2021年5月13日更新業種別M&A

造船業・重機・プラント業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

造船業・重機・プラント業界には今後の成長が期待される分野もあり、造船業界で活躍する多くの企業がさまざまな事業戦略を策定しています。こうした中でM&Aを検討する企業も増えており、既存事業の強化・拡大や新規事業の開始などの目的を掲げたM&Aが活発化しています。

目次
  1. 造船業・重機・プラント業界とは
  2. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡背景
  3. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
  4. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
  5. 造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット
  6. 造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット
  7. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
  8. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選
  9. 造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例
  10. 造船業・重機・プラント業界のM&Aまとめ
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造船業・重機・プラント業界とは

造船業・重機・プラント業界とは

近年多くの業界で活発化しているM&Aは、事業強化や新規事業への参入などさまざまな目的を実現できる手法として認知されています。造船業・重機・プラント業界においても、M&Aによってサービス体制の強化・事業拡大・新規参入などを図るケースが目立っている状況です。

本記事では造船業・重機・プラント業界のM&Aについて幅広く取り上げますが、まずは造船業・重機・プラント業界の特徴・動向を紹介します。

造船業・重機・プラント業界の特徴

造船と重機は、「造船・重機大手」という言葉のようにしばしば同じ分類に位置づけられます。造船・重機大手としては、三井E&Sホールディングス(旧:三井造船)・住友重機械工業などの企業が代表的です。

また、プラント(製造設備・大型機械)を取り扱うプラント業界も、造船・重機と深く関係しています。 ここからは、「造船業・重機・プラント業界」について、業界動向・M&A事例をまとめました。

造船業・重機・プラント業界の定義

ここでは、造船業・重機・プラント業界の定義について、順番に取り上げます。

造船業界

造船業界とは、船舶を製造する企業群のことです。造船業を展開する企業は、旅客輸送船や貨物輸送船などの設計・製造を行います。こうした事業を行う造船メーカーなどが主体となって、造船業界は形成されているのです。

重機業界

重機業界とは、重工業や建築・土木で使用される機械・建機の製造などを手掛ける企業群のことです。重機業界に属する企業は、特に重量のある規模の大きい機械を製造しています。

プラント業界

プラント業界とは、製造設備・大型機械の設計・メンテナンスなどを手掛ける企業群のことです。

造船業・重機・プラント業界の最新動向

〈日本における新造船の受注量・竣工量の推移(万総トン)〉(出典:一般社団法人 日本造船工業会-造船関係資料)

〈日本における新造船の受注量・竣工量の推移(万総トン)〉(出典:一般社団法人 日本造船工業会-造船関係資料)

一般社団法人 日本造船工業会によると、日本の造船業における受注量は782万総トン、竣工量は1,622万総トン(2019年実績)です。また、2020年の受注量は2019年の1/2以下に減少しており、日本では新規受注がほとんどなく非常に厳しい状況に陥っていることもわかっています。

従来の造船業・重機業界では、発展途上国や新興国における開発・貨物輸送などが盛んに行われたことで、活性化が目立っていました。しかし近年では、燃料価格の高騰・不況による需要減少・コロナウイルス感染拡大などの影響を受けて市場の停滞が発生しています。

最近は市場の回復傾向も一部見られるものの、造船業界では「船腹過剰」の状態が継続している点や、造船メーカーとしてのシェアを中国・韓国などの国が伸ばしている点などを受けて、今後の業界動向に不透明感が目立つと懸念されています。

とはいえ、この状況下で、環境・省エネ分野の事業展開・強化やプラントのサービス体制強化などを図る企業が多く見られます。市場の不透明がしばしば話題にはなりますが、造船業・重機・プラント業界では依然として伸長が期待される分野もあり、業界を形成する各社の今後の事業戦略が注目されている状況です。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡背景

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡背景

造船業・重機・プラント業界では、経営戦略として既存事業の強化・拡大や新規事業への参入などを図る際にM&Aを検討する企業が増えています。今後の市場動向に不透明感が見られる中で、M&Aによる事業の強化・拡大や新分野への参入の実現には大きなメリットがあるのです。

例えば、新分野の事業を開始する場合、自社のみでゼロから事業を始めると時間や手間がかかりますが、特定事業に強みを持つ企業を買収すれば、比較的短期間で新規参入できます。また、同業者同士のM&Aであれば、双方のノウハウやサービス体制などを生かす形で事業の強化・拡大につなげることも可能です。

M&Aにより実現できる目的は、現在の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると、非常に大きな意義を持っています。なお、業界大手の企業がM&Aを積極的に行っている点も、造船業・重機・プラント業界のM&A動向に見られる大きな特徴です。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

