M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年10月13日更新会社・事業を売る
会社を売るタイミングはいつ?業績から最適な売り時を考えて売却しよう!
M&Aによる会社売却はタイミングが重要で、同じ会社でもタイミングの違いによって売却価格が大きく変わる可能性があります。この記事では、会社売却の適切なタイミング、会社売却のメリットや利益を最大化するための考え方などを解説します。
目次
会社を売るタイミングはいつが最適なのか?
M&Aによる会社売却は思い立ったときに実行するのではなく、最もよい買い手に高い価格で売却できるタイミングを計りましょう。最適なタイミングが具体的にいつかは、個々の細かい事情などによっても変わるので、断言するのは難しい部分もあります。
一般的には、業績がよいのに経営者の意欲が減少しているときや、経営者が衰えを感じたときなど、以下のタイミングがよいでしょう。
【会社を売るタイミングはいつが最適なのか】
- 業績がよく事業に対する意欲が減少しているとき
- 経営者自身が気力・体力の衰えを感じたとき
- 景気がよいとき
- 業界再編の動きがみられるとき
業績がよく事業に対する意欲が減少しているとき
M&Aでは、買い手はできるだけ業績のよい会社を買収して、自社の事業発展につなげたいと考えます。
売り手側としては、業績のいい会社をわざわざ売却する理由はないといえますが、業績がいいのに経営者の意欲がなくなってしまったり、ほかの事業に興味がでて今の会社に興味が薄れたりするというのは、意外によく起こることです。
こういった会社なら買い手がつきやすいうえ、売り手の経営者にとっても意欲のない会社を早めに売却して売却益が得られるので、買い手・売り手双方にとってメリットがあります。
経営者自身が気力・体力の衰えを感じたとき
経営者が高齢になったとき、または高齢でなくても病気などで気力・体力の衰えを感じたときは、適切な会社売却のタイミングだといえます。
衰えを「感じた」タイミングが重要で、実際に衰えてしまった後ではタイミングが遅すぎることも多いです。会社売却の決断は一般的にタイミングが遅くなりがちなので、早めの決断を心がけるとよいでしょう。
M&Aによる会社売却は成約まで半年から一年くらいかかるので、買い手の選定や交渉など時間的・精神的負担も大きくなります。こういった負担に耐えられる体力がまだある時点で、早めに会社売却を決断するのがポイントです。
景気がよいとき
景気がよいときは買い手がM&Aに積極的になるので、会社売却のいいタイミングとなります。国全体の景気がよいときだけでなく、自社の業界が単独で好景気になっている状況も、会社売却のチャンスです。
もちろん、経営意欲があるなら好景気に乗って自社の事業を拡大していけばよいですが、何らかの理由で会社を売却したいと思っていれば、不景気より好景気のときのほうが高値での会社売却が期待できます。
景気は変動が激しいので、慎重になりすぎて好景気の波を逃さないように、自信を持ってM&Aを決断することが重要です。
業界再編の動きがみられるとき
業界再編が起こっているときはM&Aが活発になるので、会社売却のよいタイミングといえます。
特に、大手同士だけが統合していく業界再編ではなく、大手が中小企業を買収してシェアを拡大していく業界再編においては、高値での会社売却が期待できるでしょう。
例えば、薬局・ドラッグストア業界では、ココカラファインなどの大手が中小の薬局を次々に買収する業界再編が起こっています。業界再編も好景気と同様いつかは終わるものなので、高値での会社売却を狙うならタイミングを逸しないことが大切です。
会社の業績からみる売り時のタイミング
M&Aによる会社売却のタイミングを見極めるには、業界動向だけでなく自社の業績も考慮することが重要です。会社の状態は常に変化していくので、できるだけよいタイミングを見計らうことがポイントとなるでしょう。
実際問題として、将来に対する不確定要素が大きいM&Aにおいて、自社の業績の最適なタイミングを見極めるのは難しい部分もあります。
さまざまな条件によって、業績のよいときが会社売却のタイミングになることもあり、逆に業績の悪いときがタイミングになることもあります。
【会社の業績からみる売り時のタイミング】
- 業績がよいとき
- 業績が悪いとき
- 業績は悪いが事業を行う意欲があるとき
業績がよいとき
