M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年8月27日更新都道府県別M&A
東北のM&A成功事例と最新動向|事業承継・事業拡大のポイント
東北地方でM&Aを検討している経営者様向けに、M&Aの現状と成功のポイント、最新の動向、事業承継の対策、そして成功事例を解説します。事業拡大や後継者不足解消にお役立てください。
目次
東北地方のM&A事情や動向
では早速、東北地方のM&A事情や動向を見ていきましょう。産業の特徴も併せてご紹介しますので、M&Aを検討されている企業は参考にしてください。
東北地方の産業構造とM&Aへの影響
東北地方の産業の特徴としては、農業や林業などの第一次産業が強い傾向にあります。
関西や中部といった大都市圏よりも生産性が高く、以下の生産業に関しては全国区と比較しても高い水準を保っています。
- 電子部品・デバイス・電子回路
- 情報通信機械器具
- 木材・木製品
M&Aの現状と東北経済の展望
東北地方では、高齢化による後継者不足が深刻化し、M&Aのニーズが高まっています。2025年問題を見据え、事業承継を円滑に進めるため、国や地方自治体も様々な支援策を展開しています。これらの支援策を活用することで、M&Aをよりスムーズに進めることが可能です。
東北地方のM&Aの動向
東北地方のM&Aの動向としては、地方が積極的にM&A支援に取り組んでいる現状があります。
上記でもありましたが、行政や地方自治体なども事業継承支援に乗り出しています。事業継承・引き継ぎ支援センターを設置するなど、後継者不足で悩んでいる中小企業のバックアップをしています。
中小企業庁は2025年までの事業承継を支援するため、「事業承継・引継ぎ補助金」等を設けています。東北経済産業局も地域独自の支援策を展開しています。(2025年3月時点の情報)
東北でM&Aを成功させるための3つのアプローチ
- 専門性の高いM&Aマッチングサイトを活用する:M&A仲介会社が運営するサイトで、非公開案件を含む多くの情報を得られます。
- 金融機関・公的機関の支援策を検討する:事業承継やM&Aに関する相談窓口や補助金制度などを活用できます。
- M&Aアドバイザーに相談する:経験豊富な専門家に相談することで、最適なM&A戦略を策定できます。
①M&Aマッチングサイトを利用する
まずは、M&Aマッチングサイトを利用する方法です。
近年、爆発的な成長を遂げているM&Aマッチングサイトを利用することでM&Aを行うことができます。会社の売却・買収を検討している企業が売買相手を探す際に使われるサイトを「M&Aマッチングサイト」といい、全て自分で手続きを行います。M&Aに関する知見がある企業はM&Aマッチングサイトを使って柔軟に案件を探すことが可能です。
M&Aマッチングサイトの代表例としては以下があります。
- M&A総合研究所
- Batonz
- TRANBI
多くのM&Aマッチングサイトが台頭してきているので、是非自分に合ったサイトを探してみてください。
②金融機関・公的機関に相談する
続いて、金融機関・公的機関に相談する方法です。
地方銀行や信用金庫などもM&A支援に積極的に取り組んでおり、多くのM&A案件も取り扱っています。特に金融機関・公的機関が保有するM&A案件は大規模なものが多く、数千万円から数億円規模の企業が売買されています。事業規模が大きい企業を売買することができますので、一気に事業成長をしたいという方は金融機関・公的機関に相談することをおすすめします。
③M&Aの専門家に相談する
続いて、M&Aの専門家に相談する方法です。
M&Aの専門家に相談する方法が最もポピュラーであり、最もスムーズにM&Aを進めることができます。一般的にはM&A仲介会社や会計士・税理士などの専門家へ相談することが多く、事業継承案件を探すこともできます。ネットワークを広く持っている専門家へM&Aの相談をすることで、必要な専門家を紹介してくれるケースもありよりM&Aをスムーズに進めることができるようにもなります。専門家へ相談することでM&Aの知見が深まり、最適な売買先が見つけられるメリットもあるでしょう。
