2021年7月7日更新業種別M&A

ネット通販・ECサイト事業のM&A事例30選!動向、費用相場、積極買収企業、売却案件も解説

最近では、ネット通販・ECサイト事業を対象とするM&Aが盛んに実施されています。最新動向や費用相場をしっかりと把握したうえで、M&Aの実施を検討しましょう。本記事では、ネット通販・ECサイト事業のM&A事例・積極買収企業・売却案件なども紹介します。

目次
  1. ネット通販・ECサイト事業とは
  2. ネット通販・ECサイト事業の現状と動向
  3. ネット通販・ECサイト事業のM&A事例30選
  4. ネット通販・ECサイト事業のM&A失敗事例
  5. ネット通販・ECサイト事業のM&A相場と費用
  6. ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる買収とは?
  7. ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる売却とは?
  8. ネット通販・ECサイト事業のM&Aを成功させるコツ
  9. ネット通販・ECサイト事業のM&A売却案件一覧
  10. ネット通販・ECサイト事業のM&A積極買収企業
  11. ネット通販・ECサイト事業のM&Aまとめ
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ネット通販・ECサイト事業とは

ネット通販・ECサイト事業とは

ネット通販事業とは、インターネットを通じて物・サービスを購入する通信販売事業のことです。また、EC(Electronic Commerce)とは、電子商取引のことであり、一般的にインターネットを用いた商品の売買をさします。

国内の家計消費状況がおおむね横ばいで推移している中で、通信販売市場はこの10年間で順調に伸び続けており、消費者の支持を得ている状況です。経済産業省の資料によると、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、2010年の7兆7,880億円から、2019年には19兆3,609億円にまで伸長しました。

加えて、物販系分野のEC化率は、2010年(2.84%)から2019年(6.76%)にかけて2倍以上に増加しています。

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」

ネット通販・ECサイトの増加による通信販売市場の拡大

通信販売市場が拡大する背景には、ネット通販・ECサイト事業の売上増加が深く関係しています。これに伴い、ネット通販・ECサイトの数自体も増加傾向にある状況です。

とはいえ、ネット通販・ECサイトは、その性質上、実績を積なければ十分な売上を確保できない傾向が強いです。新規参入業者からすると、多くの時間と手間をかけても商品が順調に売れ始めるまでに数年間かかるケースが珍しくなく、労力に見合った成果を得られないおそれがあります。

そこで、すでに軌道に乗っているネット通販・ECサイト事業をM&Aにより買収して、サイト会員・SEOなどのノウハウを獲得するケースが増加しています。また、顧客がネット通販・ECサイトを利用する際に重視する「信用」の獲得を目的に、M&Aによる買収を図る企業も多いです。

【関連】EC・ネット通販は株式譲渡・会社譲渡がおすすめ!事例やスキームの違いを解説!

ネット通販・ECサイト事業の現状と動向

ネット通販・ECサイト事業の現状と動向

ネット通販・ECサイト事業の市場規模は、年々右肩上がりで推移している状況です。これを踏まえて、本章では、ネット通販・ECサイト事業の現状と動向として、以下の3項目に分けて取り上げます。

  1. CtoC(個人間による電子商取引)の台頭
  2. ネット通販・ECサイトの拡大
  3. ネット通販・ECサイト業界の特徴

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①CtoC(個人間による電子商取引)の台頭

従来、増加傾向にあるBtoC(消費者向けの電子商取引)市場に加えて、最近ではCtoC(個人間による電子商取引)市場も増加傾向にあります。また、ネット通販・ECサイト事業のグローバル化が進んでおり、成長市場である中国市場に進出する企業も増加中です。

経済産業省の資料によると、ネットオークションの市場規模は1兆1,200億円に及んでおり、このうちCtoC-ECの市場規模は3,569億円です(2017年時点)。そして、CtoC-ECの市場規模は、2019年には1兆7407億円まで伸長しています。

昨今のネット通販・ECサイト業界では、特にフリマアプリ「メルカリ」が勢力を拡大しており、サービス開始からわずか4年間で日米合計7,500万ダウンロードを達成しました。その一方で、2015年には楽天オークションが終了し、LINEモールがサービスを停止しています。

さらに、2017年には、ゾゾタウンを運営する「スタートトゥデイ」が「ゾゾフリマ」サービスを終了するなど、ネット通販・ECサイト業界内の競争が激化している状況です。

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
   経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」

②ネット通販・ECサイトの拡大

アマゾン日本事業の2020年(2020年1~12月)売上高は、円ベースで2兆1,893億2,700万円を記録しました。現在は国内の小売市場が縮小する中、ネット通販・ECサイト通販が店舗型小売業のシェアを奪う構図に変化しています。

また、ネット通販・ECサイトの拡大により、ヤマト運輸・佐川急便などの宅配便貨物も大きく伸長しています。国土交通省の発表によると、2019年度の宅配便取扱個数は、43億2,349万個(うちトラック運送は42億9,063万個、航空等利用運送は3,286万個)であり、前年度比で1,647万個(1.0%)の増加です。

