M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月15日更新業種別M&A
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の事例!動向や案件例も紹介
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継事例や業界の動向、相場価格などを紹介します。近年、金属加工・金属製品製造業界では、在アジア企業の成長やニーズの多様化、産業構造の変化などによりM&Aが増加しています。M&A・事業承継を検討中の方は必見です。
目次
金属加工・金属製品製造業界の現状
まずは、金属加工・金属製品製造業界の現状を解説します。
金属加工・金属製品製造業界の市場規模
e-Stat「法人企業統計調査」によると、近年における金属製品製造業の売上高は、以下のように推移しています。
- 2018年度:20兆8,771億円
- 2019年度:20兆3,113億円
- 2020年度:16兆9,511億円
- 2021年度:18兆4,360億円
- 2022年度:19兆4,657億円
- 2023年度:18兆8,346億円
近年、縮小傾向にあった金属業界は、徐々に改善の兆しを見せています。板金加工、切削、めっきなどの金属加工業では、ユーザーの多様なニーズに対応するため、さらなる技術力向上や設備の強化が求められています。
さらに、IT化や機械技術の進展により、これまで以上に高度な技術対応が必要とされています。また、ユーザー企業による一括発注の動きが進んでおり、ネットワークの強化を通じて、複数の加工工程を一括で受注するケースが今後増えていくと予想されています。
金属加工・金属製品製造業界の課題・展望
金属加工・金属製品製造業界の課題としては、以下のようなものが挙げられます。
- 職人(技術者)個人が持つ技術力の継承
- IT化への対応
- 海外進出(大手・中堅企業の場合)
金属加工・金属製品製造業界も他の産業と同様に人手不足の状況です。特に若年層の就業人口が高くないために高齢のベテラン職人の技術の後継者作りが課題となっています。
また、海外企業との競争に打ち勝つためには、製造機械を制御するソフトウェアやAIなどを導入し、IT化による生産性向上の努力も必要です。
海外向け製品を製造する大手・中堅企業の場合は、地産地消を推進するため、今後はより一層、海外への進出が必須となるでしょう。
輸送用機械・部品製造のM&A・会社売却の相場については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造業界の3つの動向
近年の金属加工・金属製品製造業界には、以下3つの動向がみられます。
- 業界全体で減産しつつある
- 設備・施設などの投資コストが大きい
- 中国を中心としたアジア市場に注目
①業界全体で減産しつつある
金属加工・金属製品製造業界は、リーマンショックなどの景気悪化により大きく市場が落ち込みました。近年は、アベノミクスや東京オリンピック景気、災害復興需要によって回復基調にありますが、中長期で見ると減産傾向が進んでいます。
②設備・施設などの投資コストが大きい
日本国内の金属加工・金属製品製造会社は、競争力を維持するため、IT化や設備投資に投資せざるを得ない状況です。また、製品の短命化も進んでいることから、設備・施設への投資コストが膨らんでいます。
③中国を中心としたアジア市場に注目
金属加工・金属製品製造業界の主な顧客である自動車業界や建設業界は、コストの安いアジアから製品を調達するケースが増加傾向です。
そのため、日本国内の金属加工・金属製品製造は厳しい環境に置かれていますが、逆にアジア市場へ参入することによって勝機を見出す企業も存在します。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・売却・買収事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造がM&A・事業承継を行う5つの理由
金属加工・金属製品製造会社がM&A・事業承継を行う理由には、以下のようなケースがあります。
- 後継者問題を解決したいため
- 将来性の不安を解消するため
- 新規事業を始めるため
- 従業員の雇用を守るため
- M&Aによる譲渡・売却益の獲得
①後継者問題を解決したいため