M&Aはさまざまな背景のもとで実施されていますが、本章では造船業・重機・プラント業界におけるM&A・買収・売却・譲渡を成功につなげるポイントについて、売却・買収それぞれのケースに分けて取り上げます。

売却を行うケース

造船業・重機・プラント業界のM&Aにおいて売却を成功させるには、自社の魅力・強みをわかりやすく伝える必要があります。特に既存事業の強化や新規事業への参入事例も多い造船業・重機・プラント業界のM&Aにおいて、「買い手が必要とする事業を売り手が展開していること」は大きなアピールポイントです。

事業内容をわかりやすく伝えて相手企業のニーズとマッチすれば、売却を成功に導けます。そのためにも、自社の事業・強みを事前に整理しておきながら、十分にアピールできる体制を整えると良いでしょう。

買収を行うケース

造船業・重機・プラント業界のM&Aでの買収によって事業の強化・新規事業の開始などを実現したい場合、自社の事業との親和性が高い売り手を探さなければなりません。ここでは、「自社が強化したい事業は何か」「新しく開始したい分野はどこか」などの点を整理して、相手企業を絞っていく必要があります。

今後の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると新たな需要の取り込みを図る事業戦略は必須であり、この一環として買収は効果的な手法です。買収を成功させるためにも、相手企業の事業内容・サービス体制・実績などを分析したうえで、自社の目的に合った企業を見つけると良いでしょう。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

造船業・重機・プラントのM&A・事業承継
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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

本章では、造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイントとして、以下3つの項目を取り上げます。

  1. 目的をはっきりさせること
  2. M&Aの対象は丁寧に選ぶこと
  3. 専門家のサポートはしっかりと受けること

それぞれのポイントを順番に紹介します。

①目的をはっきりさせること

たとえM&Aが活発化しているとしても、やみくもにM&Aを実行すれば事業の成長は望めません。自社を成長させるには、「M&Aによって何を実現したいか」という目的を明確にする必要があります。

M&Aの目的がはっきりしていれば、その目的に沿った戦略が策定でき、自社にとって最適なスキームのもとでM&Aを実行できます。これとは反対に、M&Aの目的が曖昧であれば、M&A戦略・スキームなどが漠然と決定されてしまうのです。

もしも自社に適さない戦略・スキームのもとでM&Aが行われれば、メリットどころかかえって損失が発生しかねません。これでは、M&A費用ばかりかさんで事業上のメリットがまったく得られないのです。

もともとM&Aはさまざまなメリットを享受できる手法ですが、失敗しないためには目的を明確にしたうえで最適なスキームによるM&Aを実施しなければなりません。

②M&Aの対象は丁寧に選ぶこと

M&Aによる売却は相手に経営を任せる行為であり、M&Aによる買収は相手企業を傘下に迎える行為です。いずれの場合でも、M&A相手には信頼できる企業を選択しなければなりません。M&A後のトラブルを防ぐためにも、相手は慎重に見極めましょう。

ここでは、相手企業の事業内容・事業方針・経営状況などさまざまな視点から総合的に判断して丁寧に選ぶことが大切です。そして、ふさわしい相手企業が見つかったら、他の企業に先を越される前にアプローチを早めに行うと良いでしょう。

③専門家のサポートはしっかりと受けること

M&Aの手続きを進める際は、法務・税務・財務などの専門知識のほか、相手企業との交渉力も必要です。M&Aの専門的な手続きを自社のみで進めることは非常に難しく、トラブルの発生につながるおそれもあります。

手続きを問題なくスムーズに進めていくためにも、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーをはじめとする専門家のサポートがおすすめです。

M&A総合研究所には、M&Aに関する知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまでに培ってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

相談料は無料となっておりますので、造船業・重機・プラント業界でのM&Aを検討している場合にはお気軽にお問い合わせください。

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造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット

造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット

本章では、造船業・重機・プラント事業を手掛ける企業がM&A・買収・売却・譲渡を行うメリットについて、当事会社それぞれの立場に分けて取り上げます。

譲渡側のメリット

造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲渡側のメリットは、主に以下のとおりです。

  • 従業員の雇用を維持できる
  • 後継者不足問題を解決できる
  • 経営基盤の強化により安定経営を実現できる
  • 売却・譲渡利益を獲得できる
  • 個人保証・債務・担保などを解消できる

これらのメリットを得るには、M&Aのマッチングプロセスにおいて自社の魅力を十分に評価してくれる買い手企業を探し出す必要があります。マッチングで自社にふさわしい相手企業を見つけてM&Aによる譲渡の成功につなげるためにも、M&Aの専門家からサポートを得ると良いでしょう。