宅配便貨物の取扱個数は、過去10年間で急速的に増加しており、ネット通販・ECサイト業界では物流網の確保が重要課題とされています。

出典:インプレス「アマゾン日本事業の売上高は約2.2兆円【Amazonの2020年実績まとめ】」
   国土交通省「令和元年度 宅配便取扱実績について」

③ネット通販・ECサイト業界の特徴

これまでに紹介したほかに、昨今のネット通販・ECサイト業界では以下のような特徴も見られます。

  • スマートフォン経由での取引額が増加傾向
  • SNSを活用したマーケティング施策を行う事業者が増加
  • キャッシュレス決済の普及

最近では、スマートフォンを用いた取引件数が増加中です。これに伴い、プッシュ通知機能を活用して消費者とコミュニケーションを図る企業や、カメラ・決済機能を駆使したECサービスを提供する企業が目立っています。

また、近年は、SNSの利用時間が増加しています。そこで、ネット通販・ECサイト業界では、SNS上で趣味や考え方などが共通する人物から情報を収集したうえで、購買の意思決定を行うケースが浸透している状況です。

上記の動向を踏まえて、多くの企業では、SNS上で「消費者の興味関心を引く情報発信」「自社商品のアピール」「商品に対する評価の収集・分析」などを行っています。

さらに、2019年に政府が「キャッシュレス・消費者還元事業」を行った点や、新型コロナウイルス感染拡大などの影響を受けて、キャッシュレス決済の比率が年々増加傾向にあります。2020年のキャッシュレス決済比率(概算)は約29%です。

出典:ニッセイ基礎研究所「コロナ禍における日本のキャッシュレス化の進展状況」

ネット通販・ECサイト事業のM&A事例30選

ネット通販・ECサイト事業のM&A事例30選

最近では、業界内外を問わず、さまざまな企業がネット通販・ECサイト事業を対象とするM&Aを行っている状況です。そこで本章では、近年報告されている代表的なM&A事例として、以下の30件を取り上げます。

  1. イノベスタによるアンド・フォースとのM&A
  2. 日本郵政グループによる楽天グループとのM&A
  3. オイシックス・ラ・大地による大戸屋HDとのM&A
  4. ZホールディングスによるZOZOとのM&A
  5. ナガホリによるジェイウェルとのM&A
  6. ロコンドによる千趣会とのM&A
  7. ナックによるインフィニティービューティーとのM&A
  8. 錦半ホールディングスによるアベルネットとのM&A
  9. エイジアによるハモンズとのM&A
  10. ティーライフによるLifeitとのM&A
  11. スクロール360によるもしもとのM&A
  12. BEENOSによる帝国酒販とのM&A
  13. TGビジネスサービスによるアウトレットプラザとのM&A
  14. バローホールディングスによるファーストとのM&A
  15. コメ兵によるイヴコーポレーション・アークマーケティングジャパンとのM&A
  16. アエリアによるGG7とのM&A
  17. スタートトゥデイによるIQON運営会社とのM&A
  18. スクロールによるキナリとのM&A
  19. アライドアーキテクツによる大都とのM&A
  20. オールアバウトライフマーケティングによるミューズコーとのM&A
  21. オイシックスによる大地を守る会とのM&A
  22. 楽天による爽快ドラッグとのM&A
  23. 楽天によるFablicとのM&A
  24. メタップスによるビカムとのM&A
  25. オイシックスによるとくし丸とのM&A
  26. ディノス・セシールによるイードとのM&A
  27. 健康コーポレーションによる三鈴とのM&A
  28. ASJによるNTTデータ・アイテックスとのM&A
  29. トランスコスモスによる富士通HRプロフェショナルズとのM&A
  30. レントラックスによるベーシックとのM&A

それぞれの事例から目的やポイントをつかんで、自社のM&A戦略策定に役立てましょう。

①イノベスタによるアンド・フォースとのM&A

2021年4月、イノベスタは、アンド・フォースから出資を受ける形で、資本業務提携を締結しました。 イノベスタは、「沖縄県内のすべての企業がオンラインビジネスに参入できるインフラを提供する」などの目的を掲げたスタートアップ企業です。

沖縄県内のEC活用促進や沖縄県内事業者のDX支援を目的として、沖縄県内に限定したオンラインショッピングモールを開設しています。また、2020年12月には、沖縄県内の大手企業8社が主催するOKINAWA Startup Programに採択されました。

対するアンド・フォースは、ブランド戦略の専門集団として、広告・PR・デジタル戦略・クリエイティブ・イベント・​新規事業開発などを一手に引き受けている企業です。本件M&Aの主な目的は、沖縄県内事業者に対するブランディング・広告・PRなどを通じたサポートの実現にあります。

②日本郵政グループによる楽天グループとのM&A

2021年3月、日本郵政および日本郵便は、楽天グループと資本業務提携を締結しました。日本郵政は、株式会社法にもとづき日本郵政グループの持株会社として設立された企業です。日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険・日本郵政スタッフ・日本郵政インフォメーションテクノロジーなどを子会社に持ちます。

対する楽天グループは、70以上のサービスと1億人以上の楽天会員を有しており、独自の経済圏を形成している企業です。本件M&Aの目的は、物流・モバイル・DXなどさまざま領域での連携強化にあります。

③オイシックス・ラ・大地による大戸屋HDとのM&A

2020年8月、オイシックス・ラ・大地は、大戸屋HDと業務提携を締結しました。オイシックス・ラ・大地は、有機・無添加食品やミールキットの通信販売を手掛けている企業です。

有機野菜などの食品宅配専門スーパー「Oisix」や、有機野菜などのカタログ食品宅配「大地を守る会」・有機野菜などの個別宅配「らでぃっしゅぼーや」などを運営しています。