自社の業績がよいときは、経営者に経営意欲があるならもちろんそのまま経営を続ければよいのですが、経営者の意欲がなくなってしまったら、業績がよいときがむしろ適切な会社売却のタイミングです。
業績がよいときにM&Aで会社売却を行えば、良い買い手からより高値で売却できる可能性が高まるでしょう。
経営者の意欲がなくなった会社は、現時点では業績がよくてもいずれ必ず落ちてきます。業績がよいうちにできるだけ早く会社売却を決断するのが正しいタイミングといえます。
業績が悪いとき
業績が悪くて今後も回復の見込みがないなら、倒産してしまう前に買い手に買収してもらうのがよい選択肢といえるでしょう。
業績が悪いときの会社売却は安値になることが多いですが、売り手が独自の強みを持っており、それが買い手のニーズと合致するときや、買い手の経営資源を活用すれば業績回復が十分見込める場合などは、ある程度高値がつくこともあります。
業績は悪いが事業を行う意欲があるとき
業績は悪いが経営者の意欲が十分ある場合は、M&Aによる会社売却か、経営改善による業績回復を目指すかを慎重に選択することが重要です。
必ずしも会社売却のよいタイミングになるとは限りませんが、経営方針の検討の結果、会社売却を選択したならば、そのときが会社売却の適切なタイミングとなります。
業績は悪いが経営意欲がある場合は、資本業務提携などのゆるやかなM&Aで会社の独立性を保ち、買い手側の経営資源をうまく活用しつつ業績回復を狙う戦略も有効です。
会社を売るタイミングを逃さないためには
会社売却のタイミングを逃さないためには、原則として早めに準備や検討を行うことが大切です。業界動向などもしっかりチェックしておきましょう。
【会社を売るタイミングを逃さないためには】
- 経営者の高齢化や健康状態を意識する前に検討・準備する
- 経営者の意欲があるうちに検討・準備する
- 業界動向をこまめにチェックしておく
経営者の高齢化や健康状態を意識する前に検討・準備する
会社の経営者は毎日忙しく仕事に取り組んでいるので、会社売却の検討がどうしても遅れがちになります。
「そのうち準備しよう」と思っているうちに高齢になり、健康状態が悪くなってからやっと準備を始めるのは、よくみられる失敗のパターンです。
会社売却は事前準備とM&Aの手続き・交渉を含めると、トータルで数年程度はみておく必要があります。年齢や健康状態を意識する前の段階で、会社売却の検討・準備を始めるのがベストといえるでしょう。
経営者の意欲があるうちに検討・準備する
経営者が仕事に対して意欲がある間は、自分の力でもっと会社を大きくしようと思うのが当然ですし、会社売却について考えないケースがほとんどでしょう。
しかし、最適なタイミングで会社売却するためには、まだ意欲があるうちから将来の会社売却についてある程度の検討や準備をすることが大切です。
今すぐ会社売却する予定はなくても、今できる部分に関しては早い段階から準備しておくと、いざ会社売却を行うときに有利になります。
業界動向をこまめにチェックしておく
会社売却は同業種間で行うことが多いので、自社の業界動向を日頃からきちんとチェックしておくと、会社売却のタイミングをつかみやすいでしょう。
異業種M&Aの場合は買い手側の業界までチェックするのは難しいですが、自社の業界が他業種に興味を持たれているかといった動向を把握しておくことは大切です。
会社を売るメリット・利益を最大化するためには
M&Aによる会社売却は、第一のハードルとして買い手を見つけて成約できるかという問題があり、第二のハードルとしてその後きちんとメリットや利益を得られるかという問題があります。
会社売却というと、成約できればそれで成功と勘違いされることもありますが、実際は会社売却後に買い手との食い違いが起こったり、想定したシナジー効果が得られず失敗したりすることも少なくありません。
会社売却のメリット・利益を最大化するには、買い手をきちんと見つけるための対策に加え、会社売却後も想定した戦略を練ることが重要です。そのための主なポイントは、下に挙げた5つが考えられます。
【会社を売るメリット・利益を最大化するためには】
- できるだけ早い段階から動く
- 会社を売る目的を明確にする
- 磨き上げを行う
- 情報漏えいに注意する
- 譲れない条件を整理する
- M&Aの専門家に相談する
できるだけ早い段階から動く
会社売却は、手続きも複雑で精神的負担も大きいので、後回しにしてしまいがちです。本業が忙しいなかで会社売却も検討していくのは大変ですが、成功のためにはできるだけ早く動いていくことが重要です。
