2020年2月7日更新節税

法人税対策

法人税対策を実施する際は「実施するタイミングと期間」「出費の有無」の二点について確認する必要があります。ここでは、法人税対策における欠損金の利用などの具体的な方法を紹介しています。自社に合った対策を選択し、賢く節税しましょう。

目次
  1. 法人税とは?
  2. 法人税対策を立てるポイント
  3. 具体的な法人税対策
  4. 追徴課税とは?
  5. まとめ
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法人税とは?

法人税とは?

会社経営をしている中で経営者が最も関心を持つ税金の中に、会社の利益に対して課税される「法人税」があります。「法人税」とは、文字通り法人に適用される税金のことで、法人が事業運営で獲得した利益に対して課される税金のことを言います。

法人税は損益計算書の「税引前当期純利益」をさし、税引前当期純利益が0円以下つまり赤字であれば必然的に法人税納付は免除されるという仕組みになっています。また「法人」には、株式会社だけでなく銀行や協同組合なども該当しますが、NPO法人や社団法人など営利目的でない事業には課税されません。

M&Aにかかる法人税

M&Aの際は、M&Aの実施方法によって税務負担に差が生じます。たとえば、株式譲渡を用いる際、譲渡側が法人である場合は課税されますが、譲受側は課税されません。また、譲渡側が個人である場合は、個人株主に課税されます。

このように、M&Aの際はさまざまな税金が課されるため、納める金額を低減するためには節税の工夫が重要になります。特に法人税においては、金額が大きくなる可能性があり無視できるものではありません。

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法人税対策を立てるポイント

法人税は何らかの対策をしなければ、支払うだけで会社の資金を減らすものです。そのため、どの経営者も何らかの節税施策を立てていることでしょう。

法人税対策にはさまざまな方法があり、自社に合ったものを選ぶ必要があります。ここでは、法人税対策をする上で、押さえておきたいポイントを紹介します。

  1. 実施するタイミングと期間
  2. 出費の有無

①実施するタイミングと期間

法人税対策を行う場合は、はじめに「いつやるのか」というタイミングが重要になってきます。なぜなら、法人税対策は、種類によって実行するタイミングが異なるからです。毎年常にやり続ける対策もあれば、決算期に帳尻を合わせる目的で実行する対策、赤字・黒字になった年に調整する目的で行う対策もあります。

つまり「いつやるのか」を決定するだけで実行する手段も変わってきます。そのため、どのタイミングで法人税対策を実施するのかを決めておくことが重要です。

また、法人税対策の種類が変われば期間も変わってきます。法人税対策の中には、節税効果が長期的に続くものもあれば、法人税の支払うタイミングをずらすだけの一時的な効果しか期待できないものもあります。

法人税を節税したいのであれば、どれだけの期間の間効果を発揮して欲しいのかをしっかり踏まえた上で対策を実施しましょう。

②出費の有無

法人税対策の中には、ある程度の出費が前提になっているものもあります。出費を伴う法人税対策が必ずしも効果的であるとは限りません。しかし、有効的な法人税対策を取るためには、出費が必要となるケースも十分に考えられます。

ただし、節税対策への出費が困難である場合には、こうした対策の実行は困難です。出費が発生することで、かえって会社の状況が悪化する可能性もあります。法人税対策を実施する際は、出費を伴う法人税対策が本当に必要なのか、実行可能なのかを事前に考えておくことが重要です。

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具体的な法人税対策

法人税対策には非常に多くの種類があるため、今回は代表的な法人税対策をピックアップして解説していきます。ここで説明する法人税対策は、それぞれ節税効果や実行するタイミングが異なります。自分の会社に合ったものを選択しましょう。

①未払い費用の計上

法人税対策の中で最もポピュラーな方法が「未払い費用の計上」です。決算時の翌月に支払う予定になっている費用を、その年度の費用として計上すると損金扱いにすることができ、損金分を節税することができるのです。

その際、計上可能な未払い費用は、業務に関連しているものになります。事務所の家賃や電気代、水道代、通信費などさまざまな費用を計上することができるため、自社の費用についてしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

とりわけ「人件費」に関しては、最も節税効果が大きいため、未払いの給与や出張費用などを利用すれば、有効的に節税することができます。また、「未払い費用の計上」による法人税対策は、決算に間に合う直前のタイミングでも行うことができます。

②役員報酬の調整

「役員報酬の調整」も法人税対策になります。通常、役員報酬は企業の利益に応じて決定されます。しかし、役員報酬を従業員と同じ定額制にしておくことで損金として扱うことができ、法人税の節税効果が期待できるのです。

また、法人税と所得税の税率差異を利用し、役員報酬を利益に対して多めにするという対策もあります。このように、あらかじめ法人税の節税を意識して役員報酬を設定しておけば、有効的な対策となります。

一方、「役員の賞与」については注意が必要です。一般の従業員であれば、賞与を支払う形で法人税を節税できますが、この方法を役員に活用することは禁止されています。よって、役員の賞与を法人税対策に用いる場合は「事前確定届出給与」を活用しましょう。

