2020年1月27日更新業種別M&A

スタートアップのM&Aとは?成功・失敗事例、M&AとIPOの違いを解説

近年、国内のM&Aによる企業の売却(イグジット)はスタートアップ企業でも増えてきています。スタートアップ企業でM&Aが増えているのはなぜか、M&Aの件数、M&Aの国内事例・売却額などについて解説していきます。

目次
  1. スタートアップのM&A
  2. スタートアップはM&AとIPOどちらを選択すべき?
  3. スタートアップのM&Aの成功・失敗事例
  4. スタートアップ企業の売却のメリット
  5. スタートアップ企業の買収のメリット
  6. スタートアップのM&Aは専門家に相談
  7. まとめ
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スタートアップのM&A

近年、スタートアップ企業のM&Aは増加傾向にあるといえます。M&Aには、財務基盤の強化や事業拡大といったメリットがありますが、いずれもスタートアップ企業にとっては重要度の高い要素です。

スタートアップ企業は一般的に融資を受けにくく、財務基盤が不安定になりがちです。そこで、M&Aによって効率的に資金調達ができれば、財務基盤が安定します。M&Aによる事業拡大も、スタートアップ企業にとっては大きなメリットです。

スタートアップ企業はとにかく自社の成長力を上げる必要がありますが、M&Aによって短期間で事業拡大ができれば、成長力アップにつながります。最近では、大企業による買収も増えてきました。

財務基盤が不安定になるスタートアップ企業は、短期間での効率的な資金調達が課題となります。そこで、資金のある大企業に買収されれば短期間で資金を確保することができます。また、大企業のネットワークやノウハウを活かすことにより、短期間での新規市場の開拓も可能です。

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スタートアップはM&AとIPOどちらを選択すべき?

スタートアップ企業にとってM&Aが効果的な理由は、M&AとIPO(新規株式公開)のそれぞれのメリット・デメリットを比較するとわかりやすいです。まず、IPOのメリット・デメリットから説明します。

①IPOのメリット・デメリット

スタートアップ企業は、以前はIPOを優先する傾向にありました。IPOによる株式の公開は、株式を市場に流通させることにより多くの資金を調達できることや、自社の知名度が向上するなどのメリットがあります。

効率的な資金調達と知名度の向上は、販路拡大や顧客の増加、事業提携など、幅広い事業展開のきっかけとなります。IPOでは資金調達のメリットが目立ちますが、知名度の向上によって信頼度が上がることで、さらなる事業展開につながるというメリットもあります。

一方で、IPOはいくつかデメリットもあります。まず、株式を公開するという手続きは複雑で、スタートアップ企業にとっては負担にもなりやすいものです。株式公開に手間がかかりすぎると、効率的な資金調達などは難しいでしょう。

また、株式を公開することで市場に株式が流通し、多くの投資家が株主となります。もちろん資金調達の面では大きなメリットですが、多くの投資家が株主となるため、これまでのように少数で経営をするというわけにはいかなくなることがデメリットといえます。

開かれた市場で評価されることになり株主に対する説明責任も当然に求められます。このような点を考慮すると、株式を公開しないまま経営を進めた方が効果的な場合があります。もちろん株式を公開しない場合は、他に資金調達の方法を考えなくてはなりません。

そこで、IPOよりも効率的な資金調達の方法として、しばしばM&Aが挙げられます。

②M&Aのメリット・デメリット

次に、M&Aのメリット・デメリットについて説明します。

大規模な資金が必要な場合は、M&AよりもIPOにメリットがあるといえます。必要な資金があまりに多いのであれば、株式を公開したほうが市場から多くの資金を調達できます。一方で、そこまで多額の資金が必要でない場合は無理に株式を公開してもあまり意味がありません。

近年では、国内の未上場企業の資金調達額が増加しているというデータがあります。株式会社ベンチャーリサーチの調査では、2017年の国内未上場企業の資金調達額は2717億円で、過去10年で最多となりました。