金属加工・金属製品製造会社は、経営者が高齢となった小規模の会社が多く、後継者不在問題の解決は喫緊の課題です。M&A・事業承継による後継者問題の解決は会社と従業員だけでなく、地域を守ることにもつながります。
②将来性の不安を解消するため
中国をはじめとしたアジアの金属加工・金属製品製造業界の急成長や、東京オリンピック後の景気減退不安など、中小の金属加工・金属製品製造会社にとって将来が見えにくい環境が続いています。M&A・事業承継は、将来の不安解消にもつながるのです。
③新規事業を始めるため
単一事業で生き残っていくことが難しい現在のビジネス環境では、より収益性の高い事業を求める会社が増えています。M&Aによって、リスクヘッジを行うことも可能です。
④従業員の雇用を守るため
経営者が会社の今後を考えるうえで、従業員に対する経営者としての責任をどう果たすかは大きな課題となります。M&A・事業承継によって従業員を守れるのであればと、会社の譲渡を決断するケースも少なくありません。
⑤M&Aによる譲渡・売却益の獲得
譲渡・売却益の獲得もM&Aを行う大きな目的の1つです。廃業の場合は、費用面で何かと困ることも多いですが、M&Aによって譲渡・売却益を得ることで、さまざまな支出に備えられます。
自動車部品製造業のM&A・事業承継事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
【首都圏/技術者多数】金属工芸及び建築金物加工業(文化財の保存修復など)
関東圏でも珍しい文化財の保存補修工事を手掛け、板金/建築/アートなど幅広い業務に対応可能です。全国に対応可能で、大手ゼネコンとの直接口座を保有しています。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 〜1000万円 |
譲渡理由 | 更なる事業の拡大/雇用安定化のため |
【関東地方/ファブレス経営】設計ノウハウを自社で有する精密金属部品製造業
高い技術力・設計ノウハウを有し、複雑な形状の部品でも高精度・高品質に対応可能です。手のひらサイズの部品であれば、難削材も対応可能です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【高品質・短納期可能】金属部品加工業
豊富な金属部品加工設備を保有し、高い加工精度と幅広い加工技術を持っています。加工方法・条件に精通しているため、加工難易度の高い製品の品質向上を実現可能です。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 財務的理由 |
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の事例
ここでは、金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継事例を紹介します。
児玉化学工業によるメプロホールディングスの買収
2024年9月25日、児玉化学工業は、メプロホールディングスの全株式を取得し、連結子会社化する基本合意書を締結することを決定しました。児玉化学工業は樹脂加工製品の設計から製造販売を行い、メプロホールディングスはアルミダイカストや粉末冶金、鉄鍛造などの金属加工技術を駆使して自動車部品の製造を手掛けています。
今回の株式取得は、児玉化学工業の成長戦略の一環であり、企業規模の拡大やポートフォリオの強化を図るため、同社のスポンサーであるエンデバー・ユナイテッドの紹介によって実現しました。このM&Aにより、技術面でのシナジー効果を期待し、経営の安定化とさらなる成長を目指します。
セレンディップHDによるイワヰの買収
2024年9月4日、セレンディップ・ホールディングス(セレンディップHD)は、大垣共立銀行のグループ会社であるOKBキャピタルと共同で新設するSPCを通じて、イワヰの株式を取得し、子会社化することを決定しました。イワヰは、自動車部品の金属加工メーカーであり、セレンディップHDの子会社である佐藤工業株式会社と事業の親和性が高いとされています。
イワヰは2020年に新型コロナの影響で民事再生を開始していましたが、再生計画が進み、今回の株式譲渡が行われることとなりました。本件M&Aにより、両社の強みを生かし、経営の効率化やコスト削減、売上の拡大を目指すとともに、自動車サプライチェーンの維持にも貢献します。
日創プロニティによる天神製作所の買収
