2023年11月11日更新都道府県別M&A

東北地方のM&A事情や動向は?メリットやデメリットから成功させるポイントも解説!

本記事では東北地方のM&A事情や動向、産業構造から成功事例・注意点まで徹底解説します。東北地方では後継者不足が大きな問題となっており、M&A支援に取り組む地方自治体が多くあります。M&Aを検討中の方は必見です。

目次
  1. 東北地方のM&A事情や動向
  2. 東北地方でM&Aを行う3つの方法
  3. 東北地方のM&Aの4つのメリット
  4. 東北地方のM&Aの3つのデメリット
  5. 東北地方でM&Aを成功させるための4つのポイント
  6. 東北地方のM&Aの成功事例8選
  7. 東北地方でのM&Aは目的を明確にするのが成功のカギ
  8. 東北地方のM&A事情や動向のまとめ
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東北地方のM&A事情や動向

では早速、東北地方のM&A事情や動向を見ていきましょう。産業の特徴も併せてご紹介しますので、M&Aを検討されている企業は参考にしてください。

東北地方の産業の特徴

東北地方の産業の特徴としては、農業や林業などの第一次産業が強い傾向にあります。

関西や中部といった大都市圏よりも生産性が高く、以下の生産業に関しては全国区と比較しても高い水準を保っています。
 

  • 電子部品・デバイス・電子回路
  • 情報通信機械器具
  • 木材・木製品

東北地方のM&Aの現状

東北地方のM&Aの現状としては、経営者の高齢化が進んでおり事業継承を含む会社売却はこれからさらに加速していくと見られています。

東北地方は全国区と比較しても高齢化が進んでおり、後継者不足に悩まされている企業は少なくありません。黒字のまま倒産してしまう企業を救うために行政や地方自治体なども事業継承の支援に乗り出している現状があります。ただ、あくまでも現状ですので年を重ねて改善する可能性があります。

東北地方のM&Aの動向

東北地方のM&Aの動向としては、地方が積極的にM&A支援に取り組んでいる現状があります。

上記でもありましたが、行政や地方自治体なども事業継承支援に乗り出しています。事業継承・引き継ぎ支援センターを設置するなど、後継者不足で悩んでいる中小企業のバックアップをしています。

東北地方でM&Aを行う3つの方法

東北地方でM&Aを行う方法は主に3つあります。

 

  • M&Aマッチングサイトを利用する
  • 金融機関・公的機関に相談する
  • M&Aの専門家に相談する

①M&Aマッチングサイトを利用する

まずは、M&Aマッチングサイトを利用する方法です。

近年、爆発的な成長を遂げているM&Aマッチングサイトを利用することでM&Aを行うことができます。会社の売却・買収を検討している企業が売買相手を探す際に使われるサイトを「M&Aマッチングサイト」といい、全て自分で手続きを行います。M&Aに関する知見がある企業はM&Aマッチングサイトを使って柔軟に案件を探すことが可能です。

M&Aマッチングサイトの代表例としては以下があります。
 

  • M&A総合研究所
  • Batonz
  • TRANBI

多くのM&Aマッチングサイトが台頭してきているので、是非自分に合ったサイトを探してみてください。

②金融機関・公的機関に相談する

続いて、金融機関・公的機関に相談する方法です。

地方銀行や信用金庫などもM&A支援に積極的に取り組んでおり、多くのM&A案件も取り扱っています。特に金融機関・公的機関が保有するM&A案件は大規模なものが多く、数千万円から数億円規模の企業が売買されています。事業規模が大きい企業を売買することができますので、一気に事業成長をしたいという方は金融機関・公的機関に相談することをおすすめします。

③M&Aの専門家に相談する

続いて、M&Aの専門家に相談する方法です。

M&Aの専門家に相談する方法が最もポピュラーであり、最もスムーズにM&Aを進めることができます。一般的にはM&A仲介会社や会計士・税理士などの専門家へ相談することが多く、事業継承案件を探すこともできます。ネットワークを広く持っている専門家へM&Aの相談をすることで、必要な専門家を紹介してくれるケースもありよりM&Aをスムーズに進めることができるようにもなります。専門家へ相談することでM&Aの知見が深まり、最適な売買先が見つけられるメリットもあるでしょう。

東北地方のM&Aの4つのメリット

さて、ここからは東北地方のM&Aのメリットを見ていきます。

 

  • 事業拡大が期待できる
  • コストを削減できる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 経営者の個人保証が解除できる

