2020年2月7日更新業種別M&A

ネット通販・ECサイトにおけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

ネット通販・ECサイトのM&Aにおいては、買い手や売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかりと判断したうえでM&Aを選択しましょう。また、大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため、専門家を活用して進めていくのが望ましいです。

目次
  1. ネット通販・ECサイトのM&A
  2. ネット通販・ECサイトのM&Aによるメリットとは?
  3. ネット通販・ECサイトの現状と動向
  4. ネット通販・ECサイトのM&Aの相場と費用
  5. ネット通販・ECサイトの買収とは?買う・買いたい場合
  6. ネット通販・ECサイトの売却とは?売る・売りたい場合
  7. ネット通販・ECサイトのM&A成功・失敗事例
  8. まとめ
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ネット通販・ECサイトのM&A

インターネットの普及に伴い、ネット通販・ECサイト業界の市場規模も年々増加傾向にあります。

音楽やゲームなどのデジタルコンテンツを販売するショップ、大手スーパーが運営するネットスーパー、アパレルや医薬品などを幅広く扱う総合ショッピングサイト、航空券予約サイト、出会い系サイトなど、その形態は多岐にわたります。

ネット通販・ECサイト業界の市場規模拡大に伴い、M&Aのニーズも年々高くなっています。そこで、この記事では、ネット通販・ECサイト業界における現状や動向、M&Aの相場と費用、M&Aの成功・失敗事例をご紹介します。

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ネット通販・ECサイトのM&Aによるメリットとは?

国内の家計消費状況がおおむね横ばいで推移している中、通信販売市場はこの10年順調に伸び続けており、ひと昔前に比べると、確実に消費者の支持を得ているといえます。

総務省統計局による「家計消費状況調査」のデータによれば、2016年以降の3年間における勤労者世帯(2人以上の世帯)1世帯あたりが、1か月間に通信販売で利用した支出総額は、3万円前後とほぼ変わらない状況にあります。

しかし、インターネットを利用して注文した世帯数をみると、2016年は2,777世帯でしたが、2018年には3,919世帯へと1,000世帯以上増加しています。

ネット通販・ECサイトの増加による通信販売市場の拡大

通信販売市場の拡大は、ネット通販・ECサイトの増加によるところが大きく、それに伴いネット通販・ECサイトの数も増加傾向にあります。

しかしながら、ネット通販・ECサイトはその性質上、実績を積なければ売り上げが上がらない傾向が強くなっています。新規参入業者にとっては、時間と手間をかけても商品が順調に売れ始めるまで数年かかるケースも珍しくなく、労力をかけても期待していた成果が得られないことも少なくありません。

ネット通販・ECサイトのM&Aにおけるメリットには、サイト会員・SEOなどノウハウの獲得がありますが、特に、顧客がネット通販・ECサイトを利用する際に重視する信用が時間をかけずに得られるのは大きな利点といえるでしょう。

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ネット通販・ECサイトの現状と動向

経済産業省が行っている「電子商取引に関する市場調査」によると、2018年のネット通販・ECサイトの市場規模は、17兆9,845億円で、前年を約10%上回る増加基調が続いており、物販分野におけるEC化率(商取引のうち電子商取引が占める割合)も毎年右肩上がりで推移しています。

CtoC(個人間による電子商取引)の台頭

従来のBtoC(消費者向けの電子商取引)に加え、CtoC(個人間による電子商取引)も増加傾向にあり、ネット通販・ECサイトにおいても、グローバル化が進んでおり、成長市場である中国のマーケットへ進出する企業も増えています。

ネットオークションの市場規模は、2016年時点で1兆849億円となっており、そのうちCtoCの市場規模は3,458億円にまで増加しました。また、ネット通販・ECサイト業界では、フリマアプリのメルカリが勢力を拡大しており、サービス開始からわずか4年で日米合計7,500万ダウンロードを達成しています。

その一方で、2015年には楽天オークションが終了し、LINEモールもサービスを停止しています。さらに、2017年にゾゾタウンを運営するスタートトゥデイが、ゾゾフリマのサービスを終了するなど、業界内の競争は激しくなっています。

ネット通販・ECサイトの拡大

2016年にネット通販・ECサイト業界の最大手アマゾンジャパンが売上高(円ベース)1兆円を突破し、日本国内の百貨店最大手である三越伊勢丹ホールディングスの売上高1兆2,534億円に迫る勢いをみせています。国内の小売市場が縮小する中、ネット通販・ECサイト通販が店舗型小売業のシェアを奪う構図へとなってきています。

また、同時にネット通販・ECサイトの拡大により、ヤマト運輸・佐川急便などの宅配便貨物も大きく伸び、2016年の取扱個数は、約38億6,896万個にまで増加し、6年連続で過去最高を更新しました。宅配便貨物の取扱個数は、過去10年間で9.4億個も増加しており、ネット通販・ECサイト業界では物流網の確保が重要課題になっています。