対する大戸屋HDは、大戸屋や海外で飲食店事業を行う他の事業会社の運営を手掛けている持株会社です。本件M&Aの目的は、市場規模の拡大および、食を通じた社会へのさらなる貢献の推進にあります。

④ZホールディングスによるZOZOとのM&A

2019年11月、Zホールディングスは、ZOZOの株式50.1%を取得し連結子会社化しました。本件の取得価額は、およそ4,000億円と発表されています。Zホールディングスは、ソフトバンクグループ傘下の持株会社です。

対するZOZOは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」、古着下取サービス「ZOZOUSED」などのサービスを運営している企業です。本件M&Aの目的は、EC事業の強化にあります。

⑤ナガホリによるジェイウェルとのM&A

2019年6月、ナガホリは、ジェイウェルとの間で、資本業務提携契約を締結して経営陣からの譲り受けにより株式10.15%を取得すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。

ナガホリは、宝石・真珠・貴金属製品の輸出入および製造加工のほか、国内・国外販売も手掛ける企業です。対するジェイウェルは、宝飾品ECサイトの企画・運営を手掛けています。

本件M&Aの目的は、ECサイトの共同企画による、販売チャネルの拡大および事業領域の拡大にあります。

⑥ロコンドによる千趣会とのM&A

2019年3月、ロコンドは、千趣会傘下の企業「モバコレ」の株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は約4億8,800万円です。

ロコンドは、靴や衣料品の通販サイト「LOCONDO.jp」を運営しています。対するモバコレは、20代女性向けのファッションを主力商品として取り扱っている企業です。

本件M&Aの目的は、顧客ターゲット層の補完関係の構築および短期での収益改善にあります。

⑦ナックによるインフィニティービューティーとのM&A

2018年12月、ナックは、インフィニティービューティーの株式すべてを取得し完全子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。

ナックは、住宅環境衛生を中心としたサービス業などを手掛ける企業です。2013年に通販事業に参入しており、子会社のJIMOSを通じてオリジナルブランドの化粧品や健康食品などを取り扱っています。

対するインフィニティービューティーは、美容専売品卸「コスメフリー」のほか、楽天・Yahoo・Amazonなどのモールに出店するコスメショップ「コントラストビューティー」「ビューティーコスメ」をプロデュースするなど、サロン専売品の販売を積極的に手掛ける企業です。

本件M&Aの目的は、モール型ECサイトの販売ノウハウ獲得による販路拡大にあります。

⑧錦半ホールディングスによるアベルネットとのM&A

2018年11月、錦半ホールディングスは、アベルネットの株式を取得し子会社化すると発表しました。本件の取得価額は約20億円です。錦半ホールディングスは、綿半グループを統括している持株会社です。傘下企業として、ホームセンターを展開する綿半ホームエイドなどを抱えています。

対するアベルネットは、通販サイト「PCボンバー」で家電・PCなどを販売しているインターネット通販事業の企業です。本件M&Aの目的は、取扱商品の拡充およびシナジー効果の発揮にあります。

⑨エイジアによるハモンズとのM&A

2018年9月、エイジアは、ハモンズが持つベビー服のECサイト事業を取得しました。本件の取得価額は、約3,300万円です。エイジアは、インターネットを用いた販売活動を支援するパッケージソフト「WEB CAS」の開発・販売を主力に取り扱っています。

対するハモンズは、ベビー服ECサイト「べびちゅ」の運営およびEC事業者向け在庫管理クラウドサービス「FULLKAITEN」の開発販売などを手掛けています。

本件M&Aの目的は、ECサイトの運営ノウハウの収集・活用による、主力製品の機能強化にあります。

⑩ティーライフによるLifeitとのM&A

2018年7月、ティーライフは、Lifeitの株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。ティーライフは通信販売を手掛ける企業であり、自社企画した健康茶・健康食品・化粧品などを主に取り扱っています。

対するLifeitは、ベビー用品・キッズ家具などを取り扱うセレクトショップ通信販売サイトを運営する企業です。本件M&Aの目的は、情報システムなどプラットフォームの共有による、運営の効率化にあります。

⑪スクロール360によるもしもとのM&A

2018年5月、スクロール360は、もしもの株式を取得して子会社化すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。スクロール360はカタログ通信販売「スクロール」の子会社であり、通販業務(受注・物流・決済)代行・通販システム構築・販促支援(Web広告)・コンピューター業務受託などを手掛けています。

対するもしもは、個人・法人向けのドロップシッピングサービス・アフィリエイトサービス・ドロップシッパーやアフィリエイターの育成を目的とした教育・支援などを手掛ける企業です。

本件M&Aの主な目的は、Eコマース事業のポートフォリオの拡充・ソリューション事業や海外事業の強化・事業拡大・シナジー効果の獲得などにあります。

⑫BEENOSによる帝国酒販とのM&A

2018年3月、BEENOSは、帝国酒販の株式すべてを取得して完全子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。BEENOSは持株会社であり、Eコマース事業・インキュベーション事業などを手掛けています。

対する帝国酒販は、国内8店舗の酒類買取専門店「JOY LAB」を運営する企業です。これらの店舗で買い取った酒類は、自社ECサイト「銘酒専門店 帝国酒販」や国内大手ECモールなどで販売しています。

本件M&Aの目的は、国内外でのインターネットによる酒類販売の強化にあります。

⑬TGビジネスサービスによるアウトレットプラザとのM&A

2018年2月、TGビジネスサービスは、アウトレットプラザの株式すべてを取得し完全子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。

