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2020年1月6日更新
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エステサロン業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

エステサロン業界のM&Aは、買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため慎重に専門家を活用しましょう。

目次
  1. エステサロン業界のM&Aとは?
  2. エステサロン業界のM&Aの現状と動向
  3. エステサロン業界のM&Aの相場と費用
  4. エステサロンの買収とは?買う・買いたい場合
  5. エステサロンの売却とは?売る・売りたい場合
  6. エステサロン業界のM&Aの成功・失敗事例
  7. まとめ
エステ エステサロンのM&A・事業承継
エステ エステサロンのM&A・事業承継

エステサロン業界のM&Aとは?

M&Aは、後継者不足問題の解決や新規事業拡大などの様々なメリットがあります。エステサロン業界も例外ではなく、M&Aの事例が複数見られます。

エステサロン業界の定義

エステサロン業界のM&Aを考えるにあたり、まずエステサロン業界の定義や特徴について整理してみましょう。
エステサロンのエステは「エステティック」の略称です。エステティック業とは、人の皮膚を美化し、体型を整えるための施術を行う事業のことです。このエステティック業を行う施設をエステティックサロン(エステサロン)といいます。
エステティック業やエステサロンの定義について、さらに詳しく見ていきましょう。総務省の「日本標準産業分類」によると、エステティック業は以下のように定義されています。
「手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導又は施術を行う事務所をいう。」
また、エステティックサロン:美顔術業:美容脱毛業として、「ボディケア・ハンドケア・フットケア・アロマオイルトリートメント・ヘッドセラピー・タラソテラピー(皮膚を美化して体型を整えるもの)」が挙げられています。
エステサロン業界は急速に発展していますが、消費者とのトラブルなども見られます。
エステティックを行う技術者のことをエステティシャンといいますが、エステティシャンには国家資格がなく、公的な資格制度が整備されているわけではありません。
エステティック業は医師が行うべき分野もあり、その場合はもちろん医師の資格が必要です。しかし、エステティシャンとして公的な資格がない状況では、資格が必要かどうかの境界が曖昧です。そのため、医師法違反などのトラブルが起こりやすくなります。
このような状況では、コンプライアンス体制の確立が何より求められます。特に医師法違反によるトラブルは医療行為として問題があるため、法令・社会規範の遵守が何より求められるでしょう。これは、M&Aにおいても特に考慮されるべき点です。
例えば、M&Aによって特定のエステサロンの買収を考える場合、そのサロンのコンプライアンス体制がきちんとしているか、医師法違反などの問題を抱えていないか、様々な点を考慮しなくてはなりません。
トラブルによって苦情や相談が増加する中、エステサロンに対する信頼を回復するための動きも見られます。例えば、日本エステティック機構による「エステティックサロン認証」の制度などが代表例です。
エステティックサロン認証とは、経済産業省の報告書に基づく認定基準に沿って審査が行われ、基準に見合ったサロンに認証が与えられる制度です。認証されたサロンは、法律を守るサロンとして認められるので、信頼度は大きく上がります。
国家資格とは異なりますが、認証基準は経済産業省の報告書に基づいて作成されているため、公的な側面がきちんと含まれている制度です。
ここまで、エステサロン業界の定義や特徴をご紹介しました。次に、エステサロン業界のM&Aの特徴を見ていきましょう。

エステサロン業界のM&Aの特徴

エステサロンは、大手サロンと中小規模のサロン(個人経営も含む)に分けて考えることができます。エステサロンといっても規模は様々で、大手から個人経営まで幅広く存在しています。
M&Aの活用は、中小企業と大手企業のいずれにもメリットがあります。中小企業であれば、後継者不足問題の解決や事業継続など、様々なメリットが存在します。大手企業にとっても、新規事業の開始、新たなノウハウの獲得といった点がメリットです。
これはエステサロン業界も例外ではありません。例えば中小規模のサロンであれば、後継者不足といった問題はしばしば見られます。このような問題解決のために、M&Aは効果的な方法となります。
大手サロンと中小規模のサロンの特徴は、次のように整理できます。
大手エステサロンは雑誌やCMなどによって知名度が高く、幅広い事業展開が特徴です。一方で、人気が高い分だけ予約が取りづらいこと、料金が高い場合があるといった問題も見られます。
大手でも常に改善点は存在するので、新しいノウハウなどの獲得にも積極的です。その際に、M&Aを一つの手法として考えるサロンは多いでしょう。