「事前確定届出給与」は、事前に金額や支払い時期を税務署に届け出し、その支払い時期に賞与を払うものです。そうすれば、役員の賞与も損金として扱えるようになります。ただし、事前確定届出給与は、会計年度の最初の4ヶ月目までに届け出る必要があるため注意しましょう。

また、届け出した金額と支給時期は決して先延ばしにしてはいけません。事前確定届出給与は、あらかじめ計画した通りに実行する必要があります。したがって、緊急で手配する法人税対策としては不向きな方法であると言えます。

③賞与の支給

従業員向けの賞与を決算時期に合わせて支給すれば、緊急時に有効な法人税対策になります。なぜなら、決算の時期が終わる寸前であっても、賞与は決算賞与として支給できるからです。ただし、決算時期の前に従業員全員に賞与金額を共有し、翌年度の最初の1ヶ月以内までに支給する必要があります。

また、役員の場合と違って、事前確定届出給与にしておく必要はありません。つまり、法人税節税のための帳尻合わせができるのです。賞与支給により従業員もモチベーションが上がるため、一石二鳥の法人税対策でもあります。

➃欠損金の利用

企業が赤字の場合は、欠損金を利用して法人税を節税することができます。欠損金とは、赤字になっている分のお金のことです。その欠損金を税務署に申告すれば、法人税を節税することができます。

ただし、欠損金を使う場合、前年度が黒字あるいは決算する年度は黒字である必要があります。前年度が黒字であるケースでは、そこから欠損金を差し引けば、その分法人税を還付される「繰越還付」を活用します。一方、その年が黒字だった際は、以前の欠損金を利用して法人税控除を受けることが可能です。

このような控除を「繰越控除」と呼びます。しかし、欠損金の有効活用による法人税対策にはいくつか注意点があります。繰越控除は9年度に渡って欠損金を適用できますが、繰越還付は前年度の黒字にしか適用されません。そのため、2年度以上前の黒字には適用されないため注意が必要です。

⑤事業年度の調整

法人税対策には「事業年度そのものを調整する」という方法もあります。この場合、売り上げが最も上がる時期に事業年度を設定します。

決算する時期は定款で決められています。そのため、定款を変えた上で税務署に届け出る必要があるのです。しかし、都合の良いタイミングで事業年度を設定すれば、繁忙期と決算時期を先延ばしにできるので、節税対策する時間を確保することができます。

また、その年度の利益も把握しやすくなるので、最適な法人税対策を選択することができます。一見裏技のような方法ですが、正当な手続きを経れば、合法的な手段として認められている法人税対策です。

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追徴課税とは?

法人税対策を実施することは大変重要なことです。しかし、経費の計上や利益移転など、税金を払いたくない一心で軽率な判断をすると「追徴課税」が課せられ、必要以上に税金を支払うことになりかねません。

ここでは、「追徴課税」について説明していきます。「追徴課税」とは、申告した所得税や法人税が、実際よりも少なかった場合や納税が遅延した場合に加算される税金のことです。この場合、不足していた税金だけでなく、「附帯税」の納付が必要になります。附帯税とは、以下の4つのことを言います。

  1. 過少申告加算税
  2. 無申告加算税
  3. 不納付加算税
  4. 重加算税

①過少申告加算税

過少申告加算税とは、申告書に記載された納税額が過少であった場合に課される附帯税です。しかし、税務署の税務調査通知が来る前に修正申告した場合には課されません。

税務調査などにより、納付額が過少であると予見できた段階(更正の予知)以後に修正申告をした場合に、本来納めるはずであった税金の10%が課されます。

②無申告加算税

「無申告加算税」とは、申告期限内に申告をしなかった場合に課される附帯税で、期限後申告があった場合や期限後申告・決定についての修正申告・更正があった場合に、本来納めるはずであった税額に対して課されます。

③不納付加算税

「不納付加算税」とは、源泉徴収などによる国税が法定納期限までに完納されなかった場合に課せられる附帯税です。遅延日数に関わらず、納めるはずだった源泉所得税の10%が課されます。しかし、自主的に納付した場合は、源泉所得税の5%となります。

➃重加算税

「重加算税」とは事実の仮装や隠蔽が発覚した課せられる附帯税で、税率は35~40%にもなります。また、重加算税が課せられた場合、調査期間が最長7年間に延長され、税務調査の頻度が増える傾向にあります。万が一に銀行に見つかれば、資金調達の大きな障害となりますので注意しましょう。

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まとめ

法人税対策は、企業の内情をしっかりと把握して初めて実行できます。未払いの費用や企業の利益を常日頃把握し、適切に管理できるようにしておくことで、確実に法人税を節税することができるのです。

また、経営が厳しく法人税の支払いが厳しい場合は、欠損金を利用した節税対策を立てることができます。自社に合った法人税対策を実施して賢く節税しましょう。

要点をまとめると下記になります。

・法人税とは

 →法人が事業運営で獲得した利益に対して課される税金

・法人税対策を立てるポイント

 →実施するタイミングと期間、出費の有無

・具体的な法人税対策

 →未払い費用の計上、役員報酬の調整、賞与の支給、欠損金の利用、事業年度の調整

・追徴課税とは

 →申告した所得税や法人税が、実際よりも少なかった場合や納税が遅延した場合に加算される税金のこと

・附帯税とは

 →過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税

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