TGビジネスサービスは、創薬支援事業(CRO・バイオテクノロジー)やTGBS事業(投資・​コンサルティング事業)を提供する「トランスジェニック」の連結子会社です。M&A関連サービスや事業再生関連サービスなどを展開しています。

対するアウトレットプラザは、価格比較サイトを軸に、BtoC・BtoBのEC事業者として、主に電機製品などの小売り・卸売りを展開している企業です。本件M&Aの目的は、新たなビジネスモデルの構築を含めた、双方の事業拡大にあります。

⑭バローホールディングスによるファーストとのM&A

2018年2月、バローホールディングスは、ファーストの株式すべてを取得し完全子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。

バローホールディングスは、スーパーマーケットを中核に、ホームセンター・​ドラッグストア・スポーツクラブなどを展開するバローグループを統括する企業です。仕入れた商品を販売する小売業ではなく、製造・流通・販売を一貫して担う「製造小売業」としてビジネスモデルを構築しています。

対するファーストは、インターネット専業の資材・工具販売業者です。本件M&Aの目的は、ホームセンター事業の品ぞろえを補完する機能の構築および、インターネット販売業の効率化・拡大にあります。

⑮コメ兵によるイヴコーポレーション・アークマーケティングジャパンとのM&A

2017年12月、コメ兵は、イヴコーポレーションおよびアークマーケティングジャパンの株式すべてを取得し、それぞれ完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。

コメ兵(現:コメ兵ホールディングス)は、リサイクルショップ(コメ兵・KOMEHYO)を運営するKOMEHYOグループを子会社に構える企業です。対するイヴコーポレーションは、主にECと実店舗でアパレル事業とスニーカー事業を手掛けています。

また、アークマーケティングジャパンは、主にECでシューケア用品事業を手掛ける企業です。本件M&Aの目的は、ファッションリユース事業のうち、アパレル・スニーカー・シューケア商材の専門性強化およびシナジー効果の獲得にあります。

⑯アエリアによるGG7とのM&A

2017年10月、アエリアは、GG7を株式交換の手法で完全子会社化しました。簡易株式交換の手法を採用し、交換比率は1対0.19株です。

アエリアは、オンラインゲーム運営などを手掛けています。対するGG7は、アニメやゲームなどのキャラクターグッズなどを手掛ける企業です。

本件M&Aの目的は、コンテンツ事業の強化戦略の一環としてのマーチャンダイジング機能の補強にあります。

⑰スタートトゥデイによるIQON運営会社とのM&A

2017年10月、スタートトゥデイは、VASILYの株式すべてを取得して完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。

スタートトゥデイ(現:ZOZO)は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」、古着下取サービス「ZOZOUSED」などのサービスを運営しています。

対するVASILYは、さまざまなECサイトからファッションアイテムをユーザーが自由に組み合わせてコーディネートを作成できるサービス「IQON」を運営するほか、ソフトウエアなどの受託開発も手掛けている企業です。

本件M&Aの目的は、開発技術の応用による、企業のさらなる成長の実現にあります。

⑱スクロールによるキナリとのM&A

2017年7月、スクロールは、キナリの株式を取得して子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。スクロールは、カタログ通販準大手の通信販売事業者です。婦人衣料品を主体としたカタログ通販およびインターネット通販を手掛けています。

対するキナリは、資生堂の完全子会社であり、30~40代の女性を対象に、自然派化粧品ブランドのインターネット通販を手掛ける企業です。

本件M&Aの目的は、販売網・販売促進ノウハウ・通販インフラの活用によるキナリの成長拡大および、グループ全体としてシナジー効果の発揮にあります。

⑲アライドアーキテクツによる大都とのM&A

2017年5月、アライドアーキテクツは、大都との間で、植物特化型のSNSプラットフォーム「GreenSnap」の運営事業を会社分割してGreenSnapを設立したほか、GreenSnapを株式交換完全子会社・大都を株式交換完全親会社とする株式交換を実施しました。

アライドアーキテクツは、マーケティングDX支援事業を手掛けています。「世界中の人と企業をつなぐ」を理念に、2005年に設立されました。対する大都は、DIY専門の提案型通販サイト「DIY FACTORY」を中心に、さまざまなEC事業・メディア事業を展開しています。

本件M&Aの目的は、DIY市場・グリーンインテリアやガーデニング領域・住関連市場のビジネス領域拡大にあります。

⑳オールアバウトライフマーケティングによるミューズコーとのM&A

2017年5月、オールアバウトライフマーケティングは、ミューズコーの株式を取得し子会社化すると発表しました。本件の取得価額は、5,000万円です。

オールアバウトライフマーケティングは、オールアバウトの子会社であり、サンプリング事業・コマース事業、・マーケティングソリューション事業などを展開しています。

対するミューズコーは、ラグジュアリーブランドやトレンドのファッションアイテムをはじめ、女性向けの商品を多数取りそろえるファッションコマースサイトを運営する企業です。

本件M&Aの目的は、買収側による新たな取り組みの強化および既存事業とのシナジー創出にあります。

㉑オイシックスによる大地を守る会とのM&A

2017年3月、オイシックスは、大地を守る会との間で、株式交換の手法により経営統合を行うと発表しました。株式交換の比率は、オイシックス:大地を守る会=1:261です。