中小規模のエステサロンと個人経営のエステサロン

中小規模のエステサロンや個人経営のエステサロンは、知名度では確かに大手サロンに劣ります。しかし、良質なサービスによって高評価を得ているサロンもあります。
相談センターなどのサービスは大手サロンに劣る傾向があり、何かトラブルが発生した場合に、解決に時間がかかる可能性はあります。ただ、この点はサロンによって大きく異なり、中小規模でもフォロー体制がきちんとしているサロンもあります。
このように、中小規模のサロンでも良質なサービスは多く見られます。一方で、財務基盤の不安定さや、後継者不足問題といった課題もあります。せっかく良質なサービスを提供しているのであれば、サロンとしては財務基盤などの問題を解決し、何とか事業を継続する方法を考えます。
その方法として、M&Aを活用する例は多いでしょう。

エステサロン業界のM&Aの現状と動向

エステサロン業界のM&Aは、小規模案件が比較的多く見られました。中小規模のエステサロンが、店舗数の拡大のためにM&Aを活用するといった事例です。
エステサロンのビジネスは店舗を基盤とするため、店舗数の拡大は事業拡大につながります。事業を拡大したい中小規模のエステサロンとしては、M&Aによる店舗数の拡大は一つの効果的は手法です。
この場合、中小規模のエステサロン同士のM&Aが多い傾向があります。大手企業が関係するというより、中小規模のエステサロン同士によるM&Aとなります。
一方で、最近では大手企業による大手エステサロンの買収事例が見られます。例えば株式会社RVH(東証二部上場)は、2016年に脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」を買収、2017年には老舗エステサロン「たかの友梨ビューティークリニック」の運営会社「不二ビューティー」を買収しています。
他にも、三越伊勢丹ホールディングスによるSWPホールディングス(エステサロン「ソシエ」の運営会社ソシエ・ワールドの持株会社)の買収、ソフトフロントホールディングスによるグッドスタイルカンパニー(エステサロン「Belle lumiere(ベル ルミエール)」を展開)の買収など(いずれも2016年)、いくつか事例が見られます。
大手企業によるエステサロンの買収は、エステサロンのコンプライアンス体制の強化が期待されます。大手企業が持つコンプライアンス体制確立のノウハウを獲得できるからです。
先ほど述べたように、エステサロン業界はコンプライアンス体制の確立が特に求められます。この点を期待できるM&Aの手法として、大手企業による買収が挙げられます。

エステサロン業界のM&Aの相場と費用

先ほどご紹介したように、エステサロン業界のM&Aは、小規模案件から大規模案件まで存在します。
もともと小規模案件が多く見られましたが、近年は案件の大型化が目立ちます。一方で、中小規模のエステサロンの事業拡大などを考えると、小規模案件は今後も一定数存在することが考えられます。
エステサロン業界のM&Aの相場と費用を一概に把握することは、案件規模のバラつきを考えると難しいと言えます。ただし、ある程度の目安を考慮しておかないと、M&Aでのリスクは高まります。
M&Aの相場は、会社の適正価値、市場の動向や時期などを踏まえて考慮する必要があります。様々な観点から客観的に金額を理解し、M&Aを検討しなくてはなりません。
買収を例に挙げると、売る側は高く売りたいと考え、買う側は安く買いたいと考えます。取引での相場金額を把握していないと、安く売ってしまった、あるいは高く買ってしまったということになりかねません。
買う側の立場から考えてみましょう。買収は、買う側のリスクが高い傾向があります。
例えば買収によって新規事業を開始しても、業績を出せるかどうか、不明瞭な点は多いです。不明瞭な部分に多くの資金を用意することには抵抗があるため、なるべく安く買いたいと思うはずです。
一方で、買収金額が高いからといって買収に消極的になると、チャンスを逃す可能性もあります。
金額が高くても、それを十分にカバーするだけの利益を出せたかもしれません。このあたりの判断は難しいですが、M&Aにおいては必要不可欠な判断となります。
具体的には、買収対象の企業だけでなく、その業界の取引相場を考える必要があります。対象の会社だけで考えると買収金額が高いと感じても、業界の取引相場として考えれば妥当な場合があるからです。

