2019年11月28日更新業種別M&A

不動産ファンドとは?仕組みやメリット・デメリット、注意点について解説

不動産ファンドは、投資家から集めた資金によって不動産を運用し、そこから得られる収益を投資家に分配します。自分で不動産を購入するか、不動産ファンドを活用するか、信頼できるファンドかなど、さまざまな視点から十分に検討を重ねることが必要です。

目次
  1. 不動産ファンドとは
  2. 不動産投資における収益
  3. 不動産ファンドの仕組み
  4. 国内における不動産ファンドの動向
  5. 不動産ファンドのメリット・デメリット
  6. 不動産ファンドの注意点
  7. 不動産ファンドの成功と失敗を分ける要因
  8. まとめ
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不動産ファンドとは

不動産ファンドとは、投資家から集めた資金をもとに不動産を運用し、その収益を投資家に分配する仕組み・組織のことをいいます。本記事では、不動産ファンドの特徴や仕組み、メリット・デメリットや注意点など、詳しくご紹介していきます。

まずは、不動産ファンドの概要として、ファンドの意味や不動産投資との違いなどをご説明しましょう。

ファンドは仕組み・組織を示す言葉

まず、「ファンド」の意味から整理してみましょう。先ほども少し触れましたが、ファンドは複数の投資家から資金を集めて運用し、そこから得られる収益を投資家に分配する仕組み・組織のことです。仕組みそのものをファンドと表現する場合もありますが、組織を指すこともあります。

例えば「不動産ファンドに転職」、「不動産ファンドの年収」などの表現では、ファンドを組織として表現しています。つまり、ここでの不動産ファンドは、投資家から資金を集めて不動産を運用し、その収益を投資家に分配する事業を行う組織・会社を指すわけです。

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不動産ファンドと不動産投資の違い

投資した資金によって不動産を運用するのは、不動産ファンド側です。資金を出した投資家が不動産を運用するわけではありません。この点が、自分で不動産投資を行う場合との大きな違いになります。

そもそも不動産投資というのは、マンションやアパートといった不動産を購入し、その不動産から収益を得る方法です。具体的には、自分で購入した不動産から賃料収入などの収益を得ます。つまり、自分で不動産を運用するのです。

不動産投資における収益

不動産ファンドについて考えるにあたり、不動産投資の収益の仕組みが参考になります。そこで、不動産投資における収益の仕組みを整理しておきます。

不動産投資はマンションやアパートなどを購入し、その不動産から収益を得ることになりますが、その収益は「賃料収入」と「売却益」の二種類です。

特に賃料収入を狙って不動産投資を行う方は多い傾向です。ただ、適切な売却タイミングの見極めなど、専門的な知識や経験があれば、売却益を狙うことも可能です。それでは早速、賃料収入と売却益についてそれぞれ解説します。

賃料収入

賃料収入は、マンションを購入して賃貸し、家賃収入を得るといったケースが代表例です。不動産投資の例として、一般的にもイメージしやすい収益の仕組みでしょう。

さて、こうした収益はインカムゲインと呼ばれます。インカムゲインは、保有する資産によって安定的に得られる収入のことです。不動産投資であれば、不動産の保有によって得る賃料収入がこれに該当します。

インカムゲインは、比較的安定した収入であるのが特徴的です。家賃収入を例に挙げると、一定の入居者さえ確保できれば定期的に収益が発生します。

売却益

購入した価格より高い価格で売却すると、その差額が利益となります。こうした差益のことを売却益といいます。簡単に言えば、安く購入して高く売り、利益を出す仕組みです。

不動産投資においても、不動産を購入した価格より高く売却できれば、その差益が売却益となります。また、こうした利益はキャピタルゲインとも呼ばれます。

さて、不動産投資においては賃料収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)を狙うことができますが、一般的には賃料収入を狙うケースが多いと言えます。

不動産は価値が下がりやすいため、年月が経過すればするほど、高い価格で売却しにくいという側面があるからです。ただ、不動産投資の収益として、賃料収入のほかに売却益もあるという点は知っておきましょう。

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不動産投資とは?リターンとリスク、メリットとデメリットを解説