譲受側のメリット

次に、造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲受側のメリットを以下のとおり紹介します。

  • 従業員確保により人手不足を解消できる
  • 異業種へ進出するための地盤を獲得できる
  • グループ規模での事業強化が可能となる
  • 顧客・取引先・ノウハウなどの経営資源を吸収できる
  • 事業規模やエリアを拡大できる

上記のメリットに魅力を感じる経営者の方は、造船業・重機・プラント業界においてM&Aの買収を検討すると良いでしょう。

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造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット

造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット

続いて、本章では造船業・重機・プラント事業を手掛ける企業がM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリットについて、当事会社それぞれの立場に分けて取り上げます。

譲渡側のデメリット

造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲渡側のデメリットには、主に以下の項目が挙げられます。

  • 不満を抱いた従業員の離職に伴う人材流出のリスク
  • 従業員の待遇や雇用条件が悪化するおそれ
  • 希望どおりの条件で譲渡できるとは限らない
  • 買い手企業が見つからないおそれ

これらのデメリットの多くは、M&Aにおけるマッチングおよび交渉プロセスにおける失敗が原因となり生じます。マッチング・交渉をスムーズに成功させるためにも、造船業・重機・プラント業界M&Aで譲渡を行う際は専門家のサポートを得ましょう。

譲受側のデメリット

次に、造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲渡側のデメリットとして、以下の項目を紹介します。

  • 想定していたシナジー効果やメリットが得られないリスク
  • 生産性が低下するうえに買収費用ばかりがかさむ可能性
  • 譲渡側企業において人材の大量流出が発生するおそれ
  • 簿外債務・偶発債務の発覚に伴うトラブルの発生

これらのデメリットの多くは、M&Aにおける経営統合プロセスにおける失敗が原因となり発生します。経営統合を成功させてスムーズに事業運営を推進させるためにも、造船業・重機・プラント業界M&Aで譲受を行う際は専門家のサポートを受けましょう。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場

造船業・重機・プラント業界では対象事業・企業規模が幅広い傾向にあり、M&A事例が多様化しています。今後の市場動向を踏まえて新たな需要の取り込みを目指すM&Aが加速化すると考えれば、これまで以上に事例は多様化していく見込みです。

そのため、M&Aの相場・費用を一概に把握することは困難です。ただしある程度の相場・費用の目安を付けておかないと、想定外の費用の発生といったトラブルにつながるおそれがあります。こうした事態を防ぐには、自社の状況と類似する事例を詳しく分析して、相場・費用の目安を付けなければなりません。

具体的には、事例ごとにM&Aの目的・M&A当事者となる会社の規模・対象事業の規模/業績/従業員数・M&Aスキームなどを整理したうえで、自社と似ている事例は徹底的に分析して相場・費用を判断すると良いでしょう。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選

造船業・重機・プラント業界におけるM&A・買収・売却・譲渡の成功事例として、以下の6つを取り上げます。

  1. ニューホライズンキャピタルによる岩田産業の買収
  2. 住友重機械工業によるラファートグループの子会社化
  3. 日立造船によるスウェーデン市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備の買収
  4. 今治造船による南日本造船の事業承継
  5. 新興プランテックによる港南通商の子会社化
  6. 三井造船による加地テックの子会社化

それぞれの成功事例を順番に紹介します。

①ニューホライズンキャピタルによる岩田産業の買収

岩田産業

岩田産業

出典:http://www.iwata-sangyo.jp/

2020年10月、ニューホライズンキャピタルは、岩田産業の普通株式すべてを取得し子会社化すると発表しました。本件の買収価格は非公開です。買収側のニューホライズンキャピタルは、事業承継・カーブアウト・成長支援・事業再生投資などを手掛ける日本有数のPE(プライベートエクイティ)ファンドです。 

売却側の岩田産業(1911年に岩田鉄工所として創業)はもともと畜産関係の機械器具の製造販売を行っていた会社で、現在は建設業に進出しています。また、近年では浄水場プラント工事を主業として業容を拡大してきました。

そのほか、長年にわたる工事実績の積み重ねと高い施工品質から、東京都下水道局・東京都水道局より優良工事業者として表彰されるなど顧客からの評価が高い企業です。

本件M&Aの目的は、建設業界の共通課題である「人手不足問題の解消」にあります。買収後、ニューホライズンキャピタルでは人材採用強化・ガバナンスの充実を図るなどバリューアップ戦略に着手している状況です。