2023年2月20日、日創プロニティは、天神製作所を子会社化することを決定しました。日創プロニティは金属材料の加工や塗装を手掛けており、中期経営計画の一環として、M&Aを通じた事業領域の拡大を目指しています。
天神製作所は畜産排泄物処理プラントの設計・製造・施工を行っており、畜産業界での製品製作に強みを持つ日創プロニティにとって、関連性が高い企業です。このM&Aにより、両社は互いの販売支援を強化し、広範な市場対応を図るとともに、グループ内製化や外注先の共有化を推進し、コスト競争力を高めることを目指しています。
アロイ金属工業からアロイテクノロジーへの事業譲渡
2022(令和4)年3月、アロイ金属工業は、アロイテクノロジーへ各種ポンプ部材を主としたステンレス鋼・高クロム鋳鉄の製造・販売事業を譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。
アロイ金属工業は、各種ステンレス鋼および高クロム鋳鉄製品の製造加工・販売を手掛けています。買い手となった鶴見製作所の孫会社であるアロイテクノロジーは、各種ポンプ部品などの各種ステンレス鋼・高クロム鋳鉄製品の製造・販売を行う企業です。
アロイテクノロジーは、ステンレス鋼・高クロム鋳鉄の調達納期短縮やコストダウン、品質向上や安定化を狙いとして本M&Aを実施しています。
ヤマシナによる中国山科サービスの買収
2022年3月、ヤマシナは、中国山科サービスの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は1億9,300万円です。京都市のヤマシナは、金属製品の企画・製造・販売を行っています。
広島県福山市の中国山科サービスは、締結部品(ネジ)、プレス品、樹脂成形品の仕入・販売を行っている企業です。ヤマシナは、事業体制の補強と販売エリア拡張を目的として子会社化を行いました。
アルコニックスによるジュピター工業の買収
2021(令和3)年12月、アルコニックスは、ジュピター工業の全株式を取得して完全子会社化することを発表しました。取得予定時期は2020年4月、取得価額は公表されていません。
アルコニックスは、非鉄金属、レアメタル、レアアースなどの製品と原材料などの輸出・輸入・国内販売を行っています。ジュピター工業は、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工、プレス金型の設計・製作、一体成形によるコネクタ製造などを行っている企業です。
商社機能と製造業の融合企業グループを標榜しているアルコニックスとしては、ジュピター工業の高い生産力や中国にも工場を持っている点などを評価して子会社化を決めています。
富士紡ホールディングスによる藤岡モールドの買収
2020(令和2)年1月、富士紡ホールディングスは、子会社の東京金型を通じて、プラスチック金型の設計・製造・販売事業を営む藤岡モールドの株式を取得し孫会社としました。
富士紡ホールディングスは、藤岡モールドを買収することでプラスチック金型技術を獲得し、新たな事業の柱として育成している化成品事業の強化を進めています。
金属製品・材料卸売のM&A・事業承継事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の手順と流れ
ここでは、金属加工・金属製品製造業において、M&A・事業承継を実施する際の大まかな手順を説明します。
M&A仲介会社への相談・依頼
M&A・事業承継の検討を始めた段階で、M&A仲介会社などM&Aの専門家に相談するのがおすすめです。ほとんどのM&A仲介会社では無料相談を実施しているので、それを活用するとよいでしょう。
M&Aの交渉や手続きなどの各プロセスは、専門的な知識や経験が必要です。したがって、自社単独で進めるのは現実的ではありません。複数のM&A仲介会社と話をしたうえで、納得できる会社を選びサポート業務を依頼しましょう。
マッチング
M&A仲介会社に業務を依頼した段階で、会社の内情や自身の考えを説明します。そのうえで、M&A仲介会社のアドバイスを聞きつつ、M&Aの戦略や目的を決定しましょう。M&Aの目的が定まれば、必然的にどのような相手企業が望ましいか、はっきりするはずです。
それを受け、M&A仲介会社がM&Aの交渉相手候補探しを始めます。多くの候補が挙げられるはずですので、その中から希望に沿った会社かどうか吟味しましょう。
相手候補が定まったら、M&A仲介会社が交渉の打診をし、先方も同意であれば、秘密保持契約を締結して交渉開始となります。