オイシックス(現:オイシックス・ラ・大地)は、有機・無添加食品およびミールキットの通信販売を手掛けています。対する大地を守る会は、有機野菜や自然食品などの宅配サービスを手掛けている企業です。

本件M&Aの目的は、新規顧客層の拡大・既存顧客層の確保・市場での競争力の向上および、調達から販売までのサプライチェーンの共通部分の効率化による収益性の向上にあります。

㉒楽天による爽快ドラッグとのM&A

2016年12月、楽天は、爽快ドラッグの株式94.58%を取得し子会社化すると発表しました。本件の取得価額は89億円です。

楽天(現:楽天グループ)は、インターネット関連サービスを中心に展開しており、インターネットショッピングモール「楽天市場」・総合旅行サイト「楽天トラベル」・フリマアプリ「ラクマ」などのECサイトを運営しています。

対する爽快ドラッグは、ミネラルウォーター・健康食品・洗剤・キッチン家電などの生活用品・日用品をインターネットで販売する企業です。

本件M&Aの目的は、生活用品向けECの直販モデルの強化および、商品価格と配送サービスの競争力向上にあります。

㉓楽天によるFablicとのM&A

2016年9月、楽天は、Fablicの株式すべてを取得し完全子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。

Fablicは、フリーマーケットアプリ「フリル」を提供する企業です。特にファッションや美容用品のジャンルに注力しており、10代後半から20代を中心とする多くの女性から支持を集めていました。

本件M&Aの目的は、両社サービスのさらなる利便性向上にあります。

㉔メタップスによるビカムとのM&A

2016年6月、メタップスは、ビカムの株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は3億2,000万円です。

メタップスは、決済サービスを軸に、フィンテック領域で総合的にサービスを展開するファイナンス事業・デジタルマーケティングをワンストップで提供するマーケティング事業などを展開しています。

対するビカムは、ショッピング検索サイトを運営しています。また、商品データを各広告配信先の仕様に最適化する「データフィードマネジメント」技術を活用し、商品データの一元管理・管理コストの削減などを支援する事業も展開する企業です。

本件M&Aの目的は、既存事業との連携にあります。

㉕オイシックスによるとくし丸とのM&A

2016年6月、オイシックスは、とくし丸の株式を取得し連結子会社化しました。本件の取得価額は非公開です。

とくし丸は、「移動スーパーマーケット」の仕組みをフランチャイズ方式で提供する事業を手掛ける企業です。本件M&Aの目的は、1人当たりの売上を効率的な伸長および、商品の品質向上にあります。

㉖ディノス・セシールによるイードとのM&A

2016年5月、ディノス・セシールは、イードとの間で包括的業務提携を締結し、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業を譲受しました。本件の取得価額は非公開です。

ディノス・セシール(現:DINOS CORPORATION)は、フジサンケイグループの通信販売会社です。主力事業として、「ディノス」「セシール」のブランドで、カタログとWebによる通信販売事業を展開しているほか、保険代理店事業も手掛けています。

対するイードは、RBB TODAYやResponse.をはじめ、ニュースサイトの運営やマーケティングリサーチなどを行っているIT企業です。

本件M&Aの主な目的は、既存のECビジネスの活性化および新機軸のEC事業への取り組み実施にあります。

㉗健康コーポレーションによる三鈴とのM&A

2016年4月、健康コーポレーションは、三鈴の株式すべてを取得して完全子会社化すると発表しました。本件の取得価額は48億7,000万円です。

健康コーポレーションは、RIZAPグループの完全子会社であり、化粧品・美容機器・健康食品やダイエット食品の販売などを手掛けています。対する三鈴は、10代から20代前半を主力ターゲットに婦人服を取り扱っている企業です。

本件M&Aの目的は、ヤングエレガンス領域へのリアル店舗の展開および、三鈴の顧客を「RIZAP」をはじめとする商品・サービスに送客することです。

㉘ASJによるNTTデータ・アイテックスとのM&A

2016年2月、ASJは、NTTデータ・アイテックスの株式を取得し子会社化しました。これに伴い、NTTデータ・アイテックスの子会社「東北情報システム」も子会社化しています。

ASJは、ホスティングサービス・決済代行サービスなどのインターネットサービスや、オンラインゲーム・SNSなどデジタルコンテンツの企画・開発・運営を手掛けています。対するNTTデータ・アイテックスは、人事管理に特化したシステム「ePro_St@ff」「PRO_STAFF-α」を主力商品として事業展開する企業です。

本件M&Aの目的は、SI(システムインテグレーション)事業の拡大および、クラウドサービス提供による業容拡大にあります。

㉙トランスコスモスによる富士通HRプロフェショナルズとのM&A

2016年2月、トランスコスモスは、富士通HRプロフェショナルズの株式49%を取得しました。本件の取得価額は非公開です。

トランスコスモスは、企業へのITアウトソーシングサービスを展開しています。対する富士通HRプロフェショナルズは、富士通の子会社であり、人事業務関連を受託するアウトソーシング事業を手掛けている企業です。

本件M&Aの目的は、受託業務のさらなるQCD(品質・コスト・納期)の向上および徹底した効率化にあります。

㉚レントラックスによるベーシックとのM&A

2016年2月、レントラックスは、ベーシックのスマートフォンアプリ向けアフィリエイト広告ネットワーク「GAMEFEAT」事業を取得しました。本件の取得価額は非公開です。