M&Aによるメリット:東北企業の成長戦略
さて、ここからは東北地方のM&Aのメリットを見ていきます。
- 新たな市場への進出や事業領域の拡大:M&Aにより、既存事業の強化だけでなく、新たな市場への参入や事業の多角化を実現できます。
- スケールメリットによるコスト削減:経営資源の統合により、生産コストや管理コストの削減効果が期待できます。
- 従業員の雇用維持と人材確保:後継者不足による廃業を回避し、従業員の雇用を守りながら、新たな人材の獲得にも繋がります。
- 経営リスクの分散と事業承継問題の解決:M&Aは、事業承継問題の解決策として有効であり、経営リスクの分散にも貢献します。
M&Aにおけるリスクと注意点
- M&Aプロセスは複雑で時間を要する:デューデリジェンスや契約交渉など、M&Aには多くのプロセスがあり、完了までには時間を要します。
- 企業文化の衝突や従業員の反発:M&A後には、企業文化の違いによる衝突や従業員の反発が生じる可能性があります。事前の丁寧なコミュニケーションが重要です。
- 想定外の負債やリスクの発覚:デューデリジェンスで発見できなかった負債やリスクが、M&A後に発覚する可能性も考慮しなければなりません。
東北地方でM&Aを成功に導くための4つの戦略
東北地方でM&Aを成功させるためのポイントとしては以下の4点です。
- M&Aのタイミングを逃さない
- M&A実施後のシナジー効果を考える
- 自社の価値・評価を理解する
- 実績のある専門家に相談する
M&Aのタイミングを逃さない
まずは、M&Aのタイミングを逃さないことです。
M&Aは「タイミングが命」といわれますがその通りで、タイミングが悪くM&Aをしてしまうと大きな損失を出してしまう可能性があります。トレンドを見つつ次の世代まで売買する企業が属する市場が成長するのかどうかも見ておく必要がありますし、経営面での判断が必要になります。
M&Aを成功させるには適切なタイミングで適切なM&A資源を投下する必要があります。
M&A実施後のシナジー効果を考える
続いて、M&A実施後のシナジー効果を考えることです。
企業が企業を買収した際、そのあとのことを考えなければなりません。「興味がある市場だったから」「安く売りに出されていたから」など短絡的な理由で買収してしまうより、買収した後に自社の事業にどういった良い影響を与えてくれるのかを考えておきましょう。いわゆる『シナジー効果』が見込まれる企業なのかどうかの判断が必須です。
シナジー効果が見込まれる企業を買収できれば、自社の事業が一気に成長することは間違いありません。
自社の価値・評価を理解する
続いて、自社の価値・評価を理解することです。
自社の市場価値はどれくらいで、客観的な評価はどれくらいあるのかをしっかりと把握しておきましょう。市場を理解していないとM&Aを行う際に安く買い叩かれてしまったり、逆に高過ぎて売れないなんてことになりかねません。上記でもありましたが、M&Aは適切なタイミングで適切なM&A資源を投下できるかが成功の鍵を握ります。
実績のある専門家に相談する
続いて、実績のある専門家に相談することです。
M&Aは法務や財務面で様々な知識が必要となり、自分1人で進めるのはほとんど不可能です。あらゆる知識が必要となるため、総括して進めてくれる実績がある専門家の協力が必要になってきます。例えば、会計士や税理士、M&A仲介会社などの専門家に相談をして必要なところはジョインしてもらうなどの柔軟な対応が必要です。
M&A後の統合プロセスを成功させるためのポイント
統合計画の策定
M&A後の統合プロセスをスムーズに進めるには、綿密な計画策定が不可欠です。統合計画では、目標設定、スケジュール、責任分担、リスク管理などを明確に定義します。統合後のシナジー効果を最大化するため、財務、人事、ITシステムなど、多岐にわたる側面を考慮した計画を立てましょう。
文化の融合
