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造船業・重機・プラント業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

造船業・重機・プラント業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

造船業・重機・プラント業界とは

近年多くの業界で活発化しているM&Aは、事業強化や新規事業への参入といった様々な目的を実現できる手法です。 造船業・重機・プラント業界でも、M&Aによってサービス体制の強化や事業拡大、新規参入などを図るケースが見られます。 以下、このような造船業・重機・プラント業界のM&Aについてご紹介します。
まずは造船業・重機・プラント業界の特徴・動向からおさえておきましょう。

造船業・重機・プラント業界の特徴

造船と重機は、しばしば同じ区分けとして表現されます。 「造船・重機大手」といった表現を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 造船・重機大手としては、三井E&Sホールディングス(旧:三井造船)や住友重機械工業などの企業が挙げられます。 また、プラント(製造設備・大型機械)にかかわるプラント業界も、造船・重機と深く関係しています。 以下、「造船業・重機・プラント業界」として、その業界動向やM&A事例について整理していきます。

造船業・重機・プラント業界の定義

造船業界

造船業は船舶を製造する産業のことを表し、旅客輸送船や貨物輸送船などの設計・製造を行います。 こうした事業を行う造船メーカーなどが主体となり、造船業界を形成しています。

重機業界

重機というのは、重工業や建築・土木などで使用される機械・建機のことをいいます。 重量のある大きめの機械となり、この重機の製造などを行う業界が重機業界です。

プラント業界

プラントは、製造設備・大型機械を意味する言葉です。 このプラントの設計やメンテナンスなどを行う業界がプラント業界となります。

造船業・重機・プラント業界の主な動向

発展途上国や新興国における開発、貨物輸送などの活発化により、一時期は造船・重機業界の活性化も目立ちました。 一方で、近年は燃料価格の高騰や不況による需要減少といった要因もあり、市場の停滞も起こっています。 最近は市場の回復傾向も見られますが、造船についてはいわゆる「船腹過剰」の状態が続いていること、造船メーカーとしてのシェアを中国や韓国などの国が伸ばしていることなども踏まえ、今後の業界動向には不透明な部分が多いと言われています。 一方で、こうした状況の中、環境や省エネ分野の事業の展開・強化、プラントなどのサービス体制の強化などを図る企業も見られます。 市場の不透明がしばしば話題にはなりますが、造船業・重機・プラント業界ではまだまだ伸びる分野もあり、業界を形成する各社の今後の事業戦略に注目されます。

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡背景

事業戦略として既存の事業の強化・拡大、新規事業への参入などを図る際に、M&Aを検討する企業も増えています。
今後の市場動向に不透明な部分も見られる中、M&Aによって事業の強化・拡大、新分野への参入を実現することには大きなメリットがあります。 例えば新分野の事業を開始する場合、自社だけで一から事業を始めると時間や手間がかかりますが、その事業に強みのある企業を買収すれば、比較的短期間で新規参入が可能となります。 また、同業者同士のM&Aによって、双方のノウハウやサービス体制などを活かす形で事業の強化・拡大につなげることもできます。 M&Aによって実現できるこのようなメリットは、現在の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると、非常に大きな意味があります。 そして、業界大手の企業がこうしたM&Aを積極的に行っていることも、造船業・重機・プラント業界のM&A動向の大きな特徴です。
このようなM&A事例について、詳しくは後述します。

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

売却を行うケース

売却を成功させるには、自社の魅力・強みはわかりやすく伝える必要があります。 特に既存事業の強化や新規事業への参入事例も多い造船業・重機・プラント業界のM&Aでは、買い手が必要とする事業を売り手が展開していることが大きなアピールポイントです。 その事業内容をわかりやすく伝え、相手企業のニーズとマッチすれば、売却を成功に導くことができます。 そのためにも、自社の事業・強みを事前に整理しておき、しっかりアピールできる体制を整えておきましょう。