レントラックスは、インターネット広告事業やコンサルティング事業などを手掛けています。対するベーシックは、マーケティングポータル事業などを手掛ける企業です。

本件M&Aの目的は、成果報酬型広告サービス事業の拡大にあります。

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ネット通販・ECサイト事業のM&A失敗事例

EC 通販のM&A・事業承継
EC 通販のM&A・事業承継
ネット通販・ECサイト事業のM&A失敗事例

本章では、ネット通販・ECサイト事業のM&A失敗事例を取り上げます。売却側企業は、化粧品などの通販サイトを運営する企業で、別事業へ注力するためにM&Aによる事業売却を検討していました。一方、買収側は、実店舗で化粧品を販売しており、ネット販売分野への新規参入を計画していた企業です。

売却側(売り手側)企業は、運営するネット通販サイトの売上が伸びていたこともあり、交渉はスムーズに進みM&Aは成立するかと思われました。しかし、直前になりM&A交渉が破談になってしまったのです。

その理由は、売却側の契約書を改めて確認したところ、仕入先の情報が全く記載されていなかったためです。たとえ多くの売上があるネット通販・ECサイトでも、販売商品がなければ利益を得ることはできません。

M&A成立後は、もちろん取り扱っている商品の手配を行う必要があります。仕入先情報のないまま買収してしまうと、新たに仕入先を探して交渉しなければなりません。仮に仕入れがうまくいかなければ、売上は急速に低下します。つまり、期待していた効果が全く出ないまま、M&Aは失敗してしまうのです。

失敗事例の中で見落としがちなのは、契約書に記載されている譲渡対象の内容です。契約書は表記方法が複雑であるため、このようなリスク要因を減らすためにも、M&Aコンサルタントや仲介業者を介して進めると良いでしょう。

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ネット通販・ECサイト事業のM&A相場と費用

ネット通販・ECサイト事業のM&A相場と費用

ネット通販・ECサイト事業のM&Aを検討する際は、買収や売却の相場をあらかじめ調査しておくことが大切です。たとえ現在勢いのあるネット通販・ECサイト業界でも、相場を知らずにM&Aを実施してしまうと譲渡側・譲受側ともに失敗するリスクが高まります。

また、ネット通販・ECサイトのM&Aでは、相場だけでなく、相手企業との相性も事前に把握したうえで交渉を進めていくことが重要とされています。ネット通販・ECサイト業界は順調に伸びているため、相場が合えばM&Aは成功すると考えがちです。

しかし、相手先企業との相性次第では、M&Aが成立したとしても期待した効果は得られません。

ネット通販・ECサイト業界のM&Aにおける一般的な相場

ネット通販・ECサイト業界M&Aの一般的な相場は、サイトの売上から原価と販売管理費を差し引いた営業利益の2~3年分とされています。

販売管理費とは、損益計算書に記載する項目であり、商品・製品を販売するために直接かかる「販売費」と、企業全体の業務管理にかかる「一般管理費」の合計額のことです。「営業費」とも呼ばれます。

また、営業利益とは、売上から原価を差し引いた「売上総利益」から、販売費と一般管理費を差し引いた金額のことで、本業で得た利益をさします。例えば、M&Aの実施により毎月の営業利益が300万円の通販販売・ECサイトを買収する場合、「300万円✕24~36カ月=7,200万円~1億円」程度が買収価額です。

ネット通販・ECサイト業界でのM&A相場は営業利益の2~3年分ですが、譲受側の価値観によって同じサイトでも評価金額が大きく変わるケースがあります。さらに、実際のM&Aの費用は買取価格だけでなく、サポートを依頼した専門家への報酬も加算されて、この報酬も負担を大きくする可能性があるのです。

もしもM&Aの費用に関して不安があれば、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。支援実績を豊富に持つアドバイザーが、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる買収とは?

ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる買収とは?

今後もネット通販・ECサイト業界は伸長が予想されており、M&Aニーズが高まっています。本章では、買収によるメリット・デメリットをまとめました。

ネット通販・ECサイト事業の買収によるメリット

もともとM&Aによる買収には、事業規模の拡大・ノウハウの獲得・シナジー効果の発揮・優れた人材の獲得・スケールメリットの享受など多くのメリットがあります。ネット通販・ECサイトの買収でも、このようなメリットを期待可能です。

上記以外では、販売チャネルの拡大・サイト構築の時間・コストの削減なども非常に大きなメリットです。例えば、自社製品に強みのある企業がM&Aを実施してネット通販・ECサイトを買収すれば、販売チャネルの拡大により、急速な収益アップが見込めます。

また、ネット通販・ECサイト業界に新規参入を考えている企業の場合は、M&Aの実施によりサイト構築にかかる時間とコストを大幅に削減できるだけでなく、安全に業界参入できます。

なお、ネット通販・ECサイト業界は、インターネットを活用するため、必然的に予期せぬトラブルが起こりやすいです。しかし、M&Aによりすでに構築されたシステムを持つ企業を買収すれば、そのリスクを最小限にしながら新規業界に参入できます。

さらに、譲渡側企業が持っているサイトの会員・ユーザーをそのまま引き継ぐため、シナジー効果により会員ベースの拡大を図ることも可能です。

ネット通販・ECサイト事業の買収によるデメリット

M&Aによりネット通販・ECサイトを買収する場合、リスクとなり得る要因があることも忘れてはなりません。特に売上がある企業は、古いシステムを長年使用しているケースも少なくないため、買収後にサイトのリニューアルや引継ぎに時間や費用がかかる場合もあります。

そのようなリスクを減らすためにも、M&Aによりネット通販・ECサイトを買収する際は、事前調査をしっかりと行うことが重要です。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる売却とは?

