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土木・舗装工事業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

​土木・舗装工事業界のM&Aは、買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため慎重に専門家を活用しましょう。

目次

    土木・舗装工事業界のM&A

    土木・舗装工事業界のM&Aとは? 

    土木工事業界とは、道路、橋、水道、堤防、河川、ダム、トンネルなどの社会インフラの建設を中心に行う業界で、社会インフラに関連するため、公共事業の動向に影響を受ける傾向にあります。

    建設業界と近い関係にありますが、大きく区分すると建設業界が土地の上にある上物である建物を作る業界とすれば、土木業界は建物ではなく土地の整理、地下の工事などを行う業界という違いがあります。

    舗装工事業界は、その名の通り道路の舗装を行う、具体的には一般道路、歩道などの整備や日々ダメージを受ける高速道路の維持・修繕等、空港の滑走路の整備などを行う業界です。

    社会インフラは経済の発展のために不可欠であり、定期的なメンテナンスも必要であることから、この役割を担っている土木・舗装工事業界は、社会インフラそのものを支えるとても重要な役割を担っている業界であると言えます。

    業界の特徴としては、建設業界と同様に公共事業や建設需要など、大規模な設備投資需要の影響を受ける点にあります。

    現在、日本では人口減少が続いており、少子高齢化により設備投資やインフラ投資は抑えられる傾向とも考えられる中においても、近年は東日本大震災・台風・豪雨などの自然災害が多くこれに対応した復興需要や、高度経済成長の時期に建設された道路や各種インフラの老朽化が進んでいることから、補修・補強などにより施設を見直す動きも広がっており、公共工事、民間工事ともに堅調な推移が続いており、業界にとっては大きな追い風になっています。

    また、東京オリンピックの開催が近づく中、首都圏を中心にインフラ整備の流れが加速するとも言われており、今後も需要の伸びが想定されています。公共工事は一定数の案件が毎年発生するという点も、この業界の特徴的な点と言えます。

    業界全体としてはオリンピックまでは堅調な伸びが想定される状況にありますが、工事に携わる人手不足は、他の業界と同様に大きな問題となっており、需要はあるものの人員が確保できず受注することができないという状況も発生していると言われています。

    また人手不足は大手企業よりも中小企業において顕著であり、中小企業は公共工事への入札資格が制限されることもあるなど、経営上厳しい状況にある企業も存在します。

    こういった環境の中、人手不足の解消や事業規模の拡大等を目的としてM&Aを実行する企業も増加傾向にあります。

    土木・舗装工事業界のM&Aの現状と動向 

    土木・舗装工事業界は、社会インフラと呼ばれる施設・設備を建設・維持・修繕する業界であり、受注する案件は大きく公共事業と民間工事に分けられますが、昨今の経済状況の堅調な動きを背景に、受注状況も安定的な推移となっています。

    土木・舗装工事業界では現場で働く人材は、比較的若い世代や土木施工管理技士などの特定技能を持つ人材が求められる中、少子高齢化や景気の堅調な推移という環境の下、業界全体として人材不足が顕著となっています。

    特に中小企業では、大手企業に比べて人材採用が困難となる傾向が強く、経営上の大きな課題です。こういった環境の下、人材の確保を目的としたM&Aが増加傾向となっています。

    M&Aにより企業規模を拡大することで経験ある有能な人材を確保し、より効率的な経営を進める、また企業規模の拡大を通じて企業のブランド力を強化し、採用を有利に進めるというケースが多く、業界内におけるプレゼンスの向上を目的とした動きが活発になっています。

    専門的な技能が求められる業界であるため、M&Aにより他社の人材を獲得することは、直接的に企業の品質向上、ブランド力の向上に繋がるため、M&Aは経営上メリットの多い取引であると言えます。

    また、他の業界と同様、経営者の高齢化、後継者不足は大きな問題です。高度成長期に大きく伸びた業界であることから、当時起業した経営者も現在は高齢となっており、事業存続が難しい状況になっています。そこで、事業承継を目的としたM&Aを実行するというケースも増加しています。

    土木・舗装工事業界のM&Aの相場と費用

    M&Aは相対取引、つまり相手側の当事者同士による取引であり、M&Aの譲渡価格は当事者間の交渉により決定されます。そのため、売り手・買い手それぞれのビジネス、財政状態や経営成績、M&Aの目的、M&Aのタイミング等によって譲渡価格は変動します。