エステサロンの買収とは?買う・買いたい場合

エステサロンの買収で、買う側のメリットを考えてみましょう。
一番イメージしやすいメリットは、事業拡大と言えます。
買収対象となるエステサロンの事業基盤を受け継ぐため、自社の事業は拡大します。
これまでエステサロン業界と関わりのなかった企業であれば、エステサロンの買収によって新規事業への参入も可能です。
近年の大手企業による大手エステサロンの買収事例も、異なる業界の企業による買収が目立ちます。
大手エステサロンの事業基盤を大手企業が組み込むことで、大規模な事業拡大を進めることができます。
また、大手エステサロンの場合はエステティシャンのレベルも高いでしょう。新規事業にもかかわらず良質なサービスをスムーズに提供できることも、大手エステサロンを買収するメリットの一つです。
また、中小規模のエステサロン同士のM&Aでも、買う側のエステサロンには多くのメリットがあります。同業者同士による協力と考えるとイメージしやすいかと思います。店舗数の拡大、エステティシャンの増員など、事業拡大のうえで必要な要素が多く含まれます。

エステサロンの売却とは?売る・売りたい場合

エステサロンの売却で、売る側のメリットを考えてみましょう。
中小規模のエステサロンが売る側となる場合、後継者不足問題の解決、経営基盤の安定化、創業者利益の獲得、個人補償や担保の解消、従業員の雇用の維持、事業の維持・承継など、多くのメリットがあります。
これらは中小企業がM&Aを行うメリットですが、もちろん中小規模のエステサロンも例外ではありません。
また、大手エステサロンが売る側となる場合も、経営基盤のさらなる安定化、創業者利益の獲得といったメリットはもちろん存在します。
中小規模のエステサロンを例に、具体的に考えてみましょう。中小企業のM&Aでは、後継者不足問題の解決や経営基盤の安定化がしばしば注目されます。
中小企業の場合、後継者不足が発生する確率が高い傾向があります。エステサロンであれば、個人経営のサロンなどは特に後継者不足に悩むケースが多いでしょう。しかし、中小規模のエステサロンでも、良質なサービスを提供するサロンは存在します。
せっかく良いサービスを提供できるのに、後継者がいないから事業が継続できないというのは、オーナーとしては避けたい事態です。
また、良いサービスを提供できるにもかかわらず、経営基盤が安定しないために継続が難しい場合もあります。
このような事態の解決のため、売却を考慮するケースは多く見られます。

エステサロン業界のM&Aの成功・失敗事例

エステサロン業界のM&Aはいくつか代表的な事例があります。先ほども例に挙げた大手企業による大手エステサロンの買収事例を考えてみましょう。
株式会社RVHによる脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の買収、そして「不二ビューティー」(老舗エステサロン「たかの友梨ビューティークリニック」の運営会社)の買収は、異なる業界の大企業による買収として注目されました。
これらの買収を経て、RVHグループは国内のエステ市場で売上高・店舗数1位となっています。この点では、エステサロン業界のM&Aの成功事例として挙げられます。
一方で、2018年11月現在、RVHの続落によって年初来安値が更新されました。2019年3月期の業績予想を黒字から赤字に下方修正されたことが、下落の要因と考えられます。
大手の場合、研修費などの費用は当然高くなります。エステサロン業界はエステティシャンによるサービスが基本となるため、特に研修制度は多いでしょう。
大手になればなるほど抱えるエステティシャンも多いため、研修費用は高くつきます。
費用が高くつくことは赤字の原因になります。RVHの赤字へ下方修正は、費用をカバーするだけの売上にならなかったことも原因と考えられます。
もちろん今後の動向によって変わってくる部分ですが、成功事例として挙げられた事例でも、業界の動向によっては変化が生じます。
エステサロン業界のM&Aでは、現段階では目立った失敗事例はあまり見られないと言えます。
ただ、M&Aによる業界再編も加速する中、全体として不明瞭な点が多いことも事実です。事例の分析は、ある程度長期的な視点に立って考慮する必要があるでしょう。

まとめ

エステサロン業界のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため専門家を活用しましょう。

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