2024年9月13日更新都道府県別M&A

鹿児島県のM&A・事業承継の動向!事例や案件・相談先も解説

鹿児島県では、自治体や金融機関が積極的にM&A・事業承継を推進して支援体制を整えており、M&Aの仲介会社の数も多いです。本記事では、鹿児島県におけるM&A・会社売却・事業承継の動向・案件例を紹介します。

目次
  1. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の動向
  2. 鹿児島県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例
  3. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の事例
  4. 事業承継・M&A時におすすめの相談先
  5. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関
  6. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継まとめ
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鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の動向

まずは、鹿児島県におけるM&A・会社売却・事業承継の動向について見ていきましょう。

昨今、日本は少子高齢化による人口減少の影響を受け、中小企業を中心に人手不足や後継者不在問題が発生しています。これらは中小企業の存続を左右する問題で、地域によっては数年で数百件の会社が廃業・休業するなど、地域の経済や雇用に深刻な被害を与えています。

鹿児島県の経済近況とM&A件数

鹿児島県は、1955年の204万人のピークとして人口減少、高齢化も進んでいます。鹿児島県の産業は、第一次産業の割合が高く、農林水産業のうち特に漁業が盛んです。第二次産業は、飲料・食料品製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業がメインとなっています。

鹿児島県では「かごしま中小企業支援ネットワーク」の結成、地元の金融機関や「かごしま産業支援センター」によるM&Aや事業承継セミナーの実施など、M&Aの推進や事業承継における支援体制の構築を行っています。

帝国データバンクによる「後継者問題に関する九州企業の実態調査(2023年)」によると、43.8%が「後継者不在」でした。九州企業全体では55.1%で、鹿児島県の後継者不在率は比較的低い水準にあります。

九州企業の業種別に見た後継者不在率の状況では、「小売業」が最も高く、60.0%に達しています。続いて「サービス業」(59.5%)、「建設業」(58.9%)と続いています。

前年と比較すると、3年連続で全ての業種で不在率が低下していますが、特に「運輸・通信業」での低下幅が大きく、3.3ポイント減少しました。一方、「小売業」は0.8ポイントの減少にとどまり、依然として不在率が高い状況が続いています。

コロナ前より官民一体となって推し進めてきている事業承継の重要性が中小企業にも浸透・波及しており、M&Aの割合は年々増加傾向です。2022年の鹿児島県のM&A件数は10件でした(レコフ調べ)。

今後、鹿児島県でM&Aがさらに浸透し、それに伴って県内企業の休廃業率が低下してより経済が活発化するでしょう。

参考:帝国データバンク「特別企画 :九州企業の「後継者不在率」動向調査(2023 年)」

鹿児島県企業の休廃業件数

後継者不在の問題は、企業の休廃業を招いています。

2023年に九州で休業・廃業、解散した企業(個人事業主含む)は合計で5138件(うち鹿児島県は592件)に達し、年間の企業退出率は2.99%となりました。2023年初頭までは減少傾向にあったものの、夏以降に急増し、16年以降最少だった2022年(4855件)から5.8%増加、4年ぶりに前年を上回りました。

休廃業に伴い影響を受けた正社員の数は少なくとも8431人となり、前年の9324人から893人減少しましたが、多くの従業員が退職や転職を余儀なくされました。さらに、消失した売上高は合計1796億円に上ります。

また、2023年の休廃業企業のうち、資産が負債を上回る「資産超過型休廃業」が61.5%を占め、直近期に黒字であった企業は54.8%と過半数を超えているものの、その割合は過去最低を更新しています。

特に、「資産超過」かつ「黒字」での休廃業企業は全体の16.6%で、2016年以降で2番目に低い水準にとどまりました。全体として、特に業績が悪化した企業の休廃業が目立った年となりました。

参考:帝国データバンク「九州企業「休廃業・解散」動向調査(2023 年)」

鹿児島県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っている鹿児島県近郊のM&A・会社売却・事業承継の案件例をご紹介します。

【九州地方】業歴数十年の補償コンサルティング事業

複数の資格取得・案件実績により、利益率の高い案件への入札が可能です。取引先として協力的な関係を構築しており、定期的な案件の受注を確保しています。

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億3,000万円(応相談)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【九州地方】業歴数十年の補償コンサルティング事業(その他サービス等) | M&A総合研究所