これは、無理に上場をしなくても資金調達ができるという状況を意味しています。

つまり、スタートアップ企業が無理にIPOを狙わなくてもよい状況が出来あがりつつあります。

このような状況もあり、スタートアップ企業が成長力を上げるためには、IPO以外の手法も検討されるようになりました。その手法の代表例がM&Aです。特に、大企業による買収を狙う傾向が見られます。

2018年6月21日付けの日経新聞で、スタートアップ企業が上場より大企業傘下を選ぶ動きが広がっていることが報じられました。

その記事では、2018年1月から同年5月の国内の未上場企業の買収件数が、前年同期比で3割増加し、IPOの件数を上回ったとされています。このようなスタートアップ企業の動きは今後も増加すると考えられます。また、以前に比べて、10億円を超える金額の大きいM&Aの事例も増えています。

ただ、M&Aにもデメリットがあります。それはM&Aの成功率が決して高くないことや、買取価格の算定、交渉の進め方など、あらゆる場面で専門知識が求められることです。
そのため、M&Aを行う際には、専門的な知識を持つプロのサポートを得ることをおすすめします。

M&Aをお考えの方は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。 また、費用に関しても国内最安値水準ですのでご安心ください。
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スタートアップのM&Aの成功・失敗事例

スタートアップ企業のM&Aの成功事例には、大企業による買収などが多く見られます。以下、代表的な事例を見てみましょう。

①スタートアップ企業のM&A成功事例

KDDIがソラコムを連結子会社化

2017年、KDDIはIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供するソラコムを連結子会社化しました。買収額は非開示ですが、一部では200億円といわれています。スタートアップ企業・ベンチャー企業の買収額としては、200億円は異例の金額と言えます。

ソラコムは創業から2年半でしたが、200億円という巨額の買収額で、イグジットを達成したことになります。スタートアップ企業のM&Aの成功例の中でも、代表的な事例と言えます。また、KDDIによる買収にあたり、ソラコムは社員全員にストックオプションを配布しています。

一般的なM&Aでは、一部の社員がリターンを得るケースが多く、社員が離職する場合もあります。しかし、ソラコムの場合は、全員にストックオプションを配布したことで社員の離職を防ぎ、買収後も以前のメンバーで事業を続けやすい状況にしています。

このような点を踏まえると、KDDIによるソラコムの連結子会社化は、スタートアップ企業・ベンチャー企業のM&Aのお手本のような事例といえるでしょう。

ヤフーがdelyを連結子会社化

2018年、ヤフーは料理レシピ動画サービス「クラシル(kurashiru)」を運営するdelyを約93億円で連結子会社化しました。議決権所有割合は15.9%から45.6%となり、ヤフーはdelyに取締役の過半数を派遣しています。
クラシルはアプリのダウンロード数が1200万件という大きな実績があります。delyはヤフーが持つ基盤を活用することで、今後も幅広い事業展開につなげることが予想されます。

②スタートアップ企業のM&A失敗事例

必ずしも失敗事例といえるわけではありませんが、損失として考えると、DMM.comとBANKの事例が挙げられます。これは、2017年のDMM.comによるBANKの買収、そして、2018年にはBANKがMBO(マネジメント・バイ・アウト)によってDMM.comから独立したという事例です。

DMMがBANKを完全子会社

2017年、即時買取りアプリの「CASH」を運営するBANKをDMM.comが70億円で完全子会社化しました。BANKは、創業からわずか8ヶ月でDMM.comに買収されたことになります。

DMMグループは、BANKの買収後に20億円を運転資金として貸し付け、支援しています。BANKは、2018年6月に後払い旅行サービスの「TRAVEL Now」をリリースし、CASH以外の事業も展開していました。

しかし、2018年11月7日にBANKの創業者の光本勇介CEOがMBO(マネジメント・バイ・アウト)を実施し、DMM.comが保有するBANKの全株式を5億円で買い取りました。また、運転資金として借り入れていた20億円は、今後5年間で返済するとされています。