買収を行うケース

買収によって事業の強化や新規事業の開始を実現したい場合、自社の事業と高いシナジー効果を発揮できる売り手を探さなくてはなりません。 自社が強化したい事業は何か、新しく開始したい分野はどこかといった点を整理し、相手企業を絞っていく必要があります。 特に今後の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると、新たな需要取り込みのための事業戦略は必須であり、その一環として買収も効果的な手法となるわけです。 こうした買収を成功させるためにも、相手企業の事業内容、サービス体制、そして実績などを分析したうえで、自社の目的に合った企業を見つけましょう。

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

目的をはっきりさせること

M&Aが活発化しているからといって、やみくもにM&Aを実行すれば事業が成長するわけではありません。 M&Aによって自社を成長させるには、「M&Aによって何を実現したいか」という目的が明確でないといけないのです。 M&Aの目的がはっきりしていれば、その目的に沿ったM&A戦略を策定し、自社にとって最適なスキームによるM&Aを実行できます。 反対に、M&Aの目的が曖昧であれば、M&A戦略やスキームも曖昧になります。 自社に適さない戦略・スキームのもとでM&Aが行われれば、かえって損失が発生することもあるのです。 これでは、M&Aの費用がかかっただけで、事業上のメリットがなくなってしまいます。 M&Aはもともと様々なメリットを享受できる手法です。 ただ、そのM&Aで失敗しないためには、目的を明確にしたうえで最適なスキームによるM&Aを実現しなくてはなりません。

M&Aの対象は丁寧に選ぶこと

売却は相手に経営を任せることになり、買収は相手企業を傘下に迎える形になります。 いずれの場合も、相手企業は信頼できる企業でなければなりません。 M&A後のトラブルを防ぐためにも、相手は慎重に見極める必要があるのです。 相手企業の事業内容や事業方針、経営状況など、様々な視点から総合的に判断し、丁寧に選ぶことが大切です。 一方で、ふさわしい相手企業が見つかったら、他の企業に先を越される前に、 アプローチは早めに行う必要があります。

専門家のサポートはしっかりと受けること

M&Aの手続きを進めるにあたっては、法務、税務、財務などの専門知識が求められます。 また、相手企業との交渉力ももちろん必要です。 こうした専門的な手続きを自社だけで進めることは難しく、トラブルの発生につながるおそれもあります。 手続きを問題なくスムーズに進めるためにも、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートはしっかりと受けるようにしましょう。

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場

造船業・重機・プラント業界のM&Aは、対象事業や会社の規模が幅広い傾向があり、M&A事例も多様化しています。 特に今後の市場動向を踏まえ、新たな需要取り込みを目指すM&Aが加速すると考えれば、今以上に事例は多様化するでしょう。
そのため、M&Aの相場・費用を一概に把握することは難しいと言えます。 ただ、ある程度の相場・費用の目安をつけておかないと、想定外の費用の発生といったトラブルにつながるおそれがあります。 こうした事態を防ぐためには、自社の状況と似た事例を詳しく分析し、相場・費用の目安をつける必要があるのです。
具体的には、事例ごとにM&Aの目的、M&Aの当事者となる会社の規模、対象事業の規模、業績、従業員の数、M&Aのスキームなどを整理したうえで、自社と似ている事例は徹底的に分析し、相場・費用を判断することが大切です。

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の事例5選

住友重機械工業によるラファートグループの子会社化

2018年5月、造船・重機大手の住友重機械工業(東京都品川区)は、イタリアの産業用モータメーカのラファートとその持株会社の株式などを取得し、子会社化することを発表しました。 買収額は約220億円とされ、同年6月にラファートとその持株会社の株式取得が完了しています。 ラファートは高効率磁石モータや誘導モータなどの幅広い製品を扱い、オートメーションや省エネ分野に注力した事業展開を行っています。 このラファートグループを子会社化したことで、住友重機械工業は電機・制御分野での事業領域の拡大・強化を実現しました。 住友重機械工業のギヤ製品とラファートの各種モータやドライバ製品を組み合わせるほか、ラファートが持つ高効率磁石モータなどのコア技術を住友重機械工業の製品にも活用するとしています。