②住友重機械工業によるラファートグループの子会社化

住友重機械工業

住友重機械工業

出典:https://www.shi.co.jp/

2018年5月、造船・重機大手の住友重機械工業(東京都品川区)は、イタリアの産業用モータメーカ「ラファート」およびその持ち株会社の株式などを取得し子会社化すると発表しました。買収価格は約220億円と発表されて、同年6月にはラファートおよびその持ち株会社の株式取得を完了させています。

ラファートは、高効率磁石モータや誘導モータなど幅広い製品を取り扱っており、オートメーション・省エネ分野などに注力した事業展開を行う企業です。ラファートグループの子会社化により、住友重機械工業では電機・制御分野における事業領域の拡大・強化を実現しています。

そのほか、本件M&Aでは、住友重機械工業のギヤ製品とラファートの各種モータ・ドライバ製品の融合に加えて、ラファートの持つ高効率磁石モータなどのコア技術の活用も図られています。

③日立造船によるスウェーデン市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備の買収

日立造船

日立造船

出典:https://www.hitachizosen.co.jp/

2018年4月、環境プラント大手の日立造船(大阪府大阪市)は、子会社であるスイスのHitachi Zosen Inova AG(以下、HZI)を通じて、スウェーデンのヨンショーピング市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備「JEBIO1」を買収したと発表しました。

本件買収により、日立造船はメタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入しています。その後の2019年3月には、同市内の既存施設・設備の代替としてコンポガス技術を用いたバイオガスプラントの建設を着工させました。

年間4万トンの有機性廃棄物を処理して35GWhのバイオガスを生成する新プラントは、2020年末より稼働を開始しました。なお、ヨンショーピング市は有機性廃棄物のリサイクル・液化バイオガスの創出などを進めており、スウェーデンの目指す2045年までのカーボンニュートラル化に大きく貢献しています。

また、同市内で新プラントを稼働するHZIも、今後の事業展開により温室効果ガス排出の削減に貢献すると見られています。

④今治造船による南日本造船の事業承継

今治造船

今治造船

出典:https://www.imazo.co.jp/

2018年1月、今治造船(愛媛県今治市)は、南日本造船(大分県臼杵市)の事業を承継しました。南日本造船は三井造船(現三井E&Sホールディングス)を親会社とする造船会社でしたが、事業承継にあたり三井造船と商船三井が所有する南日本造船の株式は今治造船が譲受しています。

南日本造船は会社分割で新旧会社に分割され、同年4月に今治造船グループの新笠戸ドック(山口県下松市)が新しい南日本造船の株式を取得する形で事業を承継しました。その後は「南日本造船株式会社」から「株式会社南日本造船」に全事業が承継され、南日本造船は今治造船の傘下として事業を継続しています。

⑤新興プランテックによる港南通商の子会社化

レイズネクスト

レイズネクスト

出典:https://www.raiznext.co.jp/

2017年11月、プラントメンテナンス大手の新興プランテック(現:レイズネクスト、神奈川県横浜市)は、産業用設備の高圧洗浄業務を行う港南通商(神奈川県秦野市)の子会社化を発表しています。

新興プランテックは、本件M&A当時、プラントメンテナンス事業をコア事業としつつ、メンテナンス事業の強化を受注戦略として掲げていた企業です。そこで港南通商の子会社化についても、この戦略の一環として実施されています。

売却側の港南通商はもともと新興プランテックの協力会社であり、新興プランテックのプラントメンテナンス事業の洗浄技術サービス分野で重要な役割を担っていました。この港南通商の子会社化により、新興プランテックでは洗浄技術サービス体制の強化・メンテナンス事業の拡大などにつなげています。

⑥三井造船による加地テックの子会社化

三井E&Sホールディングス

三井E&Sホールディングス

出典:https://www.mes.co.jp/

2017年1月、造船・重機大手の三井造船(現:三井E&Sホールディングス、東京都中央区)は、持ち株法適用会社であった加地テック(大阪府堺市)の子会社化を発表しました。取得総額は約11億円と発表され、同年にはTOBによる連結子会社化を完了させています。

加地テックは空気・各種ガスの高圧・超高圧の小型RCを主力製品とし、RCに関する高い技術力に強みを持つ企業です。2015年より、三井造船と加地テックは両社のRC事業拡大などを目的に資本業務提携を行っていましたが、対象市場・販売戦略・開発戦略の差異を受けて事業戦略統合の必要性が高まっていました。

こうした状況下で加地テックの連結子会社化は行われ、グループ全体のRC事業を一体化させています。

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造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例