MBO(マネジメント・バイ・アウト)とは、企業の経営陣が株主から自社の株式を譲り受けるといった方法で独立した経営権を手に入れることを意味します。

金額で考えると、DMM.comは、70億円で買収したBANKを5億円で手放したことになります。損失として考えると、65億円の損失となります。ただし、今回のMBOは比較的前向きな姿勢の中で行われています。

BANKの光本CEOは、DMMから卒業することで、よりスピーディで柔軟な経営判断・動きが行えると判断したと表明しています。また、DMM.comの会長の亀山敬司氏は、DMMは今後も積極的に投資を続けることを表明しています。

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スタートアップ企業の売却のメリット

ここでは、M&Aによる企業の売却のメリットから、スタートアップ企業の売却のメリットを整理してみましょう。スタートアップ企業の売却の効果としては主に、①後継者不足・事業承継問題の解決、②財務基盤の安定、③短期間での効率的な事業展開が考えられます。

詳細について以下で説明します。

①後継者不足・事業承継問題の解決

M&Aによる企業の売却は、しばしば中小企業で見られます。中小企業は後継者不足や事業承継の問題などを抱えていますが、M&Aによって売却をすることで解決することが可能です。中小企業の中には、大手企業に負けないくらい良質な事業を展開している企業もあります。

しかし、せっかく質の高い事業展開を行っていても、後継者がいなければ事業の存続自体が難しくなります。このような問題を解決するための手法として、M&Aによる売却があります。M&Aによる売却で事業を継続させることができ後継者不足の問題も解決します。

②財政基盤の安定

中小企業は大手企業と比べると資金力に乏しく、財務基盤が安定しない傾向にあります。このような問題を解決するためには、経営基盤のしっかりした企業に買収されれば財務基盤も安定します。これもM&Aによる企業の売却のメリットです。

これらを踏まえて、スタートアップ企業の売却について考えてみましょう。スタートアップ企業も、一般的には財務基盤が不安定になりがちです。これは、融資を受けにくいことなどが原因となります。

スタートアップ企業はとにかく短期間で企業を成長させることが大切です。この点は一般的な中小企業よりも力を入れるべき部分といえます。そして、短期間で企業を成長させるために、やはり財務基盤の安定化を図る必要があります。

このように考えると、スタートアップ企業は、中小企業以上に資金調達が大きな課題になるといえるでしょう。

③短期間での効率的な事業展開

これから様々な事業を展開したいと考えるスタートアップ企業は、短期間での効率的な事業展開を考えます。そのためにも、M&Aによる売却は大きな効果があります。特に大企業による買収であれば、それだけ大規模な投資も可能になります。

幅広い事業展開によりスタートアップ企業の成長力は一気に加速するでしょう。

また、スタートアップ企業は創業して間もないため、従業員としても不安に思う部分が多くなります。そこで資金力のある企業に買収されれば、安心感も増えます。

特に大企業による買収であれば、安心感が違います。スタートアップ企業でも、ある程度の期間を乗り切れば、経営も安定するでしょう。

一方で、中小企業で見られるような後継者不足の問題が発生することもあります。これを防ぐためにも、M&Aによる売却は効果的な一つの手法です。

その際に力になれるのがM&A総合研究所です。 M&A総合研究所は全国のM&A案件を取り扱っており、中小企業のような規模の小さい企業のM&A案件についても豊富な実績がある仲介会社です。 

M&A総合研究所のM&A仲介サービスでは、独自のM&Aプラットフォームや日本最大級を誇るM&A専門メディアの豊富な情報により、短期間で効率的にマッチングを行うことができ、国内最安値水準の費用でM&Aの成立を目指すことができます。まずはお気軽にご相談ください。
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スタートアップ企業の買収のメリット