【好立地×地域に根付いた顧客基盤】北九州地方の自動車販売業

店舗は主要国道沿いに面しており、展示車は100台超の規模感です。国産メーカーは全車種カバーしており、事業車や産業車の取り扱いもあります。

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)、資金調達

【好立地×地域に根付いた顧客基盤】北九州地方の自動車販売業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【九州エリア】女性向け総合美容施設の運営

エステ・ヨガ・ジムなど、美容や健康に関する高品質なサービスを整備しています。100種類以上のコースや施術を設け、顧客ニーズに合わせた運営を実現しています。

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在、事業拡大

【九州エリア】女性向け総合美容施設の運営(商社・小売・流通) | M&A総合研究所
【関連】福岡県のM&Aの現状は?最新動向や会社選びの基準から案件例まで解説!

鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の事例

鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。

クオールHDによるケーアイ調剤薬局の事業承継・M&A

2023年12月8日、クオールホールディングスは、ケーアイ調剤薬局の全株式を取得し、グループ化しました。

クオールグループは、主力の「調剤薬局事業」と、制度に依存しない「医療関連事業」を展開しています。一方、ケーアイ調剤薬局は1991年に創業し、鹿児島県内で5つの調剤薬局を運営しています。

クオールグループは、中期目標として連結売上高3,000億円、営業利益250億円の達成を掲げており、その一環として、調剤薬局事業を中心に新規出店やM&Aを活用して事業拡大を進めています。

ケーアイ調剤薬局のグループ化は、地域密着型の「かかりつけ薬局」モデルをさらに強化し、地域医療や在宅医療への貢献を一層推進するために行われたものです。

クオール調剤薬局5店舗を運営する有限会社ケーアイ調剤薬局の株式取得に関するお知らせ

ヤマシタヘルスケアHDによる鹿児島オルソ・メディカルの事業承継・M&A

2023年12月19日、ヤマシタヘルスケアホールディングスは、鹿児島オルソ・メディカル(鹿児島県鹿児島市)の全株式を取得し、子会社化しました。

ヤマシタヘルスケアホールディングスは医療機器の卸売業を手がけており、オルソ・メディカルは整形外科関連の医療機器を専門に取り扱う会社です。

今回の買収により、ヤマシタヘルスケアは九州南部での事業拡大を加速させるとともに、グループ内での連携によるシナジー効果が期待されています。オルソ・メディカルのリソースを活用し、両社の事業領域を拡大しながら、グループ全体の機能強化を目指す方針です。

有限会社鹿児島オルソ ・ メディカルの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

日本興業による葉月工業の事業承継・M&A

2022年12月13日、日本興業は、葉月工業(鹿児島県鹿児島市)の株式を取得し、子会社化することを決定しました。日本興業は、プレキャストコンクリート製品の総合メーカーで、土木資材や景観資材、エクステリア事業を展開しています。一方、葉月工業は、鹿児島県で法面保護工事や交通安全施設工事、橋梁補修工事を行っています。

このM&Aにより、日本興業は新たな事業分野である法面保護工事を取り込み、技術の融合を通じて新製品や工法を開発し、維持・補修事業の拡大を目指します。また、葉月工業の顧客ネットワークを活かして、九州地区でのプレキャストコンクリート製品の販路を拡大し、両社のシナジー効果を図ります。

葉月工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
【関連】大分県の事業承継・M&Aの動向!経済状況や案件・事例も解説

事業承継・M&A時におすすめの相談先

鹿児島県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

金融機関

近年、金融機関がM&A支援に特化した専用部署を設ける事例が増加しています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aにおいて重要な役割を担うことが多くなっています。買収を検討する企業にとっては、資金調達において金融機関との連携が不可欠であり、既存の取引関係のある金融機関が最初の相談先となるのが一般的です。

金融機関に相談することで、資金調達に関する専門的なアドバイスが得られ、事業承継の際にも非常に役立ちます。また、一部の金融機関はM&Aに特化した部署や専門家を紹介するサービスも提供しています。