不動産ファンドの仕組み

ここまで、不動産ファンドの特徴や、不動産投資における収益の仕組みについてご紹介しました。次に、不動産ファンドの具体的な仕組みについて詳しく見ていきましょう。

不動産ファンドの種類には「不動産投資信託」と「不動産特定共同事業」があります。以下、それぞれの特徴・仕組みをご紹介します。

不動産投資信託(REIT)

不動産投資信託はREITとも呼ばれます。Real Estate Investment Trustの略称です。不動産投資信託は公募ファンドと私募ファンドの2つに分類することができます。

公募ファンド

公募ファンドというのは、広く一般に投資家を募集するファンドのことです。銀行や証券会社などで不特定多数の投資家を対象として販売しています。株式と同様に経済や需要・供給の状態に応じて価額が変化する特徴があるほか、換金しやすいというメリットも備えています。

また、個人で投資しづらい商品も取り扱っているため、個人投資家が活用しやすいです。そのほか、小額からの分散投資にも対応しているため、リスクを軽減したい投資家にも向いているといえるでしょう。

ただし、投資信託及び投資法人に関する法律に基づいているため、投資商品や配当などが制限されています。

私募ファンド

私募ファンドというのは、一部の投資家を対象としたファンドのことをいいます。証券市場に上場されていません。基本的にはある程度の専門知識がある投資家を対象とするため、売却益を目的としたものも見られます。

また、公募ファンドのように最小投資額が低くない傾向です。リスクの高い運用にも対応している反面、その分ハイリターンを期待できるケースがあります。

そのほか、法律による制限が緩いのも特筆すべき点です。そのおかげで、運用の自由度が高まり、高収益が見込みやすいとの見方もできます。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は、複数の投資家が出資し、不動産会社などが不動産事業を行い、その収益を投資家に分配する事業です。

不動産特定共同事業は、「不動産小口化商品」と呼ばれる商品を販売することで行われます。投資家は不動産小口化商品を買い、その持分によって不動産からの収益を得る仕組みです。

大きく分類すると4種類の契約形態があります。まず、匿名組合契約では、投資家が匿名組合に出資し、出資金で入手した不動産を運用します。次に、任意組合契約では、投資家が不動産の共有持分を任意組合に出資し、その不動産を運用します。

賃貸借契約は、共有持分にあたる不動産を事業者に運用してもらう方法です。そのほか、対象不動産変更型匿名組合契約も契約形態の一種です。契約期間中に事業者の判断で不動産を変更できます。

不動産投資信託と不動産特定共同事業の違い

不動産投資信託の場合、不動産投資法人が投資証券を発行します。投資家は投資証券を購入することで、不動産投資法人に投資できます。株式会社の株式と同じような仕組みです。ちなみに投資証券は証券取引所で売買できます。

一方で、不動産特定共同事業の場合は、株式や投資証券のような仕組みがありません。不動産小口化商品を購入し、その持分によって不動産からの収益を得ることになりますが、こちらは営業者買取または第三者譲渡で売買することになります。

国内における不動産ファンドの動向

不動産ファンドの一種であるREITは、国によって推進されています。

2017年6月に国土交通省土地・建設産業局から「不動産投資市場の成長に向けたアクションプラン」が周知されました。不動産の有効活用の最適化を目的とし、2020年頃までにREITなどの資産総額を30兆円ほどに増加させる計画です。

アクションプランの概要として4つの方向性が定められています。まず、「企業不動産の活性化」です。企業が所有する不動産の活用を進めるために、フォーラムの開催やガイドラインの改定に取り組みます。

また、「リート市場などの改革」に向けて不動産投資市場の機能向上も促します。さらに、「不動産投資家の投資環境の改革」も視野に入れています。不動産情報基盤などを整備することで、投資家の投資を活発化させるのが狙いです。

加えて、これらの取り組みを実行するために必要な人材を確保するために「人材育成の改革」も掲げています。

不動産ファンドのメリット・デメリット

不動産ファンドを利用しても思った通りの結果が得られないこともあり得ます。不動産ファンドを活用してから後悔しないように、不動産ファンドのメリット・デメリットについて整理しておきます。