事業拡大が期待できる

まずは、事業拡大が期待できることです。

M&Aでは買収企業のノウハウや資本を取り込むことができますので、一気に事業拡大をすることができます。また、他にも以下のような資産を譲り受けることになります。
 

  • 事業用資産
  • 不動産
  • 技術
  • 既存取引先
  • 流通網

資本だけでなくネットワークや人材なども引き継ぐことができますので、1から採用活動を行う必要がありません。さらに、M&Aにより事業拡大をしていくことにより以下のメリットも享受できます。
  • 仕入コストの値下げ
  • 設備稼働率の上昇
  • 知名度・ブランド力の向上

コストを削減できる

続いて、コストを削減できることです。

短期的に見ればM&Aはハイコストになりますので、一見すると損をしているように見えます。しかし、長期的に見た際に採用活動や新規市場開拓などのコストをM&Aによりカットできていると考えると、長期的なコストは削減できているといえるでしょう。さらにM&Aは買い手企業の節税にもつながります。

例えば、買収対象の企業が赤字を抱えていた場合だと買い手企業が赤字を引き継ぐことになります。赤字は発生してから7年間は繰越が可能になり、翌年以降に繰り越された赤字は「繰越欠損金」として黒字売上げと相殺することが可能です。マイナスになった分だけ企業の法人税を削減することができます。

従業員の雇用を維持できる

続いて、従業員の雇用を維持できることです。

M&Aをせずに廃業をすると、従業員の雇用が失われます。従業員の雇用が失われるだけでなく既存取引先にも迷惑をかけてしまう恐れがありますので、M&Aにより事業継承をするのは正しい判断だといえます。また、親族内に後継者が不在だったとしても第三者により事業を継続させることができますので、廃業を考えずにM&Aの選択肢を採択したほうがいいでしょう。

従業員の雇用確保や既存取引先の継続など良い影響を与えるのがM&Aです。

経営者の個人保証が解除できる

続いて、経営者の個人保証が解除できることです。

経営者自身もM&Aにより事業継承が完了すれば、利益を得ることができます。売却利益として手元に資産を残すことができるため、廃業するよりも良い選択だといえます。また、M&Aをして経営から退くケースもありますがそのまま経営に携わることもできますので、自分が一線で戦い続ける必要がなくなります。そういった意味でもM&Aには多くのメリットがあります。

東北地方のM&Aの3つのデメリット

一方で東北地方のM&Aのデメリットも見ておきましょう。

  • 売り手・買い手双方が納得するまで時間を要する
  • 既存の顧客から契約を打ち切られる可能性がある
  • 会社に魅力がないと条件で不利になる

売り手・買い手双方が納得するまで時間を要する

まずは、売り手・買い手双方が納得するまで時間を要することです。

M&Aでは多額のお金が動くため、すぐに判断を下すことができません。デューデリジェンス(DD)をはじめとする様々な調査を挟み、M&Aを行うかどうかを決定します。ただ、売り手が「すぐにM&Aをしたい」と思っていても買い手が「もう少し調査をさせてほしい」とSTOPをかけてくるケースも多く、スムーズにM&Aが完遂することはほとんどありません。

既存の顧客から契約を打ち切られる可能性がある

続いて、既存の顧客から契約を打ち切られる可能性があることです。

その企業に属している人材に魅力を感じて取引を継続してくれている企業の場合だと、M&Aを機に契約を打ち切られてしまう可能性があります。企業そのものに魅力があったわけではなく、企業に属している1人の人材に魅力があるようなビジネスモデルだとM&Aをすることにより企業価値が著しく下がってしまう可能性も無視できません。

既存顧客から契約を打ち切られないためにも、M&Aにより人材が流出しないような仕組み作りが必要です。

会社に魅力がないと条件で不利になる

続いて、会社に魅力がないと条件で不利になることです。

企業が企業を売買する際に重視する点は「その企業にしかない魅力」です。資本が潤沢にあるというのも魅力の1つですが、その企業にしかない技術・ノウハウがあるという魅力には劣ります。資本が潤沢にあっても競合優位性が低かったりしてしまうと、M&Aを行った後のライバル競争に負けてしまう可能性もあります。

企業としての魅力がないと東北地方でのM&Aは成功しません。

東北地方でM&Aを成功させるための4つのポイント

東北地方でM&Aを成功させるためのポイントとしては以下の4点です。

  • M&Aのタイミングを逃さない
  • M&A実施後のシナジー効果を考える
  • 自社の価値・評価を理解する
  • 実績のある専門家に相談する

M&Aのタイミングを逃さない

まずは、M&Aのタイミングを逃さないことです。

M&Aは「タイミングが命」といわれますがその通りで、タイミングが悪くM&Aをしてしまうと大きな損失を出してしまう可能性があります。トレンドを見つつ次の世代まで売買する企業が属する市場が成長するのかどうかも見ておく必要がありますし、経営面での判断が必要になります。