M&Aに伴う企業文化の融合は、統合プロセスにおける重要な課題です。異なる企業文化を持つ組織が統合する際には、相互理解と尊重を促進する施策が重要です。従業員同士の交流機会を設けたり、共通の価値観を構築するための研修プログラムを実施するなど、文化的な融合を図るための取り組みを積極的に行いましょう。
コミュニケーションの徹底
M&A後の統合プロセスでは、経営陣から従業員まで、あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションが重要です。統合の目的、進捗状況、今後の展望などを透明性高く伝えることで、不安や混乱を最小限に抑え、円滑な統合を実現できます。社内報や説明会などを活用し、多様なコミュニケーションチャネルを通じて情報を発信しましょう。
東北地方におけるM&Aの成功事例
では最後に東北地方のM&Aの成功事例をご紹介していきます。成功事例を見て自社のM&Aに生かしてください。
①デンソーと東北パイオニアEG
デンソーは東北パイオニアEGを約109億円で買収しました。
東北パイオニアEGの親愛車はパイオニアで、ファクトリー・オートメーション(FA)事業を展開していました。買収形態は全額出資子会社で全株式の取得です。
②ミライト・ホールディングスとTTK
ミライト・ホールディングスはTTKを約171億円で買収しました。
ミライト・ホールディングスは情報通信工事の大手であり、TTKは東北地方で情報通信工事を経営しています。ミライト・ホールディングスは株式交換によりTTKを買収しています。
③海外需要開拓支援機構とスパイバー
海外需要開拓支援機構はスパイバーを約50億円で買収しました。
海外需要開拓支援機構はクールジャパン機構が運営しており、スパイバーは慶應義塾大学発のベンチャー企業であり新世代のバイオ素材を開発しています。海外需要開拓支援機構は資本参加という形で、総額50億円の第三者割増増資を引き受けています。
④OCHIホールディングスと太陽産業
OCHIホールディングスは太陽産業を約18億円で買収しました。
三菱ガス化学の親会社である太陽産業は、冷却環境機材販売事業を展開していました。全額出資子会社でキシレン樹脂製造・販売のフドーから約18億円で全株式を取得しています。
⑤ウエルシアホールディングスと丸大サクラヰ薬局
ウエルシアホールディングスは丸大サクラヰ薬局を約145億円で買収しました。
東京都で事業展開するウエルシアホールディングスは調剤薬局を経営している丸大サクラヰ薬局を買収しています。丸大サクラヰ薬局は青森県で事業を展開していました。
⑥メディカルシステムネットワークとアポテック
メディカルシステムネットワークはアポテックを約22.5億円で買収しました。
北海道で事業を展開するメディカルシステムネットワーク。そんなメディカルシステムネットワークは青森県で保険調剤薬局を経営しているアポテックを買収しています。
⑦デジタルキューブとヘプタゴン
デジタルキューブはヘプタゴンを買収しました。
2022年12月1日、神戸市で事業展開するデジタルキューブは青森県で事業展開するヘプタゴンを買収しています。デジタルキューブは本M&Aによりヘプタゴンが保有しているインフラサイドクラウドに関する技術・知見を取り込んでいます。
⑧forestとヒラケドア
ヒラケドアはforestを買収しました。
ヒラケドアは焚き火台などのプロダクトを開発しており、forestの商品開発力やラインナップを取り込むために本M&Aを実施しています。成長支援にも取り組んでいます。
東北地方でのM&Aは目的を明確にするのが成功のカギ
東北地方では、後継者不足が大きな問題となっています。
その分M&Aを実施しやすい環境ではありますが、目的を明確にしていないと成功することは難しいと言えます。「なぜM&Aを実施するのか」を明確化することで、M&Aの確度を高くすることができます。
東北地方のM&A事情や動向のまとめ
今回は、東北地方のM&Aをご紹介しました。
東北地方は産業が強く、多くのM&Aは産業関連で実施されています。産業に関するM&Aを検討されている方は東北地方でのM&Aを検討されてください。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。