2025年11月25日公開会社・事業を売る

不動産デューデリジェンスの目的は?不動産DDの流れや種類を解説!

不動産デューデリジェンスは不動産投資を行うときや、M&Aでの譲渡対象に不動産が含まれている場合に必要な調査です。この記事では、不動産デューデリジェンスの目的や調査項目の種類、実際の調査がどのように進むのか流れについて詳しく解説します。

目次
  1. 不動産デューデリジェンスについて
  2. 不動産デューデリジェンスを実施する目的
  3. 不動産デューデリジェンスでの調査項目の種類
  4. 不動産デューデリジェンスの流れ
  5. 不動産デューデリジェンスまとめ
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不動産デューデリジェンスについて

M&Aでの譲渡対象に不動産が含まれている場合や、不動産投資を行うときに欠かせないのが不動産デューデリジェンスです。この記事では、不動産デューデリジェンスの詳細について詳しく解説します。

デューデリジェンスとは?

デューデリジェンスとは、英語の「Due(当然の)」「Diligence(努力)」のことで、日本語にすると「当然の努力」という意味になります。

M&Aや不動産投資では、買収側や投資家にとって、買収対象、投資対象として適正な価値があるものかどうかを、投資家や買収側がリスクとリターンを徹底調査することがデューデリジェンスです。

デューデリジェンスには、事業デューデリジェンス、財務・税務デューデリジェンス、法務デューデリジェンス、人事デューデリジェンスなどがあり、M&Aでは必要に応じてデューデリジェンスの種類を選びます。

不動産デューデリジェンスは、対象となる不動産の建物や土地の価値や状態、権利関係、トラブルがないか、といったことを調査するものです。

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不動産デューデリジェンスを実施する目的

不動産デューデリジェンスを実施する目的は、買収や投資対象となっている土地や建物の状態を正確に調査してリスクを把握することです。

不動産には権利関係や土地の境界線トラブル、建物の老朽化や石綿の除去が必要、耐震性に問題があるといったリスクがあるものもあります。

買収前に不動産デューデリジェンスを実施してリスクを把握することで、買収の是非の適正な判断や、問題への早期の対処が可能になるというメリットがあるのです。

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不動産デューデリジェンスでの調査項目の種類

不動産デューデリジェンスで調査する項目の種類をみておきましょう。

土地や建物の物理的側面

物理的側面の調査とは、土地や建物の状態について調べることです。不動産デューデリジェンスでは、不動産そのものについての直接的な理解を深める調査なので、もっとも重要なものです。

具体的には、建物の築年数や劣化具合、石綿の有無、耐震性、土地の地積、地質、岩盤、災害リスク、土壌や地下水の汚染の有無、地下埋蔵物の有無などを調べます。

対処が必要な部分があれば、今後必要となるコストも予測します。

市場価値などの経済的側面

経済的側面の調査で調べるのは、不動産の資産価値です。投資用物件であれば収益性などの経済的な価値も調査します。

資産価値の調査では、公示価格、基準地価、相続税路線価、固定資産税路線価から土地の資産価値を算出します。

投資用物件としての経済的な価値は、対象となる不動産や周辺地域の空室率や家賃相場、不動産市場などを調査して家賃収入と運営支出から収益性を調べます。

権利者や法規制についてなどの法的側面

法的側面の調査で調べるのは、不動産の権利関係と法令違反についてです。

権利関係は、現在の所有権や賃貸借契約の内容だけでなく、売買契約書や登記簿、過去の売買履歴などについて確認します。また、境界線トラブルがないかといったことも権利関係の一環として調べます。

法令違反の調査は、建築基準法や消防法などの法令に違反する点がないかといったことの確認です。建築関連の法令は頻繁に改正されることから、建物を建築、購入した時点では法令違反ではなかったことが、現在では違反に当たるといったこともよくあります。

現在の法令に沿って確認することが重要です。

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不動産デューデリジェンスの流れ

不動産デューデリジェンスを実施するときには、どのような流れで進めれば良いのでしょうか。不動産デューデリジェンスの流れを紹介します。

調査に当たるメンバーを集める

M&Aのデューデリジェンスでは多くの場合、弁護士、会計士、税理士がチームを作って調査にあたります。不動産デューデリジェンスでは、不動産の物理的側面の調査を行うために、土地や建物についての専門家も調査メンバーとして必要です。

建築士、土地家屋調査士、不動産鑑定士などの不動産についての専門家にも調査メンバーに入ってもらい、調査チームを結成しましょう。

なお、不動産デューデリジェンスについて不安がある場合には、デューデリジェンス全般について詳しい、M&Aの専門家に相談することをおすすめします。

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秘密保持契約を締結する

デューデリジェンスを実施するためには、売却側に機密情報を提供して貰う必要があります。特に、投資用物件である場合には、収益性についての資料などが必要です。

提供された資料が外部へ流出しないように、デューデリジェンスを実施する前に必ず秘密保持契約を締結します。秘密保持契約には、提出を求める資料の種類、利用目的、利用期限と返却方法、情報流出が起きた場合の罰則などを記載します。

調査前の準備

調査前に事前の準備を行います。不動産デューデリジェンスでは、土地や建物の隅から隅まで調査していたら、時間も費用も足りません。事前に、調査項目に優先順位を付けて、特に重点的に調査する項目をリスト化しておきます。

また、事前に入手できる登記事項証明書などの資料からわかることをまとめておき、メンバー間で共有しておきましょう。また、不動産の専門家と日程調整も行います。

闇雲に調査を行ってもコストがかかるばかりで収拾がつかなくなるので、事前準備で調査ポイントを確認しておき、実際の調査がスムーズに進められるようにしておきましょう。

具体的な調査の実施

具体的な調査では、不動産の専門家による実地調査と、売却側から提供された機密資料の精査を行います。

実地調査では、土地の地積や境界線の確認、建物の外観や経年劣化の度合いなど、不動産の実際的なところを調査します。また、周辺環境の確認も合わせて行います。

M&Aでのデューデリジェンスの一貫の場合には、他のデューデリジェンスの内容と合わせて、不動産についても売却側の経営者や従業員にインタビューを実施することもあるようです。

報告書の作成

各種の調査が終了したら報告書を作成します。

各担当者や専門家から受け取った報告書を書面にまとめたら、今回調査した不動産が買収に値するかどうか、予定価格の価値があるかどうかを話し合います。

この時点で追加の調査が必要だと判断したら、追加で調査依頼を行いましょう。また、不動産デューデリジェンスで重大な問題が明らかになった場合には、売却側に解決策を求めたり、減額交渉をしたり、破談の決断をすることもあるようです。

【関連】不動産管理会社M&Aのメリット・デメリットと税務対策|2025年最新事例も解説

不動産デューデリジェンスまとめ

不動産には土地や建物の見えない部分での問題が隠れていることがあるために、事業や投資目的での買収を検討する場合には、建築士や土地家屋調査士といった不動産の専門家もメンバーに交えた不動産デューデリジェンスが欠かせません。

調査メンバーをどのように集めたらいいのか、どのようにデューデリジェンスを進めたらいいのかわからない、といった場合には、不動産を含む多方面のデューデリジェンスに詳しいM&Aの専門家に相談してみましょう。

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