不動産ファンドのメリット

不動産ファンドは、自分で不動産を全て購入するわけではありません。投資証券や不動産小口化商品の購入によって投資します。そのため、実際に不動産を購入するよりも少額で投資を開始できるという点が、不動産ファンドの大きなメリットです。

自分だけで不動産投資を行う場合も、中古マンションなどは比較的安く購入できますが、それでも不動産を購入する以上、ある程度の資金は必要です。その点、不動産ファンドを活用すれば少額から投資をスタートできます。

また、不動産ファンドを活用すると、複数の物件に分散投資をしやすくなります。同じ金額でマンションを一つ購入する場合と、不動産ファンドによって分散投資する場合を考えてみましょう。

マンションを一つ購入した場合、災害などでそのマンションに大きな被害が発生すれば、収益は大きく下がるでしょう。

一方で、同じ金額で不動産ファンドを活用し、複数の物件に分散投資をしておけば、一つの物件からの収益が激減しても、他の物件からの収益である程度カバーできます。

不動産ファンドのデメリット

少額から投資が可能な点は不動産ファンドのメリットですが、その分、リターンが少なくなる可能性があります。そもそも不動産ファンドは出資者が多いため、分配金が少なくなりやすいです。

また、ファンドの運営に必要なランニングコストも発生します。例えば、投資家に対する報告書の作成や契約書の保管などにかかる費用です。自分で不動産投資を行うわけではないので、投資家はファンドの運営にかかる費用も負担しなければなりません。

また、不動産ファンドの見過ごせないデメリットとして、運用に自身の意向を反映しづらい点も押さえておくべきです。プロに任せるといえども運用がうまくいっていない場合は不満を抱くこともあるでしょう。

そのほか、ファンド会社が破たんした場合に配当金がもらえないリスクもあります。

不動産ファンドの注意点

不動産ファンドの活用は、自分で不動産投資を行う場合と比較し、十分に検討を重ねておく必要があります。

不動産ファンドは、確かに少額から投資をスタートできるメリットもありますが、ファンドの運営コストによって分配金が少なくなりやすいデメリットも見られます。そのため、メリットだけでなくデメリットも把握することが大切です。

また、不動産ファンドといっても、不動産投資信託と不動産特定共同事業で特徴や仕組みは異なります。上級者向けの商品もあるので、自分の専門知識をあらかじめ把握し、慎重に商品を選ぶことも必要です。

安易に活用しても、かえってリスクが発生する可能性もあるので、注意しなくてはなりません。

不動産ファンドの成功と失敗を分ける要因

不動産ファンドを活用して成功するかどうかは、不動産ファンドの選定に左右されます。実績などを踏まえ、信頼できるファンドを活用できれば、それだけ成功しやすくなります。

具体的にどのような商品を扱っているのか、どの程度の実績があるのかを事前にきちんと分析し、慎重に選ぶことが重要です。

また、そもそも不動産投資は、物件にも大きく左右されます。そのため、実際に物件を自分で確かめることも必要でしょう。このような慎重な検討を経て、適切な不動産ファンドを活用することが、成功のポイントとなります。

反対に、安易な気持ちで考え、十分な検討をせずに不動産ファンドを選んでしまうと、失敗の大きな原因となります。

不動産ファンドは少額から投資をスタートできるため、ハードルが低いと思われがちですが、投資を行う以上はリスクも当然発生します。慎重に判断しないと、収益を上げるどころか大きな損失が発生することもあるのです。

着実に収益を積み重ねるためにも、不動産ファンドの選定や物件の確認など、慎重に分析を進める必要があります。

まとめ

不動産ファンドは、投資家から集めた資金によって不動産を運用し、そこから得られる収益を投資家に分配する仕組み・組織のことを意味します。

不動産投資では、自分で購入した不動産を運用できますが、不動産ファンドを活用して投資することもできます。特に不動産ファンドの場合、少額から投資を開始できる点にメリットがあり、分散投資によってリスクを減らすことも可能です。

一方で、ファンドの運用コストなどが発生するほか、リターンが少ない場合も見られます。自分で不動産を購入して収益を狙うケースと比較し、どちらの方法を活用すべきか、慎重に検討することが大切です。

また、不動産ファンドの種類も多いので、信頼できるファンドかどうか、さまざまな視点から十分に検討を重ねましょう。

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