    M&A時の譲渡価格の算定方法は、どの業界においてもほぼ共通して方法があり、大きく以下の3つの方法の組み合わせで算定されます。

    市場基準方式

    市場基準方式とは、市場=マーケットの情報に基づき価格を決定することから、マーケット・アプローチと呼ばれる方法です。

    市場における他社の事例を参考に価格を決定する方法です。過去における同業種事例やビジネスの売買情報を参考に譲渡価格を決定する方法です。

    具体的には、業種、事業展開エリア、企業規模、業績、市場での立ち位置などのいくつかの点において近似した特徴を持つ事例を参考にして、検討する事例との比較を行い、譲渡価格を決定します。

    DCF法

    ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)は、将来獲得が想定される収入・キャッシュ(インカム)に基づき価値を算定するため、インカム・アプローチと呼ばれる方法です。

    将来獲得されるキャッシュ・フローに基づいて譲渡価格を評価する方法です。

    M&A相手の事業計画をベースに評価する方法なので、今後の見通しを定量的な数字にどのように織り込むのかによって価値が変わる点に特徴があり、評価に利用する事業計画の精度が高ければ高いほど、事業の価値をより正確に算出できる方法です。

    評価手法の中では、精度が高い方法と言われていますが、一定レベルの計画策定も必要となることから、少し手間がかかる方法です。

    資産基準

    資産基準は、資産と損益の両方の要素を考慮して算定する方式であり、中小企業のM&Aにおいては比較的よく採用される方法です。

    対象企業の資産や負債を現時点で購入したらどれくらいの対価が必要なのか(コストがいくらかかるのか)を前提とした方法であるため、コスト・アプローチと呼ばれる方法です。

    具体的には、対象会社の純資産額をベースに、将来の損益要素を追加で考慮して、計算する方法です。実務上は、対象会社の固定資産の時価から負債を引いた金額に、営業権の価値をプラスすることで算定されます。

    これらはM&A時の譲渡価格の決定方法です。

    しかし、M&Aを実行するには譲渡価格以外にも費用が発生します。具体的には、仲介会社やアドバイザーを利用することによる手数料等のコストです。一般的には相談料、着手金、中間金、成功報酬など、一定の売却価格に応じた手数料がかかります。この水準は、業界によって大きく異なることはなく、売買価格が高くなるほど、高い手数料が必要となりますが、平均で譲渡価格の3~5%程度と言われています。

    中小規模のM&A案件では、完全成功報酬や、定額の手数料を採用している仲介会社もあるため、手数料だけでもかなりの金額となるM&Aを検討する際には、仲介会社・アドバイザーが提示する手数料についても十分に検討する必要があります。

    土木・舗装工事業界の買収とは?買う・買いたい場合

    M&Aの実行による買い手のメリットとしては、事業規模・エリアの拡大、人材の確保などがあります。特に土木・舗装工事業界は地域に密着した事業展開をしていることが多いため、エリア拡大や同一地域での規模拡大の方法としてM&Aを活用するメリットは大きいと言えます。

    事業エリアの拡大

    事業展開の地域を補完するための方策として、M&Aを活用することができます。同一地域、近隣地域、もしくは進出を検討している遠隔地域などで既に事業展開している売り手企業とM&Aを利用して統合することで、自社でエリア拡大を目指すよりも効率的に事業規模・エリアの拡大を図ることができます。

    人材の確保

    土木・舗装工事業界では、従業員に専門的な知識・経験が求められるため、新たな顧客、事業への展開を行う上で、技能を持つ人材は必要不可欠ですが、人材不足が続いている現在の日本の状況において、特定の技能を有する人材を新卒市場、転職市場で採用することは困難です。

    そこで、M&Aを実行することで、特定技能を持つ人材を獲得し、効率的に経営資源の拡充を図ることができます。

    人材不足はどの業界においても共通のテーマでありM&Aは有力な解決策ですが、土木・舗装工事業界においてはより大きなメリットをもたらす方法であると言えます。

    公共事業や民間需要への参入

    土木・舗装工事業界は、公共事業や民間工事などの建設需要の影響を大きく受ける業界ですが、

    企業の多くは公共事業中心、もしくは民間工事中心の事業展開をしています。一方で、別の分野への進出には、規制や顧客とのつながりなど、一定のハードルがあるため相当程度の時間と労力を要します。