ネット通販・ECサイト事業のM&Aによる売却とは?

もともとネット通販・ECサイト事業は、一度アプリやシステムを開発してしまえば、運営・管理の人件費などを含む費用を抑えられるビジネスモデルです。しかし、ネット通販・ECサイトの構築やシステム・アプリ開発には多くの資金が必要であり、これらを資金回収できるのは企業売却・譲渡時とされています。

本章では、売却によるメリット・デメリットを取り上げます。

ネット通販・ECサイト事業の売却によるメリット

M&Aによりネット通販・ECサイトを売却するメリットは、主に以下の3つです。

  • メイン事業に注力できる
  • サイト運営にかかる経費の移管
  • 創業者利益の確保

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

メイン事業に注力できる

ネット通販・ECサイトの経営者の中には、個人で事業を開始した方が多いです。しかし、事業が拡大するにつれて、個人での維持が困難になるケースも少なくありません。

中でもサイトやアプリの開発者には、サイトの管理を行うよりもIT分野などで新しい事業への挑戦を狙う人も多いです。このようなケースでは、ネット通販・ECサイトを売却・譲渡すれば、本業や新事業に注力できる点に大きなメリットがあります。

サイト運営にかかる経費の移管

ネット通販・ECサイト事業で増えているのが、バグの発生によって事業がストップしてしまうケースです。このようなトラブルを避けて運営するには、システムを管理できるエンジニアの雇用が必要とされるため、予想以上に経費がかさんでしまうケースがあります。

そこで、ネット通販・ECサイトを売却・譲渡すれば、その経費を他の事業に移管できる点にメリットがあります。

創業者利益の確保

ネット通販・ECサイト事業の売却では、多額の創業者利益を得られる可能性がある点も大きな利点です。ネット通販・ECサイト業界では、サイト構築やアプリ開発により株式の評価額が上がる場合が多く、出資額を上回る株式評価額が算出されるケースも少なくありません。

M&Aにより売却・譲渡を行い、創業者利益が獲得できれば、新しく始める事業に向けた資金調達も可能です。事業の再起をかけたM&Aを行うのであれば、失敗は避けたいものです。M&Aの成功可能性を少しでも引き上げるには、プロの力を借りると良いでしょう。

M&A総合研究所では、専門知識・経験豊富なアドバイザーが専任につきM&Aをフルサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にお問い合わせください。

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ネット通販・ECサイト事業の売却によるデメリット

ネット通販・ECサイト事業の売却によるデメリットは、主に以下の2つです。

  • 希望どおりの条件で売却できないおそれ
  • 経営の自由度が制限されるおそれ

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

希望どおりの条件で売却できないおそれ

M&Aによる売却では、買い手企業との交渉によって最終的な条件が決められます。そのため、買い手の要望次第では、希望どおりの条件で売却できないおそれがあるのです。売却側の条件を無理にとおそうとすると、交渉が決裂してM&A相手探しから再び始めなければなりません。

そのほか、買い手にとって魅力的な事業でない場合、相手候補がなかなか見つからない可能性が高いです。

経営の自由度が制限されるおそれ

M&Aによる売却では、取引後も継続して売り手側経営者が残って、事業を運営するケースも少なくありません。ただし、株式を売却してしまうことから、あくまでも会社の支配権は買い手企業が持ちます。そのため、M&A前と比べて経営に対する自由度が制限される可能性が高いです。

【関連】M&Aのデメリットとは?売り手・買い手、海外M&Aにおけるデメリットを解説

ネット通販・ECサイト事業のM&Aを成功させるコツ

ネット通販・ECサイト事業のM&Aを成功させるコツ 編集

ネット通販・ECサイト事業のM&Aを成功させるコツとして、以下の3項目を取り上げます。

  1. 相手企業が魅力的に感じる経営資源をそろえる
  2. シナジー効果が見込める相手企業を見つける
  3. ネット通販・ECサイトのUI・UXを向上させる

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①相手企業が魅力的に感じる経営資源をそろえる

もともと買い手側企業は、ノウハウ・人材・顧客など経営資源の獲得を目的にM&Aを実施するケースが多く見られます。つまり、相手企業が魅力的に感じる経営資源がないと、買い手候補を探したり、希望どおりの条件でM&Aを行ったりすることが難しいです。

M&Aの売却を成功させたい場合、業界動向や過去のM&A事例などを調査したうえで、買い手企業がどのような目的で取引を実施しているのか把握しましょう。ネット通販・ECサイト事業のM&Aで魅力度の高い経営資源は、主に以下のとおりです。

  • UI/UXに優れたECサイト
  • 顧客からのニーズが高い商品
  • 顧客数の多さ
  • ECサイトの運営ノウハウ
  • ECサイトの運営をサポートする優秀な社員

②シナジー効果が見込める相手企業を見つける

買い手側企業は、シナジー効果の獲得を目的にM&Aを実施するケースも多く見られます。そのため、買い手企業との間で収益増加やコスト削減などのシナジー効果の獲得が見込めない場合、高値での売却は困難です。

少しでも高く売却したい場合、収益やコストなどの面でシナジー効果の獲得が期待できる相手候補を探しましょう。

③ネット通販・ECサイトのUI・UXを向上させる

買い手側企業が買収対象とするECサイトを選ぶ際、取扱商品・顧客層のほか、サイトそのもののUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)も重要視します。UIとは「人とモノをつなぐ窓口」のことで、UXとは「人がモノやサービスに触れて得られる体験や経験」のことです。

購入ページまでの到達が困難なECサイトや、商品の情報が閲覧しにくいECサイトは、訪問者の離脱率を高めたり、再訪問の可能性を下げたりするおそれがあります。そこで、売却価額を低下させないためにも、M&A実施前にECサイトのUI・UXを向上させておくと良いでしょう。

【関連】EC・ネット通販の売却の相場は?高値で売る方法も解説!