ただし、大手金融機関は主に大型案件を中心に扱うため、中小規模の案件には対応が難しい場合があります。さらに、アドバイザリー形式を取るため、報酬が高額になりがちであることが課題とされています。

公的機関

近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談ができる仕組みが整ってきました。例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が抱える後継者不足などの問題を解決するための相談窓口として、無料で情報提供やアドバイスを行い、企業間のマッチングサービスも提供しています。

このセンターは全国47都道府県に設置されており、地方企業でも簡単に利用できる点が大きなメリットです。

公的機関が運営しているため、無料で信頼性の高いアドバイスが受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も受けられるのが特徴です。しかし、対応スピードが限られているため、民間仲介会社に比べるとサポートの質が劣ることがあるのがデメリットとして挙げられます。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却を専門的にサポートし、売り手と買い手の双方と契約を結びながら交渉を進めます。これらの会社は、初期の相談から相手企業の選定、スケジュールの管理、企業価値の評価、そして書類作成まで、M&Aの全過程を総合的に支援します。

仲介会社の強みは、広範な候補企業から最適な相手を探し出すことで、売り手と買い手の双方が納得する取引を実現できる点です。また、M&A初心者に対しても一貫したサポートを提供し、交渉やコミュニケーションを円滑に進めることで成功率を高めます。

ただし、着手金や中間金が発生する場合があり、費用負担が大きくなる可能性があるため、成功報酬制を採用している会社を選ぶことが推奨されます。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
【関連】熊本県の事業承継・M&Aの動向!案件や事例・相談先も詳しく紹介

鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関

この章では、鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関について見ていきましょう。

①鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センター

鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在で会社の今後に悩む方、事業拡大を目的としてM&Aを行いたい方を支援しています。相談料は無料です。

事業引継ぎに精通した専門相談員が在籍しているため、どこに相談すればよいのかわからない場合でも安心です。インターネットもしくはFAXから申し込み可能ですので、利用を検討している方はホームページを確認しましょう。

鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センターのホームページ

事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し

近年の後継者不足による廃業率増加を止めるためにも、政府は事業承継・引継ぎ支援センターの利用を後押ししています。鹿児島県だけでなく、各都道府県に設置されている事業承継・引継ぎ支援センターは、M&Aなどの相談を受け付け、支援しているのです。

事業承継・引継ぎ支援センターの相談員だけでなく、地域の金融機関や業者とも連携し、ネットワークの拡充を進めています。

②鹿児島県よろず支援拠点

鹿児島県よろず支援拠点は、国がそれぞれの都道府県に設置している無料の相談所です。経営に関することであれば、あらゆる悩みに対応しています。相談内容に応じて、他の支援機関や専門家への引き継ぎも行っています。

中小企業診断士やカラーコーディネーターなど、さまざまな専門家が在籍しているので、鹿児島県でM&Aを考えている場合は活用しましょう。

鹿児島県よろず支援拠点のホームページ

③鹿児島商工会議所

鹿児島商工会議所は、鹿児島県内の商工業者や経営者を中心に構成される公的な経済団体です。会員向けにセミナーを多数開催しているため、鹿児島県でM&Aを考える際に役立つでしょう。

鹿児島商工会議所のホームページ

④鹿児島県信用保証協会

鹿児島県信用保証協会は公的な保証機関として、中小企業を支える公的機関です。鹿児島県における地域経済発展のため、さまざまな活動を行っています。

創業したい方だけでなく、経営に関する相談も受け付け、事業承継に関する支援も行っています。地域に根ざした活動を行っているため、鹿児島県でM&Aを行う際に活用してください。

鹿児島県信用保証協会のホームページ

【関連】事業承継の相談先である事業承継・引継ぎ支援センターとは?成約事例や案件・手数料・その他の支援機関も徹底解説

鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継まとめ

鹿児島県は、自治体や金融機関が積極的にM&Aを推進して支援する体制を整えており、県内にはM&A仲介会社も多いです。後継者問題の解決手段としてもM&A・会社売却は有効なので、今後は中小規模の企業でもM&Aが行うケースは増えてくると考えられます。

M&A・会社売却・事業承継はタイミングも重要ですので、できるだけ早い段階から専門家に相談するなどして準備を進めておくとよいでしょう。

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