ネット通販・ECサイトのM&Aの相場と費用

EC 通販のM&A・事業承継
EC 通販のM&A・事業承継

ネット通販・ECサイトのM&Aを検討する際は、買収や売却などの相場をあらかじめ相場を調査しておくことが大切です。現在勢いのあるネット通販・ECサイト業界でも、相場を知らずにM&Aを実施しまうと譲渡側(売却側)・譲受側(買収側)ともに失敗するリスクが大きくなります。

また、ネット通販・ECサイトのM&Aでは、相場だけでなく相手企業との相性も事前に把握したうえで、交渉を進めていくことも重要です。ネット通販・ECサイト業界は順調に伸びているため、相場が合えばM&Aは成功すると考えがちですが、相手先企業との相性次第ではM&Aが成立したとしても期待した効果を得ることはできません。

ネット通販・ECサイト業界のM&Aにおける一般的な相場

ネット通販・ECサイト業界のM&Aにおける一般的な相場は、サイトの売り上げから原価と販売管理費を引いた営業利益の2~3年分といわれています。

販売管理費とは、損益計算書に記載する項目で、商品・製品を販売するために直接かかる「販売費」と、企業全体の業務管理にかかる「一般管理費」の合計額を指し、「営業費」とも呼ばれます。

また、営業利益とは売上から原価を差し引いた「売上総利益」から、販売費と一般管理費を差し引いた金額を指し、すなわち本業で得た利益になります。例えば、M&Aの実施により毎月の営業利益が300万円の通販販売・ECサイトを買収する場合、300万円×24~36ヶ月=買収金額になり7,200万円~1億円での取引になります。

ネット通販・ECサイト業界でのM&A相場は営業利益の2~3年分ですが、譲受側(買い手側)の価値観によって、同じサイトでも評価金額が大きく変わる場合もあります。ただ、実際のM&Aの費用は買取価格だけでなく、サポートを依頼した専門家への報酬も加算され、この報酬も負担を大きくする可能性があるものです。

M&A総合研究所は完全成功報酬制をとっており、着手金のような手数料が発生しません。また、AIなどを駆使して人件費を削減しているため、成功報酬も業界最安値の水準で設定されています。M&Aをご検討される際には、お気軽に一度ご相談ください。

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ネット通販・ECサイトの買収とは?買う・買いたい場合

ネット通販・ECサイト業界は、今後まだまだ伸びていくと予想され、M&Aのニーズも高くなっています。

ネット通販・ECサイトの買収によるメリット

M&Aによる買収には、事業規模拡大、ノウハウの獲得、シナジー効果発揮、優れた人材の獲得、スケールメリットの享受など多くのメリットがあり、ネット通販・ECサイトの買収においても、当然このようなメリットに期待することができます。

それ以外では、販売チャネルの拡大や、サイト構築の時間・コストが削減できる点も非常に大きなメリットといえます。例えば、自社製品に強みのある企業がM&Aを実施してネット通販・ECサイトを買収すれば、販売チャネルの拡大により、一気に収益アップが見込めるようになります。

また、ネット通販・ECサイト業界に新規参入を考えている企業の場合は、M&Aの実施によりサイト構築にかかる時間とコストを大幅に削減することができるだけでなく、安全に業界参入することもできます。

ネット通販・ECサイト業界は、インターネットを活用するため、必然的に予期せぬトラブルが起こりやすいですが、M&Aによりすでに構築されたシステムを持つ企業を買収すれば、そのリスクを最小限にして業界へ参入することが可能です。

さらに、譲渡側(売り手側)企業が持っているサイトの会員・ユーザーをそのまま引き継ぐため、シナジー効果により会員ベースの拡大を図ることもできます。

ネット通販・ECサイトの買収によるデメリット

M&Aによりネット通販・ECサイトを買収する場合、リスクとなり得る要因があることも忘れてはなりません。特に、売り上げがある企業は、古いシステムを長年使用しているケースも少なくないため、買収後にサイトのリニューアルや引継ぎに時間や費用がかかる場合もあります。

そのようなリスクを減らすためにも、M&Aによりネット通販・ECサイトを買収する際は、事前調査をしっかりと行うことが重要です。また、良質なマッチングを利用するのもいいでしょう。

M&A総合研究所は、日本最大規模のM&Aプラットフォームを運営しており、そこには多種多様なM&A案件があります。さらに、AIを駆使してM&A案件を選定するため、買収ニーズを登録するだけで条件の合う案件をマッチングすることができます。

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ネット通販・ECサイトの売却とは?売る・売りたい場合

ネット通販・ECサイトは、一度アプリやシステムを開発してしまえば、運営・管理するうえで人件費などを含む費用が少なくて済むビジネスモデルです。しかし、ネット通販・ECサイトの構築やシステム・アプリ開発には多くの資金が必要なビジネスモデルでもあり、資金回収できるのは企業売却・譲渡時ともいわれています。