スタートアップ企業の買収は買収する側にもさまざまなメリットがあります。主なメリットとして、①斬新なアイデアの獲得、②新しいタイプの人材の獲得があります。大企業によるスタートアップ企業の買収を例に、特徴を整理してみましょう。

①斬新なアイデアの獲得

先ほどの事例で紹介したように、大企業は巨額でスタートアップ企業を買収しています。それだけスタートアップ企業に魅力があるということですが、スタートアップ企業の魅力は新しい事業展開に必要な斬新なアイデアにあります。
大企業は長い歴史と確実なノウハウを持っていますが、常に時代にあった事業を展開していく必要があります。そのためには新しいアイデアが常に求められます。大企業の中でも新たにアイデアを生み出し、事業展開に結び付けることももちろん可能です。
ただ、より広い視点でビジネスをしたい場合、アイデアが多いに越したことはありません。そのために、斬新なアイデアを持つスタートアップ企業の買収は大企業にとってもメリットが大きいことになります。

②新しいタイプの人材の獲得

人材の面でもスタートアップ企業の買収はメリットがあります。大企業にも、もちろん優秀な人材はいます。一方で、スタートアップ企業にいる優秀な人材とは、タイプが異なる場合があります。

スタートアップ企業の場合、独立して事業を展開できるような人材が多い傾向があります。少人数でも事業を始めるくらいですから、大企業の人材よりも、独立心は強い傾向にあるといえます。

どちらの人材が優秀であるかは、一概に判断できる問題ではありません。ただ、優秀な人材が大いに越したことはなく、優秀な人材の中でも様々なタイプの人材がいたほうが、確実に企業の利益につながります。

大企業によるスタートアップ企業の買収は、新しい事業展開に必要な新たなタイプの人材を獲得できるというメリットもあるのです。

しかし、実際は、買収したくてもなかなか売却希望の会社が見つからないケースもよくあります。業界にもよりますが、日本のM&A市場は売り手市場になりがちであり、売却案件のほうが少ない傾向があります。

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スタートアップのM&Aは専門家に相談

M&Aは、企業同士だけで実行することもできますが、一般的には、M&Aアドバイザリーや仲介サービスを利用して行うことが多いです。M&Aの実行にはさまざまな場面で高度な専門知識が必要となるからです。中途半端な知識だけではM&Aを成功に導くことは困難です。

例えば、企業の売却・買収の際には、買取価格の算定、交渉の進め方など、あらゆる場面で専門知識が求められます。企業の適正価値、市場での評価など、正確に判断するスキルが必要となるため、企業だけで判断できる問題とはいえません。

また、通常の業務と並行してM&Aを進めることも考えると、M&Aの専門家に相談して進めたほうが効率的です。
特にスタートアップ企業の場合、もともと日々の業務量が多いため、手続きや準備の手間を考えてもM&Aの専門家に相談して進めたほうが、はるかに効率は上がります。

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まとめ

冒頭でもお伝えしましたが、スタートアップ企業は自社の成長力を上げる必要があり、M&Aによって短期間で事業拡大することで、成長力アップにつながります。

M&Aによる企業の売却はしばしば中小企業で行われていましたが、近年はスタートアップ企業でもM&Aの事例が増えています。M&Aは専門知識を要するため、検討する場合には公認会計士などのM&Aに強い専門家を活用して、確実かつ効率的に進めましょう。

今回のスタートアップのM&Aについて、要点をまとめると以下のとおりです。

・スタートアップはM&AとIPOどちらを選択すべき?
大規模な資金が必要ではなく、効率的な資金調達を希望する場合にはM&Aのほうが良い。

・スタートアップ企業の売却の効果は?
後継者不足・事業承継問題の解決、財務基盤の安定、短期間での効率的な事業展開

・スタートアップ企業の買収の効果は?
新しい事業展開に必要な斬新なアイデアの獲得、新しい事業展開に必要な新たなタイプの人材の獲得

 

 

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