造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例

造船業・重機・プラント業界のM&A動向を見ると、現段階で大きな失敗事例は報告されていません。しかし、優秀な従業員の離職を起こした会社は少なからず存在します。所属企業の変更に伴う待遇・環境などの変化に不満を持った従業員が離職する事例は、造船業・重機・プラント業界のM&Aでは珍しくありません。

また、買収後に売り手企業側の簿外債務や偶発債務が発覚して、裁判や慰謝料請求への対応を求められた企業も見られます。こうしたトラブルは経営者からすると、M&Aで期待していたメリットが得られず、事業運営が困難になるデメリットを引き起こしかねません。

人材流出を防ぐには、M&A後の経営統合(PMI)において、待遇をはじめとする条件面・就労環境面などに十分に配慮しなければなりません。そして、買収後のトラブルを回避するには、デューデリジェンス(買収監査)の徹底が必要不可欠です。

【関連】M&A失敗例から学ぶ成功のポイント

造船業・重機・プラント業界のM&Aまとめ

造船業・重機・プラント業界のM&Aまとめ

造船業・重機・プラント業界には今後の成長が期待される分野も存在しており、業界で活躍する多くの企業がさまざまな事業戦略を策定しています。こうした中でM&Aを検討する企業も増えており、既存事業の強化や拡大・新規事業の開始などの目的を実現するためのM&Aが活発化している状況です。

具体例を挙げると、同業者同士のM&Aにより双方のノウハウなどを生かして事業を強化・拡大するといったケースが代表的です。最近では、比較的短期間で新規分野への参入を実現するため、M&Aを活用する企業も見られます。

こうしたM&Aは特に業界大手の企業が積極的に実施しており、今後の業界動向にも注目が集まっています。造船業・重機・プラント業界のM&Aを考える際は、業界動向も踏まえながら事例を分析しつつ検討を進めると良いでしょう。本記事の要点は、以下のとおりです。

・造船業・重機・プラント業界の定義
→船舶を製造する企業群(造船業界)、重工業や建築・土木で使用される機械・建機の製造などを手掛ける企業群(重機業界)、製造設備・大型機械の設計・メンテナンスなどを手掛ける企業群(プラント業界)

・造船業・重機・プラント業界の最新動向
→国内造船業の受注量は782万総トン、竣工量は1,622万総トン(2019年実績)

・造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
→自社の魅力や強みをわかりやすく伝える(売却時)、自社の目的に合った相手企業を見つける(買収時)

・造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
→目的をはっきりさせること、M&Aの対象は丁寧に選ぶこと、専門家のサポートはしっかりと受けること

・造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット
→従業員の雇用を維持できる など(譲渡側)、異業種へ進出するための地盤を獲得できる など(譲受側)

・造船業・重機・プラント業界がM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット
→不満を抱いた従業員の離職に伴う人材流出のリスク など(譲渡側)、想定していたシナジー効果やメリットが得られないリスク など(譲受側)

・造船業・重機・プラント業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
→自社の状況と類似する事例を詳しく分析して相場・費用の目安を付ける

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新型コロナウイルス感染症の影響により、認知症高齢者グループホームなど、多くの介護事業所で経営が悪化し、廃業の危機に直面している所もあります。本記事では、グループホームを廃業するよりM&A...

調味料でもM&A?食品製造業界を調査!売買の動きや過去事例なども紹介

調味料でもM&A?食品製造業界を調査!売買の動きや過去事例なども紹介

調味料・食品製造業界は、将来的に市場が縮小していく可能性があります。そのため、調味料・食品製造業界の大手企業はM&Aによって競争力を高める動きがみられます。本記事では、調味料・食品製造業...

介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

高齢化で介護事業が市場拡大しており、買いたいと思っている経営者も多いと考えられます。本記事では、介護事業を買いたい時に注意すべきポイントを解説します。また、実際に行われた介護事業のM&A...

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局業界では中小の薬局が大手に身売りするケースが多く、徐々に寡占化が進んでいます。本記事では調剤薬局の身売りについて、大手が主な買い手となる理由や、最近の大手薬局のM&A動向、身売り...

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

日本の食肉需要量は高く推移していますが、消費者のニーズが変化してきたにより多様な食肉生産が求められるようになってきています。本記事では、食肉卸業界でM&Aをする際の注意点や成功のポイント...

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

近年、美容雑貨製造業界のM&Aが活発になっています。特に、インバウンド需要の拡大や海外製品の輸入増加が影響しており、対応力をつけるためにM&Aを実行するケースも増えています。今回...

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界とは、エアコン、空気清浄機、冷凍機、送風機器、換気扇などの空調設備を製造している業界であり、現在は変化の時期を迎えています。本記事では、空調機器製造業界でM&Aを行うメリ...

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