を踏まえながら自社と類似する事例を徹底的に分析しつつ準備を進めると良いでしょう。本記事の要点をまとめると、以下のとおりです。
・お弁当・惣菜業界の主な動向
→お弁当・惣菜の需要は拡大傾向にあり外食産業からの参入も活発化している、宅配事業の開始・強化にあたりM&Aを検討する会社も増加中
・お弁当・惣菜業界の市場規模
→2018年時点で7兆8,647億円(前年比で2.1%増加)
・M&A譲渡企業のメリット
→従業員の雇用維持、事業承継問題の解決、安定的・効率的な経営の推進、創業者利潤の獲得など
・M&A譲渡企業のデメリット
→モチベーション低下や反発による従業員の離職・流出、取引先との関係悪化による取引の中止、最適な買収企業とマッチングできるとは限らない
・M&A買収企業のメリット
→顧客をそのまま引き継げる、事業に必要な拠点・設備をまとめて引き継げる、物流網・拠点もまとめて引き継げる、事業基盤の拡大に伴いスケールメリットを得られるなど
・M&A買収企業のデメリット
→簿外債務や偶発債務の引き継ぎリスク、経営統合の停滞はM&Aの失敗に直結する、最適な譲渡企業とマッチングできるとは限らない
・お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
→自社の強みを十分にアピールする
・お弁当・惣菜屋のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
→目的を踏まえたうえで買収するべき企業を検討する
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