M&Aを成功させるには適切なタイミングで適切なM&A資源を投下する必要があります。

M&A実施後のシナジー効果を考える

続いて、M&A実施後のシナジー効果を考えることです。

企業が企業を買収した際、そのあとのことを考えなければなりません。「興味がある市場だったから」「安く売りに出されていたから」など短絡的な理由で買収してしまうより、買収した後に自社の事業にどういった良い影響を与えてくれるのかを考えておきましょう。いわゆる『シナジー効果』が見込まれる企業なのかどうかの判断が必須です。

シナジー効果が見込まれる企業を買収できれば、自社の事業が一気に成長することは間違いありません。

自社の価値・評価を理解する

続いて、自社の価値・評価を理解することです。

自社の市場価値はどれくらいで、客観的な評価はどれくらいあるのかをしっかりと把握しておきましょう。市場を理解していないとM&Aを行う際に安く買い叩かれてしまったり、逆に高過ぎて売れないなんてことになりかねません。上記でもありましたが、M&Aは適切なタイミングで適切なM&A資源を投下できるかが成功の鍵を握ります。

実績のある専門家に相談する

続いて、実績のある専門家に相談することです。

M&Aは法務や財務面で様々な知識が必要となり、自分1人で進めるのはほとんど不可能です。あらゆる知識が必要となるため、総括して進めてくれる実績がある専門家の協力が必要になってきます。例えば、会計士や税理士、M&A仲介会社などの専門家に相談をして必要なところはジョインしてもらうなどの柔軟な対応が必要です。

東北地方のM&Aの成功事例8選

では最後に東北地方のM&Aの成功事例をご紹介していきます。成功事例を見て自社のM&Aに生かしてください。

①デンソーと東北パイオニアEG

デンソーは東北パイオニアEGを約109億円で買収しました。

東北パイオニアEGの親愛車はパイオニアで、ファクトリー・オートメーション(FA)事業を展開していました。買収形態は全額出資子会社で全株式の取得です。

②ミライト・ホールディングスとTTK

ミライト・ホールディングスはTTKを約171億円で買収しました。

ミライト・ホールディングスは情報通信工事の大手であり、TTKは東北地方で情報通信工事を経営しています。ミライト・ホールディングスは株式交換によりTTKを買収しています。

③海外需要開拓支援機構とスパイバー

海外需要開拓支援機構はスパイバーを約50億円で買収しました。

海外需要開拓支援機構はクールジャパン機構が運営しており、スパイバーは慶應義塾大学発のベンチャー企業であり新世代のバイオ素材を開発しています。海外需要開拓支援機構は資本参加という形で、総額50億円の第三者割増増資を引き受けています。

④OCHIホールディングスと太陽産業

OCHIホールディングスは太陽産業を約18億円で買収しました。

三菱ガス化学の親会社である太陽産業は、冷却環境機材販売事業を展開していました。全額出資子会社でキシレン樹脂製造・販売のフドーから約18億円で全株式を取得しています。

⑤ウエルシアホールディングスと丸大サクラヰ薬局

ウエルシアホールディングスは丸大サクラヰ薬局を約145億円で買収しました。

東京都で事業展開するウエルシアホールディングスは調剤薬局を経営している丸大サクラヰ薬局を買収しています。丸大サクラヰ薬局は青森県で事業を展開していました。

⑥メディカルシステムネットワークとアポテック

メディカルシステムネットワークはアポテックを約22.5億円で買収しました。

北海道で事業を展開するメディカルシステムネットワーク。そんなメディカルシステムネットワークは青森県で保険調剤薬局を経営しているアポテックを買収しています。

⑦デジタルキューブとヘプタゴン

デジタルキューブはヘプタゴンを買収しました。

2022年12月1日、神戸市で事業展開するデジタルキューブは青森県で事業展開するヘプタゴンを買収しています。デジタルキューブは本M&Aによりヘプタゴンが保有しているインフラサイドクラウドに関する技術・知見を取り込んでいます。

⑧forestとヒラケドア

ヒラケドアはforestを買収しました。

ヒラケドアは焚き火台などのプロダクトを開発しており、forestの商品開発力やラインナップを取り込むために本M&Aを実施しています。成長支援にも取り組んでいます。

東北地方でのM&Aは目的を明確にするのが成功のカギ

東北地方では、後継者不足が大きな問題となっています。

その分M&Aを実施しやすい環境ではありますが、目的を明確にしていないと成功することは難しいと言えます。「なぜM&Aを実施するのか」を明確化することで、M&Aの確度を高くすることができます。

東北地方のM&A事情や動向のまとめ

今回は、東北地方のM&Aをご紹介しました。

東北地方は産業が強く、多くのM&Aは産業関連で実施されています。産業に関するM&Aを検討されている方は東北地方でのM&Aを検討されてください。

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