ネット通販・ECサイト事業のM&A売却案件一覧

ネット通販・ECサイト事業のM&A売却案件一覧

本章では、ネット通販・ECサイト事業のM&A売却案件として、M&A総合研究所で取り扱っている2件を紹介します。それぞれの案件からポイントをつかんで、自社のM&A戦略構築に活用してください。

ドレスのECアパレルサイト

1つ目は、ドレスを取り扱っているECアパレルサイトの売却案件です。利益率が高い(4,000円~5,000円で仕入れて1万円前後で販売)ほか、約9割はインスタグラムからの集客であり広告費などを使用していません。SEO対策なども未実施であるため、伸び代があるとされています。

売上高 1,000万円〜5,000万円
売却希望額 〜1,000万円
売却理由 新規事業に専念したいため

日本向け商品のネット通販会社

2つ目は、日本向け商品のネット通販会社の売却案件です。特定の領域に特化した商品を販売しており、他社よりもリーズナブルな価格で提供しています。他ではなかなか取引できない大手卸企業と取引しているほか、他社よりも品ぞろえが豊富である点が強みです。

売上高 1,000万円〜5,000万円
売却希望額 5,000万円〜1億円
売却理由 後継者不足(事業承継

【関連】M&Aは個人でもできる!小規模案件を探せるマッチングサイトを紹介

ネット通販・ECサイト事業のM&A積極買収企業

ネット通販・ECサイト事業のM&A積極買収企業

最後に、ネット通販・ECサイト事業のM&Aで買収を積極的に検討している企業を2社取り上げます。

①オズビジョン

オズビジョンは、EC利用支援のためのポイントモール「Hapitas」や買取アプリ「Pollet」の運営・広告代理店事業などを手掛けている企業です。

さまざまな領域でハイブランドな価値を作り上げることに成功した「東急沿線経済圏」や、ショッピングモール・銀行・保険まであらゆるジャンルを取りそろえる「楽天経済圏」のようなビジネス構想の実現を目指しています。

「美容・コスメ・香水」「ダイエット・健康」「食品」「医薬品・コンタクトレンズ・介護」「キッズ・ベビー・マタニティ」「ペット・ペットグッズ」などの商品を取り扱う企業の買収を前向きに検討しています。

②ブループリント

ブループリントは、モバイルゲーム事業およびその周辺領域の事業・サービスを提供する企業です。現在は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の一都三県で、直営店舗の拡大および全国での販売代理店の拡大を予定しています。

「ECサイトを運営している会社」のほか、「Webメディアを運営している会社」「ブランド品、ガジェット系などのリユースを行っている店舗を持っている会社」などの買収を積極的に検討しています。

ネット通販・ECサイト事業のM&Aまとめ

ネット通販・ECサイト事業のM&Aまとめ

本記事では、ネット通販・ECサイト事業のM&Aに関して、動向・相場・成功/失敗事例などを解説しました。買い手・売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断したうえでM&Aを選択することが大切です。

企業にとって重大な意思決定であるM&Aの手続きは煩雑であり注意点も多いため、専門家に相談しながら行いましょう。本記事の要点は、以下のとおりです。

◯ネット通販・ECサイト事業とは
→インターネットを通じて物・サービスを購入する通信販売事業
→電子商取引であり、一般的にインターネットを用いた商品の売買

◯ネット通販・ECサイト事業の現状と動向
→CtoC(個人間による電子商取引)の台頭
→ネット通販・ECサイトの拡大
→スマートフォン経由での取引額が増加傾向
→SNSを活用したマーケティング施策を行う事業者が増加
→キャッシュレス決済の普及

◯ネット通販・ECサイト業界のM&Aにおける一般的な相場
→サイトの売上から原価と販売管理費を差し引いた営業利益の2~3年分

◯ネット通販・ECサイト事業の買収によるメリット
→事業規模の拡大・ノウハウの獲得・シナジー効果の発揮・優れた人材の獲得・スケールメリットの享受

◯ネット通販・ECサイト事業の買収によるデメリット
→買収後にサイトのリニューアルや引継ぎに時間や費用がかかる

◯ネット通販・ECサイト事業の売却によるメリット
→メイン事業に注力できる
→サイト運営にかかる経費の移管
→創業者利益の確保

◯ネット通販・ECサイト事業の売却によるデメリット
→希望どおりの条件で売却できないおそれ
→経営の自由度が制限されるおそれ

◯ネット通販・ECサイト事業のM&Aを成功させるコツ
→相手企業が魅力的に感じる経営資源をそろえる
→シナジー効果が見込める相手企業を見つける
→ネット通販・ECサイトのUI・UXを向上させる

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