日立造船がスウェーデン市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備を買収

2018年4月、環境プラント大手の日立造船(大阪府大阪市)は、子会社であるHitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、HZI)がスウェーデンのヨンショーピング市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備「JEBIO1」を買収したことを発表しました。 日立造船は子会社を通じ、メタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入した形になります。 また、2019年3月には同市内の既存施設・設備の代替として、コンポガス技術を用いたバイオガスプラントの建設が着工されました。 年間4万トンの有機性廃棄物を処理し、35GWhのバイオガスを生成するこの新プラントは、2020年末に稼働開始予定とされています。 ヨンショーピング市は有機性廃棄物のリサイクルや液化バイオガスの創出などを進め、スウェーデンが目指す2045年までのカーボンニュートラル化に大きく貢献しています。 同市内で新プラントを稼働するHZIも、今後の事業展開によって温室効果ガス排出の削減に貢献するとしています。

今治造船による南日本造船の事業承継

2018年1月、今治造船(愛媛県今治市)による南日本造船(大分県臼杵市)の事業承継が発表されました。
南日本造船は三井造船(現三井E&Sホールディングス)が親会社となる造船会社でしたが、事業承継にあたり、三井造船と商船三井が所有する南日本造船の株式を今治造船が取得する形となりました。 南日本造船は会社分割によって新旧会社に分割され、同年4月に今治造船グループの新笠戸ドック(山口県下松市)が新しい南日本造船の株式を取得する形で事業を引き継いでいます。 これにより、「南日本造船株式会社」から「株式会社南日本造船」へ全事業が承継され、南日本造船は大手の今治造船の傘下として事業を継続しています。

新興プランテックによる港南通商の子会社化

プラントメンテナンス大手の新興プランテック(神奈川県横浜市)は2017年11月、産業用設備の高圧洗浄業務を行う港南通商(神奈川県秦野市)の子会社化を発表しました。 新興プランテックはプラントメンテナンス事業をコア事業として、メンテナンス事業の強化を受注戦略として掲げていました。 港南通商の子会社化も、こうした戦略の一環として行われています。 港南通商はもともと新興プランテックの協力会社でもあり、新興プランテックのプラントメンテナンス事業の洗浄技術サービス分野で重要な役割を担っていました。 この港南通商を子会社化したことで、新興プランテックは洗浄技術サービス体制を強化させ、メンテナンス事業の拡大につなげています。

三井造船による加地テックの子会社化

造船・重機大手の三井造船(現:三井E&Sホールディングス、東京都中央区)は2017年1月、持ち株法適用会社であった加地テック(大阪府堺市)の子会社化を発表しました。 取得総額は約11億円とされ、同年TOBによる連結子会社化が完了しています。 加地テックは空気・各種ガスの高圧・超高圧の小型RCを主力製品としており、RCに関する高い技術力に強みがあります。 また、三井造船と加地テックは、両社のRC事業拡大などを目的として2015年に資本業務提携を行っていましたが、対象市場の違いによる販売戦略・開発戦略の差異などもあり、事業戦略の統合の必要性が高まっていました。 こうした状況の中で加地テックの連結子会社化が行われ、グループとしてRC事業が一体化される形となりました。

まとめ

造船業・重機・プラント業界では今後の成長が期待される分野もあり、業界で活躍する多くの企業が様々な事業戦略を策定しています。
こうした中でM&Aを検討する企業も増えており、既存の事業の強化・拡大、新規事業の開始といった目的を実現するためのM&Aが活発化しています。
例えば、同業者同士のM&Aによって双方のノウハウなどを活かし、事業を強化・拡大するといったケースです。
また、比較的短期間で新規分野への参入を実現するため、M&Aを活用する企業もあります。 特に業界大手の企業がこのようなM&Aに積極的な姿勢が見られ、M&Aも含めた今後の業界動向に注目されています。 造船業・重機・プラント業界のM&Aを考える際には、こうした業界動向も踏まえ、それぞれの事例を分析しつつ、検討を進めることが大切です。

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