条件交渉・契約締結
M&Aの交渉は基本的に仲介会社が行いますが、その過程で実施されるのがトップ面談では、売り手・買い手双方の経営トップが直接会談します。トップ面談は、経営方針や企業風土などを説明し合いながら、人物像や相性などを見極めるのが主な目的です。
条件が大筋で合意できたら、基本合意書を締結します。これは、現時点での合意内容確認書という位置付けのもので、法的拘束力はありません。
基本合意書締結後、買い手側が売り手側企業の精密な調査(デューデリジェンス)を実施します。デューデリジェンスの結果を踏まえて最終交渉が行われ、合意に至ればM&Aの最終契約書を締結し、M&Aの成約が確定となります。
M&Aのプロセスについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継の相場価格
M&Aでの取引価格は、売り手企業の状況が各社異なるうえに、最終的には売り手・買い手の交渉で決するため、客観的な相場はありません。金属加工・金属製品製造の中小企業であれば、持っている技術や設備次第で、他の業種よりも高額取引になる可能性は高いでしょう。
自社の企業価値評価を簡易的に行う計算方法としては、以下の計算式があります。
- 時価純資産額+営業利益×2~5年分
時価純資産額とは、貸借対照表の資産と負債を時価に換算し資産額から負債額を引いた値です。営業利益については、業種や各社の個別状況に合わせて加算額を上下させる計算となります。
ただし、この計算結果は簡易的な目安であるため、正確な企業価値評価については、M&A仲介会社に相談してみるとよいでしょう。
M&Aにおける企業価値評価については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継を成功させる6つのコツ
金属加工・金属製品製造において、M&A、あるいは事業承継を成功させるには、おさえておくべきポイントがあります。それは以下の6点です。
- 自社の魅力の把握
- 戦略の策定
- 適切な手法の選択
- 後継者の教育(事業承継の場合)
- 従業員・取引先などへの報告
- 専門家への相談
自社の魅力の把握
M&A・事業承継を実施しようとする場合は、まず行うべきは自社の分析です。自社の強みを把握できると同時に、補うべきこと・目指すべきことなどが判明するので、M&Aの目的が定まります。
後継者がいる場合であれば、長所の磨き上げや弱点の克服など、事業承継するまでの間に行うべき経営課題も明確にしておきましょう。
戦略の策定
自社の分析後に定めたM&Aの目的実現のため、それにふさわしいM&A戦略を策定します。自社だけで戦略を定めるのは難しいので、専門家に相談しながら決めるとよいでしょう。
事業承継の後継者が決まっている場合は、事業承継計画を策定します。事業承継計画とは、後継者にバトンを渡すまでのロードマップです。
適切な手法の選択
M&Aには、以下のようなさまざまな手法があります。
各社の状況や目的の違いによって、適するM&A手法は異なります。手法の選択には、専門家のアドバイスが欠かせません。
後継者の教育(事業承継の場合)
先述した事業承継計画では、後継者教育が最重要テーマです。事業内容の把握、会計知識の習得などを学ばせるだけでなく、リーダーシップの取り方、経営戦略や事業計画の策定方法なども学ばせ、また自身の経営ビジョンも伝えなければなりません。
後継者教育は、一説には5~10年かかるともいわれており、安心して後を託せるよう、入念な計画をもってあたることが必要です。
従業員・取引先などへの報告
M&Aを実施する場合、従業員や取引先は最も影響を受ける立場の関係者です。未確定の段階で中途半端に情報を伝えてしまうと、不安・心配などの動揺を与えてしまうでしょう。
また、M&Aは秘密保持契約のもとで進めるので、従業員や取引先から外部に情報が洩れてしまうことも懸念されます。したがって、従業員や取引先への報告は、M&Aが成約してから行うべきでしょう。
専門家への相談
M&Aの各プロセスでは、専門的な知識・経験が必須です。不慣れな会社が自分たちだけで行うと、失敗・破談してしまうかもしれません。
M&Aは会社にとって重要な経営戦略です。手数料を惜しむよりも、M&Aの成功確度を高めることに意識を向けましょう。
M&Aを成功させるノウハウについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