実際に会社売却を実行するのは数年先くらいと思っている段階から、M&A仲介会社の無料相談などを受けるのもよいでしょう。優良な仲介会社なら、すぐに会社売却を検討していなくても親身に相談に乗ってくれるはずです。
会社を売る目的を明確にする
会社売却の目的をはっきりさせておくことは非常に重要です。M&Aは買い手と売り手がwin-winにならなければ成立しないため、買い手の意志を尊重して売り手が妥協する場面も当然でてきます。
その際に、会社売却の目的を明確にしておけば、絶対に譲れない点と妥協できる点がわかりやすくなります。
目的が明確でないままM&Aの手続きを始めてしまうと、成約することが目的化してしまい、会社売却後にトラブルが発生したり、シナジー効果が得られなかったりする結果にもなりかねません。
磨き上げを行う
磨き上げとは、自社がより魅力的にみえるように手入れをすることです。会社売却では事前に会社の磨き上げを行うことで、会社売却の成功率を高めるとともに、最適なタイミングを探りやすくなります。
業務の効率化や負債の整理といった経営面の改善だけでなく、交渉時に買い手が自社を理解しやすいように資料を準備する、必要な書類をすぐ用意できるよう整理整頓しておく、といった作業も立派な磨き上げの一つです。
情報漏えいに注意する
会社売却の手続きは秘密裡に進めていくのが原則で、交渉中に情報漏えいすると会社売却が頓挫することもあります。従業員や取引先、金融機関などに会社売却の事実を伝えるタイミングは、成約した直後がよいです。
情報漏えいを防ぐためには、会社内でうかつに会社売却のことを話したり、仲介会社のアドバイザーが頻繁に出入りしたりするといった、会社売却をにおわせることを行わないことが大切です。
売り手と買い手、およびM&A仲介会社との間では秘密保持契約を締結し、買い手から売り手の情報が漏れたりしないよう対策しなければなりません。
譲れない条件を整理する
会社を売るメリット・利益を最大化するためには、譲れない条件を整理することも欠かせません。
特に、好景気のときや業界再編の動きが出たときは、「もっと提示額が高いオファーがくるかもしれない」と考えがちです。しかし、会社周辺の事業環境は毎日変わるため、結果的にタイミングを逃してしまうこともあります。最初のオファーにおける半分以下の価格で手放す可能性もあるでしょう。
そのため、譲れない条件を整理し、市場や業界の動向を見ながら、ピークのやや手前で満足することをおすすめします。
M&Aの専門家に相談する
M&A仲介会社は相談料を無料にしていることが多いので、積極的に相談を持ちかけて活用することが大切です。
中小企業経営者は、「自社のような小さな会社がM&Aなどできるわけない」と思い込んでいることもあります。しかし、実際はM&Aの多くは中小企業が行っており、小さな会社でも気軽に相談することが最初のステップです。
相談は会社売却を決断した段階ではなく、会社売却するべきか迷っている段階で行いましょう。
仲介会社はM&Aを成約させることで利益をあげますが、優良な仲介会社なら目先の利益は度外視して、売却するべきでない売り手にはその事実を率直に伝えるでしょう。
また、早めに相談して信頼関係を築くことで、会社売却を行うときにスムーズに手続きを進められます。
国が設置している「事業承継・引継ぎ支援センター」を活用するのもおすすめです。事業承継・引継ぎ支援センターは中小企業や小規模な個人事業主を対象としており、各都道府県に窓口が設置されています。
会社を売るタイミングの相談先
M&Aによる会社売却をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、知識や経験の豊富なM&Aアドバイザーが、案件をフルサポートいたします。
成約までのスピードも重視しており、最適な売却タイミングを逃さないよう、アドバイザーが親身になってサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
会社を売るタイミングのまとめ
会社売却には、業績がよいときと悪いときそれぞれに、適切なタイミングがあり、それを踏まえて戦略を立てていくことが成功のポイントとなります。業界動向や経営者の気力・体力などを総合的に勘案し、一番よいタイミングを探ることが重要です。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。