M&Aによりネット通販・ECサイトを売却するメリット

M&Aによりネット通販・ECサイトを売却するメリットには、「メイン事業に注力できる」「サイト運営にかかる経費の移管」「創業者利益の確保」などが挙げられます。

メイン事業に注力できる

ネット通販・ECサイトの経営者は、個人で始めたケースも多く、事業が拡大するにつれ個人で維持するのが困難になるケースも少なくありません。

なかでもサイトやアプリの開発者には、サイトの管理を行うよりもIT分野などで新しい事業に挑戦したいという人も多く、このようなケースでは、ネット通販・ECサイトを売却・譲渡すれば本業や新事業に注力できるというメリットがあります。

サイト運営にかかる経費の移管

ネット通販・ECサイトの運営で最近増えているのが、バグ発生などにより事業がストップしてしまうケースです。このようなトラブルがないよう運営するには、システムを管理できるエンジニアの雇用も必要になるため、予想以上に経費がかさんでしまうことも考えられます。

ネット通販・ECサイトを売却・譲渡すれば、その経費を他の事業に移管できるという点もメリットの1つといえるでしょう。

創業者利益の確保

ネット通販・ECサイトの売却では、多額の創業者利益を得られる可能性があるのも大きな利点です。ネット通販・ECサイト業界では、サイト構築やアプリ開発により株式の評価額が上がる場合が多く、出資額を上回る株式評価額になるケースも少なくありません。

そのため、M&Aにより売却・譲渡を行い、創業者利益が獲得できれば、新しく始める事業に向けての資金調達も可能になります。しかし、事業の再起をかけたM&Aを行うのであれば失敗することはできないものです。

M&Aが成功する可能性を少しでも引き上げるためには、プロの力を借りると良いでしょう。M&A総合研究所では、専門的知識があり、経験豊富なアドバイザーがM&Aをサポートしますので、M&Aが成功する確率が引き上がります。M&Aを平均で3ヶ月の期間でクロージングに導くため、スピーディーにM&Aを進められるようにもなります。

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ネット通販・ECサイトのM&A成功・失敗事例

次にネット通販・ECサイト業界におけるM&Aの成功・失敗事例をご紹介します。成功事例からヒントを得るだけではなく、失敗例からリスク要因を知ることもM&A成功のカギとなります。

ネット通販・ECサイトのM&A成功事例①

売却側(売り手側)企業は、東南アジアを中心にEC事業を運営する未上場企業で、決済から配送に至るまですべての業務を一括で行っており、事業存続のためM&Aを検討していました。一方の買収側(買い手側)企業は、通販業界の大手上場企業で、東南アジア進出を図る目的でM&Aに乗り切りました。

このM&A実施により、売却側(売り手側)企業は、譲渡益の回収および経営資源譲渡による事業存続を実現しています。買収側(買い手側)企業も、東南アジア進出を可能にし、さらに双方の経営資源を活用することにより事業拡大にも成功しています。

ネット通販・ECサイトのM&A成功事例②

売却側(売り手側)企業は、楽天市場などの大手通販サイトで家電の販売を行っています。収益力とノウハウを持つ老舗企業で、会社再編のため、ネット通販事業を売却し別事業に専念したいという目的からM&A実施を検討していました。

一方の買収側(買い手側)企業は、ソフトウェア開発を行う中堅企業で、異業種への新規参入を計画していたためM&Aに乗り切りました。

このM&A実施により、売却側(売り手側)企業は会社再編のための資金を得ることができ、別事業へ注力することが可能になりました。また、買収側(買い手側)企業も、異業種分野へスムーズに新規参入することができ、事業拡大にかかるコストと費用を削減することに成功しています。

ネット通販・ECサイトのM&A失敗事例 

売却側(売り手側)企業は、化粧品などの通販サイトを運営する企業で、別事業へ注力するため、M&Aによる事業売却を検討していました。一方の買収側(買い手側)企業は、実店舗で化粧品を販売しており、ネット販売分野への新規参入を計画していました。

売却側(売り手側)企業は、運営するネット通販サイトの売り上げが伸びていたこともあり、交渉はスムーズに進みM&Aは成立するかと思われました。しかし、直前になりM&A交渉は破談になってしまいました。

その理由は、売却側の契約書を改めて確認したところ、仕入先の情報が全く記載されていなかったからです。どんなに売り上げのあるネット通販・ECサイトでも、販売商品がなければ利益を得ることはできません。

M&A成立後は、当然ですが取り扱っている商品の手配を行う必要があります。もし仕入先情報のないまま買収してしまうと、新たに仕入先を探して交渉しなければなりません。万一仕入れがうまくいかなければ、売上は一気に下がります。期待していた効果は全く出ないまま、M&Aは失敗という形で終わります。

失敗事例の中でも見落としがちなのは、契約書に記載されている譲渡対象の内容です。契約書は表記方法が複雑なので、このようなリスク要因を減らすためにもM&Aコンサルタントや仲介業者を介して進めるほうがいいでしょう。

まとめ

ネット通販・ECサイトのM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しましたが、買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断したうえでM&Aを選択することが大切です。

企業にとって重大な意思決定であるM&Aは、煩雑であり注意点も多いため、専門家に相談しながら行いましょう。

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