金属加工・金属製品製造をM&A・事業承継する際の注意点
金属加工・金属製品製造会社のM&A・事業承継では、「環境・安全」への配慮が行き届いているかが重要です。買い手側は、買収先企業で有害物質による土壌汚染や大気汚染が発生していないか、発生するリスクはあるかなどを入念に調査しなければなりません。
売り手側は、事故や災害などトラブルへの備えを徹底しておく必要があるのです。また、売り手側は、工作機械の質・量が充実していることや、金型技術を持っていることなどが高評価につながります。
金属加工・金属製品製造をM&A・事業承継する際の相談先
金属加工・金属製品製造業界のM&A・事業承継を検討する場合、以下の会社や機関が相談先の候補です。
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の弁護士・税理士・会計士など
- マッチングサイト
①M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aの専門業者です。M&Aをあらゆる面からトータルサポートします。
M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方に対し、最適な取引相手の紹介から交渉の支援、スケジュール管理、企業価値評価(バリュエーション)、契約書作成など多岐にわたるサポートを提供しています。彼らの主な役割は、両者のニーズや条件を調整し、スムーズに取引を進めるための仲介役として機能することです。
特に、広範なネットワークを駆使して、理想的なパートナーを見つけ出すことが得意で、M&Aの成功確率を大きく引き上げる存在となっています。経験の少ない企業に対しては、実務面での助言も行い、取引が円滑に進むようサポートします。
ただし、仲介会社を利用する際には、着手金や中間金などの手数料が発生することがあるため、コスト面での負担も考慮が必要です。費用を抑えたい場合は、成功報酬型の仲介会社を選ぶことが有効です。
②地元の金融機関
地方銀行や信用金庫は、地元の中小企業を中心に支援を行っています。近年は、他の金融機関やM&A仲介会社、マッチングプラットフォーム運営企業などと提携することにより、事業承継支援を強化する地方金融機関が増えてきました。
しかし、地方金融機関は単独でM&Aのトータルサポートができないので、最終的にはM&A仲介会社などの専門家に依頼することになります。
③地元の公的機関
公的機関による事業承継支援が整備されはじめてからまだ日は浅いですが、年々、認知度が向上し、相談実績も着実に増えています。公的機関も金融機関と同じく、単独でM&Aのトータルサポートができないので、M&A仲介会社などの専門家によるサポートが必要です。
④地元の弁護士・税理士・会計士など
近年は、M&A・事業承継の相談を受けつけたり、アドバイス業務を行ったりする士業の専門家も増えています。しかし、士業の専門家がカバーできる範囲は限られるため、M&A仲介会社と提携して相手先を探したり、M&A手続きを進めたりするケースが一般的です。
⑤マッチングサイト
マッチングサイトの質は近年、急速に向上し、マッチングサイト運営会社と提携する金融機関や地方自治体も多くなりました。また、相手先探しまでをマッチングサイトで行い、M&A手続きを仲介会社に依頼するなど、うまく活用する企業も増えています。
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継のまとめ
金属加工・金属製品製造のM&A・事業承継を円滑に進めるには、M&A仲介会社など専門家を起用するのが得策です。専門家の起用により、M&Aの成功確度も高まります。本記事の概要は以下のとおりです。
・近年の金属加工・金属製品製造業界の動向
→業界全体で減産しつつある
→設備・施設などの投資コストが大きい
→中国を中心としたアジア市場に注目
・金属加工・金属製品製造業界のM&A・事業承継の相談先
→M&A仲介会社、地元の金融機関、地元の公的機関、地元の弁護士・税理士・会計士など、マッチングサイト
・金属加工・金属製品製造会社がM&A・事業承継を行う理由
→後継者問題を解決したいため
→将来性の不安を解消するため
→新規事業を始めるため
→従業員の雇用を守るため
→M&Aによる譲渡・売却益の獲得
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。