    そこで、M&Aを通じて自らと異なる分野に強みを持つ企業と統合することで、時間と労力を節約する形で事業の強化を進めることができます。

    土木・舗装工事業界の売却とは?売る・売りたい場合

    M&Aの実行による売り手のメリットとしては、後継者問題の解消、従業員の雇用確保、経営資源の効率的な運用が考えられます。

    特に経営者の高齢化は、どの業界にも共通した課題ですが、土木・舗装工事業界では、インフラ投資が活発だった時期に起業した経営者が多いため、より高齢化が進んでいる傾向にあることから後継者問題はより切実です。

    これを解消するために、M&Aは有力な方法と考えられます。そのほか、いくつかのメリットがあります。

    後継者問題の解決

    どの業界にも共通しますが、事業の継続のためには、後継者の確保が重要なポイントです。

    特に地域に根差した事業展開をしていることが多い土木・舗装工事業界では、地域状況にもある程度精通した後継者人材が必要となるため、独自に後継者を見つけることは難しいことが多いです。

    この点、M&Aでは条件面を交渉し、相手の情報をよく精査した上で実行するため、求める条件に近い後継者を見つけることが可能となるため、事業存続のための有力な方法と言えます。

    従業員の雇用確保

    事業の存続が難しい状況になった場合、従業員の雇用の継続も困難となるため、経営者にとって非常に大きな悩みです。

    この点、M&Aにより事業の譲受けを見つけることができれば、従業員の雇用を確保することができるため、経営者・従業員の双方にとってメリットがあります。

    特に技能を持つ従業員は、継続して自らの強みを活かすことができるため、従業員のキャリアの観点からもメリットが大きいと言えます。

    経営資源の集中

    M&Aにより不採算部門の売却等を行うと、人材や他の経営資源を他の伸ばすべき部門・ビジネスに利用することができ、経営の効率化を進めることができます。

    土木・舗装工事業界においては、自社の得意地域・分野を明確にすることが重要であるため、経営資源の集中を図ることができるM&Aは売り手にとって、経営上の有用な施策となります。

    創業者利益を獲得できる

    創業者はM&Aによる事業売却を通じて、大きな利益を獲得することができるため、リタイアを考えている創業者にとって大きなメリットがあります。

    土木・舗装工事業界のM&A成功・失敗事例

    M&Aにおける成功・失敗は、買い手・売り手にとって想定されるメリットを上手く享受できたかどうかで決まります。

    成功事例は、想定していてM&A効果を上手く得ている事例であり、失敗事例はその逆です。

    成功・失敗を分けるポイントとしては、事前の入念なリサーチと将来計画の十分な検討、適正な譲渡価格の算定などいくつかの要素がありますが、相対取引であるため、相手をよく知り、信頼関係を構築した上で実行する点が重要となります。

    売り手は後継者問題の解消、買い手は弱点分野の補強という事例は成功例と言えます。具体的には、売り手側には、特定技能を持つ人材が多数おり安定した経営を行っていたものの、後継者がおらず事業の継続に危機感を持っていた中、同じエリアで事業展開しており人手不足を理由に伸び悩んでいた買い手側とのM&Aにより、売り手は後継者問題の解消、買い手は事業規模の拡大と人材の確保というそれぞれに大きなメリットを享受した事例があります。

    一方、失敗例としては、特定技能を持つ人材の獲得を目的としてM&Aを実行したものの、企業文化や待遇面などで従業員の満足度が低下し、結果、離職者が多くなり想定していた効果を得ることができなかったという事例があります。

    一般的なM&Aのメリットとして、買い手にとっての有能な人材の獲得・人手不足の解消、売り手にとっての従業員の雇用の確保という点がありますが、従業員は様々な理由・目的で勤務しているため、M&A前後の離職を避けるためには、それぞれの従業員の待遇面や心理面への十分な配慮が重要であると言えます。

    M&A時に人材の獲得という点を目的とする場合には、目に見えにくいポイントにも十分な配慮が必要である点、注意が必要です。

    まとめ

    土木・舗装工事業界のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
    買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
    大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため専門家を活用しましょう。

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